1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:22:34.48 ID:KxCgS0Dc0.net[1/17]
「早く立ちなさいよ!このうすのろ!」
ハイジはそう言ってクララの胸倉を掴んだ!
車いすに乗ってるし、立つとか無理だと思うけどなぁ。
「無理よ!私の足は動かないの!」
クララは拳を握りしめて言う!
ほら、やっぱり無理だって。
「じゃあクララは死ぬことになるわね」
ハイジの目が怪しく光る!
死ぬとか物騒ですね^^;
4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:24:48.64 ID:KxCgS0Dc0.net[2/17]
「あああああああああああ!!!!!」
ハイジが叫びながらぶん殴る!
吹っ飛ぶクララ!
「やぁっ!」
ハイジはそう叫んで跳躍すると、
倒れているクララのおなかの上に膝から着地した!
「ぐぁっ!!!」
クララの体がくの字に折れる!
口から血を吐いた!
「そのまま朽ち果てるといいわ、この雑魚虫」
ハイジは冷たい目をして静かにそう言い放つ!
なんてひどいやつなんだこいつは!
クララがかわいそう!
5 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:27:01.53 ID:KxCgS0Dc0.net[3/17]
「ふん」と鼻を鳴らして立ち去るハイジ。
「待て」
呻きながらクララが止めた。
「貴様、これだけのことをして、
ただで帰れるとと思うなよ」
その声にハイジが振り返った。
「な」そして目の前の光景に一瞬絶句する。
「クララが、クララが立った!」
目を狂気に染めて、
草原に佇むクララの姿があった。
やった! クララが立った!
ハイジのことぶっ殺せ!
9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:29:33.24 ID:KxCgS0Dc0.net[4/17]
「あああああああああああ!!!!!!!!!」
クララが全力で草原を駆け抜ける!
ものすごいスピード!
猫まっしぐら!
「ああああああああああああああ!!!!!!!!!」
そしてパンチを繰り出した!
(走る速度+腕の速度)×拳の質量=消費カロリー!
パンチ一発からできる激ヤセダイエット!
「ぎゃああああああ!!!!!!!!!!!」
それがハイジの顔面に直撃した!
さっきの勢いはどうしたこの糞虫!
奥歯ガタガタなんじゃねーの!?
10 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:31:48.28 ID:KxCgS0Dc0.net[5/17]
「おらおらオラオラオラ悪羅悪羅悪羅悪羅!!!!!」
クララのラッシュは続く!
ハイジは一瞬で血だるまになる!
ちょっとやりすぎじゃないかな……^^;
「オラアアアアアアア!!!!!!!!!」
下から突き上げるようなフィニッシュブロー!
「ぐはああああ!!!!!」
ハイジの体が上空高く舞い上がる!
さすがに死んだかな!?
「これの瞬間を、待っていたんだよ」
ハイジが呟くように言った。
待っていた、ってハイジはドMかな!?
12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:35:40.56 ID:KxCgS0Dc0.net[6/17]
「何!?」
クララが狼狽の声を上げる。
ハイジの顔が醜く歪んだ。
「空中は、私の庭みたいなもんさ」
そう言えばでっかいブランコ乗ってたもんね!
雲も待っててくれるし!
「吹き荒れろ! アルプスの風!」
ハイジが言うとすごい風が吹いた!
きゃあああ、パンツ見えちゃう><
「がはっ!」
クララが呻いた。
あれ!? どうなったの!?
13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:39:03.88 ID:KxCgS0Dc0.net[7/17]
よく見ると、ハイジの足がクララのおなかにめり込んでいる!
「ごぷっ」クララが大量の血を吐いた!
そのままドサリと地面に落ちる!
「これで、終わりかしらね」
ハイジが静かにそう言うと、
またクララが大量の血をその口から吐き出した。
女の子は赤ちゃんできるんだから、
あんまりおなか殴ったりけったりしちゃダメだよ!?
ぷんぷん!
「ま、まだだ」
クララの口から声が漏れる。
ハイジはピクリと頬をひきつらせた。
「そんな体でどうやって」
そう言いかけるが、その顔が驚愕に染まる。
「クララが、クララが立った!」
本日二度目の大サービス!
やっちまえクララ!
14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:42:09.25 ID:KxCgS0Dc0.net[8/17]
立ち上がるとそのままハイジの腕を取った!
「きゃおら!」
そう叫んで体を回転させる!
「いぎゃああああああ!!!!!!!!!」
絶叫するハイジ! 大丈夫!?
しかしクララはその回転をやめない!
「ああああああああ!!!!!!!!」
そのまま100回くらい回ったかな!
