3: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:04:16.02 ID:Pm1Inn7l
https://youtu.be/c_SLGBJgDNE
<ザーッ…
ピッ
『……8月13日金曜日、19時のニュースです』
『30日以上続く気持ちのいい快晴でしたが、午後から降り出した霧雨が日本列島を包んでいます』
「……」
『さて、気温もそこまで上がらず日本各地で歴史的に続いた晴れ間ですが……』
ピッ
「…はぁ」
ガラッ
(……良い天気よね)
(ずっと降り続けてるけど。この雨も)
「……」
(いくらカミサマが、このヨハネを嫌いだからって)
(…毎日毎日、こんな暇な事無いわよ)
「……~~~~っ」ガシガシ
ピッ
プルルル
「…………」
<ザーッ…
ピッ
『……8月13日金曜日、19時のニュースです』
『30日以上続く気持ちのいい快晴でしたが、午後から降り出した霧雨が日本列島を包んでいます』
「……」
『さて、気温もそこまで上がらず日本各地で歴史的に続いた晴れ間ですが……』
ピッ
「…はぁ」
ガラッ
(……良い天気よね)
(ずっと降り続けてるけど。この雨も)
「……」
(いくらカミサマが、このヨハネを嫌いだからって)
(…毎日毎日、こんな暇な事無いわよ)
「……~~~~っ」ガシガシ
ピッ
プルルル
「…………」
4: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:04:30.66 ID:Pm1Inn7l
ピッ
『火曜日のよーしこー!どしたの?』
「ヨハネ………あのさ」
『んー?』
「………一緒に家出しない?」
『火曜日のよーしこー!どしたの?』
「ヨハネ………あのさ」
『んー?』
「………一緒に家出しない?」
5: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:04:56.17 ID:Pm1Inn7l
善子「………」
カサッ
善子「…」
カチッ
ジジ…
善子「すーっ………」
善子「…げほっ、ごほっ!?」
善子「な、何が美味しいのよこれ…っ!?」
<ブーン…
善子「…あっ」
キキッ
曜「お待たせヨーソロー!あーっ善子ちゃん、悪い子じゃん!」
善子「別に……もう、いいでしょ。てかありがとね」
曜「お安いごよーでありますよ。私も暇だったしさ」
善子「……そう」
曜「それで?どこまで行こっか」
善子「まあ、適当に……」
曜「んー?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
カサッ
善子「…」
カチッ
ジジ…
善子「すーっ………」
善子「…げほっ、ごほっ!?」
善子「な、何が美味しいのよこれ…っ!?」
<ブーン…
善子「…あっ」
キキッ
曜「お待たせヨーソロー!あーっ善子ちゃん、悪い子じゃん!」
善子「別に……もう、いいでしょ。てかありがとね」
曜「お安いごよーでありますよ。私も暇だったしさ」
善子「……そう」
曜「それで?どこまで行こっか」
善子「まあ、適当に……」
曜「んー?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
6: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:05:20.95 ID:Pm1Inn7l
ブーン…
「寒くない?善子ちゃん」
「ええ」
「なら良かったであります」
「…」
「腰、ちゃんと掴んでてね」
「……ええ」
「………絶対に、離さないでね」
「…分かってる」
ブーン…
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
「寒くない?善子ちゃん」
「ええ」
「なら良かったであります」
「…」
「腰、ちゃんと掴んでてね」
「……ええ」
「………絶対に、離さないでね」
「…分かってる」
ブーン…
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
7: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:05:48.18 ID:Pm1Inn7l
ー海老名SAー
曜「とーちゃく!」
善子「スクーターで高速なんて、ホントは駄目なんだっけ」
曜「まあまあ、めっちゃ空いてたし?お陰で運転しやすかったよ」
善子「…見て、曜。貸切状態」
曜「おお……ほんとだね」
善子「…」カチッ
曜「もー、肺がんになっちゃうよ」
