1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:11:56.85 ID:CjBfisa00.net[1/19]
阿笠「ぼんやりと灯りが見えるのう。誰か住んでおるようじゃ」
灰原「じゃあ丁度いいんじゃない? 車パンクして動けないわけだし、電話借りてJAF呼びましょう」
歩美「携帯は圏外で使えないもんね」
元太「もうこんな夜遅くだし、ついでに一晩泊めてくれたりしねーかな」
光彦「そもそも何で山の中走ったんですか?」
阿笠「すまんのう、何だかこっちが近道な気がしての……」
阿笠「しかし今思うとこっちの道は近道でもなんでもないような……うーむ、何故ワシはこの山の中に入ってしまったんじゃろうか」
コナン「何でもいいから早くあの洋館に行こうぜ」
3 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:15:52.14 ID:CjBfisa00.net[2/19]
コナン「結構立派な洋館だな」
歩美「きっとお金持ちの人が住んでるんだね!」
灰原「お金持ちで相当変わり者だと思うわ……こんな何もない山の中にこんな大きな洋館を建てるんだもの」
阿笠「門の近くにインターホンのようなものは……ないのう」
元太「お?」
ギィィ
元太「この門開いてるぜ?」
光彦「じゃあ、扉の近くにインターホンか何かがあるんでしょうか……?」
阿笠「行ってみるかの」
ギィィ
ガコン!
コナン「あれ?」
灰原「どうしたの?」
コナン「何か……俺たち全員が入った後、門が勝手に結構なスピードで閉まらなかったか?」
灰原「風か何かじゃない?」
7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:18:41.95 ID:CjBfisa00.net[3/19]
阿笠「むむ……やはりインターホンも何も無いのう……」
光彦「ノックしてみますか?」
歩美「聞こえるかなぁ、こんな大きな洋館の中まで……」
灰原「そうね……これだけ大きいなら、インターホンとか無いと来客時に不便な気もするのに……」
コナン「山奥だし滅多に来客来ねえからそんな困らねえのかもな……」
元太「……ん?」
キィィ
元太「おいおい、扉も鍵開いてるぜ?」
阿笠「何と……随分不用心じゃのう」
灰原「こんな所まで空き巣は来ないってことかしら?」
歩美「とにかく入ろうよ! 何だか寒くなってきちゃった……」
コナン「確かに……変な寒気がするな」
8 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:21:09.90 ID:CjBfisa00.net[4/19]
阿笠「す、すみませーん! お邪魔しまーす!」
シン……
阿笠「むむぅ……とりあえず入ってしまうか……」
歩美「うう……洋館の中も何だか寒いよう」
光彦「立派な洋館ですが暖房はあまり効いてないのでしょうか……」
元太「おいコナン! 灰原! お前らも早く入れよ!」
灰原「ええ……」
コナン「わかってる……でも何か嫌な予感が――」
バン!
コナン「!?」
元太「な、何だよコナン! 急に扉閉めんなよ!」
コナン「お、俺じゃない!」
阿笠「え、でも最後に入ったのは君……」
コナン「……まさか」
11 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:23:07.20 ID:CjBfisa00.net[5/19]
ガッ ガッ
光彦「ど、どうしたんですか? 急に扉を開けようとして……車に忘れ物ですか?」
コナン「……開かない」
歩美「えっ?」
コナン「……扉が開かなくなってやがる」
阿笠「な、何を言っておるんじゃ? さっきまで普通に開いて……」
フッ
歩美「きゃあああ!?」
灰原「急に電気が消えた!?」
元太「て、停電か!?」
阿笠「何がどうなっておるんじゃ!?」
コナン「お、落ち着けお前ら!!」
13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:25:59.91 ID:CjBfisa00.net[6/19]
コナン「腕時計にライトが付いてるだろ……今はそれでこの暗さを凌ごう」パッ
灰原「そうね……」パッ
歩美「それでも暗いよぉ……寒いよぉ……怖いよぉ……」
阿笠「ともかく、停電なら洋館の誰かが動いてすぐに戻してくれるはずじゃ……」
光彦「そうですね……さっきまで灯りが付いていたんですから、誰かいるってことですもんね……」
元太「でもよぉ……何かこの洋館、全然人の気配しなくねぇか?」
ソンナコトナイヨ
コナン「確かにな……」
16 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:28:30.65 ID:CjBfisa00.net[7/19]
灰原「えっ?」
阿笠「? どうしたんじゃ哀君」
灰原「今……誰かいなかった?」
光彦「誰かって……この洋館の住人がやっぱりいたんですか?」
元太「じゃあ停電もすぐに元通りになるよな!」
阿笠「なら安心じゃの!」
コナン「……でも近くにいたならどうして俺らに一言声かけなかったんだ……?」
元太「とりあえず電気付けてから声かけようとしたんじゃねーか?」
歩美「……」
阿笠「ん? 歩美君、急にうずくまってどうしたんじゃ?」
歩美「……寒い」
17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:31:20.25 ID:CjBfisa00.net[8/19]
