1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:34:22.06 ID:qM2ygkLQ0



杏子「見損なったぜ、さやか!」

さやか「それはこっちの台詞よ!」

杏子「最強の携帯火器はショットガンに決まってんだろうが!」

言ってレミントンM870MCSを見せつける杏子。

さやか「アンタこそボケてんの!?小さくて軽くてなおかつ拳銃と弾丸の互換性があるサブマシンガンが最強に決まってんじゃない!」

さやかが主張して掲げるのはH&KのMP5だ。


杏子:レミントンM870MCS 

さやか:H&K MP5 


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:35:12.83 ID:qM2ygkLQ0

杏子「はぁ?サブマシンガンが最強?バカな事言ってんじゃねぇ!サブマシンガンの弾幕なんて、全力疾走したら逃げ切れるじゃんか!」

さやか「バカはそっちでしょうが!全力疾走で逃げ切れるとか小学生かアンタは!?」

杏子「最終学歴小卒だ、文句あっか!?」

杏子「大体、サブマシンガンなんかよりショットガンの弾幕面積の方が万倍も広いんだぞ。至近距離なら、ちょっと擦っただけで致命傷受けるんだぞ。サブマシンガンなんかが勝てるわけないじゃん」

拳銃が点、サブマシンガンの弾幕が線だとすれば、ショットガンは面の弾幕で敵を制圧する事が出来る。



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:35:33.41 ID:qM2ygkLQ0

ほむら「…………」

まどか「どうしたの?ほむらちゃん」

ほむら「ただの子供の喧嘩よ。関わるだけ時間の無駄だわ……」

ほむら「ショットガンとサブマシンガンのどちらが最強か?だなんて……、まったくもってナンセンスだわ」

ほむら「最強は軽機関銃だと決まっているのに……」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「個人携行出来る火器の中では抜群の信頼度と射撃性能を誇るミニミ軽機関銃が最強。まどかもそう思わない?」

まどか「えー……」


ほむら:ミニミ軽機関銃 


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:35:56.02 ID:qM2ygkLQ0

ほむら「まどか……?」

まどか「うん、確かにミニミの実績は認めるよ。認めるけど、最強って言うのはちょっとおこがましいかな?」

言って、まどかが取り出すのは骨組みだけで出来たような華奢な外見のスナイパーライフルだ。

まどか「旧ソ連製狙撃銃ドラグノフ。信頼、実績、射撃精度、耐久性、携帯性……全てを兼ね揃えた最強のスナイパーライフルだよ」


まどか:ドラグノフ 

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:36:18.99 ID:qM2ygkLQ0

まどか「どんな優れた装備を持っていようが、知覚の外から急所に一撃貰えば終わりなんだよ、ほむらちゃん」

まどか「現に一番戦績を挙げている歩兵は狙撃手だしね」

ほむら「アレは規格外の化け物だからよ、まどか!」

マミ「……何を揉めているかと思ったら、――貴女たちいい加減にしなさい!」

ほむら「巴マミ……」

マミ「貴女たちがここで、どの小火器が最強かなんて議論しても意味が無いでしょ」

まどか&ほむら&さやか&杏子「う……」




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:37:13.16 ID:qM2ygkLQ0

マミ「最強の小火器はアサルトライフル。それは世界中の軍隊で最も大量に正式採用されている事からして証明してくれているのだから」

うんうんと頷き、どこからともなくアサルトライフルを取り出すと、

マミ「ふふふ、見て頂戴コレ。米軍基地にFN SCARが届いてたからパクってきたのよ。良いわよね、新品って」

それを聞いた他の魔法少女達の目の色が変わる。

杏子「マミ、つまりアンタはこう言いたいわけだな?」

まどか&ほむら&さやか&杏子「サバゲーやろうぜ!」

マミ「good!」


マミ:FN SCAR


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:37:34.28 ID:qM2ygkLQ0

そして舞台はいつもの裏山に移る。

ほむら「ルールは前と同じ、一切の魔法の使用禁止、ソウルジェムを狙うのも禁止、使える銃は小火器一丁だけ、弾丸の補給は可、戦闘不能になったら負け」

杏子「ハンドガンも駄目なのか?」

ほむら「駄目よ。今回はあくまでも、どの小火器が最強なのか?を決めるゲームだもの」

さやか「ゲームって言っても痛みは本物だけどね」

まどか「痛覚の遮断も禁止だからね。……前に喉を刺された時は痛かったなぁ」

さやか「私、顔面グチャグチャにされた挙げ句心臓潰されたっけ……」

マミ「今となっては良い思い出よね……」

さやか(……絶対、リベンジしてやる)

