1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:17:08.04 ID:mgB1VKDi0
ティファ「ガロード、おはよう」
ガロード「……」
ティファ「ガロード?」
ガロード「さぁて、ウィッツたちと朝飯でも食ってくるかなぁ」
ティファ「あ……」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:18:26.36 ID:mgB1VKDi0
食堂
ウィッツ「とっとと食っちまえよ。おせぇなぁ」
ロアビィ「んじゃ、お先に失礼するよー」
ガロード「待ってくれよ! 今食べ終わるからさ」
ティファ「ガロード、食事中?」
ガロード「……」
ティファ「あ……えっと、隣いい?」
ガロード「あー、早く食っちまわないとな~」
ティファ「……ガロード」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:19:11.32 ID:mgB1VKDi0
ティファ「……」
ティファ「ガロードが口を利いてくれない……」
ティファ「どうして……」
ティファ「私にもわからない……」
ティファ「……」
ティファ「もしかしたら、ジャミルならわかるかもしれない」
タッタッタッタ
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:19:56.72 ID:mgB1VKDi0
ティファ「……ジャミルは」
ジャミル「……」
ティファ「いた。ジャミル、あなたに聞きたいことがあって来ました」
ジャミル「黙れ。邪魔だ、そこをどけ」
ティファ「え……あ」
ジャミル「早くどけっと言っている!」
ティファ「ご、ごめんなさい……」
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:20:26.46 ID:mgB1VKDi0
ティファ「ガロードだけじゃない。ジャミルもおかしい」
ティファ「どうして……どうしてなの……」
ウィッツ「おかしいのはテメェだ!」
ティファ「え?」
ロアビィ「いい? こっちはね、みんな戦争やってて疲れてるんだよ。被害者ぶるのもいい加減にしておきな?」
ティファ「……そ、そんなつもりは」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:21:05.90 ID:mgB1VKDi0
トニヤ「ちょっと、あんたたち! そこまでにしておきなさいよ」
サラ「そうよ。戦争のいらいらをティファにぶつけるなんて、みっともないわ」
ロアビィ「やれやれ、女は女の肩を持つってことかな」
ウィッツ「ちっ、面白くねぇ。あっち行こうぜ、ロアビィ」
スタスタスタスタ
ティファ「……。トニヤさん、サラさん、ご迷惑おかけしました……」
トニヤ「フンッ。あーあ、本当ウザいわね、この子」
ティファ「えっと……トニヤさん」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:22:10.96 ID:mgB1VKDi0
トニヤ「こんなんじゃガロードも無視したくなるってものよ」
ティファ「ガロードが私を無視……? そんな……。それは本当ですか?」
サラ「そんなこと知らないわよ。ニュータイプなんでしょ? 自分で感知しなさいよ」
ティファ「あ……うぅ」
サラ「それとあんまり艦長になれなれしくしないでくれない?」
ティファ「……」
トニヤ「黙ってないでなんとかいいなさいよ」
ティファ「……ごめんなさい。これから気をつけます」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:22:59.87 ID:mgB1VKDi0
次の日
ガロード「おーい、ジャミル。今日はゴミ回収日だったよね?」
ジャミル「そうだが。それがどうかしたか?」
ガロード「少し大きいんだけど、このゴミも出しておいてくれないか」
ジャミル「まったく。少しは自分のものくらい自分で処理したらどうだ」
ティファ「……」
ティファ(みんな戦争で疲れてるって言ってた。なら、その分私がガロードの役に立ってあげないと)
ティファ「ガロード、運ぶの私にやらせて」
ガロード「……」
ティファ「……ガロード」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:23:33.35 ID:mgB1VKDi0
ジャミル「ガロード、いいからそこにゴミを置いていけ」
ガロード「マジ? サンキュー、ジャミル!」
ドサッ
タッタッタッタ
ティファ「待って、ガロード……!」
ティファ「……」
ジャミル「おい。突っ立ってないで、とっととガロードが持ってきたゴミを運べ」
ティファ「え?」
