1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:06:38.02 ID:R8BgRirM0
雪歩「え?」

P「ここまで冷え込むと、降り始めてもおかしくないよな。そう思わないか?雪歩」

雪歩「あ、あの……今、何て?」

P「ん?だから、そう思わ」

雪歩「その前です」

P「ここまで冷え込むと、降り始めても……」

雪歩「……何が降るって言ったんです?」

P「初美希」

雪歩「えっ?」

P「初美希」


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:10:12.51 ID:R8BgRirM0
雪歩「……は、初美希って?」

P「知らないのか?この季節になるとな、降ってくるんだよ」

雪歩「えっ?……い、一体、何が……?」

P「何がって、初美希なんだから美希に決まってるだろ」

雪歩「美希ちゃんが!?」

P「あぁ」

雪歩「……冗談、ですよね?」

P「冗談なもんか……おっ、噂をすれば、ほら」

雪歩「えっ」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:12:22.42 ID:R8BgRirM0
「なのー」フワフワ

「あふぅ」フワフワ

「なのー」フワフワ

「なのー」フワフワ

「はにぃー」フワフワ



雪歩「」

P「……な?」

雪歩「(……小さな美希ちゃんが、フワフワしながら大量に落ちていく……!?)

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:14:58.61 ID:R8BgRirM0
P「これを眺めてるとな、もう冬も真っただ中なんだなぁって気がするんだよ」ウンウン

雪歩「………」ガラッ

P「おい雪歩、窓なんか開けてどうしたんだ。寒いじゃないか」

雪歩「換気です!」



雪歩「(触った感じ、冷たくはない……とりあえず、雪じゃないみたい)」サワサワ

雪歩「………」チラッ





美希「なのー、なのー、あふぅ、なのー、なのー……はにぃー」ポイポイポイ


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:17:07.26 ID:R8BgRirM0
~屋上~

ガチャッ

雪歩「……美希ちゃん?」

美希「あ、雪歩」

雪歩「一体、何やってるの?……ここ、立ち入り禁止だよ?」

美希「あのね、ハニーのために初ミキを降らせてるの」ポイポイポイ

雪歩「そ、その投げ捨ててるのは……?」

美希「ちっちゃいミキだよ。ティッシュで作ったの」ゴソゴソ

美希「ふふーん……ミキね、寝ないで作るの、頑張ったんだから」ポイポイポイ

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:20:08.23 ID:R8BgRirM0
雪歩「アイドル活動そっちのけで、そんなもの作ってたんだ……」

美希「そんなもの、とは失礼なの。ちゃんと心をこめて作ったんだから」ゴソゴソ

雪歩「で、でも……何のために?」



美希「……雪歩は、サブリミナルって知ってる?」

雪歩「サブリミナル?」

美希「こうやってこの季節に、ミキをいーっぱい見ればね……」ポイポイポイ

美希「いくら鈍感なハニーでも、ミキのバースデーが近いって気付くと思うの」ゴソゴソ

雪歩「(え、えぇー……)」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:23:28.74 ID:R8BgRirM0
~数日後~

美希「おはよー、ハニー!」

P「おう、今日は早いんだな美希」

美希「ねぇねぇ!この間はスゴかったよね、初ミキ!」

P「あぁ、そうだな。アレを見ると、冬が近づいたんだなって感じるよ」

美希「そうそう!それでね、今週はミキの誕」

P「ん?……あ、あぁっ!」

美希「は、ハニー!?」

P「ま、まさか……!」

美希「(やっと気付いた!?)」

P「アレは……あぁ、間違いない!!」ダッ

美希「えっ」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:26:31.46 ID:R8BgRirM0
「ぽぇぇ……」フワフワ

「ぽー……」フワフワ

「ぽぇー……」フワフワ

「ぽぇぇ……」フワフワ



美希「」

P「そうか……初雪歩、かぁ」

P「……そうだな、もうそんな時期なんだな……」ウンウン

美希「………」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:29:39.14 ID:R8BgRirM0
美希「……ねぇ、ハニー」

