1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:14:26.29 ID:BK505bWq0
女騎士「私が女騎士で~」

オーク「僕がオークで~」

女騎士「二人で漫才やらせてもらってます」

オーク「よろしくおねがいしまーす」

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2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:18:56.98 ID:BK505bWq0
女騎士「いやー、オーク君。新年一発目の舞台なんですけど」

オーク「そうですね、まあもう新年って感じじゃないですけども」

女騎士「でもねー、まあこれでまたひとつ年を取ったかと思うとね~」

オーク「あれ? あんまりおめでたくないですか?」

女騎士「うん、そりゃあね?」

オーク「初詣とか、獅子舞とか、えーっと、あと色々とあるじゃないですか」

女騎士「キミの新年のイメージ、初詣と獅子舞だけ? もっとあるでしょ!」

オーク「あとスイカ割り!」

女騎士「急に遠くなった! それおそらく新年と一番関係ないよね?!」

3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:20:05.76 ID:BK505bWq0
女騎士「とにかくですねー、まあ年を取っちゃうとね?」

女騎士「初詣でおみくじを引いてもね、やれ縁談とか病気とか」

女騎士「そういうのばっかりに目が行くようになってね~、ホント」

オーク「あー、はいはい」

オーク「僕も最近気になる項目増えましたねー」

女騎士「えー? オーク君、若いから学業とか?」

オーク「そうですねー、やっぱり自分の身体のことですから」

オーク「いちばん気になるのは出産とかですかねー」

女騎士「それ、君自身には一番関係ない項目だよね?」

オーク「『案ずるより産むが易し』とか100円の紙に言われても逆に不安で」

女騎士「おみくじの存在、全否定しちゃったよ!」

4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:20:42.58 ID:BK505bWq0
女騎士「ところでオーク君。今年の抱負とかは決まった?」

オーク「今年は田舎に帰ってじいちゃんのお墓参りにでも行こうかなと」

女騎士「それ抱負じゃなくて『オフ』だよね。オフの過ごし方じゃなくて抱・負!」

オーク「ああ、今年の黙祷みたいな」

女騎士「『目標』ね。ちょっとしんみりした感じから抜けよっか」

オーク「そうですねー、目標といえばキャリアアップですかねー」

女騎士「あ、なんか本格的でいいね~」

オーク「いや自分もいつまでもオークばっかりやってられませんから」

オーク「もう生まれたときからずっとオークしかやってなくて……」

5: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:21:21.94 ID:BK505bWq0
オーク「で、最近こう、女騎士さんと漫才やってるわけじゃないですか」

オーク「そしたら思ったんですよ、自分も女騎士になりたいなーって」

女騎士「うん、それは無理だよね」

オーク「どうしてですか! なんで無理って決め付けるんですか!」

オーク「僕だってやればできるんです! やってみなくちゃ分からない!」

オーク「僕の好きな言葉は『案ずるより産むがやすじ』なんです!」

女騎士「えーっとねオーク君。さっきからボケ散らかしてるけど」

女騎士「一個一個ツッコんでいくね」

6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:21:49.85 ID:BK505bWq0
女騎士「まずオークって職業だったの?」

女騎士「で、仮にオークが職業だとしてもよ? 自分たち漫才やってるよね?」

女騎士「じゃあ生まれてからオークしかしてないっておかしいでしょ!」

女騎士「あと、案ずるなって言葉もさっき否定していたおみくじの話だよね?」

女騎士「しかも好きな言葉なのに間違えてたよね『やすじ』って」

女騎士「やすじ? 誰? キミのおじいちゃん?」

オーク「あ、じいちゃんはもう……」

女騎士「そうだった! ごめんね、またしんみりさせちゃって!」

オーク「まあとにかく女騎士になりたいんですよ」

女騎士「そこもツッコミ忘れてた! キミ、男でしょ!」

7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:22:28.18 ID:BK505bWq0
女騎士「なに? さっきからそういう発言多いけど。願望とかあるの?」

