3: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:04:16.02 ID:Pm1Inn7l
https://youtu.be/c_SLGBJgDNE




<ザーッ…


ピッ


『……8月13日金曜日、19時のニュースです』


『30日以上続く気持ちのいい快晴でしたが、午後から降り出した霧雨が日本列島を包んでいます』


「……」


『さて、気温もそこまで上がらず日本各地で歴史的に続いた晴れ間ですが……』


ピッ


「…はぁ」


ガラッ


(……良い天気よね)


(ずっと降り続けてるけど。この雨も)


「……」


(いくらカミサマが、このヨハネを嫌いだからって)


(…毎日毎日、こんな暇な事無いわよ)


「……~~~~っ」ガシガシ


ピッ


プルルル


「…………」

4: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:04:30.66 ID:Pm1Inn7l
ピッ


『火曜日のよーしこー!どしたの?』


「ヨハネ………あのさ」


『んー?』


「………一緒に家出しない?」

5: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:04:56.17 ID:Pm1Inn7l
善子「………」


カサッ


善子「…」


カチッ


ジジ…


善子「すーっ………」


善子「…げほっ、ごほっ!?」


善子「な、何が美味しいのよこれ…っ!?」


<ブーン…


善子「…あっ」


キキッ


曜「お待たせヨーソロー!あーっ善子ちゃん、悪い子じゃん!」


善子「別に……もう、いいでしょ。てかありがとね」


曜「お安いごよーでありますよ。私も暇だったしさ」


善子「……そう」


曜「それで?どこまで行こっか」


善子「まあ、適当に……」


曜「んー?」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

6: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:05:20.95 ID:Pm1Inn7l
ブーン…


「寒くない?善子ちゃん」


「ええ」


「なら良かったであります」


「…」


「腰、ちゃんと掴んでてね」


「……ええ」


「………絶対に、離さないでね」


「…分かってる」


ブーン…


ーーーーーー
ーーーー
ーー

7: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:05:48.18 ID:Pm1Inn7l
ー海老名SAー



曜「とーちゃく!」


善子「スクーターで高速なんて、ホントは駄目なんだっけ」


曜「まあまあ、めっちゃ空いてたし?お陰で運転しやすかったよ」


善子「…見て、曜。貸切状態」


曜「おお……ほんとだね」


善子「…」カチッ


曜「もー、肺がんになっちゃうよ」


善子「今更、別にいいわよ」プカー


曜「………それもそっか」

8: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:06:10.51 ID:Pm1Inn7l
ーパン屋ー



曜「おおおおおっ!!見て見て善子ちゃん、めっちゃ美味しそうなカレーパン!!しかもでっかいよ!」


善子「ほんとね。頂いちゃえば?」


曜「だね。善子ちゃんはどうする?」


善子「私は……取り敢えずコーヒー貰っとくわ」


曜「パンは良いのー?」


善子「あとで貰うわよ。今はコーヒーで………」


善子「……」


曜「……コーヒーで?」


善子「…目、覚ましたくて」


曜「……大事だね。肌寒いし」


善子「雪になるかもだしね。季節的にもさ」


曜「……それって、エモエモのエモじゃん!!雪にコーヒー、あと寒い時のカレーパン!」


善子「覚えたての言葉使ってからに…ふふ」


曜「へへ。そしたら外で食べよっか。テラス席とかあるよね?」


善子「そこにあるわよ。行ってみましょうか」


ガラッ

9: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:07:08.76 ID:Pm1Inn7l
曜「…うーん、澄んだ空気」


善子「…」ゴクッ


曜「善子ちゃん、ブラック飲めるんだ」


善子「バカにしてる?そういうあなたは飲めなさそうね」


曜「善子ちゃんこそバカにしてるじゃん!飲めるよそれくらい!」


善子「…ん」


曜「え、あ、今はいっかなー…」


善子「やっぱり飲めないんじゃないの」


曜「の、飲めらぁ!!」


ゴクッ


曜「……うぇー」


善子「あっはっは!やっぱ無理じゃない!」


曜「やっぱり苦手だよーそろ」


善子「あとでドリンクバーの方でも行きましょ」


曜「そんなのあるの?」


善子「いや知らないけど。あるでしょこんな大きかったら」ゴクッ


曜「ほえー」モグモグ


善子「大きいカレーパンね…」


曜「助かるねぇ」

10: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:07:30.82 ID:Pm1Inn7l
善子「……」


