1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 12:23:46.37 ID:PICKiY2Q0
「――えっ?」
放課後、あずにゃんと二人で秘密特訓をしている最中でした
むったんから手を離したあずにゃんの口から出てきたその言葉は、よく意味が分かりません……
その意味のわからない問いかけに間の抜けた返事をしてしまいましたが、返ってくる言葉は殆ど同じ言葉でした
「いや、だから、唯先輩の黒ストッキングの予約ですよ」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 12:26:51.71 ID:qasooO5i0
唯先輩、いつも履いているじゃないですか、と私の足を指差すあずにゃん
「そろそろ――と言ってもあと一ヶ月と半月ですか? もう衣替えになりますよね」
4月も半ば、衣替えは6月の第一週頃だから、一ヵ月半程度で冬服から夏服への衣替えは確かにあります
だから今のあずにゃんの言葉の意味は理解できます、けれど……
「予約開始としては丁度いい頃合いですよね、2010年モデルは何としても手に入れたいと思っているんです」
それ以外のあずにゃんの言葉はまるで理解の範疇を超えています
「去年は特に冬場の伝線率が高かったので、残っている数は少ないらしいですし」
私の顔を少し困り顔で覗き込んでくるあずにゃんは、すごく、すごく可愛いんだけれど……
何で私のストッキングが伝線したかしていないかということまで知っているのかな?
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 12:35:16.20 ID:qasooO5i0
「それでどんな手続きが必要なんですか?」
困り顔のかわいいあずにゃんの視線が一転、キッ、っと私の顔を睨みつけるように刺してきます
「やっぱり、予約開始日の0時丁度からの受付なんですか!?」
そもそも、私の黒ストッキングを予約するしないのこれって何?何なの?
意味が分からないよ……
「あずにゃん、あの……ちょっと私、あずにゃんが何を言っているのか分からないんだよ」
「そのままの意味です!唯先輩の黒ストッキングの予約の方法を知りたいんです!
また……去年みたいに、他の人が使い古した唯先輩の黒ストッキングをオークションで買うのは……」
いやなんです、と最後の方は今にも消え入るような声で呟くあずにゃん
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 12:43:28.40 ID:qasooO5i0
「やっぱり今年も予約は受け付けていないのかなぁ……」
私にではなく、独り言のように呟くその声はとても悲しそう
だけど、私は今までこのストッキングが予約されていたなんて話は聞いたこともありません
「そ、そうだよあずにゃん、私のストッキングは予約とか無いよ?」
「……」
あずにゃんは俯いたまま、黙ってしまいました
そして私もそんなあずにゃんに何と声をかけていいのか思い浮かびませんでした
「……わかりました」
と、沈黙を破ったのはあずにゃんの声
何かを決意したような力が込められているような声でした
「……私決めました!予約の受付が無いのなら、一週間前から唯先輩の前に並びます!!」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 12:55:28.89 ID:qasooO5i0
「だからお願いです、唯先輩!」
あずにゃんはむったんを隣に置くと、そのまま部室の床に膝を付け、正座の姿勢に
そして両の掌を膝の前の床に綺麗に添えて――
「販売本数が決まりましたら、整理券配布だけはしてください!!お願いします!!」
――その手の甲に額を付けるように、お辞儀をしました
可愛いあずにゃんのツインテイルの髪の毛も、床に触れてしまっています
「唯先輩!お願いします!!」
何度も何度も、懇願するように繰り返すあずにゃん
「あずにゃん?ちょ、ちょっと、やめようよ?やめてよあずにゃん?」
「唯先輩!どうか、どうかお願いします!!」
私の制止も聞かず、耳に入らず、ひたすらに私へとあずにゃんは懇願を続けます
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 13:08:09.41 ID:qasooO5i0
どうしたらいいんだろう?
どうしたら……
「唯先輩!お願いします!!一人一つ限りでも構いませんから!!」
唯先輩の黒ストッキングがどうしても欲しいんです、とあずにゃん
私の黒ストッキング……かぁ……
「お願いです……唯先輩……」
あずにゃんの声と、そしてブレザーを纏っているあずにゃんの肩が震えています
床に小さく蹲っているあずにゃんはいつもの小さくて可愛いあずにゃんより、さらにずっと小さくて
でも可愛いのではなく、とても可哀そうで……
「うっく……お願い、します……唯、せん、ぱぃ」
嗚咽が交じるあずにゃんの声
私は……あずにゃんに、なんて事をさせているんだろう……
黒ストッキングの一つくらいのことで、私は可愛い後輩になんてことをさせているんだろう……?