オーク「いやー、とにかく騎士になってみたいんですよ」

女騎士「いやいやいやいや、軽くなってみたいなんて言うけど」

女騎士「大変よ~? いろいろとこう、責任重大よ?」

オーク「たとえば?」

女騎士「城下の民衆を守ったりとか、悪さをするモンスターを退治したりとかね」

オーク「たしかにモンスター退治は凄いですよね」

オーク「オークの死因、第三位ですもん」

女騎士「あー、まあキミもモンスターだからねー。っていうか第三位なんだ」

女騎士「結構がんばって討伐してたんだけどなー」

8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:23:05.54 ID:BK505bWq0
オーク「ちなみに第二位は寿命で、第一位は、馬」

女騎士「馬?」

オーク「そう。『馬に乗ろうとして蹴り飛ばされ死』っていうんですか?」

オーク「オークはあんまり馬に乗るのが得意じゃないんですよねー」

女騎士「うん、得意じゃないって分かっていても乗ろうとするんだ」

オーク「まあロマンですよねー」

女騎士「死因第一位なのに乗ろうとするのは、ちょっとどうかと思うけど」

オーク「ともかく騎士になってみたいんですよ」

女騎士「えー? じゃあちょっとテストしてみる?」

オーク「乗馬の?」

女騎士「馬じゃなくて! 騎士になるためのテスト!」

9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:23:53.90 ID:BK505bWq0
女騎士「あれですからね、騎士になるにも面接とかありますから」

オーク「面接とか余裕ですよ、ええ」

女騎士「ホント~? じゃあ試してみるよ?」

オーク「どんとこいですよ」

女騎士「ならえーっと、こんにちは!」

オーク「オッス!」

女騎士「いきなり駄目だよねー。面接のあいさつにオッスはないよね~」

オーク「じゃあメッス!」

女騎士「じゃあ、じゃないよ! それ挨拶じゃなくて性別でしょ!」

10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:24:24.28 ID:BK505bWq0
女騎士「じゃあ、まあ、そこに座ってください」

オーク「もう座ってますが」

女騎士「あー、それもダメだよねー。言われてから座らないと」

オーク「そういうもんなんですか?」

女騎士「そういうもんなんです」

オーク「なんだか難しいですね、大丈夫かな~」

女騎士「うん、まだ2分も経ってないのにさっそく余裕じゃなくなってるね」

オーク「なんとかなります! 馬に乗ったつもりでがんばります!」

女騎士「それ死因第一位! むしろ、ぜんぜん大丈夫じゃないよ?!」

11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:25:31.58 ID:BK505bWq0
女騎士「じゃあ、面接を始めます」

オーク「え、何の?」

女騎士「もう、はじめっから説明する元気もないから始めるね~」

女騎士「じゃあ、えーっと、あなたのお名前は?」

オーク「オークです!」

女騎士「では、あなたの種族は?」

オーク「オークです!」

女騎士「騎士に応募する前は何をされてましたか?」

オーク「オークです!」

女騎士「あー……まあそうなるよねー」

12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:26:45.57 ID:BK505bWq0
女騎士「えー、ではオークさんはなぜ騎士になりたいと?」

オーク「はい! それは私が騎士になってみたいからです!」

女騎士「うーん、それじゃあ幼稚園のお受験にも通らないよねー」

女騎士「面接にくるぐらいだから、騎士になりたくない人は来ないよね~」

女騎士「せめて『国のために』とか『困ってる人を助けたい』とか」

オーク「あっ、じゃあ前職のスキルを活かせると思ったからです!」

女騎士「いいねー! さっきよりもいいよ! で、具体的にはどんなスキル?」

オーク「えーっと略奪とか、強盗とか、あとは家畜泥棒とかです!」

女騎士「ストーップ!! 一切活かせないスキルばっかりなんだけど!?」

13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:27:29.99 ID:BK505bWq0
女騎士「何? 前の会社、超ブラック企業なんじゃないの?!」