プカー…


曜「……映えるよね。煙と霧雨」


善子「キレイよね。皮肉にも」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

11: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:08:35.60 ID:Pm1Inn7l
曜「カッコイイな…これ」


善子「車とか好きだったっけ?」


曜「別に詳しくは無いけどさ。『うわかっこよ!』ってのは直感であるんだ」


善子「……まあ、確かに。これなら黒色の方がいいけど」


曜「でしょでしょ?名前とかは知らないけどね」


善子「…」


ガチャッ


善子「あ」


曜「開いちゃったよ」


善子「……どうぞ渡辺さん、試乗を」


曜「くるしうない」


ストンッ


曜「おお…馴染む馴染む」


善子「ハンドルが?」


曜「いや、ブレーキペダルが」


善子「本能で運転しちゃいけないって左足が言ってるわよそれ」


曜「あはははっ!!あ、ちょっと後ろ側見てみるね!乗ってて乗ってて」


善子「あはい」


バタンッ

12: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:09:27.70 ID:Pm1Inn7l
善子「…」


スッ


パカッ


善子「普通は、こんなとこ開けないけど…っと」


善子「何これ、保証書…?よく分かんないわ」


善子「ボトルガム…普通外に出しとかない?忘れてんのかしら持ち主」


ヒラッ


善子「…っ!!」


ガチャ


曜「いやぁ、トランクも広々としていまして…お、何かあったの?」バタンッ


善子「………」


曜「…持ち主さんの、家族写真か」


善子「…3人家族なのね。娘さんに、親御さん」

13: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:09:43.36 ID:Pm1Inn7l
曜「今頃……何してんだろね」


善子「…さあね」


曜「…」


善子「…」


曜「…店内、戻ろっ」


善子「…………うん」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

14: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:10:36.08 ID:Pm1Inn7l
ー土産屋ー



善子「…出た、中学生が買うだっさい剣のキーホルダー」


曜「と言いつつ、絶対買ってたでしょ。善子ちゃんは」


善子「5本持ってるわ」


曜「ぶはっwwご、5本は多くないかなん!?wwww」


善子「黒魔術の触媒としてね…堕天の儀式に必要なのよ!」ギランッ


曜「へー」


善子「塩っ!?あんなに笑っといて塩過ぎるわよ!?!?」


曜「おりゃっ」ポンッ


善子「ぶへっ!?ぬいぐるみを投げるのはルール違反っすよね先輩!!」


曜「ペンギンのぬいぐるみは可愛いから許されるんだよ」ブンッ


善子「うおッ速度ォッ!?ひゃ、120は出てたわよ!?特待生ねこれは…」


曜「あ、向こうにお菓子系のお土産あるよ」


善子「興味の対象変わる速度も特待レベル……」


曜「…みかん饅頭だってさ」


善子「へえ、食べれないわ」


曜「そうだった」


善子「鰹のたたきあるじゃない」


曜「食べれないね」


善子「そうだった」

15: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:10:43.44 ID:Pm1Inn7l
曜「…」


善子「…」


ようよし「「……ふふふっ」」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

16: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:11:09.54 ID:Pm1Inn7l
曜「…善子ちゃん、今何時?」


善子「えっと、18時過ぎね」


曜「良い時間だね。この日射しだし分からないもんだ」


善子「……ほんと」


曜「…そろそろ帰ろっか」


善子「そうね…」


曜「はいヘルメット。高速で落っこちないでね」


善子「落ちてたまるか!!」


曜「あははっ!」

17: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:12:29.05 ID:Pm1Inn7l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ブーン…


「…雨、止まないね」


「大した量でも無いし……良いんじゃない」


「まね…」


「…」


「…」


「…ねえ、曜」


「んー?」


「……明日は、浦の星行かない?」


「…っ」


「…1度くらい、行った方が良い気がするの」


「…そう、だね」


「こうなってからは、初めて?」


「うん、怖いし」


「…私も」

18: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:12:36.09 ID:Pm1Inn7l
「でも」


「?」


「今んとこは、善子ちゃんがいるし」


「大丈夫そうかな」


「………そう」


「…私もよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

19: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:13:24.56 ID:Pm1Inn7l
ー善子宅ー