善子「今更、別にいいわよ」プカー
曜「………それもそっか」
曜「とーちゃく!」
善子「スクーターで高速なんて、ホントは駄目なんだっけ」
曜「まあまあ、めっちゃ空いてたし?お陰で運転しやすかったよ」
善子「…見て、曜。貸切状態」
曜「おお……ほんとだね」
善子「…」カチッ
曜「もー、肺がんになっちゃうよ」
善子「今更、別にいいわよ」プカー
曜「………それもそっか」
8: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:06:10.51 ID:Pm1Inn7l
ーパン屋ー
曜「おおおおおっ!!見て見て善子ちゃん、めっちゃ美味しそうなカレーパン!!しかもでっかいよ!」
善子「ほんとね。頂いちゃえば?」
曜「だね。善子ちゃんはどうする?」
善子「私は……取り敢えずコーヒー貰っとくわ」
曜「パンは良いのー?」
善子「あとで貰うわよ。今はコーヒーで………」
善子「……」
曜「……コーヒーで?」
善子「…目、覚ましたくて」
曜「……大事だね。肌寒いし」
善子「雪になるかもだしね。季節的にもさ」
曜「……それって、エモエモのエモじゃん!!雪にコーヒー、あと寒い時のカレーパン!」
善子「覚えたての言葉使ってからに…ふふ」
曜「へへ。そしたら外で食べよっか。テラス席とかあるよね?」
善子「そこにあるわよ。行ってみましょうか」
ガラッ
曜「おおおおおっ!!見て見て善子ちゃん、めっちゃ美味しそうなカレーパン!!しかもでっかいよ!」
善子「ほんとね。頂いちゃえば?」
曜「だね。善子ちゃんはどうする?」
善子「私は……取り敢えずコーヒー貰っとくわ」
曜「パンは良いのー?」
善子「あとで貰うわよ。今はコーヒーで………」
善子「……」
曜「……コーヒーで?」
善子「…目、覚ましたくて」
曜「……大事だね。肌寒いし」
善子「雪になるかもだしね。季節的にもさ」
曜「……それって、エモエモのエモじゃん!!雪にコーヒー、あと寒い時のカレーパン!」
善子「覚えたての言葉使ってからに…ふふ」
曜「へへ。そしたら外で食べよっか。テラス席とかあるよね?」
善子「そこにあるわよ。行ってみましょうか」
ガラッ
9: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:07:08.76 ID:Pm1Inn7l
曜「…うーん、澄んだ空気」
善子「…」ゴクッ
曜「善子ちゃん、ブラック飲めるんだ」
善子「バカにしてる?そういうあなたは飲めなさそうね」
曜「善子ちゃんこそバカにしてるじゃん!飲めるよそれくらい!」
善子「…ん」
曜「え、あ、今はいっかなー…」
善子「やっぱり飲めないんじゃないの」
曜「の、飲めらぁ!!」
ゴクッ
曜「……うぇー」
善子「あっはっは!やっぱ無理じゃない!」
曜「やっぱり苦手だよーそろ」
善子「あとでドリンクバーの方でも行きましょ」
曜「そんなのあるの?」
善子「いや知らないけど。あるでしょこんな大きかったら」ゴクッ
曜「ほえー」モグモグ
善子「大きいカレーパンね…」
曜「助かるねぇ」
善子「…」ゴクッ
曜「善子ちゃん、ブラック飲めるんだ」
善子「バカにしてる?そういうあなたは飲めなさそうね」
曜「善子ちゃんこそバカにしてるじゃん!飲めるよそれくらい!」
善子「…ん」
曜「え、あ、今はいっかなー…」
善子「やっぱり飲めないんじゃないの」
曜「の、飲めらぁ!!」
ゴクッ
曜「……うぇー」
善子「あっはっは!やっぱ無理じゃない!」
曜「やっぱり苦手だよーそろ」
善子「あとでドリンクバーの方でも行きましょ」
曜「そんなのあるの?」
善子「いや知らないけど。あるでしょこんな大きかったら」ゴクッ
曜「ほえー」モグモグ
善子「大きいカレーパンね…」
曜「助かるねぇ」
10: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:07:30.82 ID:Pm1Inn7l
善子「……」
プカー…
曜「……映えるよね。煙と霧雨」
善子「キレイよね。皮肉にも」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
プカー…
曜「……映えるよね。煙と霧雨」
善子「キレイよね。皮肉にも」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
11: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:08:35.60 ID:Pm1Inn7l
曜「カッコイイな…これ」
善子「車とか好きだったっけ?」