P「ん?」

美希「初雪歩って何」

P「知らないのか?初雪歩はな、初雪の前兆と言われてるんだ」

美希「へぇ」

P「アレが降ると、もうすぐ初雪が見られるってのは有名な話だぞ?」

美希「……ふーん」


ガチャッ

雪歩「ハァ、ハァ……ぷ、プロデューサー!外、見ましたか!?今……」

美希「雪歩ー?ちょっと、こっち来てー」グイッ

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:33:02.48 ID:R8BgRirM0
美希「(……ねぇ、どうしてミキのマネなんかするのかな?)」ヒソヒソ

雪歩「(わ、私だって、来月に誕生日控えてるんです!)」ヒソヒソ

雪歩「(クリスマスイブで忘れられたくないし……その……)」ヒソヒソ

美希「(雪歩のせいでハニーがバースデープレゼント、忘れちゃったらどうするの?)」ヒソヒソ

雪歩「(えっ!?……そ、そんなつもりじゃ……)」ヒソヒソ



P「あ、あぁーっ!……アレは……!?」ガタッ

雪歩「……えっ?」

美希「どうしたの、ハニー!?」

P「なんてこった、アレまで見られるなんて……今日の俺はツイてるぞ!!」



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:36:22.76 ID:R8BgRirM0
「とかー!」フワフワ

「ちー」フワフワ

「とかーっ」フワフワ

「ちぃ!」フワフワ

「連邦のモビルスーツは!」フワフワ

「化け物か!」フワフワ



雪歩「………」

美希「……何アレ」

P「初亜美、初真美だ……あぁぁ、何と言う僥倖っ……!!」ガタガタ

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:39:46.40 ID:R8BgRirM0
雪歩「は、初亜美と……初真美、ですか?」

P「ま、まさか……知らないのか!?」

美希「全然」

P「初亜美と初真美はな……ごく稀にしか観測できない、非常に希少価値の高い現象なんだ」

P「見ることができただけでも、一年は幸福に暮らすことができるとも言われているんだぞ」

雪歩「……ちょっと私、屋上見てきますね」

美希「あ、ミキも!」

P「お、おい、二人ともどこに……!!」



P「あ、あ……あぁぁ……う、うわぁぁぁぁぁぁっ」ガタガタガターン

「「!?」」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:43:06.73 ID:R8BgRirM0
美希「ど、どうしたの!?」

雪歩「イスから転げ落ちて……だ、大丈夫ですか?」

P「ひ、ひぃぃぃぃ……う、ウソだろ!?……あぁ!窓に!窓にっ!!」





「かっかー」フワフワ

「ゔぁーい」フワフワ

「かっか!」フワフワ

「アハハハハハハ」フワフワ

「ヴぁい!」フワフワ

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:46:30.89 ID:R8BgRirM0
美希「………」

雪歩「……何ですか、アレ」

P「は、初春香だ……マジかよ……どうして、なんだ……」ガタガタ

美希「な、何でそんなに怯えてるの?」

P「普通は春にしか見られないんだぞ、アレは……!」

P「だが今、俺達の目の前で大量に降っている……!これがどういう意味か、分かるか!?」

雪歩「いえ、全く」

P「異常気象……天変地異の、前触れなんだよ!もう、初雪どころじゃない!!」

P「こ、このままでは……!」


ゴゴゴゴゴゴ


P「人類は、滅亡……ん?」

美希「な、なんだっ……あ」

雪歩「あっ……」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:50:01.45 ID:R8BgRirM0
~屋上~

亜美「もー!いきなり何すんのさ、はるるん!」

真美「ちょっとー!まだ真美達、降らせ終わってないんだけどー!」

春香「あなた達には悪いけど、今日だけは忘れちゃいけない日なの!」ゴソゴソ



春香「そぉー……れっ!」ポイポイポイポイ

亜美「あーあー、あんな大量に……」

真美「風情も何もありゃしな……あっ……」

亜美「?どしたの、真……美……」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:53:03.38 ID:R8BgRirM0
春香「プロデューサーさんがっ!」ゴソゴソ