コナン「確かにさっきから寒気はするが……そんなに寒いのか?」
歩美「寒い……」
阿笠「むう……とりあえずワシの上着を羽織っておきなさい」
歩美「うん……」
コナン「できればどこか暖房があればいいんだけどな……」
灰原「そうね……こんな洋館だと暖炉とか……」
ポッ
元太「うぉっ!?」
光彦「む、向こうから急に光が!!」
阿笠「て、停電が直ったんじゃないのか?」
コナン「あの部屋だけか?」
灰原「とにかく行ってみましょう。誰かがそれこそ暖炉にでも火をつけたのかもしれないわ」
歩美「寒い……」
18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:33:56.87 ID:CjBfisa00.net[9/19]
光彦「この部屋から光が漏れてますね……」
コナン「……お、中で暖炉に火がついてるぞ。灰原の予想通りだ」
阿笠「これはありがたい。歩美君、近くに寄ってあったまると良いじゃろう」
歩美「うん……」
灰原「でも変ね……誰が火をつけたのかしら」
コナン「ああ……光が見えてから俺たちはこの部屋をずっと見ていた……」
コナン「そしてこの部屋にはあのドア以外出入口は無い……」
コナン「窓ならあるけど、わざわざ窓から外に出てったってことは無いだろうし……」
元太「おーい、コナン! 灰原! お前らも暖炉の近くに来いよ! あったけぇぞ!」
19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:37:33.04 ID:CjBfisa00.net[10/19]
灰原「この暖炉に火をつけた人……どこから出て行ったのかしら」
コナン「ドアから出て行ったことはありえない……俺たちがずっと見ながら部屋に入って、そのままそのドアから部屋に入ったんだからな」
灰原「じゃあその人はこの部屋から煙のように消えたっていうの?」
コナン「……」
阿笠「まあ、もしかしたらちょっと目を離した隙に出て行ったのかもしれんじゃないか」
コナン「……俺たちに声もかけずに?」
元太「相当恥ずかしがりやな住人なんじゃないか?」
光彦「いや限度ってものがあるでしょう元太君……」
阿笠「ともかく停電が直るまでしばらくここに居させてもらおう」
阿笠「そして停電が直ったら電話を借りてJAFを呼んで……良ければここに一晩泊めて貰って、明日山を下りるとしよう」
歩美「……」
歩美「寒い」
20 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:40:18.13 ID:CjBfisa00.net[11/19]
阿笠「な、何じゃ、まだ寒いのか? 歩美君だけ結構暖炉に近い所におるのに」
歩美「寒い」
光彦「も、もしかして熱があって、それで寒気がしてるとか……」
阿笠「おいおい、そりゃ大変……」
ヒヤ
阿笠「ぬぉっ!?」
元太「ど、どうしたんだよ博士!」
阿笠「な、何じゃ!? どうしたんじゃ歩美君!?」
コナン「おい、何があったんだよ!?」
阿笠「つ、冷たいんじゃ!」
阿笠「まるで死体のように! 歩美君の体が冷たいんじゃ!!」
22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:42:56.68 ID:CjBfisa00.net[12/19]
元太「お、おい、大丈夫か歩美!?」
光彦「僕の上着も貸しましょうか!?」
歩美「寒い」
コナン(何だ? 様子がおかしい! これは病気とかそういうアレじゃない!)
歩美「寒い」
歩美「寒い」
歩美「寒い」
歩美「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い」
歩美「サムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイサムイ」
歩美「さむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむいさむい」
歩美「暖炉」
23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:44:32.48 ID:CjBfisa00.net[13/19]
コナン「え?」
歩美「暖炉」
阿笠「そ、そうじゃ、暖炉じゃ! もっと暖炉の近くであったまっ……」
歩美「火」
ガッ
コナン「!?」
灰原「ひっ!?」
歩美「……あは」
歩美「あはははははははあはははははははああああああはははははああああははああああああああああああああああああ」
元太「うわあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
光彦「歩美ちゃんが手を暖炉の火の中に!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
26 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:47:31.91 ID:CjBfisa00.net[14/19]
阿笠「何をしとるんじゃ歩美君!!!!!!! 大火傷どころの騒ぎじゃ済まんぞ!!!!!!!!」
歩美「ああぁぁああああああぁぁぁああああああははああがははああああはははははっははははははっはああああ」
阿笠「!? 何じゃこの重さは!? 歩美君の体が異様に重くて動かすことができな……」
歩美「おぉおおおおおおおぉおおおおおはあああほおおおぉおおおおおあああはおぉおおあおあおおあおあおあおあおあおおあ」
ボゥッ!