曜「別に詳しくは無いけどさ。『うわかっこよ!』ってのは直感であるんだ」
善子「……まあ、確かに。これなら黒色の方がいいけど」
曜「でしょでしょ?名前とかは知らないけどね」
善子「…」
ガチャッ
善子「あ」
曜「開いちゃったよ」
善子「……どうぞ渡辺さん、試乗を」
曜「くるしうない」
ストンッ
曜「おお…馴染む馴染む」
善子「ハンドルが?」
曜「いや、ブレーキペダルが」
善子「本能で運転しちゃいけないって左足が言ってるわよそれ」
曜「あはははっ!!あ、ちょっと後ろ側見てみるね!乗ってて乗ってて」
善子「あはい」
バタンッ
善子「車とか好きだったっけ?」
曜「別に詳しくは無いけどさ。『うわかっこよ!』ってのは直感であるんだ」
善子「……まあ、確かに。これなら黒色の方がいいけど」
曜「でしょでしょ?名前とかは知らないけどね」
善子「…」
ガチャッ
善子「あ」
曜「開いちゃったよ」
善子「……どうぞ渡辺さん、試乗を」
曜「くるしうない」
ストンッ
曜「おお…馴染む馴染む」
善子「ハンドルが?」
曜「いや、ブレーキペダルが」
善子「本能で運転しちゃいけないって左足が言ってるわよそれ」
曜「あはははっ!!あ、ちょっと後ろ側見てみるね!乗ってて乗ってて」
善子「あはい」
バタンッ
12: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:09:27.70 ID:Pm1Inn7l
善子「…」
スッ
パカッ
善子「普通は、こんなとこ開けないけど…っと」
善子「何これ、保証書…?よく分かんないわ」
善子「ボトルガム…普通外に出しとかない?忘れてんのかしら持ち主」
ヒラッ
善子「…っ!!」
ガチャ
曜「いやぁ、トランクも広々としていまして…お、何かあったの?」バタンッ
善子「………」
曜「…持ち主さんの、家族写真か」
善子「…3人家族なのね。娘さんに、親御さん」
スッ
パカッ
善子「普通は、こんなとこ開けないけど…っと」
善子「何これ、保証書…?よく分かんないわ」
善子「ボトルガム…普通外に出しとかない?忘れてんのかしら持ち主」
ヒラッ
善子「…っ!!」
ガチャ
曜「いやぁ、トランクも広々としていまして…お、何かあったの?」バタンッ
善子「………」
曜「…持ち主さんの、家族写真か」
善子「…3人家族なのね。娘さんに、親御さん」
13: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:09:43.36 ID:Pm1Inn7l
曜「今頃……何してんだろね」
善子「…さあね」
曜「…」
善子「…」
曜「…店内、戻ろっ」
善子「…………うん」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
善子「…さあね」
曜「…」
善子「…」
曜「…店内、戻ろっ」
善子「…………うん」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
14: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:10:36.08 ID:Pm1Inn7l
ー土産屋ー
善子「…出た、中学生が買うだっさい剣のキーホルダー」
曜「と言いつつ、絶対買ってたでしょ。善子ちゃんは」
善子「5本持ってるわ」
曜「ぶはっwwご、5本は多くないかなん!?wwww」
善子「黒魔術の触媒としてね…堕天の儀式に必要なのよ!」ギランッ
曜「へー」
善子「塩っ!?あんなに笑っといて塩過ぎるわよ!?!?」
曜「おりゃっ」ポンッ
善子「ぶへっ!?ぬいぐるみを投げるのはルール違反っすよね先輩!!」
曜「ペンギンのぬいぐるみは可愛いから許されるんだよ」ブンッ
善子「うおッ速度ォッ!?ひゃ、120は出てたわよ!?特待生ねこれは…」
曜「あ、向こうにお菓子系のお土産あるよ」
善子「興味の対象変わる速度も特待レベル……」
曜「…みかん饅頭だってさ」
善子「へえ、食べれないわ」
曜「そうだった」
善子「鰹のたたきあるじゃない」
曜「食べれないね」
善子「そうだった」
善子「…出た、中学生が買うだっさい剣のキーホルダー」
曜「と言いつつ、絶対買ってたでしょ。善子ちゃんは」
善子「5本持ってるわ」
曜「ぶはっwwご、5本は多くないかなん!?wwww」
善子「黒魔術の触媒としてね…堕天の儀式に必要なのよ!」ギランッ
曜「へー」
善子「塩っ!?あんなに笑っといて塩過ぎるわよ!?!?」
曜「おりゃっ」ポンッ
善子「ぶへっ!?ぬいぐるみを投げるのはルール違反っすよね先輩!!」
