1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:15:43.53 ID:JRtmMmy60
千早「机の上に無造作に置いておくなんて、無用心ね…」

『日記 vol.7』

千早「結構長いことつけてるのね」

千早「プロデューサー…普段どんなことを思っているのかしら…」

千早「…」キョロキョロ

千早「誰も居ない…」

千早「少しだけ…見たいけど…」

千早「…」

千早「最初の1ページだけ…見てみようかしら」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:19:59.78 ID:JRtmMmy60
千早「ごめんなさい、プロデューサー。」

千早「失礼します。」ペラッ

『2012年 12月8日』

千早「去年のね。」

『今日は久しぶりに良いものが見られた。』

『それというのも、春香の新しい一面を知ることが出来たからである。』

千早「えらくカタい口調ね…」

千早「春香の新しい一面、か。こうやって日々の関係の中で相手の新たな面に気付いて行けるのも、プロデューサーの才能よね。」

『今日は随分と暖かかったせいか、事務所に帰ると春香がほんのりと顔を上気させてソファに座っていた。』

千早「…何この艶かしい描写は…」

千早「日記ってこういうものなの…?」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:23:24.55 ID:JRtmMmy60
『いつもより心なしか荒い呼吸をしていた春香。』

『気付けば俺は、彼女の前に棒状のモノを差し出していた。』

千早「…は?」

千早「棒状のモノ?」

千早「…何?日記よね?これ…」

『春香は不思議そうにぽかんとしていた。』

『無理もない。突然目の前にそんな見慣れないものを差し出されたら、誰だってそうなるだろう。』

千早「えっ…?どういうこと?」

『暫くそのまま口をぽっかりとあけていた春香だったが、俺が促すと、思い立ったようにそれを小さな口にかぷりと含んだ。』

千早「」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:30:28.51 ID:JRtmMmy60
千早「ちょっ…」

千早「いえ…きっと私の早とちりね。あの誠実なプロデューサーがまさか。」

『生暖かい室内の気温。ぬらぬらと光るモノを半ばまで咥えた春香は、少しばかり苦しそうな表情だった。』

『次第に慣れてくると、小さな舌で次々と湧き出る雫を舐め取っていった。』

千早「なんか変な気分になってきた…気持ち悪い…」

『小さな口に入りきらなかったねっとりとした液体が端からこぼれ、彼女の純白のブラウスの胸元をぬらした。』

『ややもすると、春香は興が乗ったようにモノを貪った。』

『なんとも背徳感に溢れる光景であった。』

千早「…春香…」

千早「春香、そんなことをしていたの…?」

千早「それともまさか…強要されて…?」

『私は気付いた。』

『こういった日常の些細な出来事が、明日への活力になるということに。』

『それを度々気付かせてくれる春香という少女は、やはり無限のポテンシャルを秘めている。』

千早「これで終わりね…」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:36:10.63 ID:JRtmMmy60
千早「いい感じに纏めてあるけど、明らかにおかしいわ。」

千早「事によっては、警察沙汰にしなければいけないかもしれない…」

千早「とりあえず…春香に話を聞いてみないと。」

千早「でも、もしこれが強要されてのことで…春香の心が傷ついていたら…」

千早「どうしよう…」

千早「とりあえず、声だけでも聞いてみよう…何か分かるかもしれない。」

prrr prrr

春香「もしもし?」

千早「もしもし?春香?」

春香「うん。どうしたの?」

千早「あ、えっと、仕事終わった?」

春香「うん。今終わって事務所にむかってるところだよ。」



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:42:56.22 ID:JRtmMmy60
千早「そう…」

春香「うん。」

千早「車?」

春香「うん。プロデューサーさんが迎えに来てくれたから。」

千早(プロデューサーが近くに…今話題を匂わすのは得策じゃないわね…)

千早「あの、春香…」

春香「うん?」

千早「今日この後用事ある?」

春香「うーんと…多分何もないかな。」

千早「久しぶりに家に行ってもいいかしら?」

春香「今日?うん、いいよ。」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:47:32.61 ID:JRtmMmy60
千早「我が儘いってごめんなさいね…」