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 13:20:49.55 ID:qasooO5i0
「いいよ、あずにゃん」
私はあずにゃんの前にしゃがんで、震えているあずにゃんの肩に手を置きます
「私の黒ストッキングでいいんだよね?」
「んっ、っはい……」
「いいよ、私の黒ストッキング――」
そしてそのまま、私はあずにゃんの肩の後ろに手を廻して抱きしめます
この格好だと、少し抱きしめるのが難しいけど、あずにゃんの肩を包み込むように、抱きしめます
「――よくわからないけど、ほしいんだよね」
「はい、ぃっく……」
可愛い後輩の頼みなんだから、先輩として――ううん、私の大好きなあずにゃんのお願いなんだもの
「あずにゃん、私の黒ストッキングあげるから、約束するよ」
大丈夫だよあずにゃん
あずにゃんには予約も、整理券も必要ないからね
私の黒ストッキング、必ずあずにゃんにあげるからね
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 13:37:01.18 ID:qasooO5i0
その後、私はまたあずにゃんと二人で練習を再開しました
練習の事になるとあずにゃんはいつも通り厳しかったけれど――
「唯先輩!またそこ間違ってますよ!」
「えっ、あ、ごごめんね、あずにゃん」
「余計なこと考えているからです、もう、しっかりしてくださいね?」
――でも
涙で頬が少し赤くなったあずにゃんは、いつもより嬉しそうな笑顔でした
そんなちょっと優しいあずにゃんを見ていると
「あずにゃん……」
笑顔のあずにゃんを見ていると……
「あ~ずにゃぁ~んっ♪」
「に゛ゃあ!ゆ、唯先輩!?急に抱きつかないでください!!」
こんなに優しくて可愛いあずにゃんでいてくれるのなら、黒ストッキングの一つくらい惜しくないよ
「そんな事より!絶対、絶対に忘れないでくださいね!?
2010年モデルの唯先輩のストッキング、楽しみにしているんですから!」
……このあずにゃんの笑顔は私に対する物なのか、それとも私の黒ストッキングに対してなのかは分からないけれど
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 13:37:54.24 ID:qasooO5i0
唯「くろすと!」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 13:44:52.85 ID:qasooO5i0
――翌日
「唯、遅かったじゃないか」
お昼休み、みんなでお昼を食べ終わった後でした
トイレに行ってくる、と言って教室を出て行った澪ちゃんから私の携帯にメールが入って
「どうしたの澪ちゃん?部室に一人で来て、って」
そう、音楽準備室、私たちの部室に何故か呼び出されました
それも他の皆と一緒ではなく、私一人で来てほしい、と
「その、な……」
急に私から視線を逸らし、もじもじと恥ずかしそうにする澪ちゃん
「実は、その、唯にね、お願いしたいことがあるんだ」
お願い?なんだろう?
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 13:50:33.09 ID:qasooO5i0
「じ、実は、その、……、……でね、すと……ぐ、……って」
恥ずかしそうに口篭ってしゃべる澪ちゃんの声はよく聞き取れませんでしたが
なんとなく、なんとなくですがある単語を澪ちゃんが言ったような気がしました
「……、唯、お願いなんだ!!」
そして今度はその単語をもう一度
極度の緊張で一度テンションがアッパーになった澪ちゃんははっきりと私の耳に言葉を届けてくれました
「唯の黒ストッキング、先行販売で買いたいんだ!!」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 14:01:53.58 ID:qasooO5i0
「私の予想だと、今までの発売時期も考えて衣替えの時期が今年も発売予定日だと思っているんだけど
それなら、もうそろそろ品物が用意されているんじゃないかと思って!!」
澪ちゃんは珍しく声を荒らげて、大きな手で私の肩を前後に揺さぶります
「お願いだよ唯!私、どうしても今年のモデルだけは手に入れたいんだ!
今までは一応手に入れることができたけれど、今年は本数少ないって聞いているんだ!
コンプリートしている私にとって、手に入れられなくなることは死活問題だし、念には念を入れたいんだ!!」
揺さぶられているせいなのか、それともわけのわからない単語を理解することができないせいなのか
頭の中がぐわんぐわんと混乱しそうになります
「なあ唯!私、私、毎年楽しみに待っているんだ!いち早く手に入れたいんだよ」
ここまで澪ちゃんに真剣に攻め寄られたのは、私が澪ちゃんと知り合ってから初めての事でした
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 14:14:25.50 ID:qasooO5i0
「み、澪ちゃん落ち、落ちっ」
落ち着いて、と言いたいのですが澪ちゃんは揺さぶることをやめてくれません
このままだと脳がマックシェイクになりそうです
アイスは好きだけど、自分の脳味噌がアイスになるのは好きじゃないのに……
「唯!唯!お願いだよ!まだ値が付いていない今履いているのでもいいから!!」
と、澪ちゃんは私の肩から片手を離して
「ひゃっ!?」
お尻!?澪ちゃんにお尻触られた!?
