1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:23:30 KeRfJAmE
女「どんな理由があろうと駄目だよ。」
男「誰かを助ける為とか。」
女「だめー。」
男「死にたがってる人を殺してあげるとか。」
女「だめ。」
"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:26:11 KeRfJAmE
男「うーん…でも、人間だけだよね。」
女「何が?」
男「1人殺されたぐらいで騒ぎになるの。」
男「蚊が1000匹殺されようと、
誰も興味は持たないだろうしね。」
女「へりくつ言わないのー。」
3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:28:47 KeRfJAmE
男「もー…ガンコだなー…」
女「お互い様だよね。」
男「どうしても駄目なの?」
女「もちろん。」
女「殺人はいけない事だからね。」
男「…自分が対象でも?」
4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:31:18 KeRfJAmE
女「…正当防衛ってこと?」
男「違う違う、そっちじゃない。」
男「僕が僕を殺害するんだ。」
女「…自殺って言ってよ。」
男「まわりくどい言い方好きなんだ。」
5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:33:24 KeRfJAmE
女「…何で急にそんな事言い出すの?」
男「殺人ができないなら、
生きててもしょうがないしね。」
女「殺人鬼みたいだね。」
男「あながち間違ってないかもね。」
"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:35:35 KeRfJAmE
女「じゃーさ…」
女「私を殺せば?」
男「…」
男「ズルイね…無理だとわかってて
そーゆー事言うんだから…」
女「へへーん。」
7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:37:37 KeRfJAmE
男「さてと…どうしよっかな。」
女「何が?」
男「殺人と自殺。どっちにしよっかなって話。」
女「…ガンコだなー、どっちも選んじゃダメなんだよー。」
男「…それは難しいかな。」
8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:40:51 KeRfJAmE
女「周りの人が悲しむよー。」
男「ある人が幸せになればそれでいいんだ。」
男「…それに、どちらの選択肢も僕の自己満足だしね。」
女「自己中っていうんだよ、そーゆーの。」
男「僕は最悪な称号は、全て持ってるつもりだよ。」
9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:44:23 KeRfJAmE
女「殺人っていっても、誰を殺すつもりなの?」
男「人生で一番怨んでる人。」
男「…絶対に殺す。」
女「…」
男「命をかけてでも…絶対に…」
10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:47:11 KeRfJAmE
女「何があったの?」
男「…」
女「うーん…まあ、答えてくれないよね。」
男「知らない方が良いこともあるんだよ。」
女「私の為でしょ?」
男「……っ!」
11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:50:57 KeRfJAmE
男「…」
男「はぁ…分かってたのか…最初から…」
女「気付いてないと思ってたのー?」
男「…理由は女が知ってる通りだよ。
今すぐにでも殺してやりたいんだ。」
女「ダメだよー。そんな事したら捕まるよ?」
男「殺せれば、その後の事はどうでもいいよ。
死刑になったとしても、どうでもいい。」
女「私は悲しいけどな。」
男「…」
12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 20:59:36 KeRfJAmE
男「はぁ……」
女「もう諦めるのです。」
男「自殺……」
女「も、しちゃダメ。」
男「…」
女「…」ジー…
男「わかったよ…降参……僕の負けだ…」
女「うーん…じゃあ二つ約束して?」
男「…約束?」
13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:05:14 KeRfJAmE
~2年後~
TV『今日、2年前から逃走を続けていた
殺人犯の○○容疑者が逮捕されました。
詳しい状況は……』
男「遅すぎるよ……
約束守るのどれだけ辛かったと思ってるんだ。」
男「…」チラッ
カレンダーを横目に見る。
今日は女の誕生日だ。
男「久しぶりに会いにいこうかな。」
14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:08:12 KeRfJAmE
電車を乗り継ぎ、1時間くらいで目的地の駅に着いた。
近くのコンビニと花屋で、
りんごジュースとピンクの花を買った。
そのまま20分ぐらい道なりに歩く……
男「…着いた。久しぶり、女。」
15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:13:08 KeRfJAmE
返事が返ってこない事なんか分かってる。
一方的でいいんだ。ただの自己満足だから。
男「自分で言うのもなんだけど…」
男「約束をすぐ破る僕が、約束を守れたんだ。
これって奇跡だよね。」
男「あ、はい。プレゼントだよ。」
石段の上に、りんごジュースとピンクの花を置く。
男「…そっか、もう一つの約束も残ってたね。」
男「守れるかどうか分からないけど、守ってみるよ。」
男「だからそっちも約束守ってね。」
ーもちろんだよ♪ー
16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:17:45 KeRfJAmE
【約束】
女「2つ約束して?」
男「…何?」
女「1つは、殺人と自殺をしない。」
男「それ2つじゃん…」
女「つべこべ言わないの。」
男「…分かったよ。次は?」
女「……幸せになって。」
男「……え?」
17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:21:16 KeRfJAmE
女「幸せな人じゃないと、
他人を幸せにはできないんだって。」
男「…」
女「だから、最高に幸せな人になって
私に会いに来てよ。」
女「世界で一番幸せになって?それが2つ目の約束!」
男「…難しいね。」
女「男ならできるよー。頑張れ!」
男「…分かった。」
男「じゃあ、こっちからも1つ約束していい?」
女「?」
18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:25:05 KeRfJAmE
~?年後~
「あー…やっと見つけた…」
『!よくわかったねー!』
「探すだけで1か月ぐらいかかったよ…」
『幸せになったー?』
「うん。たった今ね、世界で一番の幸せ者になったよ。」
『?』
「…君に会えたからね。」
『……///』
19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:31:27 KeRfJAmE
『…じゃあ、私も約束守んなきゃね!』
「…自分で言っておいて何だけど…
約束だからって無理しなくていいよ?」
『ううん。むしろこっちからお願いしたいくらいだよ。』
『私とー…』
「あー、そーゆーのは僕の役目だよ。」
「……女、僕と結婚してください。」
『…はいっ、喜んで!』///
20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2014/08/26(火) 21:34:39 KeRfJAmE
これで終わりです。
つたない文章でしたが、
読んでくださりありがとうございました。
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