1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:16:39.05 ID:1So8Rjkn0.net[1/25]
妹「いつも言ってんだろうが、くそったれ」
兄「お前の素行の悪さを、生徒会長として見逃すわけにはいかん」
兄「茶髪もスカート丈も校則違反だ」
妹「うるせーんだよ。ばーか」
兄「おい、待て。どこへ行く」
妹「どこ行こうが私の勝手だろうが!」
兄「……行ってしまった」
3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:18:27.67 ID:1So8Rjkn0.net[2/25]
妹「ちっ、むしゃくしゃすんな……」
DQN先輩女「おい、お前。ちょっと待てよ」
妹「ハァ? なんすか」
DQN先輩女「なんすかだぁ? てめーなめてんのか」
DQN先輩女「挨拶もしねーで通り過ぎようとしやがって」
妹「お前なんかなめねーよ。気持ち悪い」
DQN先輩女「……ちょっとこっち来いや」
妹「どこ連れてってくれんすかねぇ?」
4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:20:32.31 ID:1So8Rjkn0.net[3/25]
~校舎裏~
DQN先輩女「今さら青ざめたっておせーんだよ」
DQN先輩女2「前から気に入らなかったんだよね、こいつ」
DQN先輩女3「1年坊がよ。なめやがって」
DQN先輩男「ボコしたら っちゃっていいの?」
DQN先輩女「おう。好きにしろよ」
妹「ふーん。こんなに集めてパーティでもするつもりなの?」
DQN先輩女「てめぇ! 調子乗んな!」
DQN先輩女「お前ら! 殺してやれ!」
一同「おう!」
5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:22:40.20 ID:1So8Rjkn0.net[4/25]
妹「で? 一人でどうするつもり?」
DQN先輩女「なっ……」
DQN先輩女「こいつらが、一瞬で……」
妹「ねぇ?」
DQN先輩女「ひっ……」
妹「ふん。あんたは見逃してあげるよ」
妹「そいつら全員病院に連れてってやんな」
妹「じゃあねー、先輩」
DQN先輩女「…………くそっ」
7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:24:56.57 ID:1So8Rjkn0.net[5/25]
~自宅~
兄「いいから早く髪を黒染めしろ」
兄「新しい制服も注文しておいてやったぞ」
妹「うっせぇ! 勝手なことしてんな!」
兄「ふむ。なんなら髪も俺がやってやろうか」
妹「いてぇ! 離せ!」
兄「この兄に力でかなうはずなかろう」
妹「いでででで……」
兄「あ」
妹「髪は……女の命なのに……」
兄「何も泣くことなかろう……。仕方ない、分かった」
兄「明日まで待ってやるから、それまでに黒くしておけよ」
9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:27:05.16 ID:1So8Rjkn0.net[6/25]
~妹自室~
妹「あの馬鹿兄貴……」
妹「人の気も知らないで」
妹「ただ、構ってもらいたいだけなのに」
~兄自室~
兄「少しやりすぎたか」
兄「しかし、これも妹を思うが故」
兄「許してくれ。妹よ」
13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:29:28.85 ID:1So8Rjkn0.net[7/25]
翌日 ~学校~
DQN先輩女「オラァ! 死ねや! このいじめられっ子のいじ娘が!」
いじ娘「痛い! やめてぇ……」
DQN先輩女「あははははははーーー!!!!」
いじ娘「うぅぅぅぅーー…………」
妹「何楽しそうなことしてんすか? 先輩」
DQN先輩女「うっ……。妹……」
妹「私も混ぜてくださいよー」
妹「まぁ私は、いじ娘さんの方に付きますけど」
DQN先輩女「ちっ……」
16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:31:49.57 ID:1So8Rjkn0.net[8/25]
いじ娘「あ、あの。助けてくれて、どうもありがとう」
妹「いいってば。いじ娘さんも、もっとしゃんとしてください」
いじ娘「あうぅー……。そうだよねぇ……」
いじ娘「私がどんくさいせいで、この子取られちゃったの……」
妹「その写真って、……子犬?」
いじ娘「……うん。私が校舎裏で飼ってたんだけど」
いじ娘「連れてかれちゃった」
妹「……どこに?」
いじ娘「……体育倉庫」
19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:33:55.52 ID:1So8Rjkn0.net[9/25]
いじ娘「ダメだよ! 妹ちゃん!」
妹「離せって! 私がその子取り返してくる!」
いじ娘「だって、あっちは何人いるか分からないんだよ!?」
妹「はっ。あんな雑魚、何人いても変わらないって」
いじ娘「……」
妹「だから。私みたいなクズのこと、そんな心配しなくていいよ」
いじ娘「ううん。妹ちゃんはクズなんかじゃないよ」
いじ娘「とっても優しい子だよ」
妹「……」
いじ娘「だから、私も着いていくよ」
25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:37:03.66 ID:1So8Rjkn0.net[10/25]
兄「ふむ。教室にもいないか」
兄「妹はどこに行ったのだ」