そしてお尻に密着している 着の感触が、腰の辺りから無くなり
「な、なにするのっ!?」
その感触で反射的にでした
脱がされる、と思った私は両手で澪ちゃんを思いっきり突き飛ばしてしまいました
「……いっ!!痛ぅっ、たた……」
そして私の目の前には尻餅をついている澪ちゃん……少し痛そう
腰のあたりの感触からすると、 着とストッキングが少しずらされた程度で済んだようでした
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 14:26:10.77 ID:qasooO5i0
顔を苦痛で歪める澪ちゃんに謝りたい、という気持ちが湧きでてきましたが――
「ゆ、唯……」
――また肩を掴まれて、そして 着を脱がされるかと思うと……
私はただ、目の前の澪ちゃんを眺めることしかできませんでした
「……ご、ごめん、唯」
謝ったのは澪ちゃんでした
そして立ち上がり、スカートに付いた埃を叩きます
その叩いた手を、今度はスカートのポケットの中に入れて――
「値段はまだ分からないから、とりあえず多めにいれてあるから」
澪ちゃんがポケットから取り出したのは封筒でした
茶封筒ではなく、イラストと文字が少し入ったような、綺麗な封筒
「……販売本数のレアリティと、おそらく去年より成熟された品質、それを考えて入れてあるから」
妥当な値段の3倍は入っているから唯も満足すると思う、と澪ちゃん
ということは、この封筒は……もしかして、お金?
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 14:36:07.88 ID:qasooO5i0
「そ、そんなのもら――」
「じ、じゃあ前金ってことでいいから!」
貰えないよ、と言う前に澪ちゃんは右手で私の手首を掴み、その掌に封筒を強引に押し付けてきました
強引に握らせようとしてきますが、それを拒むように抵抗します
でも澪ちゃんの方が力は強くて、中々振りほどけません
「あと一ヵ月半でその倍は払うから!」
「そ、そういう問題じゃないよ!」
「それなら、今すぐじゃなくてもいいから!明日とか明後日とか、それからでもいいから!
だからお願い、私に黒ストッキング売って!!」
澪ちゃんは……
なんだか、今の澪ちゃんは、いつもの澪ちゃんとは全然別人みたいで……
「怖い……」
どうして、どうして私の黒ストッキングなの……?
どうして……?
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 14:47:35.43 ID:qasooO5i0
「とりあえず受け取って!ねえ、唯――」
と、その時でした
澪ちゃんの声を遮るようにスピーカーから、昼休みの残り時間が僅かだと言う事を知らせる予鈴が鳴り響きます
あ、そういえば次の時間は――
「ほ、ほら澪ちゃん予鈴!次の授業、早く行かないと!!」
澪ちゃんも思い出したようでした
そう、今ここでこんな事をしている場合ではありません
「そうだ、次のは体育じゃないか!」
「ね?だからとりあえず着替えて行かないと……ほら、間に合わないよ!」
私は緩んだ澪ちゃんの手を振りほどき、音楽準備室の扉を開けて外に飛び出します
授業に急ぐというより、澪ちゃんから逃げるように
階段からその開いた扉を見上げると、澪ちゃんもゆっくりとですが部室から出てきました
「……、…………」
独り言……?
声はここまで聞こえなかったけれど、澪ちゃんは何かを呟いたように口を動かすと
少しだけ、ほんの少しだけ
その口が、笑ったような気がしました
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 15:04:15.94 ID:qasooO5i0
体育館に付いた時は、始業のチャイムが鳴ってから数分経った後でした
でもまだ先生は来ていないみたいで、クラスメイトのみんなもまだ談笑中
ん?みんな……?
「……あれ?まだ来ていないのかな?」
よくよく見渡すと、まだ全員揃ってはいません
というのも、結局着替えている時にも教室で会わなかった澪ちゃん以外にも
軽音部の二人のムギちゃんに律っちゃん、それにいつも時間に性格な和ちゃんまで居ないみたいです
他のクラスメイトは全員揃っているのに……みんな、どうしたんだろう?
