前回 月火「お兄ちゃんのアホ毛を抜く」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 18:24:40.84 ID:4WrquL770
月火「お兄ちゃんのアホ毛を抜いてからはや1週間」

月火「お兄ちゃんのアホ毛に小さい筋肉らしきものがあることに気付いた」

火憐「こんな髪の構造してるやつ兄ちゃんぐらいしかいねーし、学会に発表しようぜ!」

月火「うーん、それもいいんだけど・・・」

火憐「ん?」

月火「どうせなら、お兄ちゃんにも教えてあげない?」

火憐「いいぞー、もともと兄ちゃんの髪だしな」

月火「じゃ、とりあえずお兄ちゃんの部屋に行こっか」

火憐「おう!」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 18:29:15.73 ID:4WrquL770
~こよこよルーム~

月火「お兄ちゃん、ちょっといいかな?」

月火(まだアホ毛生えてないんだけど・・・)

阿良々木「どうした月火ちゃん」

月火「この前、お兄ちゃんのアホ毛切っちゃった、って言ったよね?」

阿良々木「言ったな」

月火「あれ、よく見たら骨とか筋肉とかあって、まるで生き物みたいだった」

阿良々木「・・・月火ちゃん、熱でもあるのか?」

月火「お兄ちゃん、私は正気だよ」

阿良々木「月火ちゃん、よく考えてみろ、髪に骨や筋肉があるわけないだろう?見間違いだ」

月火「ほんとにあったもん!ちゃんと堅い骨があったもん!」

阿良々木「ホントかよ・・・」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 18:33:11.93 ID:4WrquL770
阿良々木「とりあえず、実物を見せてもらおうか」

月火「わかった。火憐ちゃん、ちょっと貸して」

火憐「ほい」

月火「ほら見てお兄ちゃん、これが骨と思われるもので・・・これが筋肉」

阿良々木「どれどれ・・・・・・」

阿良々木「・・・・・・」

阿良々木(ガチじゃねーか)

月火「わかった?お兄ちゃん。お兄ちゃんのアホ毛は生き物か、あるいは髪の毛の域を超えてるんだよ!」

阿良々木「まさか僕の頭にそんなものがあったとは・・・」

月火「私たちだって驚きだよ」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 18:38:40.74 ID:4WrquL770
阿良々木「・・・道理でなんかこう、肉体の一部が欠けたみたいな感じを、ここ最近抱くと思ったら・・・」

月火「正にその通りだったって訳だよ、お兄ちゃん」

阿良々木(・・・あれ?肉体の一部?)

阿良々木(ってことはあれか?1週間前の夜の激痛って・・・)

阿良々木(そういうことになるよな・・・)

阿良々木(でも、それなら逆に好都合だ、忍に血を吸ってもらえば治るはず)

阿良々木「で、月火ちゃん、そのアホ毛をどうするつもりだ?」

月火「どうもしないよ。ただ、我が家の不思議として玄関とかに飾っておくだけ」

阿良々木「せめてリビングとかにしてくれ・・・人を呼んだ時に恥ずかしい」

月火「お兄ちゃんが家に人を呼ぶ事なんて滅多にないと思うんだけど」

阿良々木「うるせえ!」



火憐「ふわぁーあ、ねみー・・・」

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 18:41:58.64 ID:4WrquL770
月火「じゃあまずガラスケースに入れ・・・いや、仮にも肉体の一部、もしくは生物なんだし」

月火「ホルマリン漬けが一番いいかな」

阿良々木「自分のアホ毛がホルマリン漬けになるって、なんか嫌な気分だなあ・・・」

阿良々木「あれ?家にホルマリンなんてあったっけ?」

月火「あ・・・」

火憐「お、あたしの出番か?今すぐダッシュで買ってくるぜ!」Bダッシュ

阿良々木「・・・この辺の店に売ってるか?」

月火「わかんない」

暦・月火「・・・」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 18:49:31.47 ID:4WrquL770
数十分後

火憐「たっだいまー!ホルマリン買ってきたぜー!」

月火「売ってたんだ・・・」

火憐「おう、隣町に売ってた」

阿良々木「隣町ぃ!?」

月火「さすが火憐ちゃん・・・」

月火「で、とりあえずこのビンの中にアホ毛を入れて・・・」

火憐「ホルマリンをどばーっと・・・」ドバァ

月火「こんなもんかな、どう?お兄ちゃん」

阿良々木「ああ・・・いいんじゃないか、うん・・・」

月火「そ、じゃ、早速飾ろっか」

月火「んーと・・・このへんでいっかな?」コトン

阿良々木「やはり気分が良いものではないな・・・」

阿良々木(いつか処分しておこう)