ほむら「じゃあ、開始は10分後で良いわね?」

QB「良くないよ。今度は絶対に手伝わないからね」



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:37:58.77 ID:qM2ygkLQ0

ほむら「随分とケチくさいわね、インキュベーター」

QB「前回、騙して爆発に巻き込まれたからね。同じ手は食わないよ」

ほむら「ヤレヤレだわ。――私が同じネタを仕込むとでも思ってるの?」

QB「――――」

ほむら「信用出来ないというのであれば、この場を去れば良いわ。但し、その時はみんなからチキンと呼ばれる事になるでしょうね……」

杏子「チキン味なのか?」ジュル

さやか「いや、それ違うから……」



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:38:25.48 ID:qM2ygkLQ0

少女達が散会して居なくなった場所に一人残されるQB。

QB「別にチキンって呼ばれても全然平気なんだけどね。ただインキュベーターともあろうものが、こんな原始的な文明の現地人のお遊びにも付き合えないと思われるのが嫌なだけさ」

目の前にある信号弾の発射装置を見つめ、

QB「そうとも、これは僕の余裕を見せる為であり、決して暁美ほむらの挑発に乗ったわけじゃないんだ」ポチ

BOM!!

発射装置を中心に爆発が生じ、それがスタートの合図となった。

QB「あ、暁美ほむら……、君は……」ガク

――QB、リタイア。




13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:40:23.06 ID:qM2ygkLQ0

杏子「よう、さやか」

さやか「あぁ、アンタか。早速当たるなんて、面倒が無くて良さそうね」

杏子「まぁ、待ちなさやか。一つ提案があるんだ」

さやか「提案?」

杏子「あぁ。どうだい?アタシと手を組まないか?」

さやか「……なに?同盟でも結ぼうっていうの?」

杏子「そういうこった。アタシはね、前のサバゲーで同盟組んだあの二人に殺られたのさ」

杏子「それで分かったね。戦いはやっぱり数だって」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:40:42.71 ID:qM2ygkLQ0

さやか「それで、他の三人を倒してから私とアンタで優勝を決めようっていうの?」

杏子「アンタだって、巴マミには前回で煮え湯を呑まされただろ?」

さやか「そうね……」

暫し考え、

さやか「その提案、乗ってあげる」

杏子「そうこなくっちゃな」

互いの手を握り合う杏子とさやか。




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:41:41.97 ID:qM2ygkLQ0

杏子「取り敢えず先に、スナイパーを片付けておきたいところだな」

さやか「確かに……、狙撃は厄介だしね。まどかの場所が分かれば良いんだけど……」

歩いて行くと、前方から激しい銃撃戦の音が聞こえてきた。

身を伏せ、警戒しながら進んでいく二人。

そこでドンパチを繰り広げていたのは……、

さやか「転校生とマミさん……」



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:42:25.66 ID:qM2ygkLQ0

パッと見で有利なのはほむらだ。

圧倒的な火力で、マミが盾代わりにしている木々ごと薙ぎ倒していく。

弾切れの隙を狙おうにも、給弾ベルトが左腕の盾に繋がっていて、ほぼ無限に弾丸を供給してくるのだ。

これでは、撃ちすぎで銃身が熱だれするまでなんとか凌ぐしかない。

さやか「……どうする?」

杏子「先に暁美ほむらを潰そう。アイツに生き残られると厄介だ」

さやか「そうね。今ならマミさんを囮に挟撃出来る」

二人は頷きあうと二手に分かれて散会した。





20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:43:22.68 ID:qM2ygkLQ0

ほむらは一旦射撃を中断すると、

ほむら「巴マミ、武器を捨てて降伏しなさい。戦力差はもう充分分かったはずよ」

ほむら「別に痛い思いをする必要も無いでしょう」

マミ「随分と優しいわね暁美さん。……でも、余計なお節介というものよ」

マミ(……とは言うものの、どうしたものかしら?)