オーク「いいえ! 残業ゼロで週6日は休んでました! なのでホワイト……」

オーク「あ、でも返り血とかで汚れちゃうから……レッド企業、かな?」ドヤァ

女騎士「何で今ちょっとうまいこと言ったみたいな顔したの?」

女騎士「っていうか、そんなこといったら100%落ちちゃうよね?!」

オーク「ダメですか?」

女騎士「ダメです。そこはちょっと嘘というか誤魔化すというか」

オーク「そんな! 嘘つきはドロボウの始まりじゃないですか!」

女騎士「……うん、まあ略奪とか立派なドロボウなんだけどね!」

14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:28:10.90 ID:BK505bWq0
女騎士「とにかく、そういう悪いイメージのことは触れないで」

女騎士「もっとこう、いいイメージを膨らませて言わないと~」

オーク「そうですかー」

女騎士「じゃあ、えーっと面接のテストの続きをやるね?」

オーク「お願いします」

女騎士「オークさん、特技は何でしょうか?」

オーク「えーっと……」

女騎士「」(膨らませて膨らませて!)

オーク「乗馬です!」

女騎士「あー、一番最悪なところいっちゃったー」

15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:29:21.00 ID:BK505bWq0
オーク「オークの中では蹴られるのが上手いほうだと言われました!」

女騎士「それ乗馬っていうか、乗る前に蹴られてるだけだよね?!」

女騎士「あーもう、全部ダメだよー。ぜんぜんダメダメだよー」

オーク「そんなにひどかったですか?」

女騎士「むしろあの内容で、なんでそんなやりきった感出せてるの~?」

女騎士「そのポジティブさは長所だけどさー。別の職業とか、ないの?」

オーク「うーんじゃあ、漫才師とか!」

女騎士「それはもうやってるって! いい加減にしなさい!」

女騎士&オーク「どうも、ありがとうございましたー!」イェシガンガンガンガンガン♪

17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:35:10.84 ID:BK505bWq0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

オーク「おつかれさまっしたー!」

女騎士「オークくん、お疲れ様! 初舞台、どうだった?」

オーク「いやもう……何がなんだか……ハハ……」

女騎士「でもぜんぜん大丈夫だったよ! 練習の成果だよね!」

オーク「あ、ありがとうございます!」

オーク「でも先輩が一緒に練習してくれたおかげですから!」

女騎士「いやぁ~。そこはオークくんの実力だよ!」

オーク「そ、そうっすか? ハハハ……」

エルフ「ハハハじゃないわよ」

女騎士「!」

オーク「!」

18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:39:16.66 ID:BK505bWq0
オーク「え、エルフ先輩……」

エルフ「おはようございます、女騎士先輩」

女騎士「エルフちゃん! 舞台、見に来てくれたんだ~」

エルフ「ま、まあ女騎士先輩の復帰一発目ですから……」

オーク「エルフ先輩! どうでしたか俺たちの舞台は?!」

エルフ「……」ギロッ

オーク(うわぁ、なんかめちゃくちゃ睨まれてる……こえぇ)

エルフ「最低ですね」

エルフ「テンポもダメ、ネタもコンパクトすぎて、落ちも弱い」

エルフ「女騎士先輩の舞台とは思えませんね」

19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:43:10.81 ID:BK505bWq0
女騎士「あ、あはは……相変わらず辛口だなぁエルフちゃんは」

エルフ「この台本、作ったのは誰ですか? 女騎士先輩なんですか?」

オーク「……あ、それは……」

女騎士「そうよ、それを作ったのは私」

オーク「!」

女騎士「だったら、どうなのかしら?」

エルフ「……最低ですね」

エルフ「女騎士先輩なら、もっといい舞台ができるはずです」

エルフ「そもそもネタの台本作りなら、私だってやれます」

エルフ「何で……なんで先輩のパートナーがこんなやつなんですか!?」

20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:47:44.73 ID:BK505bWq0
>>16
面白くないのは半分意図的、半分才能なんだ。ごめんね(:3)

