1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 22:53:04.42 ID:a7DJAROL0
夏海「それならついでに愛の告白でもしちゃいますかー?」キシシ
夏海「となれば、ターゲットは勿論……」
夏海「ねーちゃんねーちゃん、ウチチョコ作ったんだけど──」ガラッ
このみ「こっっんにっっちはーー!!!」
夏海「おーこのみちゃん、タイミングいいような悪いような……」
このみ「え、なになに? チョコくれってことー?」
夏海「違う違う、逆だよ~」ニヤニヤ
このみ「へ、逆?」
夏海「はい、このみちゃん。これウチからの本命チョコ」スッ
夏海「…これでウチと付き合って下さい!」バッ
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 22:55:11.00 ID:a7DJAROL0
このみ「却下♪」ニコッ
夏海「うわっ、即答…。一秒も考えんかったねー」
このみ「だってなっちゃん、笑ってるんだもん。冗談なのバレバレだよー?」
夏海「そっか、んじゃねーちゃんも騙せんかな…」
夏海「くそぅ、ウチは一体何の為にチョコ作ったんだー!?」
このみ「あげる為じゃないの?」
夏海「こうなりゃ自分へのご褒美に…!」ペリリ
このみ「たんまたんま! 私、なっちゃんでも騙せそうな人知ってるよー」
夏海「え、マジで?」ピタッ
このみ「うん、だからちょ~っと電話貸してくれるかなぁ?」
夏海「いいよいいよ、ウチに協力してくれんならじゃんじゃん使っちゃってよー!」アハハ
このみ「じゃ、お構いなくー♪」ガチャ
夏海「……」
夏海(…ん、電話?)
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 22:58:08.15 ID:a7DJAROL0
このみ「あ、もしもしひかげちゃん?」
夏海「ぶっ!?」
このみ「私、このみー。緊急事態なんだけど、今すぐ村へ戻ってきてくれるかなぁ?」
夏海「ちょっとちょっと、このみちゃん! ただのイタズラで東京から呼ぶのはちょっと……」
このみ「え~、時間かかるなら新幹線使えばいいでしょ? 緊急事態なんだよ?」
このみ「来ないと絶対後悔するよ? 村のみんなに恨まれるよ? それでもいいの?」
夏海「来たら絶対後悔するし、恨まれるのはウチだよ!!」
このみ「とにかく出来る限り早く来てねっ!」ガチャ
夏海「あ…」
このみ「……」
夏海「……」
このみ「…ナイスサポート?」
夏海「いやいやいや、やりすぎでしょー!? オバサポだよ、オバサポ!!」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:01:26.80 ID:a7DJAROL0
このみ「ひかげちゃん来るまで時間あるだろうし、なっちゃんちで時間潰してていいよね?」
夏海「うんまぁ、別にいいけど…」チラッ
夏海(ひか姉が新幹線に乗る前に、なんとか電話して阻止せねば!)