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 15:15:37.95 ID:qasooO5i0
――授業が始まることもう20分近く経っていますが、未だにその3人は現れません
授業が始まる前、先生にも4人はどうしたの?と聞かれましたが
結局のところ、私自身わからないので「わかりません」としか答えることができませんでした
他のクラスメイトも三人の事は知らないそうで
分かったのは休み時間が終わる前にそれぞれ教室を出て行ったと言う事でした
でも、昼休み中に教室を出ていったのは私も含まれていたわけで、あまり気にもとめなかったそうです
それにしても、もう20分……澪ちゃんならあのあと私の後に来ても不思議ではないのに……
澪ちゃんも、体育の授業だと気がついていたのに、何故だろう?
それと……
澪ちゃんがあの時、笑ったように見えたのは……なんなんだろう――
「んっ!」
――ぞくり、と背筋を冷ややかな汗が伝うような感覚……
嫌な予感、悪寒、とでも言うのでしょうか?
「…………」
なんだろう……?でも――
「……先生、私、まだ授業に来ない三人の事が心配だから……少し探してきてもいいですか?」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 15:30:37.71 ID:qasooO5i0
あてがあるわけじゃないけれど、少なくとも4人が居そうな場所はいくつか思い当たります
先ずは私たちの教室――を覗くと、いきなり一人目を見つけることができました
「……授業、始まってるけどどうしたの?」
「ひっ!?」
扉の場所から声を掛けると、びっくりしたよう、喉に引っ込むような声がこちらまで聞こえてきました
振り向いたその顔は、少し強ばっていて、眼鏡の奥の目もなんだか落ち着きが無いような気がします
「ねえ和ちゃん、授業でないの?」
「ゆ、唯!そ、そう、そうなの」
複雑そうな顔をして私から視線を逸らす和ちゃん
和ちゃんがこんな表情をするのはとても珍しくて稀です
「その、私、今日……ああそうだ、あの日なのよ」
と言ってお腹をさする和ちゃん
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 15:38:44.22 ID:qasooO5i0
「大丈夫? でも先生には言ったの?」
「ええ、後で言うつもり……で、唯は何でここに?」
「和ちゃんと、あと澪ちゃんとムギちゃんと律っちゃんが授業に出ていないから探しに来たんだよ」
さする手が一瞬止まり、少し険しい顔する和ちゃん
……今日は結構重い日なのかな?
「そう……ありがとう唯、じゃあ私、保健室行くね」
と和ちゃんは私に背を向けて、早足で教室から出て行こうとしました
「大丈夫?保健室まで歩いて行ける?」
「……大丈夫、だから唯はもう授業に戻りなよ」
心配かけてごめんね、と言ってそのまま一人で教室を出ていってしまいました……早足で
なんだろう……さっきはかなり辛そうだったのに、その歩く姿はあまり辛そうには見えませんでした
それとも、少しでも早く保健室に行きたいと思っての事なのかな?
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 15:49:09.23 ID:qasooO5i0
ふと、私は今立っている場所に違和感を覚えました
正しくは、私の前、和ちゃんが立っていた場所……
「和ちゃんは、何をしていたんだろう?」
和ちゃんが立っていたのは、窓際の一番後ろの席の前
窓から外を見ていたのかもしれないけれど、その場所は……
「私の机の前で、何をしていたんだろう?」
机の上には、さっき体育の授業が始まる前に着替えた、私の制服が置いてありました
私が整えて置いてあるままに、青いリボン、ブラウス、スカート、ブレザー
「……」
青いリボン、ブラウス、スカート、ブレザー
「あれ……?」
青いリボン、ブラウス、スカート、ブレザー
「……あ、あれ?」
探しても、確認しても、青いリボン、ブラウス、スカート、ブレザーがそこにあるだけでした
それしか、ありませんでした
私の、黒ストッキングだけ、そこにはありませんでした
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 15:50:17.76 ID:qasooO5i0
唯「くろすと!」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 16:21:44.45 ID:qasooO5i0
間違えてとなりの席に置いたわけでもなく、床に落ちているわけでもなく
私の黒ストッキングは私の机から消えてしまいました
だから……まさかとは思うけれど
もしかして、もしかしてと思い私は保健室へ
和ちゃんが向かったと思われる保健室へ急ぎました
静かに、だけど急いで走って向かいましたが、途中で和ちゃんに追いつくことはありませんでした