春香「ううん。千早ちゃんならいつでも大歓迎だよ。」

春香「でも、どうして突然?」

千早「えっと…」

千早「突然春香の顔が見たくなったって言うか…声を聞きたくなったって言うか…」

千早「少し春香とゆっくり…話がしたくなって…」

春香「そっか…なんかたまにあるよね。突然人肌が恋しくなったりとか。」

千早「え、ええ。」

春香「あっ もう事務所見えてきたから、そろそろ切るね。」

千早「ええ。」

ブツッ

千早「勢いで家に押しかけることになっちゃった…」

千早「何か策を考えておかないと。無闇に立ち入って傷を抉ってしまったら…私…」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 00:53:37.59 ID:JRtmMmy60
千早「ううん…始まる前から弱気になってどうするのよ。」

千早「とりあえず、プロデューサーがもし日記を抹消したときのためにコピーを取っておきましょう。」

千早「事情は分からないけど、用心するに越したことはないはず…」

千早「でももし、春香が望んでしていたとしたら…」ピッ

千早「私が今やってることは、春香の幸せを壊すことなのかしら…」

千早「…いえ、望んでいたとしても、そういうケジメはきっちりつけなければいけないわ。」

千早「例えうらまれても…アイドル・天海春香に汚名がつくよりはずっとマシ。」

千早「それに汚れ役は慣れっこだし。」



~数分後~

P「ただいまー。」

春香「ただいま-。」

千早「あ、お帰りなさい。」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:00:41.63 ID:JRtmMmy60
春香「ふぅ 荷物まとめたらすぐ帰るから、ちょっと待っててね。」

千早「そんなに急がなくてもいいわよ。」

P「もう二人はすっかり仲良しだなぁ。」

千早「へ?」

P「もう、唯一無二の親友って感じじゃないか。」

P「内心を分かち合える誰かが居るっていうのはいいことだよな。うん。」

千早(…感づかれてる? まさか、あれだけのやりとりで…?)

P「千早?」

千早「あ、はい。本当に、春香と仲良くなれてよかったって思います。」

P「そっか。」

P「あ゛っ…」

春香「どしたんですか?」

P「うわぁ…これはまた…」

春香「?」

P「ちょっと大事なものをしまい忘れてた。いかんいかん…」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:05:21.93 ID:JRtmMmy60
千早(本来そんなぎょっとするようなことでもないでしょうに。)

千早(やっぱり、何かしらがあるのね…)


春香「…ねぇプロデューサーさん」コソッ

P「ん?」

春香「今日の千早ちゃん、なんか変じゃないですか?」

P「…そういわれると…なんか昔みたいな雰囲気だな。」

春香「…何か悩みごとかなぁ。」

P「今日一緒に泊まるんだろ。きっと春香に相談したいことがあるんだよ。」

春香「あ、そっか。じゃあ早くいかないと。」

春香「じゃあ、今日はもう帰りますね。」

P「おう。」


春香「準備できたよ千早ちゃん。」

千早「あっ はいっ。」

春香「あはは…どうしたの?そんなお堅い返事して。」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:11:15.81 ID:JRtmMmy60
千早「なんでもないわ。さ、いきましょう。」ガチャッ

春香「う、うん。」

春香「お疲れ様でしたー。お先あがりまーす。」

P「お疲れー。」

バタン

千早(…春香、今から)


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:17:58.35 ID:JRtmMmy60
千早(辛いことを聞くことになるかもしれない。)

千早(でも、許して頂戴…)



~春香家 自室~

春香「はい、ココア。」

千早「ありがとう。」

春香「ちょっと散らかってるけど、気にしないでね。」

千早「ぬいぐるみ、また増えたわね…」

春香「えへへ…デパートとかで可愛いのを見つけるとつい…」

千早(こんな無邪気に笑ってる子がどうして…)

千早「あの、春香。」

春香「ん?」

千早(どう聞くべきだろう…)

千早(シンプルに聞いて…その後のことは、その後で考える。)



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:23:36.01 ID:JRtmMmy60
千早(正直、これ以上談笑は続けられそうにないし。)

千早「プロデューサーのこと、どう思ってるの?」

春香「え…」

春香「プロデューサーさんのこと…?」

春香(まさか…私の気持ちに気付いてたの…?)