阿笠「ぬぉあ!?」
光彦「急に暖炉の火が激しく!!!!!!」
元太「歩美が!!!!!!!!!!」
歩美「あおあおあおあおおおおおおああああああおああおああああああああああおあおあおあおあおあおああああああああああ」
歩美「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
ゴォオオオ!!!!
歩美「ああはははああはあははあああああああああはああああおあおおああははおあhがおあhがそいあしかrけさじふぁそ;いwくぁ」
28 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:50:06.99 ID:CjBfisa00.net[15/19]
元太「ひいいぃぃいいいいいいい!!!!!!!!!?」
光彦「歩美ちゃんが火だるまに!!!!!!!!!!!!!」
阿笠「水!!!! 消火器!!!!!!!!!」
歩美「あははははhさgfsdひゃあおああささhふぁうふぁわああああああああああああ」
歩美「あはgるえいうぇえssssみんなもおおおおおあおあおあおあおあおあああおおおおおお」
歩美「あはははははああったかいよおおおおおああおあおあおああおおあおあおおあおあおあおおああはいうせあwfくぁmds」
ズズ……
元太「うわああああああああこっち来るな!!!!!!! 来るなあああああ!!!!!!!」ダッ
コナン「お、おい元太!!!!!!!!」
灰原「こ、ここは一旦逃げましょう!!!!!!!!!」
光彦「でも歩美ちゃんが……」
阿笠「もうダメじゃ!!!!! 歩美君はもう助からん!!!!!!!!!!!!」
32 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:52:38.95 ID:CjBfisa00.net[16/19]
元太「うわああああああああああ!!!!!!!!」
ダダダダダダダ
コナン「くそっ、元太の奴こういうときだけ異様に早く逃げやがって……」
阿笠「二人とも早く! 元太君に続け!」
ダダダダダダ
コナン「全員出たら部屋の扉を閉めろ!!!!!」
ダンッ!!
阿笠「おお? こんな所に女性の像なんぞあったかの?」
コナン「覚えてねえけどそれで扉を塞ごう!!!!!!!!!」
ズッズッ ガッ
コナン「こ、これでしばらくは持つはずだ……」
女性の像「」
灰原「リアルな像ね……まるで生きてるみたい」
34 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:54:37.88 ID:CjBfisa00.net[17/19]
元太「ハァ……ハァ……」
光彦「歩美ちゃん……一体どうしてしまったんでしょう……」
阿笠「わからん……まるで何かに憑りつかれてしまったかのようじゃ……」
灰原「そうね……ホラー映画のワンシーンみたいだったわ……」
コナン「こんなときにつまんねぇ冗談はよせよ……」
元太「なぁ……ところでよ……」
光彦「どうしたんですか元太君?」
元太「……腹……減らねえか?」
コナン「おい」
36 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:56:38.23 ID:CjBfisa00.net[18/19]
阿笠「まったく、君という子は……」
光彦「こんな状況でもお腹が空くんですね……」
元太「わ、悪い……でも何か急に腹減っちまってよ……」
コナン「ったく……博士、鞄の中に何かねーか?」
阿笠「うーむ……どうじゃったかな……携帯食料ぐらいなら持参してあったと思うが……」
元太「……お?」
灰原「今度は何?」
元太「……食い物の匂いがする」
コナン「そうか?」
38 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/16(日) 23:58:19.18 ID:CjBfisa00.net[19/19]
元太「こっちから……何か匂うぞ」
タタタ
阿笠「あ、コラ、待つんじゃ! 勝手に動くでない!」
コナン「ったく、あの食欲バカが!」
灰原「追いかけましょう」
光彦「ええ!」
タタタ
元太「こっちだ……こっちから匂う……」
元太「食い物……食い物……」
元太「食う……食う……食うぞ……」
元太「食う……腹減った……腹減った……」
41 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:00:55.91 ID:x4mpKqf30.net[1/22]
コナン「あれ? 元太の奴どこに消えた……?」
阿笠「確かにこの廊下をこっちに曲がったはずじゃが……」
灰原「……待って、静かに……何か聞こえるわ」
クッチャクッチャ
光彦「何かを食べてるみたいな音ですね」
コナン「なるほど、元太だな」
灰原「洋館のキッチンにでも忍び込んだのかしら?」
阿笠「洋館の住人に怒られるぞ……」
ダイジョウブデズヨ
阿笠「そうか……ならいいんじゃが……」
阿笠「えっ?」
コナン「どうした博士」
阿笠「あ、いや……え?」
42 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:02:56.64 ID:x4mpKqf30.net[2/22]