曜「ペンギンのぬいぐるみは可愛いから許されるんだよ」ブンッ
善子「うおッ速度ォッ!?ひゃ、120は出てたわよ!?特待生ねこれは…」
曜「あ、向こうにお菓子系のお土産あるよ」
善子「興味の対象変わる速度も特待レベル……」
曜「…みかん饅頭だってさ」
善子「へえ、食べれないわ」
曜「そうだった」
善子「鰹のたたきあるじゃない」
曜「食べれないね」
善子「そうだった」
15: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:10:43.44 ID:Pm1Inn7l
曜「…」
善子「…」
ようよし「「……ふふふっ」」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
善子「…」
ようよし「「……ふふふっ」」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
16: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:11:09.54 ID:Pm1Inn7l
曜「…善子ちゃん、今何時?」
善子「えっと、18時過ぎね」
曜「良い時間だね。この日射しだし分からないもんだ」
善子「……ほんと」
曜「…そろそろ帰ろっか」
善子「そうね…」
曜「はいヘルメット。高速で落っこちないでね」
善子「落ちてたまるか!!」
曜「あははっ!」
善子「えっと、18時過ぎね」
曜「良い時間だね。この日射しだし分からないもんだ」
善子「……ほんと」
曜「…そろそろ帰ろっか」
善子「そうね…」
曜「はいヘルメット。高速で落っこちないでね」
善子「落ちてたまるか!!」
曜「あははっ!」
17: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:12:29.05 ID:Pm1Inn7l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブーン…
「…雨、止まないね」
「大した量でも無いし……良いんじゃない」
「まね…」
「…」
「…」
「…ねえ、曜」
「んー?」
「……明日は、浦の星行かない?」
「…っ」
「…1度くらい、行った方が良い気がするの」
「…そう、だね」
「こうなってからは、初めて?」
「うん、怖いし」
「…私も」
ブーン…
「…雨、止まないね」
「大した量でも無いし……良いんじゃない」
「まね…」
「…」
「…」
「…ねえ、曜」
「んー?」
「……明日は、浦の星行かない?」
「…っ」
「…1度くらい、行った方が良い気がするの」
「…そう、だね」
「こうなってからは、初めて?」
「うん、怖いし」
「…私も」
18: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:12:36.09 ID:Pm1Inn7l
「でも」
「?」
「今んとこは、善子ちゃんがいるし」
「大丈夫そうかな」
「………そう」
「…私もよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「?」
「今んとこは、善子ちゃんがいるし」
「大丈夫そうかな」
「………そう」
「…私もよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
19: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:13:24.56 ID:Pm1Inn7l
ー善子宅ー
曜「到着よーそろー!おっ、落ちてなかったね」
善子「そう簡単に落ちてたまるもんですか。私が堕ちる時は堕天の時のみ……」
曜「はいはい」
善子「あっれぇ!?」
曜「……じゃあ、また、明日?」
善子「…ええ。バス停待ち合わせで、浦の星ね」
曜「うん、分かった」
善子「…じゃあ」
曜「……」
ガチャッ…
曜「到着よーそろー!おっ、落ちてなかったね」
善子「そう簡単に落ちてたまるもんですか。私が堕ちる時は堕天の時のみ……」
曜「はいはい」
善子「あっれぇ!?」
曜「……じゃあ、また、明日?」
善子「…ええ。バス停待ち合わせで、浦の星ね」
曜「うん、分かった」
善子「…じゃあ」
曜「……」
ガチャッ…
20: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:13:44.85 ID:Pm1Inn7l
曜「……待って!!!」
善子「ヨハっ!?な、何!?」
曜「………今から行こう」
