5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 17:43:21.45 ID:FoTeOGpg0
比企谷「…で、平塚先生はゲームセンターで何してんですか」

平塚「見て分からないかね?」

比企谷「ゲーム…」

平塚「その言い方では誤解があるな」

比企谷「声出しながら思いっきり楽しんでたじゃないですか。正直そんな女性はどう…」

平塚「……」

比企谷「ど、童心を忘れない素敵な女性ですよね、ほんと最高」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 17:59:46.78 ID:FoTeOGpg0
平塚「先ほど言いかけた言葉とは違うようだが」

比企谷「何言ってんですかそんなことないですよ。マジ童心忘れない大人リスペクトつーか」

平塚「ハァ…、まぁようかろう。私がなぜゲーセンにいるか、という話だったな」

比企谷「ええ」

平塚「一見ゲームを楽しんでいるように見えるが、実はそうじゃあない」

比企谷「ラブラブカップルに因縁つけにきたんすか?」

平塚「それもある」

比企谷(あるのかよ…)

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 18:08:27.11 ID:FoTeOGpg0
平塚「本来の目的は見回りだ。保護者からここのゲーセンでうちの生徒を見かけたと報告を受けてね」

平塚「未成年は夜の8時以降出入りが禁止されているのは君も知っているだろう?」

比企谷「一応…」

平塚「もう7時半を過ぎている。早く帰りたまえ」

比企谷「…はぁ」

平塚「あぁっ!?」

比企谷「!」

平塚「比企谷と話したいたら1R取られてしまったぞ!」

比企谷「いや、それ俺のせいじゃねーし…」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 18:16:41.50 ID:FoTeOGpg0
平塚「くっ…昔はもっと余裕でクリア出来たのだが…」

比企谷「……」

平塚「よっ…!ふっ…!どうだ、私もなかなかだろう!?」ガチャガチャ

比企谷「あ、起き攻めはしないほうがいいっすよ」

平塚「な…に…?なっ!?」

比企谷「こいつリバサ超必してくるんで」

平塚「そういうことはもっと早く言え!」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 18:27:31.73 ID:FoTeOGpg0
比企谷(残り体力ミリ。こりゃ時間の問題だな…)

平塚「ま、まだだ!まだ終わらんよ!」ガチャガチャ

比企谷「……」

平塚「まだいけるっ!!」

比企谷「……はぁ」チャリン

   『HERE COMES A NEW CHALLENGER!』

平塚「!」

比企谷「これで適当にキャラ選んで勝てばリセットされるんで、もうちっと遊べますよ」

平塚「…比企谷」

比企谷「あんな楽しそうにしてるの見たら、このまま終わらせるの忍びないっつーか…」

比企谷「ま、俺にも責任の一端はあったかもしれないですし」

平塚「責任…とってくれるのか…」

比企谷(あれ?重い?ヘヴィだぜ?)


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 18:31:19.83 ID:FoTeOGpg0
平塚「……」

比企谷(なんだこの圧力(プレッシャー)は…!)

平塚「比企谷…」

比企谷「ア、ジャアボクカエリマス」

平塚「待ちたまえ」グワシッ

比企谷「ひぃっ!?」

平塚「別にどうこうするつもりはない。とりあえず落ち着け」

比企谷「はぁ…」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 18:40:24.53 ID:FoTeOGpg0
比企谷「あの、そろそろ出入り禁止時刻だし、ついでに門限なんで帰りたいんですけど」

平塚「君の家に門限はないだろう」

比企谷「なんで知ってんの…」

平塚「君の妹に聞いたのだよ」

比企谷(やだ…怖い…)

平塚「せっかく乱入したんだ。対戦しようじゃないか」

比企谷「お断りします」

平塚「せっかく乱入したんだ。対戦しようじゃないか」

比企谷「だから…」

平塚「せっかく乱入したんだ。対戦しようじゃないか」

比企谷(選択肢があるのにない)

平塚「…乱入した責任…取ってもらうんだから」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 18:52:19.66 ID:FoTeOGpg0
平塚「いいから隣に座りたまえ」

比企谷(どうやら意地でも帰さない気らしい。ならとっとと負けて…)

平塚「ちなみに手加減しようものなら必殺の灰皿ソニックが火を吹く」

比企谷「よーし、パパ有利キャラ選んじゃうぞー!」

平塚「ふむ、君はそういうスタンスか」

比企谷「バグ利用とかじゃない限りありだと思いますよ」

平塚「つまるところ、勝てればよかろうなのだー!ということか」

比企谷「え?あ、そ、そっすね…」

平塚「ふふ、そうかそうか」

比企谷(テンションたけーなー…)


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 19:36:34.41 ID:FoTeOGpg0
比企谷「ゲーセンの二人がけのイスって実際二人で座ると案外狭いですね」

