1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 13:46:23.44 ID:JfQGUcfv0
京子「ふう、たまには登山も楽しいもんだよね!」

結衣「そうだなあ」

ちなつ「あかりちゃん、大丈夫?手、貸そうか?」

あかり「う、うん、ありがとう、ちなつちゃ……」


ガラッ



あかり「あぁぁっ!」ズザザー

ちなつ「ああああああっ!!!」ズザザザー

結衣「……!?」


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 13:47:52.91 ID:JfQGUcfv0
結衣「た、大変だ!京子!2人が滑り落ちた!」

京子「え~、マジ~?」

結衣「お、おーい!2人とも、大丈夫!?」




あかり「う、うん、何とか木の枝につかまって……落ちるのは防げたけど……」

ちなつ「ううっ、そ、そう持ちそうにありません……」


結衣「た、大変だ……」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 13:50:07.46 ID:JfQGUcfv0
結衣「ちなあか!絶対、手放しちゃ駄目だよ!?今助けに降りるから……」

ちなつ「ゆ、結衣先輩……」

あかり「結衣ちゃん……」

結衣「いいか!絶対あきらめちゃ駄目だよ!ちなあか!」

ちなつ「あ、あの……」

結衣「耐えるんだ!ちなあか!」

あかり「結衣ちゃん……あの、どうして」

結衣「待っててね!ちなあか!」

ちなつ「どうして2人で1つ見たいな略称で呼ぶんですか!?」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 13:56:15.53 ID:JfQGUcfv0
結衣「え、けど2人は、2人で1つのちなあかでしょ?」

ちなつ「い、いえ、別に2人で1つって訳じゃ……」

結衣「ちなつちゃんは、あかりの事が嫌いなの?」

あかり「え……」

ちなつ「い、いえ!嫌いなはずないですよ!?」

結衣「だよね?」

あかり「よ、よかったよぉ……」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 13:56:54.97 ID:JfQGUcfv0
結衣「あかりも、ちなつちゃんの事、嫌いじゃないよね?」

あかり「う、うん!勿論だよ!」

結衣「例えば、例えばだよ?」

ちなつ「は、はい」

結衣「例えば、2人のうち1人しか助けられないみたいな状況になっちゃったとしたら……」

結衣「どちらか片方が助かって片方が死ぬみたいな状況になるよりも」

結衣「いっその事、助けを拒んで二人とも死んでしまえ的な心意気を持っている……」

結衣「それが、ちなあかだよね?」

ちなつ「!?」

あかり「!?」



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 13:59:43.48 ID:JfQGUcfv0
ちなつ「ゆ、結衣先輩?私達、2人に1人しか助けられないんですか……?」

結衣「ははは、たとえ話だよ、ちなつちゃん、本気にならないで?」

あかり「こ、こんな状況だから例えば無しでも何でもないよぉ……」

結衣「はははは」

ちなつ「ゆ、結衣先輩……も、もうそろそろ指が……指が……」

結衣「ああ、ごめんね、ちなつちゃん」

あかり「ゆ、結衣ちゃん……助けて……」

結衣「よし、京子!」

京子「あ?」

結衣「私1人では2人を助けることはできない!だから、京子も手伝って!」

結衣「私達、結京の力でちなあかを助けてあげよう!」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:02:47.83 ID:JfQGUcfv0
京子「いや、多分無理だよ」

結衣「え……」

京子「だって、私達、結京じゃないじゃん」

結衣「きょ、京子?何言ってるの?私達は2人で1つの結京でしょ?」

京子「……」

結衣「京子?」

京子「……めんご」

結衣「え?」

京子「私はどっちかというと、京綾なんだ」

結衣「……!?」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:04:52.17 ID:JfQGUcfv0
結衣「え、う、うそだろ?嘘だよね?」

京子「いや、まじ」

結衣「そ、そんな……そんな……」

京子「笑えるね」

結衣「笑えねえよ!!!」

京子「ははは」

結衣「あああああああ!なんだよもおおお!折角、山の上の夜景を見ながら告白しようと思ってたのにぃいいいい!!!」

京子「はははは」

ちなつ「ち、力が……もう……」

あかり「ゆ、結衣ちゃん、京子ちゃん……」



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:07:39.28 ID:JfQGUcfv0
結衣「そ、そうだ、京子!」

京子「なにさ、さっきから」

結衣「今は非常事態なんだ!ちなあかを助ける為に!一時的にでも結京になってくれ!」

京子「え~、まじでええ?」

結衣「まじで!」

ちなつ「きょ、京子先輩……お、おねがい……します……」

ちなつ「京子ちゃん……」

京子「はぁ……じゃあ、仕方ないか」

結衣(やった!既成事実が作れる!)



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:20:34.45 ID:JfQGUcfv0
結衣「よ、よし、じゃあ結京初の共同作業だ!今から作戦を説明するよ!」

京子「おっけえ!」


・ロープで結京を結ぶ

・片方が降りて、片方が上から引っ張る

・ちなあかを抱き上げて引っ張り上げる

・ミッションコンプリート!