善子「な、何でよ…」
曜「……明日になっても、善子ちゃんがいなくならない保証ってある?」
善子「っ!!!」
曜「こういう私だって、消えちゃわない保証は無いよ」
善子「それ、は…」
曜「だからやりたい事は、今の内にやっとかない?」
善子「……」
善子「ヨハっ!?な、何!?」
曜「………今から行こう」
善子「な、何でよ…」
曜「……明日になっても、善子ちゃんがいなくならない保証ってある?」
善子「っ!!!」
曜「こういう私だって、消えちゃわない保証は無いよ」
善子「それ、は…」
曜「だからやりたい事は、今の内にやっとかない?」
善子「……」
21: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:14:04.08 ID:Pm1Inn7l
曜「…お願い。もうこんな時間だけど」
善子「こんな時間の割には、綺麗な夕焼けだけどね」
曜「……」
善子「…制服に、着替えてくるわ」
曜「…っ、善子ちゃん…!」
善子「着替え終わったら、アンタの家行くわよ。曜も着替えるでしょ」
曜「うんっ!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
善子「こんな時間の割には、綺麗な夕焼けだけどね」
曜「……」
善子「…制服に、着替えてくるわ」
曜「…っ、善子ちゃん…!」
善子「着替え終わったら、アンタの家行くわよ。曜も着替えるでしょ」
曜「うんっ!!」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
22: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:14:37.29 ID:Pm1Inn7l
ー浦の星女学院ー
キキッ
曜「スクーターで来る日が来るとはねぇ」
善子「しかも2ケツ、制服で。ワルね私達」
曜「よし、浦の星の番長目指そっか」
善子「それは果南」
曜「うーん確かに」
テクテク…
キキッ
曜「スクーターで来る日が来るとはねぇ」
善子「しかも2ケツ、制服で。ワルね私達」
曜「よし、浦の星の番長目指そっか」
善子「それは果南」
曜「うーん確かに」
テクテク…
23: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:14:55.08 ID:Pm1Inn7l
ー1年生のフロアー
善子「……」
曜「変わってない?」
善子「何にも。放課後の時と同じ」
ガタッ
『黒澤ルビィの衣装ノート♡』
善子「……っ」
善子「……」
曜「変わってない?」
善子「何にも。放課後の時と同じ」
ガタッ
『黒澤ルビィの衣装ノート♡』
善子「……っ」
24: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:15:16.79 ID:Pm1Inn7l
曜「…あ、花丸ちゃんののっぽパンじゃん」
曜「まんま置いてあるよこれ」
善子「……1本貰っとく?」
曜「え、1本しかないじゃん」
善子「いや、確かずら丸のロッカーには……」ガチャ
ズラーッ
曜「ぜ、全種類揃ってる…!?」
善子「私イチゴ味にしよ」
曜「じ、じゃあみかん味…」
善子「じゃ出ましょ」
曜「……もういいの?」
善子「ええ、もう」
曜「…」
善子「…もう無理かも」
曜「……うん、分かった」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
曜「まんま置いてあるよこれ」
善子「……1本貰っとく?」
曜「え、1本しかないじゃん」
善子「いや、確かずら丸のロッカーには……」ガチャ
ズラーッ
曜「ぜ、全種類揃ってる…!?」
善子「私イチゴ味にしよ」
曜「じ、じゃあみかん味…」
善子「じゃ出ましょ」
曜「……もういいの?」
善子「ええ、もう」
曜「…」
善子「…もう無理かも」
曜「……うん、分かった」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
25: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:15:54.42 ID:Pm1Inn7l
ー2年生のフロアー
曜「おお、ここもそのまんまだ」
善子「曜の席ってどこだっけ」
曜「ここだよー。なんも変わってないね」
善子「…千歌の席はここね」
曜「え、何で分かったの?」
善子「だってみかん置いてあるし」
曜「あー…流石千歌ちゃん。机の上にみかん置きっぱにするなって、梨子ちゃんにいつも言われてるのに…」