兄「黒染めして来たのか確認せねばならんのに」
先生「おお、ちょうど良かった、兄君。ちょっと話があるんだが」
兄「これはこれは、先生ではないか。はて、何かな。」
先生「いやね、妹さんの素行の悪さはどうにかならないのかと思ってね」
先生「全く、君と血のつながった兄妹ってのが信じられないよ」
兄「貴様」
先生「うぐっ! 何を……」
兄「先生と言えど捨て置けんな。その発言、取り消してもらおうか」
26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:39:20.36 ID:1So8Rjkn0.net[11/25]
~体育倉庫~
DQN先輩女「なんだ? 飛んで火にいるなんとやらってやつだな」
妹「へー、ずいぶんいるね。今日はサッカーでもやる気?」
いじ娘「……」
DQN先輩女「いや? ……しいて言えば、野球かな」
DQN先輩女「みんなー。ボールは持った?」
一同「うーい!」
DQN先輩女「……せーの!」
妹「……っ!? いじ娘さん! 危ない!」
いじ娘「あっ……」
27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:41:25.02 ID:1So8Rjkn0.net[12/25]
兄「ふん。無駄な時間を食ったな」
兄「さて、妹はいずこへ」
一般生徒「生徒会長! 妹さんを探しているんですか?」
兄「うむ。どこにも見当たらんのでな」
一般生徒「さっき、体育倉庫の方へ向かうのを見かけましたよ」
兄「? あそこは今、使われていないはずだが」
一般生徒「最近は、不良のたまり場になってますね」
一般生徒「噂だとタバコを吸ったり、飲酒までしているとか」
兄「それは許せんな。生徒会長として見逃すわけにはいかん」
兄「協力感謝する。では」
29 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:43:36.83 ID:1So8Rjkn0.net[13/25]
いじ娘「やめてぇえええ! もうやめてよぉぉぉおおおおお!!!」
DQN先輩女「うっせぇ! お前もやんぞ!」
いじ娘「ひっ……!」
DQN先輩女「でぇ? 妹ちゃん。どんな気分?」
DQN先輩女「両手足縛られてボコられるのはさぁ」
妹「……てめーのツラくらい、最悪な気分かな」
DQN先輩女「……立場分かってねぇのか、コラァ!」
妹「…………っっっ!!!!!」
いじ娘「もうやめてぇ……」
30 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:46:16.35 ID:1So8Rjkn0.net[14/25]
兄「むっ、しまった」
兄「体育倉庫へ向かう渡り廊下の鍵が閉まっておる」
兄「さて、どうしたものか」
兄「職員室に鍵を取りに戻るか」
兄「うーむ」
兄「面倒くさいから窓ガラスが割れていたことにしよう」
兄「どうせ不良のたまり場なんだし」
兄「どうとでも言い訳はつく」
兄「せいっ!」
兄「よし、道は開けたな」
33 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:48:47.14 ID:1So8Rjkn0.net[15/25]
妹「ごふっ……」
DQN先輩女「硬球何発も食らって、死ぬほど殴る蹴るされてるのに」
DQN先輩女「なんでまだ意識あるわけ? 神経通ってないの?」
妹「……はぁ。無神経なもんで」
DQN先輩女「そろそろその減らず口、塞いでやろうかな」
DQN先輩女「おーい。お前ら、こいつ っちゃえよ」
DQN先輩男「こんなボコボコのやつ すの?」
DQN先輩男2「ちゃんと立つかな……」
妹「な、何する気だよ! 寄るな!」
DQN先輩女「なぁーんだ。ちゃんとそういう声も出せるんじゃん」
DQN先輩女「最初からそれなら、許してやっても良かったのになぁ」
妹「やめろよぉぉぉおおお!!!!!」
35 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:50:55.93 ID:1So8Rjkn0.net[16/25]
妹「ふざけんなっ! 殺すぞ!」
DQN先輩女「うるせーってんだよ、オラァ!」
妹「うぐっ……うぅ……」
DQN先輩女「今さら泣いたっておせーの」
DQN先輩男「もう顔殴るなって。ただでさえボコボコなんだから」
DQN先輩女「ねぇ妹ちゃん。これから滅茶苦茶に されるわけだけど」
DQN先輩女「今はどんな気分?」
妹「……ぅ」
DQN先輩女「あはははは! 顔ぐしゃぐしゃじゃん! キモっ!」
DQN先輩男「あん? なんだおま」
兄「ふむ。これはどういうことだ」
妹「お兄ちゃん!」
DQN先輩男「……」
38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:53:10.17 ID:1So8Rjkn0.net[17/25]
DQN先輩女「おい! 男! どうしたんだよ!」
兄「もうそいつは目覚めんぞ」
DQN先輩女「なっ……」
兄「時に妹よ。大丈夫かな」
妹「うん! お兄ちゃんが来てくれたから平気!」
兄「ふむ。お兄ちゃん、か。いい響きだ」
妹「あ……。兄貴……」
兄「さて、いじ娘君も大丈夫か?」
いじ娘「……ぅ、うん」
DQN先輩女「くっ、こいつ……。お前ら! やっちまえ」
一同「……」
兄「ああ、ここにいる全員。しばしの間眠ってもらった」
41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:56:20.14 ID:1So8Rjkn0.net[18/25]