平塚「そんな端に座らずともよかろう。もっとこちらへ来たまえ」

比企谷「それはちょっと」

平塚「その位置だと画面も見づらいじゃないか。後で負けた言い訳にされたくないしな」

比企谷「分かりましたよ…」

平塚「……」

比企谷「……」

平塚「…少し動いたら肩触れてしまいそうな距離、だな」

比企谷「……そっすね」

平塚「…き、緊張しているのか?それでは勝てる試合も勝てないぞ?私は負けるつもりはないが!」

比企谷(…帰りたい)


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 19:54:43.13 ID:FoTeOGpg0
比企谷「先生このゲーム好きなんすか?」

平塚「そうだな。学生時代はよくやっていた」

比企谷「このシリーズの最新作今稼動してますよね。そっちはやらないんですか」

平塚「やらないことはない……」

比企谷「…?」

平塚「見回りにくるのはこれで5度目なのだが、このゲームを誰かがやっているのを見たことがない」

比企谷「最新作が絶賛稼動中ですから、そりゃそうでしょ」

平塚「昔は並んで、皆がこぞってプレイしたものだ。それを思い出したら柄にもなく切なくなってしまったのだよ」

比企谷「……」

平塚「君にはイマイチピンとこない話だろう」

比企谷「取り残されたゲームと、婚活パーティで取り残される自分を重ね合わせちゃったわけですね」

平塚「……」

比企谷(しまった!!)

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 20:03:02.29 ID:FoTeOGpg0
平塚「……っ」

比企谷「…?」

平塚「比企谷…」

比企谷「な、なんでせう…」

平塚「その手のギャグはもう…やめにしないか…」

比企谷(誰か!誰か貰ってあげてください!)



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 20:21:27.06 ID:FoTeOGpg0
平塚「先日従兄弟の結婚式で両親と親戚のおばちゃんたちから似たような話は散々されたんだ…」

比企谷「あぁ…(すっかり忘れてた)」

平塚「この手の話は何度聞いても慣れないものだな。ま、慣れてしまったらおしまいなのかもしれんな」

比企谷(そう言って平塚先生は寂しそうに笑った)

平塚「……」

比企谷「……」

平塚「ふっ、闘争という雰囲気ではないな。私は帰るとしよう」

比企谷「対戦はどうするんですか」

平塚「やめておく。あとは君が楽しみたまえ」

比企谷「……」


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 20:34:19.21 ID:FoTeOGpg0
平塚「君も8時までには帰るように」

比企谷「……」

平塚「…明日学校でな」

比企谷「……」ガシッ

平塚「…!…な、なんだ比企谷」

比企谷(気がつくと俺はいつの間にか平塚先生の手を掴んでいた)

平塚「用がなかれば離してくれると助かるのだが…」

比企谷「……」

平塚「……」

比企谷「俺も好きですよ」

平塚「!」

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 20:40:54.30 ID:FoTeOGpg0
比企谷「責任取れつったのそっちでしょうに…」

平塚「なっ…き、君は…」

比企谷「はい?」

平塚「す、少し待ってくれ!一服!一服させて欲しい!」

比企谷(あれ?)

平塚「本気…なのか…?だが責任ということは…」ブツブツ

比企谷(あれれー?おかしーぞー?)

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 20:53:38.66 ID:FoTeOGpg0
比企谷(勢いで言っちまったけど、冷静に考えたら俺の言い方おかしくね?問題アリアリじゃね?)

平塚「教師と……生徒……」

比企谷(俺は先生と一緒にゲームしましょうって言いたかっただけなのに、どうしてこうなった)

平塚「禁断の恋、か……」

比企谷(はい、全部俺のせいです。本当にありがとうございました。…いや、勘弁してください)

平塚「あー、比企谷?」

比企谷「はい…」

平塚「君の気持ちは…その…非常にありがたい…」

比企谷「はぁ…」

平塚「しかし私たちは仮にも教師と生徒だ。それに私にも心の準備というものがあってだな…」

比企谷「……」

平塚「だから答えは卒業まで待っ――」

比企谷「平塚先生」

平塚「な、なんだ?」



83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 21:04:26.92 ID:FoTeOGpg0
平塚「ゲーム…だと…?」

比企谷「はい」

平塚「なら先ほどのアレは……」

比企谷「俺もこのゲーム好きなんで一緒にやりましょう」

平塚「……」

比企谷「…て、てへぺろ♪」

平塚「抹殺のぉ……」

比企谷(あ……俺死ん――)

平塚「ラストブリッドォオオオオオオ!!」ドゴォ!!

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/13(木) 21:08:53.77 ID:FoTeOGpg0
おしまい!
まぁ静ちゃんは俺が貰ってついでに俺を養ってもらう予定だから安心☆