1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:18:12.52 ID:kafof9/n0
春香「戻りましたー」

美希「疲れたの‥‥」

P「お疲れさん」

社長「やあ諸君。ご苦労だったね。その様子を見るに、バレンタインイベントは大盛況だったかな?」

伊織「盛況も盛況。少なく見積もっても、ひい、ふう、み‥‥軽く20人はいたわね」

響「少なく見積もりすぎだろ」

貴音「ほとんど私達と一対一ではないですか」

律子「正確な数字ではないですけど、参加者は6千人前後ですかね。開催3日前に告知した事を考えると、上々かと」

社長「そうかそうか。いや、すまなかったねえ。知人に、空いたイベントスペースをどうしても埋めたいと頼まれてしまってね」

真「僕は楽しかったですよ! イベントの性質上、集まってくれたファンは珍しく男の人ばっかりでしたし」

雪歩「私は逆に、ちょっとアレでしたぁ‥‥」

千早「何曲か歌わせて頂いただけでも、ありがたかったです」

あずさ「楽しかったわねぇ」


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:19:04.53 ID:kafof9/n0
亜美「それはいいんだけどさあ!」

真美「真美達はチョコ配るだけで、貰えないなんてずっこいよ!」

やよい「それは仕方ないよ。でも確かに、ずーっと甘い匂い嗅いでて、我慢が大変だったかも」

春香「あ、そうだ。朝、言いそびれちゃったんだ。冷蔵庫に、みんなの分のチョコケーキ入ってるよ」

亜美「さっすがはるるん!」

社長「ほう、私と君は朝に貰ったが、他の子の分まで用意してあるのか。天海君は気が利くねえ」

P「なんでも、最近流行ってるみたいですよ。友チョコだとかなんとか」

社長「そうなのかね?」

小鳥「ええ。若い子なんかは、義理チョコをカットして、友チョコに回す。なんて事も多いみたいですね。あ、ほら」

美希「ミキも持ってきたよ! 食べ比べしようよ!」

雪歩「あ、実は私も」

社長「ふうむ。我々男としては、少々複雑な流行だね」

P「たしかに」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:20:33.54 ID:kafof9/n0
社長「しかし困ったな。友チョコなんてものがあるとは」

P「どうしたんですか?」

社長「いやなに、急な予定を入れてしまったお詫びと、日頃の労いを込めて、変わった物を用意したんだがね。ちょっと手伝ってくれたまえ」ゴソゴソ

P「はい。‥‥わっ、これは」ゴトン

社長「なんでも、チョコレート‥‥なんとかという、パーティや何かで使う物らしいね。今回、無理を聞いてやった相手から借りたんだが、どうやら必要ないみt」

真美「あーっ! チョコ流れるやつだ!」

亜美「わあ! なんでこんなのがあるの!?」

美希「さっきの会場にもあったよね!」

春香「これ、使えるんですか!?」

社長「う、うむ。だが君達、たった今、お互いに交換したチョコをすごい勢いで‥‥」

響「ちっちっち‥‥社長。世の中には、こんな言葉があるのを知らないのか?」

社長「あ、ああ、甘い物は‥‥」

響「そう!『女の子には、胃袋が4つある』んだぞ!」

真「無いよ。4つの胃袋も無いし、そんな言葉も無いよ」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:21:24.21 ID:kafof9/n0
伊織「あずさにはあるんじゃない?」

響「あるよ。こないだ自分、あずささんが反芻してるの見たし」

律子「やめなさい」

社長「それはさて置き‥‥ならば、使ってみるかね?」

真美「使う使う!」

亜美「こんな機会、めったにないもんねー!」

社長「ふむ。すまないが、材料なんかは君達に任せてもいいかな。用意しておこうと思ったのだが、どんな物が必要なのか、いまいちよくわからなくてね」

春香「やっぱり果物かな」

雪歩「かなぁ。イチゴとか?」

美希「マシュマロとかも美味しいと思うな」

真「ポテチにチョコっていうのもあるよね」

伊織「ハズレ的なのはいらないの? 刺身とか」

貴音「うっ‥‥想像するだけで何かがこみ上げてきますね‥‥」

千早「今回はそういうのやめておきましょう。社長達もいるんですから」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:22:34.83 ID:kafof9/n0
やよい「私、安い八百屋さん知ってます!」