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 16:36:51.64 ID:qasooO5i0
でも、和ちゃんに追いつくことなんでできなかったのかもしれません
保健室の前にたどり着き、扉を開こうと手を伸ばし、横に引っ張りましたが……
「あ、あれ?……んっ、ん、んんっ!!」
鍵がかかっているみたいで、扉は開きませんでした
最初から和ちゃんは保健室ではなく、他の場所へ向かったのかもしれません
そう、私の黒ストッキングを持って……
本当に和ちゃんが?信じることができませんし、何かの間違いであってほしいと思いたいのに
さっきの和ちゃんの行動が珍しすぎて、変で、おかしい部分が多すぎて、そう思うことができません
でも肝心の和ちゃんを見失ってしまったので、今はどうすることもできません
だからとりあえず、今は
「……部室に行ってみようかな」
和ちゃんが一人で行くとは思えないけれど、もしかしたら……
それに、他の3人も部室にいるかも知れないし、他に当てがあるわけでもないからね
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 16:43:04.16 ID:qasooO5i0
今日は冴えているのか、運がいいのかわからないけれど
部室の扉の前、中からは何か騒がしい声が聞こえます
それも、私の耳に馴染みのあるような声が幾つか重なって
扉の向こうから、私の立っている扉の外側へと流れて来ています
私はゆっくりと、気づかれないように、そっと
扉を押して、中の様子を確認してみることにしました
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 16:50:58.35 ID:qasooO5i0
「もういいだろ、なあ、もう……あ、ああっ!?」
この声は、澪ちゃん?
さっき私に詰め寄ってきたときと同じような、荒く強い声で叫ぶ声
その声が、開けた扉から私の耳に、一番最初に飛び込んできました
バレたのかと一瞬驚きましたが、隙間から見えた黒く長い髪の後ろ姿……
澪ちゃんは扉に背を向けた状態でした
……バレては、いないよね
そしてもう少しだけ、僅かにゆっくり扉を開けると、中の光景がよく見……
「……」
……なにこれ?
みんな、何を、しているの……?
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 17:09:55.48 ID:qasooO5i0
部室の床には、紙が散乱していました
よく見かけるような物だけど、こんなに沢山見かけるのは滅多にない紙
額はわからないけれど、それはきっと紙幣でした
それが床の一面に、まるでゴミ箱を倒してしまったように散らかっています
そして、そこに立っている二人と座っている一人……
澪ちゃんと、和ちゃんが立っていて、そしてもう一人が座っています
……でも、あれは、誰?
あのウサギの耳みたいな部分は、もしかして……足の所?
じゃあ、あれは、もしかして、もしかすると
「やめろって!それ以上引っ張ったら伝線するだろ!?」
やっぱりあれは、私の黒ストッキング!?
「ふむんひ、むふひんひふんっふふふんふんふむふっひんむぅう~♪」
そしてその座っている人は――
黒ストッキングを被り、顔のパーツの全てが強引に引っ張られているその顔は
まるで新幹線の先頭車両のように変形し、その人の顔の原型をとどめてはいませんでした
誰だかよくわからないけれど、多分……
あの、ストッキングから垂れている綺麗な金色の長い髪は……ムギちゃん?
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 17:23:55.15 ID:qasooO5i0
「だから、そんなに引っ張ったら破れるでしょう!?」
和ちゃんも、ストッキングの足の部分を強引に引っ張り
ムギちゃん(?)の顔からストッキングを取ろうとしています
「んむふ、ふむんむふむふむんんん!!」
それに抗うように、ストッキングのウエスト部分を両手で掴み顔から外れないように引っ張るムギちゃん(?)
澪ちゃんも和ちゃんと一緒になってそのムギちゃんからストッキングを外そうとしています
ああっ?!駄目だよ澪ちゃん、そんなに乱暴に引っ張ったら――
「ああっ!!」
「ああっ!?」
「ふしゅむふ!?」
――その瞬間、チリィ、と独特の裂ける音と一緒に、左足の付け根の部分の部分が破れてしまいました
「ああもう、なにやってるの!?」
「ご、ごめん、つい力を入れすぎちゃって…・・」
和ちゃんに謝る澪ちゃん
ムギちゃん(?)はそれでもまだふしゅるふしゅると湿った、嬉しそうにも聞こえる声をだして
私のストッキングをかぶり続けています
私の……黒ストッキング……
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 17:34:11.84 ID:qasooO5i0
……もう、訳がわからないよ
私の黒ストッキングをみんなでどうしたいの?
そんなに私の黒ストッキングが欲しいの?
なんで?なんで黒ストッキングなの?何で私なの?