千早「ねぇ、春香。聞かせて。」

春香(あわわわ…どうしよう…絶対ばれちゃってるよ…私がプロデューサーさんのこと好きって…)

春香「ええっと…」

春香「その…いい人だよね?優しいし。」

春香「仕事のときは厳しいけど。」

千早「そうね。」

春香「それで…」

千早「言い辛いことがあるのね?」

春香「えっと…別に…無いよ。そんなの…」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:30:03.13 ID:JRtmMmy60
千早「お願い…正直な心のうちを聞かせて欲しいの。」

春香「えぇ…」

春香(どうしよ…)

春香「えっと…」

千早「そんなに答えにくいことなのね。じゃあ質問を変えるわ。」

千早「プロデューサーとの間に何かなかった?」

春香「何か…」

春香(何かそんなイベントがあったらいいけど、何もないんだよぅ…)

春香(…強いていうなら、バレンタインにチョコあげようとしてるくらいで…)

春香「えっと…」

千早(…そんなに答えにくいってことは、やっぱり…)

春香(どうしよう…千早ちゃんにバレちゃったってことは、他の人にももしかしたら…)

春香(うぅ…恥ずかしくて死にそう…)


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:36:30.85 ID:JRtmMmy60
千早「!」

千早(えっえっ…どうしよう……春香、泣いてる…?)

千早(強引に踏み込みすぎた…?)

千早(どうしよう…)

千早「あ、あの、そんなに言いにくいなら、口にしなくてもいいわ。ごめんなさい…」

春香「千早ちゃん…」

春香「その、気付いてたんだね…」

千早「気付いたのは…今日よ。」

春香「そっか…」

千早「ごめんなさい。今まで気付けなくて。」

春香「うん…?」

千早「でも、大丈夫よ。私がついてる。きっと、事務所の皆も味方してくれるわ。」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:42:10.63 ID:JRtmMmy60
春香「えっ…まさか皆知って…?」

千早「いえ。多分私だけ。」

春香「そっか…良かった。」

千早「…」

春香「…」

千早「ごめんなさい。こんな雰囲気にしちゃって…」

春香「ううん。」

千早「次泊まりにくるときは…もっと楽しい話がきっと出来るわ。」

春香「そうだね。」

千早(何があっても…絶対春香は守ってみせるから。)

春香「ふぁぁあ…」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:48:12.44 ID:JRtmMmy60
千早「眠いの?」

春香「うん。今朝早朝ロケがあって3時くらいに起きたからちょっと…」

千早「そう…じゃあ、もう今日は寝ましょうか。」

春香「そうだね。」

春香「えっと…今日も一緒のベッドでいい?」

千早「ええ。」

春香(案外千早ちゃんも寂しがりだよね…)

春香「よいしょ。」

春香「電気消すね。」

千早「ええ。」

パチッ

千早「隣入るね。」

春香「どうぞ。狭いけど。」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:53:51.38 ID:JRtmMmy60
春香(はぁ…まさか千早ちゃんに知られてたとはなぁ…)

春香(隠せないもんだね。)

春香(うぅ…それにしても、御風呂にゆっくりつかれなかったせいかな…寒い…)

千早(春香…震えてる…)

千早(暗くなると…フラッシュバックが起こりやすいと聞いたことがあるけれど、もしかして…)

千早「春香。大丈夫よ。」ギュッ

春香「わぁっ ち、千早ちゃん?」

千早「大丈夫。誰にも…これ以上私の友達を傷つけさせやしないから。」

春香「え、えーと…?」

春香(…よくわかんないけど、千早ちゃん、温かいや。)

春香(なんか気恥ずかしいけど、安心するなぁ…)



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 01:59:22.14 ID:JRtmMmy60
春香「うん…」

千早「…だから、今は安心して寝て頂戴。」

春香「うん。」

春香「おやすみ。千早ちゃん。」

千早「おやすみ。春香。」

千早(…明日から、少しプロデューサーに注意を払っておかないと。)

千早(きっとまた、愚劣な手で春香に迫ってくるに違いないわ。)

千早(…春香。)

千早(こんなか弱い少女に手を出すなんて…許せない。)

千早「全部、私に任せて。」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:04:45.97 ID:JRtmMmy60
~翌朝 事務所~

千早「おはようございます。」

P「おはよう。」

千早(さぁ…少しでも尻尾を見せたら…)

P「千早。来なさい。」

千早「!?」

P「ちょっと別室に来なさい。」

千早「はい…」

千早(まさか…もうバレた?)

千早(別室…私も何かされるのかしら…)

ガチャッ  バタン

P「千早、昨日仕事終わった後ずっと事務所にいたのか?」

千早「はい。」

P「その間に誰か事務所に来なかったか?」

千早「えっと…グルメレポートを終えた四条さんが荷物を取りに帰ってきたくらいで他は…」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:10:02.01 ID:JRtmMmy60
P「なるほど。」

P「じゃあ、これは千早がとったものか?」

バサッ

千早「!」

千早(日記のコピー…まさか私、事務所において…?)