クッチャクッチャ
コナン「こっちだ……」
灰原「何を食べてるのかしらまったく……」
クッチャクッチャ
光彦「あ……ここキッチンみたいです」
阿笠「音もここから響いておるの」
クッチャクッチャ
コナン「おい元太……」
元太「……」
クッチャクッチャ
コナン「おい元――」
元太「 う め ぇ 」
犬「」
44 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:06:01.56 ID:x4mpKqf30.net[3/22]
灰原「ひぃいいい!?」
阿笠「な、何を食っておるんじゃ元太君!!!!」
元太「 う め ぇ 」
クッチャクッチャ
光彦「う……」
コナン「光彦! 見るんじゃない!! 目を逸らせ!!!!!!!!」
クッチャクッチャ
元太「 うめ ぇ 」
元太「 う め ぇ 」
元太「 うめ ぇ」
クッチャクッチャ
元太「 コナ おめ も 食 ?」
元太「お前も食ったらう め ?」
45 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:07:05.39 ID:x4mpKqf30.net[4/22]
コナン「!!」
元太「 コ ナ」
コナン「逃げろ!!!!!!!!!!」
光彦「うわあああぁぁああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
灰原「いやあああああああ!!!!!!!!!」
阿笠「ぬおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
ダダダダダ
女の像「」
コナン「うわぁああ!?」
49 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:11:21.27 ID:x4mpKqf30.net[5/22]
阿笠「さ、さっきの女性の像じゃ!!!!!!!!」
灰原「何でキッチンの横にあるのよ!!!!!!!!!!!!!」
コナン「知るか!!!!!!!! ともかくまたこいつでキッチンの扉塞いで元太を食い止めるぞ!!!!!!!」
ズッ ズズ…… ガッ
阿笠「はぁ……はぁ……どうしたんじゃ二人とも……」
灰原「ねえ、もうこの洋館から出ない? 明らかに普通じゃないわよこんな状況!」
光彦「ぼ、僕もその方がいいかと……」
阿笠「じゃ、じゃが洋館の扉は開かなくなってたようじゃし……」
コナン「じゃあもうそこの窓破ろう! 待ってろ、今準備するから……」
50 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:14:34.91 ID:x4mpKqf30.net[6/22]
コナン「ボール射出ベルトでボール出して……」
プシュゥゥゥゥ ポン
コナン「キック力増強シューズで……」
カリカリ パリリィ……
コナン「こいつで窓を――」
猫「にゃー」
コナン「え?」
猫(左半分)「にゃー」
コナン「うわああああああああ!?」
52 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:16:57.96 ID:x4mpKqf30.net[7/22]
光彦「うわああああああああああなんですかあの猫!!!!!!!!!! 何で左半分だけなんですか!!!!!!!!!」
コナン「知るか!!!!!!」
ぷしゅぅ
コナン「あっ、やべっ、時間を取られてボールがしぼんだ!」
猫(左半分)「……にゃ」
阿笠「今は一旦逃げよう!!!!!!! あの猫も普通じゃない!!!!!!!!!」
灰原「そんなの見ればわかるわよ!!!!!!!!!」
コナン「走れ!!!!!!!!!!!!」
53 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:17:35.73 ID:x4mpKqf30.net[8/22]
コナン「はぁ……はぁ……」
灰原「もう嫌……どうしてこんなことに……」
光彦「……あれ?」
光彦「博士はどこですか」
54 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:21:01.31 ID:x4mpKqf30.net[9/22]
コナン「おいおい、今度は博士かよ!」
灰原「一体どこに消えたの!?」
光彦「ど、どうしましょう? さっきの道を戻りますか?」
コナン「それは嫌だ……もうあの半分の猫に会いたくねえよ……」
灰原「……博士は諦めましょう」
光彦「ちょ、ちょっと灰原さん! そんな!」
灰原「じゃああなただけで博士を探しに行く!?」
光彦「……」
コナン「……落ち着け二人とも」
阿笠「そうじゃ」
コナン「ほら博士もそう言って……」
コナン「え?」
55 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:23:54.34 ID:x4mpKqf30.net[10/22]
コナン「うわぁあ!?」
灰原「は、博士! 追いついたなら言ってよ!!!!!!」
阿笠「ほっほっほ」
光彦「まったく……じゃあみんなでまたこの廊下を先に進みますよ!」
阿笠「ほっほっほ」