女騎士「それはね、オークくんに可能性があったからよ」

エルフ「可能性?」

エルフ「可能性があれば、自分のミスを先輩に押し付けてもいいんですか?!」

女騎士「あ……もしかしてバレてる?」

エルフ「分かってますよ。あんな台本、女騎士先輩が書くわけないじゃないですか」

オーク「……そうっす。あれを書いたのは俺です」

エルフ「指摘されないと名乗り出れないの? まったく、とんだ可能性ですね!」

オーク「……」ギリッ

女騎士「エルフちゃん、ちょっと言いすぎ」

エルフ「……そうですね。すみませんでした」

21: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:55:16.39 ID:BK505bWq0
エルフ「とにかく女騎士先輩にふさわしいのは私なんです」

エルフ「女騎士先輩のとなりに居るべきなのは、この私です」

エルフ「どうして分かってもらえないんですか?」

エルフ「私なら……私だけが女騎士先輩を……」

エルフ「……」

エルフ「とにかく、こいつはコンビとして無能です」

エルフ「役に立ちません」

エルフ「捨ててください」

エルフ「そうじゃないと私、女騎士先輩のこと許せないです!」

エルフ「絶対に」

22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 18:58:57.87 ID:BK505bWq0
女騎士「捨てるってねぇ、モノじゃないんだから」

エルフ「言い方がきつかったですか? それだけ怒ってるんです」

エルフ「覚えておいてください、これからは私たちライバルですから」

女騎士「それはどっちに言ってるの? 私? それともオークくん?」

エルフ「両方です。お二人はコンビなんでしょう?」

女騎士「ごもっとも」

エルフ「では、失礼します」カツカツ

……

女騎士「やれやれ……エルフちゃんもあいかわらずね」

オーク「……」

女騎士「気にしてるの? エルフちゃんに言われたこと」

オーク「俺、くやしいです……何もできなくて……」

女騎士「何もできないなんて、二度と言っちゃダメ!」

オーク「……!」

23: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 19:01:33.67 ID:BK505bWq0
女騎士「どれだけ練習しても結果が出ない時だってある」

女騎士「どれだけ努力してもうまくいかないときだってある」

女騎士「そんなとき、自分が自分を信じてあげなくてどうするのよ!」

女騎士「……」

女騎士「ま、そんなこと私が言えた身分じゃないんだけどね」アハハ

オーク「……いえ、そんなことは……」

女騎士「そーかしら?」アハハ

オーク(先輩……)

24: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 19:06:16.62 ID:BK505bWq0
女騎士「エルフちゃんもねー……いいコなんだけど」

女騎士「ほら、エルフって見た目よりも成熟してるじゃない?」

女騎士「でさ、けっこう世間知らずなところもあるからさー」

女騎士「アレで結構、オークくんの事、目にかけてるのよ?」

オーク「そうですかね……」

オーク(エルフ先輩の、あの目……)

オーク(あれは、出来の悪い後輩を叱責する目なのか……?)

オーク(……)

25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 19:11:32.57 ID:BK505bWq0
女騎士「とにかく! せっかく初舞台をなんとか乗り切ったんだから」

女騎士「お祝いよ!」

オーク「先輩……ありがとうございます!」

女騎士「じゃあ行きましょ、早くしないとお酒が逃げちゃう!」

オーク「逃げませんよ!」

女騎士「あはは、じゃあしゅっぱぁーっつ!!」

オーク「はい!」

オーク(先輩……俺、もっと面白くなってみせます!)

オーク(いえ……必ず面白くなります!)

オーク(俺を信じてくれた、先輩のためにも!)

女騎士(エール♪ 焼ッ肉♪)

おわり

引用元: 女騎士&オーク「はいどうもどうも~」イェシガンガンガンガンガンガン♪