善子「……もうリリーに怒られないのかしらね、私達」
曜「…大丈夫だよ。絶対」
善子「……」
曜「確信は無いし気休めだけど」
善子「…ん」
曜「曜ちゃん先輩がついてるよ」
善子「ありがと……ちょっと不安ね」
曜「なんでさー!!」
善子「ふふふ…」
曜「おお、ここもそのまんまだ」
善子「曜の席ってどこだっけ」
曜「ここだよー。なんも変わってないね」
善子「…千歌の席はここね」
曜「え、何で分かったの?」
善子「だってみかん置いてあるし」
曜「あー…流石千歌ちゃん。机の上にみかん置きっぱにするなって、梨子ちゃんにいつも言われてるのに…」
善子「……もうリリーに怒られないのかしらね、私達」
曜「…大丈夫だよ。絶対」
善子「……」
曜「確信は無いし気休めだけど」
善子「…ん」
曜「曜ちゃん先輩がついてるよ」
善子「ありがと……ちょっと不安ね」
曜「なんでさー!!」
善子「ふふふ…」
26: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:16:32.70 ID:Pm1Inn7l
ー3年生のフロアー
善子「あんまココには来た事無いわね…」
曜「Aqours繋がりでもあんまり来ないしね。大体部室か屋上だし」
善子「それもそうか」
曜「ちょっと御手洗行ってくるであります」
善子「んー」
カタッ
善子(ここはダイヤの席か…うわ、几帳面に置いてある…)
善子(って事はあそこの教科書乱雑机は……果南かマリーね。分かりやすっ)
善子「……はぁ」
善子(3年生……卒業前に)
善子「何で、こうなったのかしら」
カサッ
ジジ…
善子「…ふー」プカー
善子(悪い子ね。流石堕天使ヨハネ)
善子(教室内で制服で……煙草なんて)
善子(…どっかで全部、諦めてんのかもね)
善子「もう何も………元に戻らないって」
プカー…
善子「あんまココには来た事無いわね…」
曜「Aqours繋がりでもあんまり来ないしね。大体部室か屋上だし」
善子「それもそうか」
曜「ちょっと御手洗行ってくるであります」
善子「んー」
カタッ
善子(ここはダイヤの席か…うわ、几帳面に置いてある…)
善子(って事はあそこの教科書乱雑机は……果南かマリーね。分かりやすっ)
善子「……はぁ」
善子(3年生……卒業前に)
善子「何で、こうなったのかしら」
カサッ
ジジ…
善子「…ふー」プカー
善子(悪い子ね。流石堕天使ヨハネ)
善子(教室内で制服で……煙草なんて)
善子(…どっかで全部、諦めてんのかもね)
善子「もう何も………元に戻らないって」
プカー…
27: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:21:42.60 ID:Pm1Inn7l
善子(…気持ちいい陽射しと、潮風だこと)
善子「…」
善子(…………遅くない?曜)
善子「………」
ゾクッ
善子「…待って、"ソレ"だけは嫌っ!!」ダッ
ガラッ!!
善子(こんな世界で、私1人なんて)
善子(おかしくなるに決まってる……っ!!!)
タッタッタッ…
善子「…」
善子(…………遅くない?曜)
善子「………」
ゾクッ
善子「…待って、"ソレ"だけは嫌っ!!」ダッ
ガラッ!!
善子(こんな世界で、私1人なんて)
善子(おかしくなるに決まってる……っ!!!)
タッタッタッ…
28: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:22:05.03 ID:Pm1Inn7l
ー女子トイレー
善子「曜ッ!!曜!!?」
善子「…いない……嫌よ、絶対嫌ッ!!!」
善子「曜!!お願い、出てきて!!」
<…バタンッ
善子「っ!!」
善子(今のは…上?)
善子「って事は……っ!」
ダダダッ
善子「曜ッ!!曜!!?」
善子「…いない……嫌よ、絶対嫌ッ!!!」
善子「曜!!お願い、出てきて!!」
<…バタンッ
善子「っ!!」
善子(今のは…上?)
善子「って事は……っ!」
ダダダッ
29: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:22:26.59 ID:Pm1Inn7l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ザザーン…
バァンッ!!
「はぁっ、はぁっ…」
<「……」
「はぁ……ははっ、良かった。屋上にいたのね……」
<「…ちゃん……」
「アンタまでいなくなったのかと思って…本気で焦ったわよ…ったく」スタスタ
<「……梨子ちゃん………っ」
「っ!!」
ピタッ
ザザーン…
バァンッ!!