もう、考えても考えても意味が分からないよ……
「もう、私、わからないよ……」
そのまま扉と一緒に内側へと
扉に寄りかかるように、部室の中へと私は入りました
扉が軋む音なのか、それとも私の呟いた声なのか
中に入る3人は一斉に扉を、私の方へ顔と視線を向けてきました
ムギちゃん(?)の表情ははよくわからないけれど、3人の顔は酷く驚いているように見えました
「ゆ、唯!?」
「唯、こ、これは、その、えっと」
そして焦りに変わる澪ちゃんと和ちゃんの表情
ムギちゃん(?)は……やっぱりストッキング被っているから、表情よくわからないや……
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 17:49:20.37 ID:qasooO5i0
辺りを見回すと、律っちゃんも居ました
けれど、壁よりかかるように座っていて、特にこちらを気にするようなこともせず
手を体の横に垂らして壁に体重の全てを預けているように見えます
「ひどいよ……私の黒ストッキングでこんな事して……」
酷い、酷いよ
澪ちゃんも、和ちゃんも、ムギちゃん(?)も
律っちゃんも、何かしたのかな……
「ごめん、唯!」
澪ちゃんは扉の方、私の前へ駆け寄ると
そのまま視線を、しゃがんでいる私に合わせて謝罪の言葉を続けます
「話を聞いたら、今回は予約も整理券配布も無いって聞いて……
私、いつも予約して買っていたから、手に入れることができるか心配で……」
だから唯に直に先行販売の話を持ちかけたのは、そういう事だったんだよ、と澪ちゃん
今まで予約していたなんて言っても……そんなの私知らないよ……
それと……それよりも……
「ねえ、和ちゃん、和ちゃんは何で私の机から……黒ストッキングを盗ったの?」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 18:02:08.80 ID:qasooO5i0
「盗たのは私じゃないのよ」
とはっきりと否定する和ちゃん
でも……
「でもさっき、私の机の前に居たよね……」
「それは……」
そうだけど、と言葉尻を濁しながら私から視線を外しました
「でも、私があの場所に行った時には既に、唯の黒ストッキングはもう無かったのよ
それで……私以外にももう既に目に付けている人がいるのかと思って、それが誰かと考えていたら
丁度唯が来て、私以外にも3人が授業に出ていない、って言っていたから……」
もしかして、と思って音楽室に来てみたのよ、と和ちゃん
「そうしたら案の定、その二人が部室で騒いでいて……
ああ、律はその時から既にあの状態だったけれど……とにかく、私は盗んでいないよ、でも……
ごめんね、唯……
破ったのは私の責任でもあるから、新しい黒ストッキングを、買ってあげるから、絶対、買ってあげるから」
そう言うと和ちゃんは優しく、私の手を握ってくれました
「大丈夫、唯がよく買う黒ストッキングも分かっているし、サイズも熟知しているから、唯は安心してね」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 18:15:59.38 ID:qasooO5i0
「んむふ……っぱはぁっ、はぁ、はぁ♪はぁ……♪」
艶かしく湿った吐息を吐き出したのは、黒ストッキングのマスクを取ったムギちゃんでした
「はぁ……んっ、唯、ちゃん」
そして顔を朱に染めて高揚したような目で私を見つめてくるムギちゃん
先程までストッキングを被っていたこともあり、髪の毛は静電気であちこち逆立っていて
いつものエレガントでセレブリティでふわふわしている雰囲気が半減してしまっています
でも、その顔は今この最中でも幸福の渦中に居るような笑顔でした
こんなムギちゃんの幸せそうな笑顔を見たのは……久しぶりな気がします
以前は……そう、あの時、福引でゲーム盤を貰ったあの時だったかもしれません
「今回は、ごめんなさい……」
そして、その笑顔を払拭し、そのまま、綺麗に正座をして、頭を下げるムギちゃん
その格好は以前あずにゃんが私に懇願したときと同じ型でしたが……
「本当に、こんな事をしてしまって、ごめんなさい」
その動作一つ一つが、あずにゃんとはまるで違う、綺麗で寸分の狂いもない、美しい動きでした
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 18:40:29.41 ID:qasooO5i0
そして綺麗に頭を下げたあと、また綺麗に顔をあげて、私へ言葉を続けます
「今回は本当に唯ちゃんには迷惑をかけました
本来、毎年3月になると去年度唯ちゃんが履いた黒ストッキングの使用量をしらべるのだけれど
今年は廃棄量がとても多くて……例年の五分の一しか在庫が無いことが分かったの
だけど、それだからって2010年度モデルの唯ちゃんの黒ストッキングの質が悪いってわけではなくて
やっぱり乾燥とか、唯ちゃんの過ごす環境の問題が原因だと研究の結果分かったから安心してね
乾燥や静電気はストッキングの大敵だからね……それはどうしようもない事なの
唯ちゃんも今年はストッキングを履いていて、あれ、って思わなかった?」