P「今朝コピー機をつけて切れてた紙を入れたら、何故かこれが印刷されてな。」

P「たまにあるんだよな。印刷の最後の方で紙が切れて、それに気付かず電源落としちゃうこと。」

P「そうすると次紙を足したときにその分が印刷されるんだが。」

千早(迂闊だった…浮き足立って確認を忘れるなんて…)

P「なぁ、千早がとったのか?」

千早(…いや、これは逆に…糾弾するチャンスなのかもしれない…)

千早(待ってて春香…今私が…)

千早「はい。そうです。」

P「…なんでまた勝手に…」

千早「貴方は春香に何をしたんですか?」


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:16:17.00 ID:JRtmMmy60
P「ん?」

千早「春香に何をして…いえ、何をさせたのかと聞いています」

P「はぁ…やっぱり、中身よんだのか」

千早「読みました」

P「…面倒なことになりそうだな…」

P「いいか千早」

千早「私は何をしたのかと問うているんですが」

P「俺は何もしちゃいない」

千早「じゃあ、あの日記の中身はなんなんですか?言い逃れは出来ないですよ」

P「ああ、あれは…その、うん…」

千早「答えられないんですね。」

P「いや、千早の思ってるようなことは無いって」

P「落ち着いて俺の話を聞けよ」

千早「私の親友に一筋でも傷をつけていたら…一滴でも涙を流させていたなら、私はここで貴方を断罪します。」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:19:44.93 ID:JRtmMmy60
P「物騒なこというなよ」

P「そもそもお前、話を聞く気ないだろ…」

千早「何ですか、その態度は」

P「場所を変えよう。あっちのソファに座っててくれ」

千早「…他の人が居るのに、いいんですか?」

P「構わないから。座ってて」

千早「はぁ」

ガチャッ

千早「どういうつもりなのかしら」

千早「…このソファで春香は辱めを受けたのね…」

千早「あの男…許せない…」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:25:06.13 ID:JRtmMmy60
P「お待たせ。」

千早「軽口を聞かないでください。」

P「どんどん機嫌悪くなってくな…」

P「ほら。これ食って頭冷やせ。」

千早「要りません。」

千早「早く自分の罪を認めてください。」

千早「そして誠心誠意で謝罪して、罪を償ってください。」

P「いいから食えって。」

千早「毒でも入ってるんですか?」

P「違うってば。ほら。いいからこれを食え。話はそれからな。」

千早「何故貴方が話の主導権を握っているのですか?」

P「そういうな。真面目に議論するにはこのプロセスが必要なんだって。」

P「食ったら話の続きをするよ。この場にいる全員に誓って。」

千早「…分かりましたよ。」

千早「全く…なんでこんな真冬にアイスなんか…」



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:31:09.19 ID:JRtmMmy60
千早「むぐ…」

千早「つっ…」キーン

千早(痛たたた……)

千早「んぅ…」

P「千早」コソッ

千早「近づかないで下さい」

P「離れてもいいけど、それだと事務所全体に声が聞こえるからお前が恥かくだけだぞ…?」

千早「はぁ?」

P「自分の状況を客観的に見てみろ」

P「今千早は何を食べてる?」

千早「アイスバーです」

P「その通り、棒状のアイスだな」


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:37:51.32 ID:JRtmMmy60
P「それも、ストーブのせいで微妙に溶けかけたアイスだな」

千早「そうですね」

P「あ、垂れるぞ」

千早「え? あっ…」

千早「あー…今日の撮影私服なのに…」

P「さて千早。」

P「ここに俺の日記がある。読んでみろ。」

千早「はぁ。」


『気付けば俺は、彼女の前に棒状のモノを差し出していた。』

『暫くそのまま口をぽっかりとあけていた春香だったが、俺が促すと、思い立ったようにそれを小さな口にかぷりと含んだ。』

『生暖かい室内の気温。ぬらぬらと光るモノを半ばまで咥えた春香は、少しばかり苦しそうな表情だった。』

『次第に慣れてくると、小さな舌で次々と湧き出る雫を舐め取っていった。』

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:42:23.96 ID:JRtmMmy60
『小さな口に入りきらなかったねっとりとした液体が端からこぼれ、彼女の純白のブラウスの胸元をぬらした。』