夏海(居間にはねーちゃんが居るハズ。ねーちゃん、なんとか時間稼いで──)トタトタ
小鞠「あ、夏海ー。私これから蛍んちでチョコ交換しに行くんだけどー」
夏海「は?」
このみ「小鞠ちゃんもチョコ作ったの?」
小鞠「あ、このみちゃん来てたんだんだ」
小鞠「小鞠ちゃんもって、このみちゃんもチョコ作ってきたってこと?」
このみ「へ? …あ~じゃあ最初は小鞠ちゃんにあげるつもりだったんだ」チラッ
夏海「……」
小鞠「?」
このみ「ううん、こっちの話。行っておいでよ、小鞠ちゃん♪」ニコッ
小鞠「じゃあ夏海も居ることだしゆっくりしてってね、このみちゃん」ガララ
ピシャ
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:04:02.68 ID:a7DJAROL0
このみ「なっちゃん、時間まで何してよっか?」
夏海「え~っと、最近発掘したゲームがあんだけどやってみる?」
このみ「うん、やるやるー! 2人プレイ出来るんでしょ?」
夏海「で、出来ると思うよ。多分」
夏海(このみちゃん、もしやウチのもくろみに気付いて……)
夏海(頼む、ひか姉! まだだ、まだ新幹線に乗らんでくれー)
カチカチカチ
このみ「あ、なっちゃん! そっち行ったらやられちゃうよー」
夏海「え? うわぁ!? …あ~即死トラップあったのかー」
このみ「も~、私の残機使っていいから復活しなよ」
夏海「その前にウチ、トイレ行ってくるわ」スクッ
夏海「このみちゃん、ウチそこのステージ苦手だから1人で進めちゃってー」
このみ「はいはい、残機増やしとくから戻ったらちゃんと復活してよね」
夏海(よっしゃー! 電話するチャンスとうら~~い!!)グッ
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:06:44.32 ID:a7DJAROL0
トゥルルルル…トゥルルルル…
夏海(出てくれ、出てくれよ、ひか姉! ──)ガチャ
夏海「もしもし、ひか姉!? ウチ夏海だけど!!」パァァ
ひかげ『あ? あんだよ、今度は夏海かよ…』
ひかげ『私今このみに緊急事態だー、とか言われて新幹線乗るとこなんだけど』
夏海「あ、あのさ! やっぱ来なくていいよ! 緊急事態とか言うの嘘だからさ……」
ひかげ『おい、嘘ってこたねーだろ!? 冗談で呼ばれちゃ適わねーよ!!』
夏海(それがホントに何でも無いんだよなぁ…)
夏海「ほら今日バレンタインじゃん? で、ウチがチョコ作ったとすんじゃん?」
夏海「そしたらウチどうすると思う、ひか姉?」
ひかげ『夏海がチョコ~? はっ、ないない』
夏海(うおおお~、まず前提が通らん! ウチこれっぽっちも女だと思われとらんよー!)
夏海「とにかくウチ、チョコ作ったの! で、それこのみちゃんに見せたらひか姉呼ばれて……」ツーツー
夏海「…へ?」
このみ「なっちゃ~~ん?」ニコニコ
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:12:15.96 ID:a7DJAROL0
このみ「やっぱ外寒いねー、駅まで行くのも一苦労だよー」
夏海(結局、ひか姉からのリダイアルはこのみちゃんに取られてしまった……)
夏海「つーかそこまでしなくてもいいじゃん! 何がこのみちゃんをそこまで掻き立てるのさ!?」
このみ「え~? だってなっちゃんがチョコ作るなんてこの先一生ないかもしれないしー」
このみ「ひかげちゃんにもなっちゃんの手作りチョコ見せてあげたいじゃない?」ニコッ
夏海「絶対嘘だっ!! 自分に一切リスクのないイタズラに乗っかっただけっしょ!?」
このみ「まぁまぁ、もう来ちゃうものはしょうがないし、告白が成功することを祈ろうよ!」
夏海「怒られないことを祈ろうの間違いじゃ……」
夏海(このみちゃんにイタズラしたのは間違いだったな…予定通りねーちゃんにすりゃ良かったわ…)
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:14:48.28 ID:a7DJAROL0
ひかげ「……」
このみ「あ、ひかげちゃん! おっ久~♪」
ひかげ「お久じゃねーよ、緊急事態って何なんだよ?」
ひかげ「くだらねー用だったら新幹線代全部請求するからな!」
このみ「だってよ、なっちゃん?」
ひかげ「夏海? …そういや、お前も電話して来たな」
夏海「」ギクッ
夏海(あちゃ~ひか姉超ー機嫌悪いよー。愛の告白とか絶対無理だって!)
夏海(クッ、こうなったらどうにかして全部このみちゃんのせいにしないと──)ハッ
夏海(待てよ…? ひか姉が怒ったとこで全然怖くないじゃん)
夏海(寧ろ、このみちゃんを怒らせた方が何倍も怖いよな…)チラッ
このみ「?」
夏海(だったらここはこのみちゃんの言う通り、ひか姉にイタズラしちゃいますか!)