「え?う、うん……?」
えっと、ムギちゃんは何を言っているのかやっぱり分からない
黒ストッキングの話になると、みんな私の知らない事ばかり言うから余計頭が混乱するよ……
「でしょう?だから今年は良質黒ストッキングがすごく少なくて……
でもね、そのなかでね、すごく稀な黒ストッキングが今年のモデルで発見されたの
使用開始日と使用回数、洗濯量、発汗時期使用日、生理時使用日、排泄回数、それと残臭と残味の数値……
どれも高い基準の黒ストッキングが、なんと――」
ムギちゃんは高らかに腕をあげ、人差し指、中指、薬指の三本を立てて上に掲げ、また意味不明な言語を続けます
「――3着もあることが分かったの♪
これは唯ちゃんの黒ストッキングを扱い始めて、初めての事だったから
もうみんな、衣替えを心待ちにしていて……でもね、それがダメだったの……
そのせいで、あまりにもレアリティが付くと予想した購入者が多くて、私も含めて、つい、やりすぎてしまいました……」
そして再び、ごめんなさい、と頭を下げるムギちゃん
それに続いて、和ちゃんと澪ちゃんもまた頭を下げて、謝ってくれましたが……
……私には、全く、何一つ、意味がわかりません!
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 18:53:29.08 ID:qasooO5i0
「そして、この一着は……」
ムギちゃんは私の……というより先程ムギちゃんが被っていた黒ストッキングを手に取り
……えっ?
「んっ……ちょっと味が薄いかな?でも、ここの臭いは中々香ばしくて良質♪」
む、ムギちゃんは……黒ストッキングの股下の部分を口に含んだかと思うと
足の指の先端部分を鼻に近づけてその臭いを、か、嗅いでいます……
「む、ムギ!舐めるのは所有者が決まってからっていう約束だったはずじゃないか!」
とその光景を見ていた澪ちゃんがムギちゃんの元に駆け寄り、そのストッキングを奪い取ります
「ああ……」
残念そうに、澪ちゃんは黒ストッキングを手に取り……
股下の部分の臭いを確かめるように……その、ストッキングの股下部分を、鼻に押し付けます……
「ムギの唾液が付いちゃったじゃないか……舐める前に唯の臭いを嗅ぎたかったのに……」
それでも、まだ鼻から離すことなく嗅ぎ続ける澪ちゃん……
和ちゃんは……
「……仕方ないわ、私は正規の手段で買うことにするから」
何かを決意したようなその視線は、まっすぐと窓の外を見ていました
でも、外の風景ではなくもっともっと、その遙か遠くを、その眼鏡で見据えているようでした
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 19:06:43.74 ID:qasooO5i0
「はぁ……」
学校の帰り道
今日はそれぞれ用事があると言うことで部活はお休みです
今の私には丁度良かったかもしれません
「はぁ……」
それに……今日は体育の後からスカートの中と足がスースーして落ち着きません
暖かくなってきたとは言っても、まだ風は冷たく、夜には冷える日だってあります
この時期、いつも私の足を覆う黒ストッキングですが今はそれが無い……
代わりに、今私の足を覆うのは、和ちゃんから借りたふくらはぎを覆う白い靴下だけ
サイズはぴったりだけど、やっぱり物足りないよ……
「はぁ……」
私の……黒ストッキング……
「どうしたんですか?ため息なんてついて先輩らしくありませんよ?」
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 19:21:03.28 ID:qasooO5i0
振り向くと、いつの間にかあずにゃんがそこに立っていました
「やっぱり唯先輩ですね、珍しく黒ストッキングを履いていないのでちょっと自信が無かったんですけど」
人違いじゃなくて安心しました、とあずにゃん
そして私の横に駆け寄って、並んで歩く格好になります
隣から顔を覗き込んでくるあずにゃんは心配そうに私を見上げます
「でも唯先輩、どうしたんですか?冬服で白ソックスなんて……
アニメ一期放送中の単行本の帯の唯先輩以来ですよ?2年ぶりじゃないですか?」
そういえば、あずにゃんも黒ストッキング欲しいって言っていたんだよね
やっぱりあずにゃんも私の黒ストッキングしか見ていないのかな……
「ねえ、あずにゃん」
それはあずにゃんに聞いていい事なのか、それとも私が聞かない方がいいことなのか……
そのどちらかは分からないけれど、今この不安定な状態だと
私の望む答えを求めるため、ついあずにゃんに尋ねてしまいました
「あずにゃんは、私の黒ストッキングが好きなの?黒ストッキングに包まれた私の下半身が好きなの?」
――それとも、私の事が好きだから黒ストッキングが欲しいの?とは、聞けませんでした
だから言葉にした二択になってしまうし、望むべき答えが選ばれることは無いんだろうけれど……
「それはもちろん――」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 19:42:44.24 ID:qasooO5i0
「――全部ですよ」
全部?