春香「それじゃあ、2組に分かれて‥‥」

アイドル「わいわいがやがや」

春香「と、いうわけで、お買い物行ってきますね!」

P「気をつけろよー」

社長「飲み物や、おやつなんかも買ってくるといい」

春香「えっ! いいんですか!? ありがとうございます!」

社長「気をつけて行ってきなさい」

アイドル「わいわいがやがや」ゾロゾロ

社長「‥‥こほん。音無君。親睦会の名目で、経費という事には‥‥」

小鳥「なりません」

社長「トホホ。いい格好をし過ぎたかな」

P「あははは」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:23:45.77 ID:kafof9/n0
P「と、いうわけで、1時間後にはアイドルたちも戻ってきて」

社長「ちょっとしたパーティが始まったわけだが」



美希「んー! イチゴとチョコ、すっごく合うの!」

雪歩「ふふっ、美希ちゃん、ほっぺに付いてるよ?」

やよい「ふわあ! バナナも美味しいれすぅ!」

響「出店で売ってるチョコバナナとはまた違うね」

春香「チョコが少し温かいのもいいよね」

亜美「わー! 中にキウイ落としたー!」

真美「亜美はチョコ付けすぎなんだよー。こうやって‥‥あーっ!」

千早「ちょ、ちょっと2人とも。たくさんあるんだから、そんなに欲張らなくても‥‥」

真「僕もさっき、同じ事やっちゃったんだよね‥‥」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:24:48.69 ID:kafof9/n0
真「僕もさっき、同じ事やっちゃったんだよね‥‥」

あずさ「うーん、あまり食べると、また‥‥」

貴音「本日はほとんど立ちっぱなしでしたし、多少ならば許されるのでは?」

伊織「多少で済めばね」

小鳥「それが出来れば後悔なんてしないんだけどね‥‥」

律子「気を付けて下さいよ。ま、こういう場であまり固い事は言いませんけど」



社長「なかなか強烈な空間だね‥‥事務所の中が、チョコの匂いで包まれているようだ」

P「ですね。食べてないのに、腹の中にチョコが詰まってる気分ですよ」

社長「まあ、彼女達は喜んでいるようだし、私としてはそれで‥‥ん?」

春香「2人とも、全然食べてないみたいですから、持ってきちゃいました!」

社長「いやいや、我々の事は気にせず、楽しみたまえ」

P「そうだぞ。せっかくの社長のご好意なんだ。甘えておきなさい」

美希「でもでも、本当なら今日は2人が主役なんだよ?」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:25:48.89 ID:kafof9/n0
亜美「あ! せっかくだから、あーんしてあげよっか!」

真美「それいい! ほら、いおりんも!」

伊織「ええっ? な、なんで私が‥‥まあ、どうしてもって言うなら‥‥ほらっ、2人とも早くなさいよ! 腕が疲れるわ!」

真「あ、それじゃあ次は僕が!」

響「じゃあ自分も。なんだか餌付けしてるみたいで楽しそうだぞ」

ワタシモワタシモ ジャアワタシモ ソノツギワタシ オレガヤルヨ ドーゾドーゾ

社長「こ、この人数からチョコを一気に‥‥き、君。君は普段こういう時、どうしているのかね?」

P「しゃ、社長は現役時代、どうしてました?」

社長「‥‥腹をくくるとするか」

P「お付き合いします‥‥」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:27:06.71 ID:kafof9/n0
社長「うぷっ‥‥喉の奥まで甘い感じだ‥‥」

P「同じく‥‥あいつら、まだ食べてますよ‥‥」

社長「若さなのか、それとも男女の差なのか‥‥」

P「俺もまだ若いつもりなんですけどね‥‥同じ量のハンバーグなら余裕でいけますよ」

社長「ははは、私も昔はそうだったなあ。‥‥なあ君、ちょっとこっちに」チョイチョイ

P「社長室に? なんでしょう」

社長「チョコはチョコでも、こっちの猪口に付き合わんか?」ゴトン

P「あはは! こんな時間から、事務所でですか?」

社長「たまには構わんだろう。生憎、肴になるのはこんな物しか無いがね」

P「スルメにカルパスですか。‥‥あの、今、凄く自然に机から出しませんでした?」

社長「あっと、一番大切なものを忘れていたよ」

P「聞いてます? もしかして、普段からここで」

社長「ドアの向こうから聞こえてくる、あの子達の楽しそうな笑い声。これがあれば、他には何もいらんのかも知れないね」

P「‥‥そうですね」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/14(金) 23:27:46.92 ID:kafof9/n0
P「スルメうめえ‥‥しょっぱい物うめえ‥‥」

社長「生き返るよ‥‥これがあれば、他には何もいらんね!」

P「そうですね!」

アイドル「おい」


                               おちまい