夏海(実を言うとちょっと面白そうだし♪)キシシ
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:17:58.41 ID:a7DJAROL0
夏海「ひか姉…これ……」スッ
ひかげ「ん、何なのこれ?」
夏海「ウチからのチョコだよ。バレンタインの」
ひかげ「は…? お前マジでチョコ作ってたの?」
ひかげ「つーか、まさかこれ渡す為だけに私のこと呼んだんじゃ──」ギュッ
ひかげ「なっ!?」ビクッ
夏海(顔でバレないよう、ひか姉の懐に飛び込み透かさず)
夏海「…本命なんだ」ボソ
ひかげ「本命って……はぁ!!? ちょ、おい、どういうことだよ!? 説明しろよ、このみ!!」バッ
このみ「ふふふ、バレンタインデーに東京から呼び出してまで渡すチョコが信じられない?」
ひかげ「なっ…ななな……///」カァァ
夏海「ウチ、ひか姉が東京行っちゃってずっと寂しかったんだよ?」
夏海「ひか姉のこと想ってたら、いつの間にかチョコとか作っててさ……」クスクス
夏海「責任取ってよ、ひか姉!」
ひかげ「せ、責任って一体どうすりゃいいんだよ…」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:21:43.34 ID:a7DJAROL0
このみ「付き合っちゃえばいいじゃん?」
ひかげ「は…はぁぁぁ!?」
このみ「遠距離恋愛なんてロマンチックじゃな~い! こんなの中々無いよー?」
ひかげ「付き合えったって、私女だし……こいつだって女だろ?」
夏海(よし来た!)
夏海「…そうだよね、ウチが女じゃひか姉付き合えないよね。分かってたんだ、そんなこと」
夏海「責任取れなんて言ってごめん。ウチ諦めるから……ひか姉に迷惑かけたくないからさ」ギュー
ひかげ「夏海…」
夏海(これはとてもウチを攻めたり出来ん雰囲気! 後はひか姉さえ断ってくれりゃ完璧よー!)
ひかげ「迷惑かけたくないって、こうして私を呼び出してる時点で迷惑かけてんじゃん」フゥ
夏海(うっ、確かに…。でもそれはウチが悪いんじゃなくて、全部このみちゃんが──)
ひかげ「分~ったよ! 付き合う! 付き合えばいいんだろ!? いいよ、今彼氏もいねーしさ!!///」
夏海「……」
夏海「…はい?」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:26:49.67 ID:a7DJAROL0
夏海「──なんかウチ、このみちゃんのせいで女の恋人出来ちゃったんだけど」
このみ「おめでとー、なっちゃん! 私から見ても2人はお似合いだと思うよ~」
夏海「冗談じゃないって! 顔上げたらひか姉ニヤニヤしてるし、これじゃフれないじゃん!!」
このみ「ならフらなくていいんじゃない? 今時女の子同士の恋愛なんて珍しくないんだし」
夏海「珍しいよ! 激レアだよ! あ~ウチこれからどうすれば……」
このみ「元気出しなよ、私の持ってきたチョコあげるから!」スッ
夏海「わっ、デカ!! これってもしかして本命の……」
夏海「こんなん貰っちゃっていいの、このみちゃん!?」
このみ「うん、いいよ。あげる前から相手に気がないの分かっちゃったからさー」
夏海「へへっ、サンキューこのみちゃん! これなら今日のことチャラにしちゃってもいいかな?」ニコッ
このみ「も~なっちゃんはホント現金なんだから……」
このみ「ふふ、その笑顔に免じて私の方も許してあげよう!」
夏海「…なんかウチ、このみちゃんを怒らすようなことしたっけ?」
このみ「知らーない、なっちゃんには一生分かりませんよーだっ」ベー
お わ り !
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