いやごめん100回は嘘。
多分10回くらいかな。
数えてないからわかんない!
16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:44:21.26 ID:KxCgS0Dc0.net[9/17]
「があああああ!!!!!!」
原っぱを転げまわってハイジは痛みに耐える!
ああ俺も原っぱ転げまわりたい!
「ふん、その腕じゃもう無理だろう」
クララは足元のハイジを見下ろしながら言う。
そして背を向けた。
ゾクリ。
背筋に悪寒が走り、反射的に後ろを振り返る。
「手負いの獣は、怖いわよ?」
ハイジの目が怪しく光った。
このやりとり何回する気なの?
もう飽きてきたよ、俺。
17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:45:30.52 ID:KxCgS0Dc0.net[10/17]
「くらええええ!!!!!」
ハイジが突進した!
突きを繰り出す!
それをいとも簡単に止めるクララ。
「ふん、所詮この程度……!?」
言いかけたクララは驚愕した!
どうしたのかな!?
「こいつ、千切れた腕で……!」
なるほど、千切れた腕でぶん殴ってたんだね!
ハイジのギラギラとした目がクララを捉える!
「本命はこっちだよ!」
千切れてない方の腕でぶん殴る!
あれ!?
っていうかハイジは腕千切れちゃったの!?
かわいそう><
18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:47:26.84 ID:KxCgS0Dc0.net[11/17]
「ぐ、っくく」
クララが顔を押さえ頭を振る!
かなりのダメージなんじゃないかな!?
「千切れかけた腕で、よくもまぁそんなことを」
クララが言った!
千切れかけた腕、
ってことは、千切れてないんだね!良かった!
「ふん。千切れた腕はおとりだったんだよ」
ハイジが深く笑う。
あれ!?
本人は千切れたって言ってるじゃん!
ねぇどっちなの!?
どっち!?
19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:49:18.46 ID:KxCgS0Dc0.net[12/17]
※検査の結果、千切れていませんでした。良かったね!
クララは足をガクガクとさせてようやく立っている。
生まれたての仔牛みたいだね!
「もう、終わりにしてやろう」
ハイジは仔牛みたいなクララに向かってゆっくりと歩き始めた!
もう終わっちゃうの!?
うーん、いいよ!
「その位置、良くないぞ」
仔牛みたいなクララが言った!
良くないんだって!
「何!?」
慌てたハイジがあたりを見回す!
あ、あれはなんだろう!?
「車いす……!!!!?」
ハイジが叫んだ!仔牛みたいなクララの車いすが足元に落ちてる!
「反撃開始だよ」
クララが言った!反撃の仔牛だ!
21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:51:57.00 ID:KxCgS0Dc0.net[13/17]
「はああああ!!!!!」
クララが力を込めると、車いすが発進した!
クララ、いっきまーす!
「がはっ!」
車いすの直撃を受けてハイジが血反吐を吐く!
さっきから血出過ぎじゃない?
見てるこっちが痛いよ……。
「ぐぐぐ」
ハイジは全身に力を入れていたが、
力尽きてその場に倒れ込んだ!
そりゃそうだよ!
やられすぎだもん!
「私もう立てないわ。殺せ」
最後は潔いね^^
23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:53:27.03 ID:KxCgS0Dc0.net[14/17]
ハイジの目の前にスッと手が現れる!
殺されちゃうのかな!?
「クララ、なんのつもり?」
そして問いかける!
「ここまでやればもう十分でしょう。
さぁ、立ちなさいよ」
クララはにっこりと笑って言った。
「クララ……」
その手を取り、ハイジが立ち上がる。
ハイジが、ハイジが立った!
25 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:54:53.97 ID:KxCgS0Dc0.net[15/17]
「ハイジ……」
「クララ……」
お互いの名前を呼び合うと、見つめ合った!
草原はしばし静寂に包まれる!
静寂!めっちゃ静か!
「ふふふ」
「あはは」
そしてお互い笑い合う!
頭がおかしくなったのかな!?
26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/06/12(木) 13:55:47.00 ID:KxCgS0Dc0.net[16/17]
「じゃあ、次の敵を探しに行くわ」
クララが言った!
敵って何!?
「ええ、そうね」
ハイジも受ける!
だから敵って何よ!
「ふふふ」
「あはは」
そしてまた笑い合う!
完全にxxxx!
そして夕日に染まる草原に、
おなかを抱えて笑い合う、二人のシルエットが浮かんでいた。
第一部「寝たきりのクララ」完
第二部「地獄の門番ペーター」へ続く
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