曜「到着よーそろー!おっ、落ちてなかったね」


善子「そう簡単に落ちてたまるもんですか。私が堕ちる時は堕天の時のみ……」


曜「はいはい」


善子「あっれぇ!?」


曜「……じゃあ、また、明日?」


善子「…ええ。バス停待ち合わせで、浦の星ね」


曜「うん、分かった」


善子「…じゃあ」


曜「……」


ガチャッ…

20: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:13:44.85 ID:Pm1Inn7l
曜「……待って!!!」


善子「ヨハっ!?な、何!?」


曜「………今から行こう」


善子「な、何でよ…」


曜「……明日になっても、善子ちゃんがいなくならない保証ってある?」


善子「っ!!!」


曜「こういう私だって、消えちゃわない保証は無いよ」


善子「それ、は…」


曜「だからやりたい事は、今の内にやっとかない?」


善子「……」

21: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:14:04.08 ID:Pm1Inn7l
曜「…お願い。もうこんな時間だけど」


善子「こんな時間の割には、綺麗な夕焼けだけどね」


曜「……」


善子「…制服に、着替えてくるわ」


曜「…っ、善子ちゃん…!」


善子「着替え終わったら、アンタの家行くわよ。曜も着替えるでしょ」


曜「うんっ!!」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

22: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:14:37.29 ID:Pm1Inn7l
ー浦の星女学院ー



キキッ


曜「スクーターで来る日が来るとはねぇ」


善子「しかも2ケツ、制服で。ワルね私達」


曜「よし、浦の星の番長目指そっか」


善子「それは果南」


曜「うーん確かに」


テクテク…

23: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:14:55.08 ID:Pm1Inn7l
ー1年生のフロアー



善子「……」


曜「変わってない?」


善子「何にも。放課後の時と同じ」


ガタッ


『黒澤ルビィの衣装ノート♡』


善子「……っ」

24: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:15:16.79 ID:Pm1Inn7l
曜「…あ、花丸ちゃんののっぽパンじゃん」


曜「まんま置いてあるよこれ」


善子「……1本貰っとく?」


曜「え、1本しかないじゃん」


善子「いや、確かずら丸のロッカーには……」ガチャ


ズラーッ


曜「ぜ、全種類揃ってる…!?」


善子「私イチゴ味にしよ」


曜「じ、じゃあみかん味…」


善子「じゃ出ましょ」


曜「……もういいの?」


善子「ええ、もう」


曜「…」


善子「…もう無理かも」


曜「……うん、分かった」


ーーーーーー
ーーーー
ーー

25: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:15:54.42 ID:Pm1Inn7l
ー2年生のフロアー



曜「おお、ここもそのまんまだ」


善子「曜の席ってどこだっけ」


曜「ここだよー。なんも変わってないね」


善子「…千歌の席はここね」


曜「え、何で分かったの?」


善子「だってみかん置いてあるし」


曜「あー…流石千歌ちゃん。机の上にみかん置きっぱにするなって、梨子ちゃんにいつも言われてるのに…」


善子「……もうリリーに怒られないのかしらね、私達」


曜「…大丈夫だよ。絶対」


善子「……」


曜「確信は無いし気休めだけど」


善子「…ん」


曜「曜ちゃん先輩がついてるよ」


善子「ありがと……ちょっと不安ね」


曜「なんでさー!!」


善子「ふふふ…」

26: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:16:32.70 ID:Pm1Inn7l
ー3年生のフロアー



善子「あんまココには来た事無いわね…」


曜「Aqours繋がりでもあんまり来ないしね。大体部室か屋上だし」


善子「それもそうか」


曜「ちょっと御手洗行ってくるであります」


善子「んー」


カタッ


善子(ここはダイヤの席か…うわ、几帳面に置いてある…)


善子(って事はあそこの教科書乱雑机は……果南かマリーね。分かりやすっ)


善子「……はぁ」


善子(3年生……卒業前に)


善子「何で、こうなったのかしら」


カサッ


ジジ…


善子「…ふー」プカー


善子(悪い子ね。流石堕天使ヨハネ)


善子(教室内で制服で……煙草なんて)


善子(…どっかで全部、諦めてんのかもね)


善子「もう何も………元に戻らないって」


プカー…

27: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:21:42.60 ID:Pm1Inn7l
善子(…気持ちいい陽射しと、潮風だこと)


善子「…」


善子(…………遅くない?曜)


善子「………」


ゾクッ


善子「…待って、"ソレ"だけは嫌っ!!」ダッ


ガラッ!!