兄「いいか。お前らのような手合いはクズと呼ぶんだ」
兄「自分でやったことの責任すら自分で持てないのだからな」
兄「ところで少年法というのを知っているか」
兄「あれは、お前らは半人前だから罪を軽くしましょう、という法律だ」
兄「つまりお前らは半端者なのだ」
兄「何もできないくせに、何でもできると思っている愚か者が」
兄「法がお前ら甘やかすというのなら、代わりに俺が裁いてやろう」
兄「俺の唯一である家族を傷つけたんだ」
兄「その罪を清算させてやる。正確に表現するならば」
兄「お前を殺す」
DQN先輩女「あわわわわ……」
50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 01:59:03.01 ID:1So8Rjkn0.net[19/25]
兄「ふん。気を失いおったか。愚図めが」
兄「さて、妹よ。病院へ行こうか」
妹「……お兄ちゃん。迷惑かけてごめんなさい」
いじ娘「違うの! 妹ちゃんは何も悪くないのよ!」
いじ娘「私のわんちゃんを取り返そうとしてくれたの!」
兄「わんちゃん?」
いじ娘「……うん。あそこにいるのよ」
子犬「くぅん」
兄「ふむ。かわいらしいな」
いじ娘「だから妹ちゃんは悪くないの!」
妹「……」
53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 02:01:46.02 ID:1So8Rjkn0.net[20/25]
兄「我が妹が悪くないだと?」
妹「……」
兄「……そんなことは言われずとも分かっておる」
兄「こいつは昔から心優しい子だ」
妹「……お兄ちゃん」
兄「いじ娘君は、どこも怪我をしていないかな」
いじ娘「う、うん。妹ちゃんが助けてくれたから」
兄「そうか。ではおいとまするとしよう」
妹「……何その構え」
兄「久々におんぶをしてやる。兄の背中は大きいだろう?」
妹「……別に。歩けるからいいよ」
兄「………………それは残念だ」
56 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 02:04:14.86 ID:1So8Rjkn0.net[21/25]
DQN先輩女「200まんえん!?」
先生「ああ。あそこはガラスに特殊な素材が入っててな」
先生「そのせいで、まわりのコンクリートごとえぐれているんだ」
先生「いったいなんであんなことをしたか知らんが……」
先生「壁面全体とガラスの弁償代」
先生「しめて200万円だ。正確には204万8600円だが」
DQN先輩女「……私は、やってないよ」
先生「生徒会長が見た、と言ってるんだ」
先生「疑う余地はあるまい? 監視カメラにもお前がちゃんと写っとったし」
DQN先輩女「嘘だ……」
58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 02:07:01.85 ID:1So8Rjkn0.net[22/25]
~自宅~
兄「はっはっは。かわいいではないか」
妹「わ、笑うなよ。兄貴がやれって言ったんだろ」
兄「はは。これはすまん。しかし、やはり黒髪の方が似合うぞ」
妹「……ホント?」
兄「うむ。そちらの方が断然かわいい」
妹「……えへへ。そっか」
兄「まぁ。スカートは短い方がいいがな」
妹「えっ」
兄「俺が学校側に掛け合って、校則の方を変えるとしよう!」
妹「……この変 !」
60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 02:09:07.07 ID:1So8Rjkn0.net[23/25]
翌日 ~学校~
DQN先輩女「1000まんえん!?」
兄「大声を出すな」
兄「大事な妹の顔に傷がついたんだからな」
兄「まぁ最近の医療技術は素晴らしいもので、元通りにはなったが」
兄「なにぶん保険適用外なもので、治療にそれだけかかってしまった」
兄「その費用に1000万円。正確には1027万4800円だ」
DQN先輩女「嘘だ……」
兄「はっはっは。こやつめ、なかなか面白い顔をしよるわ」
62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 02:11:31.73 ID:1So8Rjkn0.net[24/25]
妹「兄貴ー」
兄「なんだ。もうお兄ちゃんとは呼んでくれないのか」
妹「呼ばねーよ! この馬鹿!」
兄「残念至極だな。ところで何用だ」
妹「その、今まで私たくさんの人に迷惑かけたから……」
妹「謝って回りたいんだ。でも私一人じゃ、相手も嫌がると思うんだよ」
兄「つまり、この兄もその謝罪行脚について回れと」
妹「う、うん。……ダメかな?」
兄「かわいい妹の頼みだ。ダメなわけなかろう」
妹「……ありがとう」
兄「ははは。泣くやつがあるか」
64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/07/09(水) 02:14:31.11 ID:1So8Rjkn0.net[25/25]
兄「その涙は、謝罪するときのためにとっておけ」
妹「……そうだね」
妹「ごめんね。兄貴」
兄「何がだ?」
妹「いつもいつも。兄貴に迷惑かけてばかりで」
兄「ははははは。そんなことか」
兄「この兄になら、いつでも迷惑をかけてくれて構わぬのだぞ」
兄「なぜならそれが、家族というものなのだからな」
妹「えへへ。……そうだよね。ありがとう、兄貴」
兄「うむ。では、出かける準備をするか」
妹「うん!」
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