恐らくこの会話も、銃身を冷却する為の時間稼ぎだ。

かといって銃撃の為に顔を出した途端、蜂の巣にされるだろう。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:44:25.34 ID:qM2ygkLQ0

杏子「諦めてんじゃねぇぞ、マミ!」

声と同時、ほむらに向かって散弾が飛ぶ。

咄嗟に身を屈めて事なきを得るが、今度は逆側からさやかのサブマシンガンが火を噴いた。

ほむら「クッ!?」

こうなると、重いミニミ軽機関銃は不利だ。

さやかの方に銃口を向けて射撃すると、今度は杏子が攻撃してくる。

マミ「佐倉さん、美樹さん……」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:45:00.46 ID:qM2ygkLQ0

共に戦ってくれる仲間が居る。

マミ(……もう、なにも怖くない)

マミ(――私、独りぼっちじゃないもの……!!)

FN SCARの引き金を引きながら突撃する。

銃弾がほむらの肩を撃ち抜き、大きく後方へ吹き飛ばす。

転倒した衝撃でほむらの手からミニミが転がり落ちる。

ほむら「クッ……!?」

慌てて手を伸ばすが、そこに杏子が発砲し、ほむらの右腕を蜂の巣にした。



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:45:46.05 ID:qM2ygkLQ0

ほむら「ぐぅうううッ!?」

杏子「アンタのソウルジェムは左手だったから、問題無いな」

マミ「形勢逆転ね、暁美さん……」

杏子「戦いはやっぱり数だよな」

さやか「でも、もう三人も要らないよね?」

言うなり、さやかがサブマシンガンをマミのこめかみに突きつける。

マミ「美樹さん……?」

さやか「リベンジですよ、マミさん」

満面の笑みで告げ、引き金を引いた。

――巴マミ、リタイア。





27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:47:21.35 ID:qM2ygkLQ0

杏子「さて……、こっちもさっさと終わらせて、もう一人も片付けないとな」

ほむら「まどかは殺らせない……!」

杏子「状況見て言えよ」

乾いた銃声が響き、杏子の身体が崩れ落ちる。

さやか「……え?ちょっと杏子」

慌てて杏子の身体に駆け寄ろうとするさやかだが、銃声と共に、その額に弾痕が穿たれ杏子と折り重なるようにして倒れた。

――佐倉杏子、美樹さやか、リタイア。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:50:21.72 ID:qM2ygkLQ0
何が起きたのかを理解したほむらはゆっくりと立ち上がり、

ほむら「まどか……」

ほむら(私を守ってくれたのね……。私の最高の友達)

彼女の居るであろう方向に視線を向けた瞬間、彼女の額に銃弾が命中した。


――暁美ほむら、リタイア。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:51:08.98 ID:qM2ygkLQ0
まどか「うぇッへへへへ、また優勝しちゃいました」

杏子「やっぱり、スナイパーを最初に殺っとくべきだったんだ」

さやか「それで?どうするのまどか。今後、全員ライフル装備?」

まどか「え?そんな事しないよ」

さやか「そうなの?」

まどか「そうだよぉ。そんな事したら、戦術の幅がガクンって減るし」

さやか「まぁ、確かに……」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:52:21.24 ID:qM2ygkLQ0
まどか「私の願いはね……」

チラリと視線をマミに向け、

まどか「マミさん。私、今日のおやつタイムはレアチーズケーキが食べたいです」

マミ「分かったわ。じゃあ、とっておきのレアチーズケーキを用意するわ」

まどか「やった――!!」

杏子「つーか、三人ヘッドショットしといてケーキかよ……」

ほむら「……まどかに撃たれた。……まどかに撃たれた。……まどかに撃たれた」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:53:01.95 ID:qM2ygkLQ0
まどか「ほむらちゃーん」

ほむら「……まどかに撃たれた。……まどかに撃たれた」

まどか「おーい、ほむらちゃーん」

ほむら「え?な、何?まどか」

まどか「あれ?嬉しくないの?」

ほむら「貴女が無事だったのは、とても嬉しいわ」

まどか「そうじゃなくて……」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/03(火) 19:53:43.48 ID:qM2ygkLQ0
まどか「ほむらちゃん、昨日レアチーズケーキ食べたがってたから」

ほむら「え?じゃあ、今日の願いは私の為に……?」

まどか「うん。当然だよ」

ほむら「ありがとう、まどか」

ほむら(……やっぱり、まどかは私の一番の友達)

まどか ニヤリ