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 18:54:36.74 ID:4WrquL770
月火「えーと、このへんでこのSSは終わりを迎えそうなんだけど・・・」

火憐「え、えす・・・えす?  ??」

阿良々木「いいや待て月火ちゃん、僕はまだ終わらせない」

月火「お兄ちゃん、もうお兄ちゃんのアホ毛に関する話は終わったんだよ、無理に長くしようとしなくてもいいんだよ?」

阿良々木「ああ、確かに僕のアホ毛の話は終わった」

阿良々木「だが」

阿良々木「火憐ちゃん、月火ちゃん・・・お前らのアホ毛のことを忘れていた」

火憐・月火「あっ」

阿良々木「兄妹だし、アホ毛の構造も同じなのかなあ?」ハサミキラリン

火憐・月火「きゃああああぁぁぁぁーーーーーっ!!!!!」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:02:20.93 ID:4WrquL770
月火「ううぅ~・・・痛かったぁ・・・」

火憐「いたたた・・・」

阿良々木「ふむ、やっぱり構造は一緒なんだな」

月火「構造を知りたいならじっくり触るとかすればいいのに!」

阿良々木「いや、まあ、仕返しついでにだな」

火憐「うー・・・」

阿良々木「まあお前らもそのうちまた生えるって、気にすn(プルルルルル)」

阿良々木「すまん電話」ピッ

阿良々木「もしもし?・・・戦場ヶ原か。・・・え?いやそういう事じゃなくて・・・・・・」

阿良々木「・・・はい。ごめんなさい。・・・で、戦場ヶ原、何の用だ?・・・え?」

阿良々木「・・・ひたぎさんは僕に何の用ですか!・・・・・・ああ、わかった。・・・すぐ行く。」ピッ

阿良々木「あーすまん2人とも、ちょっと戦場ヶ原と出かける事になった」

月火「ああ、あの彼女バイトの人ね。いってらっしゃい」

阿良々木「ちげえよ!いってきます!」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:07:02.38 ID:4WrquL770
~待ち合わせ場所~

阿良々木「えーと、この辺だったか、戦場ヶ原が言ってたのは」

阿良々木「・・・」キョロキョロ

阿良々木「お、あれか?」

戦場ヶ原「おまたせ、阿良々木君」

阿良々木「で、今日はどこに行くんだ?」

戦場ヶ原「・・・阿良々木君?あなたは阿良々木君かしら?」

阿良々木「へ?」

戦場ヶ原「もっと簡単に言うと、あなたは本物の阿良々木君かしら?」

阿良々木「当たり前だろ、大体僕に偽者なんていn「じゃあどうしてアホ毛がないのかしら」

戦場ヶ原「阿良々木君の生き物のようなアホ毛が生えてない。これは偽者と言わざるを得ないわね」

阿良々木「ち、ちがう、これには訳が・・・!」

戦場ヶ原「阿良々木君になろうなんて、浅はかな考えだったわね。」ぶんぼうぐせっと

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:14:48.10 ID:4WrquL770
阿良々木「じゃあ、こう言えば信じてもらえるか」

阿良々木「まず、最初に出会った時、お前は階段から落ちていた──とても軽かった」

阿良々木「で、そのあと口の中にホッチキスを打たれ・・・蟹の怪異の事を知り、体重を、重みを返してもらった」

戦場ヶ原「・・・」

戦場ヶ原「どうやら本物のようね」

戦場ヶ原「でもどうしてアホ毛が無いのかしら?」

阿良々木「妹達に切られた。痛かった。」

戦場ヶ原「小学生並の感想も付け加えてくれてありがとう。・・・え?痛かった?」

阿良々木「よくわからんが、骨とか筋肉があって、既に肉体の一部と化していたらしい」

戦場ヶ原「信じがたい話だけど・・・阿良々木君が言うなら本当のようね」

阿良々木「どこからその信頼が発生してるのか僕にはわからないが・・・」

戦場ヶ原「でもね阿良々木君、アホ毛が無い阿良々木君なんて、キーボードが無いパソコンと同じよ」

阿良々木「なんて事言うんだ!」

戦場ヶ原「冗談よ。せいぜいネタの無い寿司くらいかしら」

阿良々木「あんま変わってねえよ!」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:20:12.65 ID:4WrquL770
阿良々木「・・・で、どこに行くんだ?」