「はぁっ、はぁっ…」
<「……」
「はぁ……ははっ、良かった。屋上にいたのね……」
<「…ちゃん……」
「アンタまでいなくなったのかと思って…本気で焦ったわよ…ったく」スタスタ
<「……梨子ちゃん………っ」
「っ!!」
ピタッ
30: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:22:48.79 ID:Pm1Inn7l
「果南ちゃん、鞠莉ちゃん……ぐすっ、ひっぐ」
「みんな……ひぐっ、どこ行っちゃったんだよぉ…何で私達を置いて、いなくなっちゃったの…っ!!」ポロポロ
「うわああぁぁぁぁん……っ!!!」
(急に目の前からいなくなったあの子は)
(屋上から海を見ながら泣いていた)
(いつもこの、白夜の太陽みたいに明るい癖に)
(変なとこ生真面目で、でもちょっとだけ頼りになる……もし私に姉がいたなら、こんな感じなのかもって思ってたのに)
「みんな……ひぐっ、どこ行っちゃったんだよぉ…何で私達を置いて、いなくなっちゃったの…っ!!」ポロポロ
「うわああぁぁぁぁん……っ!!!」
(急に目の前からいなくなったあの子は)
(屋上から海を見ながら泣いていた)
(いつもこの、白夜の太陽みたいに明るい癖に)
(変なとこ生真面目で、でもちょっとだけ頼りになる……もし私に姉がいたなら、こんな感じなのかもって思ってたのに)
31: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:23:35.42 ID:Pm1Inn7l
「……ははっ、何で…」
(お互い、何も言わない様にしてたのに)
(分かっててもソレを言葉にしない様にしてたのに)
(あの子は泣きながら、ひた隠してた筈の真実を言語化したせいで)
(お互い、何も言わない様にしてたのに)
(分かっててもソレを言葉にしない様にしてたのに)
(あの子は泣きながら、ひた隠してた筈の真実を言語化したせいで)
32: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:23:42.55 ID:Pm1Inn7l
「何で、泣いてんのよ…あははっ」ポロポロ
(私は、感情がばらばらになって)
(笑いながら、泣いてた)
(私は、感情がばらばらになって)
(笑いながら、泣いてた)
33: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:24:37.39 ID:Pm1Inn7l
テクテク
「……よしこ、ちゃん」クシクシ
「…お願いだから、泣かないでよ」
「ごめん…」
「………ま、私も泣いてるけど」
「…」
「そりゃ言葉にしたくも、なるわよね」
ギュッ
「…善子ちゃん……っ」
「今だけは、それも仕方ないか」
「……よしこ、ちゃん」クシクシ
「…お願いだから、泣かないでよ」
「ごめん…」
「………ま、私も泣いてるけど」
「…」
「そりゃ言葉にしたくも、なるわよね」
ギュッ
「…善子ちゃん……っ」
「今だけは、それも仕方ないか」
34: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:25:18.90 ID:Pm1Inn7l
「お願い……いなくならないで…っ!!」
「もうこれ以上、友達が消えてくのなんて、耐えられる訳ないよ……!!」
「……保証は出来ないでしょ」
「っ……!!」
「カミサマの気まぐれで、明日いなくなるかもしれないし」
「ずっとこのまま……一緒にいられるかもしれない」
「……ぐすっ」
「もうこれ以上、友達が消えてくのなんて、耐えられる訳ないよ……!!」
「……保証は出来ないでしょ」
「っ……!!」
「カミサマの気まぐれで、明日いなくなるかもしれないし」
「ずっとこのまま……一緒にいられるかもしれない」
「……ぐすっ」
35: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:26:21.75 ID:Pm1Inn7l
「でもさ」
「…?」
「これから地球が砂漠になる程時間が経っても、私達2人なら」
「…きっと、大丈夫な気がしない?」
「……じもあいの2人なら、ね」
「ええ…」
「だから…アンタもいなくならないでよ」
「そんなの、当たり前じゃんか…」
「……ありがと。そう言ってくれて」
「…」
「…?」
「これから地球が砂漠になる程時間が経っても、私達2人なら」
「…きっと、大丈夫な気がしない?」
「……じもあいの2人なら、ね」
「ええ…」
「だから…アンタもいなくならないでよ」
「そんなの、当たり前じゃんか…」
「……ありがと。そう言ってくれて」
「…」
36: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:26:56.53 ID:Pm1Inn7l
(気づいたら、2人だけになってた)
「…そうだ、もう善子ちゃんちに住んじゃおっかな」
「それも…良いかもね」
「えへへ…」
(気づいたら、陽が落ちなくなってた)
「…そうだ、もう善子ちゃんちに住んじゃおっかな」
「それも…良いかもね」
「えへへ…」
(気づいたら、陽が落ちなくなってた)
37: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:28:25.23 ID:Pm1Inn7l
「アンタと同居とか…何か苦労しそう」
「料理は出来るもん!善子ちゃんこそ部屋掃除とかしなさそうだし……」
「そ、そんくらい出来るわよっ!」
「あはははっ、ほんとー?」
「ほんとったら、ほんとよ……ふふっ」
(……そして気づいたら、霧雨が上がっていた)
「料理は出来るもん!善子ちゃんこそ部屋掃除とかしなさそうだし……」
「そ、そんくらい出来るわよっ!」
「あはははっ、ほんとー?」
「ほんとったら、ほんとよ……ふふっ」
(……そして気づいたら、霧雨が上がっていた)
引用元: ・曜「白夜の日に」善子「私達は家出する」
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