結衣「簡単だろ?」

京子「間違えようがない良い作戦だな!」

結衣(京子は筋力ないし、2人を抱きかかえるのなんて無理だろうな、私が降りるか)

京子(私は筋力ないし、結衣を支えるのなんて無理だろうな、私が降りるか)

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:22:04.17 ID:JfQGUcfv0
結衣「よし!京子!ちゃんとロープは腰に結んだ!?」

京子「おう!パーフェクトだよ!」パンパン

結衣「よし、じゃあ、いっせーのーで行くよ!」

京子「結衣!頑張ってよ!」

結衣「大丈夫!」


結衣「いっせーのー……」

京子「せい!」


ピョン


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:25:42.12 ID:JfQGUcfv0
ちなつ「くっ……もう、駄目……指が……けど頑張らないとっ……」

あかり「ち、ちなつちゃん……」

ちなつ「あ、あかりちゃんも、頑張って……」

あかり「あ、あのね、もうすぐ結衣ちゃん達が降りてきてくれるから……」

あかり「そ、その時は、ちなつちゃん、先に上がってね?」

ちなつ「あ、あかりちゃん?」

あかり「ほ、ほら、さっき結衣ちゃん言ってたけど……もし2人のうち1人しか助からないのだとしたら……」

あかり「私は、ちなつちゃんに助かってほしいし……」

ちなつ「あ、あかりちゃん……」

あかり「え、えへへ、元々は、あかりのドジにちなつちゃんを巻き込んだみたいなもんだし……」

ちなつ「ば、ばか!」

あかり「……!」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:27:19.87 ID:JfQGUcfv0
ちなつ「あかりちゃんの馬鹿!お馬鹿!」

あかり「ち、ちなつちゃん……」

ちなつ「わ、私だけ……私だけ助かっても!そんなの嬉しくないに決まってるでしょ!」

あかり「……!」

ちなつ「誰も、誰も喜ばないよそんなの!」

ちなつ「そんな風になるくらいなら、結衣先輩が言ったように、ちなあかで2人で1つとして死んじゃった方がいいよ!」

あかり「ちなつちゃん……」

ちなつ「あきらめちゃ……だめだよっ」グスッ

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:30:01.62 ID:JfQGUcfv0
あかり「……そ、そうだね、ちなつちゃん、ごめん、あかり弱気になってた!」

ちなつ「あかりちゃん……」

あかり「あかり!頑張る!頑張って、ちなあかとして救出される!」

ちなつ「うん!その意気だよ!」

あかり「う、け、けど、そろそろ限界……」

ちなつ「わ、わたしも……」


ちなつ「あかりちゃん、結衣先輩がさっき京子先輩に説明してた作戦、聞いてたよね?」

あかり「うん」

ちなつ「京子先輩が非力だから、あの作戦だと持久戦になったとき、危険だと思う」

あかり「た、確かにそうだよね」

ちなつ「だからね、結衣先輩か、または京子先輩が見えたら、私達も、飛びつこう?」

あかり「……そうだね、あかり達の方から飛びつけば、結京の負担も減るよね!」

ちなつ「うん!」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:33:12.54 ID:JfQGUcfv0
ちなつ「よ、よし、じゃあ、私が合図を出すから、そうしたら飛びつくよ?」

あかり「わ、わかった!」

ちなつ(こ、こっちは準備オーケーですよ、結京先輩!何時でもこいです!)



ヒュー


ちなつ(何かが落下してくる音が……!)



  結衣「京子!」



ちなつ(結衣先輩が見えた!今だ!)

ちなつ「あかりちゃん!飛びついて!」

あかり「え、どっちに?」


  京子「えー、何で結衣も飛び降りてきてるの?予想外なんだけど、困るよマジで」



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:36:48.99 ID:JfQGUcfv0
ちなつ「え、何で2人で飛び降りてきてるんですか、上には誰が?」ヒュー

結衣「そうだよ、京子が上に残ればよかっただろ?」ヒュー

京子「私の力で結ちなあかを支えられるはずないだろ」ヒュー

あかり「結ちなあかって、何か新しいよねぇ」ヒュー

京子「え、私は?その中にどうして私が組み入れられてないの?」ヒュー

結衣「お前は京綾なんだろ?」ヒュー

京子「いや、それは私がそう思っただけで、綾乃に告白とかしたわけじゃないし」ヒュー

結衣「マジで!?じゃあ私にもチャンスが!?」ヒュー

ちなつ「いや、もう無いんじゃないですかね」ヒュー

あかり「京子ちゃ~ん、地面まであとどれくらい?」ヒュー

京子「あー、あと20メートルほどかな」ヒュー

結衣「……行ける!」ヒュー


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:39:57.35 ID:JfQGUcfv0
結衣「京子、私はお前の事がずっと好きだった」

結衣「子供の頃から、ずっと好きだったんだ」

結衣「中学になって、周りの目とかを気にし始めて、なかなか告白できなかったけど……」

結衣「もう、周りの目とかきにする状況じゃなくなったから、だから、告白するね」

結衣「京子、私と、付き合って下さい……」

京子「んー……私もね、子供の頃から、結衣が好きだったんだ」

結衣「……!」

京子「けどね、結衣自身も言ってたけ、私への愛情よりも世間体を優先してたんだよね」

京子「その様子を見て、何だか冷めちゃってさあ……」

結衣「きょ、京子……」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:41:48.35 ID:JfQGUcfv0
京子「だから、まじごめん、無理」

結衣「ええええええ……」

京子「はははは」

結衣「轢死する直前に失恋した……」

ちなつ「まあ、そんな人生も有りますってw」

あかり「また生まれ変わったら頑張ればいいよw」

結衣「ううう……」

京子「あ、そろそろ地面だ」

京子「じゃあ、みんな」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/21(木) 14:42:36.73 ID:JfQGUcfv0
京子「また来世でね~」













グシャッ

    グシャッ

  グシャッ  
    


             グシャッ






おわり