ジャミル「自分が言い出したのだろうが。早くしろっ!」
ティファ「は、はい……!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:24:33.57 ID:mgB1VKDi0
ティファ「……よいしょ」
ティファ「少し重い……」
ティファ「ガロード、何をこんなに詰めて」
ゴソゴソ
ティファ「あ……」
ティファ「これ……私が描いてガロードにあげた絵画……」
ティファ「……」
ティファ「そっか、ガロード気に入らなかったんだ……。ごめんなさい」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:25:48.87 ID:mgB1VKDi0
夜
ガロードの部屋の前
コンコン
ティファ「ガロード、いる?」
シーン…
ティファ「……」
ティファ(やっぱり、答えてくれない)
ティファ「こんな時間にごめんなさい……。でもガロードに聞いておきたいことがあって」
ティファ「扉越しでいいからあなたに聞いて欲しい……」
ティファ「そして、できれば答えて欲しい……」
ティファ「ガロードは……私のこと嫌い?」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:26:58.07 ID:mgB1VKDi0
ティファ「……」
ティファ「もしかして声が小さくて聞こえなかった……?」
ティファ「なら、もう一度聞きます……」
ティファ「ガロードは私のこと……」
ガチャ
別の部屋の扉が開く
ティファ「え?」
ウィッツ「夜に廊下でごちゃごちゃうるせぇんだよ!」
ティファ「え、あ……あの」
ウィッツ「ゆっくり寝付けやしねぇ。少しは他のクルーのことも考えやがれ!!」
ドスッ
ティファ「あぐっ! ……こほっこほっ、ごめんな……さ、さい」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:28:19.11 ID:mgB1VKDi0
ガチャ
ロアビィ「なんだい、夜更けに騒々しい」
ウィッツ「このガキが部屋の近くでうるさくしやがってよ」
ロアビィ「やれやれ、またこいつか。困るんだよねぇ、モビルスーツ乗りの安眠を妨害してもらっちゃあ、さ!」
ゴリゴリ
ティファ「うぐぅ……あぁ……助け」
ウィッツ「これに懲りたら、もう夜に騒ぐんじゃねえぞ。いいな!?」
ロアビィ「そういうこと。そんじゃ、おやすみなさいティファ」
バタン
ティファ「はぁはぁ……私は、私は……うぅ」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:29:50.11 ID:mgB1VKDi0
医療室
テクス「ん?」
ティファ「……」
テクス「ティファか。どうしたんだ、こんな夜更けに……っ!」
ティファ「夜分にごめんなさい……」
テクス「どうしたんだ、その傷は!?」
ティファ「ちょっと……転んじゃって」
テクス「寝床で転んだっていうのか? そもそも転んだだけこんな傷にはならんと思うが」
ティファ「それは……」
テクス「まぁいい。とりあえずそこに座りなさい。話は診察の後だ」
ティファ「はい……」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:30:47.25 ID:mgB1VKDi0
ティファ「……」
テクス「診察の後とは言ったが、最中でも口がふさがってる訳ではないんだ」
ティファ「……」
テクス「よかったら訳を話してくれないか」
ティファ「……」
テクス「話したくないか、ならそれでもいいだろう。よほど辛い目にでもあったのか」
ティファ「ガロードが……」
テクス「ん? ガロードがどうした」
ティファ「ガロードが私と口を利いてくれません……」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:31:35.07 ID:mgB1VKDi0
テクス「ほぉ。あのガロードが君を邪険に。正直信じられんな」
ティファ「ガロードは私のことなんか嫌いなのでしょうか……」
テクス「君でもガロードの心は読めないのか」
ティファ「……はい」
テクス「そうか。ニュータイプとて万能という訳ではないからな」
ティファ「……」
テクス「誰にだって心の病も患うときはある。もちろん医師の私だってそうだ。
それと今の君も。ならば無論ガロードだってかからないという保証はない」
ティファ「病……」
テクス「そう深刻に考えるな。きっとガロードも一時的に」
ティファ「ガロードだけじゃないんです……」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:32:54.08 ID:mgB1VKDi0
テクス「どういうことかい?」