『ややもすると、春香は興が乗ったようにモノを貪った。』

千早「……」

千早「……」

千早「…ん?」

P「うん。そういうことだ」

千早「え、はい…?」

千早「そ、そんな言い訳するとは、見苦しいにも程がありますよ」

ガチャッ

春香「おっはようございまーす!」

P「おう。おはよう。」

春香「あれ?千早ちゃん、そのアイス…」

春香「今月もまた届いたんだ。後で私にも一つちょうだい?」


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:47:10.82 ID:JRtmMmy60
千早「え?」

春香「前にあずささんが牧場のCMに出演したの覚えてる?」

千早「え、ええ。」

春香「あれで劇的に売り上げが伸びたって言って、それ以来毎月ちょっとずつミルク味のアイス送ってくれてるんだ。」

千早「その仕事って…いつごろの?」

春香「去年の11月の終わり頃だったかなぁ。届いたのはもうちょっと後だったと思うけど。」

春香「それで、確か私が真に付き合ってランニングした後ソファで休んでたら、プロデューサーさんがくれて…」

春香「それがすっごく美味しくて…」

千早「あ…」

千早「え…?」

P「うん。とりあえず、俺の話聞いてくれるか?」

千早「はい…」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:54:49.41 ID:JRtmMmy60
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P「…ってことだ」

P「いや、俺も紛らわしいこと書いてすまん」

千早「わ、私こそ勝手に日記見たあげく罵倒して申し訳無いです…どう謝罪したら良いか…」

P「まぁ、今回の件は水に流そう。それが一番いいだろう」

千早「うぅ……」

P「このことは春香には一応黙っておくということでいいか?」

千早「はい…申し訳ないです…」

P「じゃあ、俺は営業いってくるわ」

P「しかし、随分と春香のこと想ってるんだな…ちょっと感動したよ。」ボソッ

千早「ぁぅ……」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 02:59:05.53 ID:JRtmMmy60
P「じゃ、行ってきます。」

春香「いってらっしゃーい。」

春香「…どしたの?千早ちゃん。」

千早「うぅぅ…私を見ないで…」

春香「?」

千早(あれ…でも、そういえば昨日の春香の態度って一体…?)

千早(いえ、もうこれ以上詮索するのは止めておきましょう。)

春香「あ、アイスたーべよ。」

千早「くっ……」


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 03:06:02.03 ID:JRtmMmy60
~同日夜 事務所~

P「…なんてことがあってさ…」

律子「元凶はプロデューサーじゃないですか。」

P「ああ、自分でもやりすぎたって思ってる。」

律子「相手が伊織とかだったら、今頃誤認とはいえ警察のお世話になってたかもしれませんよ?」

P「反省してます…」

律子「そういえば、昔文学部に入ってたんでしたっけ?」

P「うん。それの名残で物を書きたくなることがたまにあって、それでああやって昇華させてたんだよ。」

P「今度からはまぁ自重する。」

律子「それがいいですね。」

律子「にしても、意外ですね。」

P「何が?」

律子「千早ですよ。千早。」

P「ああ…確かに。まさかあそこまで二人の絆が深まってるとは思わなかった。」


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 03:11:39.86 ID:JRtmMmy60
律子「早とちりとはいえ、なんというか、格好良いじゃないですか」

律子「親友のためにそこまで出来るって」

P「うん。俺も言われたとき色んな意味でぞくっとした」

律子「当初の誰とも迎合しようとしなかった千早はもう影も形もありませんね」

P「そうだな」

律子「それで一応確認しときますけど、春香との間には何もないんですね?」

P「ありません。何も」

P「何も無いんですよねぇ…」

律子「?」

P(はぁ…もうすぐバレンタインだし、良い感じのイベントの一つもおきねえかな)

律子「まぁ私からとやかくは言いませんけど、本分をお忘れなきよう。」

P「はい。気を引き締め直して頑張ります。」



94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/12(火) 03:14:43.19 ID:JRtmMmy60
律子「うん。」

律子「あ、因みに明日のレッスン千早は休むそうです。」

P「なんで?」

律子「恥ずかしくて春香と顔を合わせられないそうです。」

P「はははっ 意外と乙女な奴だな。」

律子「誰のせいだか。」

P「…菓子折りでも持っていってやるか。」

律子「ふふっ…」

律子「ま、明後日には元通りになってますよ、きっと。」

律子「さっき春香から、明日の晩千早の家に遊びに行くってメールがありましたから。」

P「そっか。じゃあ大丈夫だな。」

律子「ええ。二人は最高のコンビですからね。」


おわり