戦場ヶ原「待って阿良々木君、アホ毛が無い阿良々木君とお出かけなんて嫌よ。なんとかして生やしなさい」

阿良々木「んなムチャな・・・」

阿良々木「・・・いや、ちょっと待ってろ、戦場ヶ原」

阿良々木「忍」

影「・・・」

阿良々木「ゴールデンチョコレート」

忍「何じゃお前様っ!?」

阿良々木「僕の血を吸ってくれ。切られたアホ毛が肉体の一部のはずなのに生えてこない」

忍「わかった。・・・」

阿良々木「・・・」

戦場ヶ原「・・・」カシャ

戦場ヶ原「阿良々木君が幼女と抱き合ってる写真が撮れたわ」

阿良々木「今すぐに消去しろ!」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:28:18.15 ID:4WrquL770
阿良々木「普通に生えたな」

戦場ヶ原「生えたわね」

忍「よかったの。じゃ、ゴールデンチョコレート、絶対じゃぞ!」

阿良々木「ああ」

阿良々木「で、行き先を聞くだけですごい時間がかかってしまったな。どこに行くんだ?」

戦場ヶ原「私の家よ」

阿良々木「戦場ヶ原の家?何をするんだ?」

戦場ヶ原「勉強」

阿良々木「は?」

戦場ヶ原「最近学力が低下しているようだし、勉強を教えてあげると言っているのよ」

阿良々木「・・・はぁ・・・」

ひたぎ宅

戦場ヶ原「・・・まずはこの問題ね。この問題はまずこれを代入して・・・」

阿良々木「ふむふむ」

戦場ヶ原「・・・こんな感じね。次の問題もこの問題とあまり変わらないし、今度は自分の力で解いてみなさい」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:30:21.25 ID:4WrquL770
戦場ヶ原「・・・ねえ、阿良々木君」

阿良々木「なんだ?」カリカリカリカリ

じょきん

阿良々木「え?」

阿良々木「・・・いってええぇぇぇええええ!!!!」

阿良々木「んぬぉぉぉおっ!!んぐふっ!!ふっ!はぁーっ!・・・はっ、はっ、はっ・・・」

阿良々木「な・・・何すんだ!!」

戦場ヶ原「阿良々木君のアホ毛が肉体の一部と聞いたから」

戦場ヶ原「切ってみたい、と思っただけよ」

阿良々木「その内その理論で僕の腕とか切るんじゃないだろうな・・・」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:37:23.12 ID:4WrquL770
阿良々木「まあ、さっき忍に血を飲ませたばっかだし、すぐに生えてはくるんだろうけど・・・」

戦場ヶ原「そういえばそうだったわね」

阿良々木「はぁー・・・続き、やるぞ」カリカリカリカリカリ

戦場ヶ原「次はこれね。この問題はまず・・・」

        ・
        ・
        ・

阿良々木「戦場ヶ原ー、ありがとなー」

戦場ヶ原「またね、阿良々木君」


阿良々木「さて、すっかり暗くなっちまったな」

阿良々木「ん?なんだあいつら?」

阿良々木「・・・僕の家の前に集まってるじゃないか・・・」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:40:55.50 ID:4WrquL770
記者A「月火さん!そのお兄さんの髪の毛の構造を詳しく!!」

月火「えーと、それに関しては後日発表する予定なので、今は言えません」カシャカシャカシャ

記者B「どうしてその髪を切ろうと思ったんですか!?」

月火「生き物みたいに動いてたからです」カシャカシャ

月火(フラッシュがまぶしいよ・・・)

記者C「その構造が発覚したのはいつごろですか!?」

月火「数日前ですね。つい最近です」カシャカシャカシャカシャ

月火「すいません、そろそろ兄が帰ってくるので、今日はここまでで・・・」ドアバターン

記者D「待ってください!月火さん!」




阿良々木「なんじゃありゃ・・・」

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/03(日) 19:44:50.87 ID:4WrquL770
それから数日後、月火は僕のアホ毛の構造を公表。

その構造は医学などに大きな影響を与えた。

それから僕のアホ毛は何億もの値段が付き、その後僕が痛みを我慢して切った数本のアホ毛は世界中を飛び回っている

もちろん僕の家は大金持ちになった。

だが、そのアホ毛の構造・・・そして、僅かに含まれる血液から

僕が半分吸血鬼の人間ということが発覚するのは、少し後の話である・・・