「はい、唯先輩の全て、全部です」
顔が夕日に照らされているから……なんて事はありません
日が長くなった今の時期、まだ太陽が朱に染まるには時間が早すぎます
「唯先輩の足、黒ストッキングに包まれている時のなめらかで輪郭のはっきりとした線の足
スカートから覗かせる黒く締まった程よい太さと肉付きの美味しそうな太もも、脹脛と太ももをつなぐ綺麗な曲線
稀に見える、お尻のラインも大好きです
唯先輩が脱いだ後の黒ストッキングだって、それには沢山、本当に沢山の唯先輩からの贈り物がそこにはあります
香り、味、唯先輩を想像して、唯先輩が黒ストッキングに包まれている姿を想像して
ゆっくりと味わうその時間臭は至高です、究極です
それに、もちろん――」
そこであずにゃんは、一度言葉を区切り、少しだけの間を置いて
ほんの少しだけ躊躇して、でもそれも一瞬で
あずにゃんは私の手を取り、小さく細い指で優しく握ってくれました
「――黒ストッキングの魅力を最大限に引き出して着ることができるのは私にとって唯先輩一人だけです」
握る手を強めて、私の目を見る視線も強めて
「私にとって、唯先輩は……その全てが大好きで、掛け替えの無い大切な存在なんですから」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 20:00:58.45 ID:qasooO5i0
「あずにゃん……」
ありがとう、と言葉にしようと思ったけれど
喉がつかえたみたいに言葉が上手く出せません
「だから、唯先輩もそんなため息なんてつくのはやめましょう?
元気で爛漫な唯先輩だからこそ、黒ストッキングとのギャップが最高に似合うんですから!
ほら、これなら……唯先輩も元気、でますか?」
あずにゃんは空いている片方の手でそれを取り出して
というかあずにゃん、ネコミミ付きカチューシャ、それ自分で持っているんだね
「ほら、唯先輩……にゃあ、です」
あずにゃんが自分からそれ装着してくれたのと、その猫の鳴きまねがなんだかとても可笑しかったし嬉しかった
だから私も、言葉より体がそれに耐えきれず……
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/16(土) 20:10:47.74 ID:qasooO5i0
「あ~ず、にゃぁあんっ♪」
そんな可愛くて可愛くて仕方ないあずにゃんを腕で、胸で、体で包んで感じて
やわらかいあずにゃんの頬を頬擦りしながら精一杯の愛情を込めて、抱きしめます
「ゆ、唯先輩っ!ちょっと、つ、強すぎですよ!?」
「だってぇ、あずにゃん、すっごく、すっごくかわいいんだもん♪」
私はあずにゃんの可愛い頬にむにむにと頬を合わせてあずにゃんの柔らかさを堪能します
ちょっとだけ、顔にちからを入れていたあずにゃんだったけれど――
「もう……今日は特別です、でも、忘れないでくださいね」
――抵抗をゆるめ、体を委ねてくるあずにゃんを私はまた強くハグします
「でも唯先輩、私との約束わすれないでくださいよ?」
そう、約束、あずにゃんとあの日に交わした約束――私の、黒ストッキングの事
「もちろん、忘れないよ、だってあずにゃんの頼みなんだからね」
私はあずにゃんへの頬擦りを一旦やめて、あずにゃんの目に視線を合わせて誓います
あずにゃんも私の視線に視線を絡ませると、満面の笑みで笑ってくれました
「唯先輩、私、楽しみにまっていますからね♪ 2010年モデルの黒ストッキング!」
最初は抵抗もあったし、嫌な部分もあってあずにゃんの事が分からなかったけれど、今ならもう大丈夫!
あずにゃんにはとびっきりの、私の黒ストッキングをプレゼントしてあげるからね♪
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