善子(こんな世界で、私1人なんて)


善子(おかしくなるに決まってる……っ!!!)


タッタッタッ…

28: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:22:05.03 ID:Pm1Inn7l
ー女子トイレー



善子「曜ッ!!曜!!?」


善子「…いない……嫌よ、絶対嫌ッ!!!」


善子「曜!!お願い、出てきて!!」


<…バタンッ


善子「っ!!」


善子(今のは…上?)


善子「って事は……っ!」


ダダダッ

29: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:22:26.59 ID:Pm1Inn7l
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ザザーン…


バァンッ!!


「はぁっ、はぁっ…」


<「……」


「はぁ……ははっ、良かった。屋上にいたのね……」


<「…ちゃん……」


「アンタまでいなくなったのかと思って…本気で焦ったわよ…ったく」スタスタ


<「……梨子ちゃん………っ」


「っ!!」


ピタッ

30: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:22:48.79 ID:Pm1Inn7l
「果南ちゃん、鞠莉ちゃん……ぐすっ、ひっぐ」


「みんな……ひぐっ、どこ行っちゃったんだよぉ…何で私達を置いて、いなくなっちゃったの…っ!!」ポロポロ


「うわああぁぁぁぁん……っ!!!」



(急に目の前からいなくなったあの子は)


(屋上から海を見ながら泣いていた)


(いつもこの、白夜の太陽みたいに明るい癖に)


(変なとこ生真面目で、でもちょっとだけ頼りになる……もし私に姉がいたなら、こんな感じなのかもって思ってたのに)

31: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:23:35.42 ID:Pm1Inn7l
「……ははっ、何で…」



(お互い、何も言わない様にしてたのに)


(分かっててもソレを言葉にしない様にしてたのに)


(あの子は泣きながら、ひた隠してた筈の真実を言語化したせいで)

32: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:23:42.55 ID:Pm1Inn7l
「何で、泣いてんのよ…あははっ」ポロポロ



(私は、感情がばらばらになって)


(笑いながら、泣いてた)

33: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:24:37.39 ID:Pm1Inn7l
テクテク


「……よしこ、ちゃん」クシクシ


「…お願いだから、泣かないでよ」


「ごめん…」


「………ま、私も泣いてるけど」


「…」


「そりゃ言葉にしたくも、なるわよね」


ギュッ


「…善子ちゃん……っ」


「今だけは、それも仕方ないか」

34: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:25:18.90 ID:Pm1Inn7l
「お願い……いなくならないで…っ!!」


「もうこれ以上、友達が消えてくのなんて、耐えられる訳ないよ……!!」


「……保証は出来ないでしょ」


「っ……!!」


「カミサマの気まぐれで、明日いなくなるかもしれないし」


「ずっとこのまま……一緒にいられるかもしれない」


「……ぐすっ」

35: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:26:21.75 ID:Pm1Inn7l
「でもさ」


「…?」


「これから地球が砂漠になる程時間が経っても、私達2人なら」


「…きっと、大丈夫な気がしない?」


「……じもあいの2人なら、ね」


「ええ…」


「だから…アンタもいなくならないでよ」


「そんなの、当たり前じゃんか…」


「……ありがと。そう言ってくれて」


「…」

36: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:26:56.53 ID:Pm1Inn7l
(気づいたら、2人だけになってた)



「…そうだ、もう善子ちゃんちに住んじゃおっかな」


「それも…良いかもね」


「えへへ…」



(気づいたら、陽が落ちなくなってた)

37: ◆TR2vneJwo2 (もんじゃ) 2023/02/16(木) 21:28:25.23 ID:Pm1Inn7l
「アンタと同居とか…何か苦労しそう」


「料理は出来るもん!善子ちゃんこそ部屋掃除とかしなさそうだし……」


「そ、そんくらい出来るわよっ!」


「あはははっ、ほんとー?」


「ほんとったら、ほんとよ……ふふっ」




(……そして気づいたら、霧雨が上がっていた)

引用元: 曜「白夜の日に」善子「私達は家出する」