春香「今日と言う日の重要さにっ!気付くまでっ!」ポイポイポイポイ

春香「降らせるのをっ!やめなっ……」


ガシッ


春香「ち、ちょっと真美!?邪魔しない……で……?」グググ





律子「………」ニコォ

春香「」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:56:23.91 ID:R8BgRirM0
律子「下のたるき亭からね、苦情が来てるんですよ。えぇ」

雪歩「………」

亜美「………」

真美「………」

律子「連日に渡って、空から大量にティッシュ状のゴミが店の前に降り注ぐんだそうで」

美希「ご、ゴミじゃないよ!ミキはちゃんと心をこめて……」

律子「だまらっしゃいっ!!」バンッ

美希「」ビクッ



律子「……景観損ねるどころか、店の入口までそのゴミで埋まりかねない、と」

P「そ、そんな事態にまでなってたのか……」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 19:59:46.78 ID:R8BgRirM0
律子「雪歩と美希はもう聞いたから良いとして……あんた達は、何でこんな事を?」

亜美「お、面白そうだったので……つい」

真美「フッ……そこに、面白さがあるかr」

律子「あぁん?」

真美「ひっ……!」ビクビク



P「は、春香は、どうしてこんな事をしたんだ?」

春香「………」

P「お前はむしろ、止めなきゃいけない側だろう?どうして……」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 20:03:31.22 ID:R8BgRirM0
春香「……まだ気付かないんですか?プロデューサーさん……」

P「ん?」

春香「今日は!中村繪里子さんの!誕生日なんですよっ!?」バンッ





P「……は?中村……誰?」

春香「中村繪里子さんの!誕生日なんですっ!!」

P「……だ、だから……誰なんだ?」

春香「ご存じ、ないのですか!?」

P「い、いや……」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 20:08:19.75 ID:R8BgRirM0
春香「もういいです!とにかく、早く一緒にお祝いして下さい!」

P「えっ……あ、あの……」

春香「さぁ、皆さんご一緒に!中村繪里子さぁーん!お誕生日ぃー、おめでとうございまs」

律子「祝う前にやることがあんでしょーがぁぁぁぁぁぁっ!!!」バンッ

春香「ひっ」ビクッ



P「さぁ、お前達。自分で撒いた分は、自分でちゃんと片付けてくるんだ。前より綺麗にしてな」

「「「「「はーい……」」」」」ゾロゾロ



P「まったく……どうしようもないな、あいつらは」

律子「どうしようもないのはあなたです、プロデューサー殿!!」グイッ

P「え、あ……おい、ちょっ」ズルズル

律子「誰があの子達を煽ったと思ってんですっ!?」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 20:12:04.28 ID:R8BgRirM0
春香「参ったなぁ……ここまで散らかってるなんて」ガサガサ

亜美「予想以上に作り過ぎた感じだね……」ゴソゴソ

真美「そりゃ、真美達の努力の結晶だかんね……」ガサガサ

P「その努力をアイドル活動に向けろよ、お前ら……」ガサガサ

雪歩「うぅぅ……そ、外、寒いですね……」ガタガタ

美希「……あっ!」





P「ん?どうした美希」

美希「ほ、ほら!上を見て、ハニー!」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 20:15:34.68 ID:R8BgRirM0
P「上?……おっ」

雪歩「わぁ……」

亜美「おおーっ!雪だぁー!!」

真美「すっごく綺麗だね、亜美!」

春香「……初雪、になるんですかね?」

P「そうなるなぁ……多分」





美希「ね、ハニー。今年ももうすぐ、終わっちゃうね」

P「あぁ……悔いを残さないように、俺達も頑張らないとな」



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/19(月) 20:19:47.60 ID:R8BgRirM0
雪歩「プロデューサー……」

真美「兄ちゃん……」

春香「プロデューサーさん……」

亜美「へ、へぁ……っくし!」


ガララッ


律子「コラーッ!何手を止めてるの!!」

律子「雪でゴミがグッチャグチャになっちゃう前に、さっさと掃除!急いでっ!!」

「「「「「「へーい」」」」」」



おわり