ティファ「私、フリーデンの皆に嫌われているみたいなんです……」
テクス「なんと」
ティファ「やはり、私はここにいるべきではないのでしょうか……」
テクス「……」
ティファ「いるとみんなに迷惑を……」
テクス「そんなことは断じてない! このまま自暴自棄になっては
それこそ心の病の思う壺だ。せっかく見つけた君の居場所なのだから大事にしなさい」
ティファ「…………!」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:35:21.73 ID:mgB1VKDi0
ティファ「……はい……っ! ああああああぁぁ!!」
ドサッ
急に激痛が走り、床にのた打ち回るティファ。
テクス「なんて、言ってもらえるとでも思っていたかい?」
ティファ「うぅ……あぁ、痛い痛い……!」
テクス「傷口に辛しを塗っただけで、こんなに苦しんでいてはとてもじゃないが
これからフリーデンで暮らしていけるとは思えないね」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:35:55.51 ID:mgB1VKDi0
ティファ「あぅぁ……うぐ」
テクス「むしろ、それだけ自覚しているにもかかわらず、なんで自らこの艦から出て行かないのか不思議だ」
ティファ「……うぅ」
テクス「そうだ。みんな、待っているのだよ。君が立ち去るのを。もちろん、ガロードもね!」
ティファ「……っ!」
テクス「冷たい廊下の床でそのことを一晩中考えておくのだな。それと、この部屋には二度と来ないでもらおう。ではな」
ガチャ バタン
ティファ「……うぅ」
ティファ「やはり……私の居場所は……どこにもない……ぐすっ」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:37:07.34 ID:mgB1VKDi0
次の日
ティファ「……」
ティファ「せめて、最後くらいガロードに」
ガチャ
ガロード「ふぁ~、よく寝た!」
ティファ「あ、ガロード、おはよう」
ガロード「さて、今日も一日がんばるかな!」
ティファ「……」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:37:51.62 ID:mgB1VKDi0
ティファ「あのね、ガロード。私、今日からこの艦から出て行くことにしました」
ガロード「おっと。食堂行く前に顔洗わなくちゃな」
ティファ「……あ、あなただけには言いたくて。今まで一緒にいてくれてありがとう」
ガロード「よーし、洗面所まで猛ダッシュだぁ!」
タッタッタッタ
ティファ「……」
ティファ「……せめて最後だけでも、一言でいいから私と話しをして欲しかった」
ティファ「ばいばい……ガロード」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:39:07.52 ID:mgB1VKDi0
こうして、ティファはフリーデンから離脱した。
当てもなく歩き続け、築けば大きな湖の畔にたどり着いていた。
ティファ「……」
ティファ「もうフリーデンが見えない……」
ティファ「そして、私の未来も……」
ティファ「ガロード、さようなら。元気で……ね」
ドボン
ゴボゴボゴボ…
こうして生きる望みと術を失ったティファは湖の深みに飛び込んだ。
数分後
オルバ「死姦の気分はどうだい? 兄さん」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:41:00.73 ID:mgB1VKDi0
シャギア「最高だ。この快感、屍とは思えない」
オルバ「さすがはニュータイプの姫君といったところだね」
シャギア「湖から引き上げたかいがあったというものだ」
オルバ「終わったら次は僕の番だよ、兄さん」
シャギア「焦るな、オルバよ。まだ腐り切るには時間がある」
ティファ「」
これが「人類の新たなる革新」といわれたニュータイプの末路というのならば、それほど空しいことはない。
例えそれが業を背負っていかなければならないというニュータイプの宿命であっても……。
BAD END
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/11(土) 14:46:05.31 ID:mgB1VKDi0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
テクス「という演劇を艦内でしてみようと思うんだが、どうだ?」
ガロード「………………」ゴゴゴゴゴゴオゴゴゴゴ
ティファ「……………ないわ」
テクス「」
おわり
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