コナン「ええと……この廊下の先を曲がればさっきの廊下だよな……」
光彦「そのはずです……」
灰原「……また何か待ち構えてないかしら」
光彦「……ちょっと覗いてみます」
光彦「……」
光彦「え?」
灰原「何? どうしたの?」
光彦「博士の後ろ姿が見えます」
58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:25:45.32 ID:x4mpKqf30.net[11/22]
コナン「は?」
灰原「え、ちょ……待っ……」
阿笠「……」
コナン「じゃあ廊下のあっちでこっちを見てるあの博士は何だよ!」
阿笠「……」
灰原「何なのよあなたは! それともあの廊下の先にいる博士が偽物なの!?」
阿笠「……」
光彦「何で黙ってるんですか!? やっぱりそっちが偽物――」
阿笠「」グラ
ドサ
阿笠(前半分)「」
三人「!?」
61 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:27:13.66 ID:x4mpKqf30.net[12/22]
光彦「え、な、何、ですか、これ……博士、さっきの猫みたいに、は、半ぶ……」
灰原「え、じゃ、あの、後ろ姿……」
阿笠の後ろ姿「……」グラ
ドサ
阿笠(後半分)「」
灰原「……ひ」
灰原「いやああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
ダダダダダダダ
光彦「灰原さん!?」
コナン「バカ!!!!!! 単独行動はやめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:30:54.80 ID:x4mpKqf30.net[13/22]
コナン「灰原! 灰原ァ――ッ!!!!!!!」
光彦「灰原さん!!!!!! 返事をしてください!!!!!!!!!!」
コナン「くそっ!! ダメだ!! 灰原ももうこの洋館の何かにやられて……」
光彦「そんな……嫌です!!!!!! そんなの嫌です!!!!!!!!」
コナン「おい光彦! ボールの代わりになるもん探してくれ! そいつを蹴って窓蹴破ってここから逃げるぞ!」
コナン「車なくても山道を駆け下りりゃ朝になる頃には下山できるだろ!」
光彦「コナン君!!!!! 灰原さんを放っておくんですか!!!!!!?」
光彦「それにみんなも!!!! あのままにするつもりですか!!!!?」
コナン「じゃあどうしろっていうんだよ!!!!!! 俺らに何ができんだよ!!!!!!!」
光彦「それは……」
65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:33:55.27 ID:x4mpKqf30.net[14/22]
コナン「……わかったらボールの代わり探してくれ」
光彦「……」
コナン「丸いものの方が蹴るとき安定するから頼むぞ……」
光彦「……はい」
コナン「丸い物……丸い物……」
ゴロゴロ……ピシャーン!
コナン「くそっ……よく見りゃ外は雷雨か……こりゃ山道を駆け下りるのは危険か……?」
コナン「いや……この洋館に居続けるよりはマシか……」
光彦「……あ」
光彦「コナン君、あそこ……向こうの部屋のテーブルの上に何か丸っこい影が……」
コナン「やかんか何かだといいな……花瓶とかだったら蹴ったら割れちまうし……」
光彦「でもやかんにも花瓶にも見えないような……」
ピシャーン!
灰原の生首「」
二人「!?」
66 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:36:23.07 ID:x4mpKqf30.net[15/22]
光彦「え、ぁ、嘘……嘘ですよね?」
コナン「……」
光彦「今……雷に照らされて一瞬見えた……あれ……テーブルの上に乗ってたあれ……」
コナン「……光彦」
光彦「う、あ……」
コナン「しっかりしろ光彦!!!!」
光彦「!!」
コナン「いいか! もう俺たちしか残ってないんだ! 俺たち二人で山を下りるんだ!!!!!!」
光彦「……」
コナン「だったらもうみんながどうなってようと動じるな! 自分の命だけを考えろ!」
67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:37:15.18 ID:x4mpKqf30.net[16/22]
光彦「……あ」
コナン「わかったか!?」
光彦「あ、ああ……コ、コナンく……」
コナン「あ!?」
光彦「後ろ!!!!」
コナン「後ろ!?」
女の像「」
コナン「あ」
が ぶ
光彦「え」
コナン(顔面齧られ)「みつ……ひ……」
光彦「うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:39:30.18 ID:x4mpKqf30.net[17/22]
女の像「……」
光彦「え、あ、像が何で動、いて……え、コナンく、ん、の顔、食、べ……?」
女の像「……」
光彦「……ひ」
光彦「ひぃいいいいいいいうわあぁあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
光彦は必死に走った
逃げたい
この洋館から逃げたい
この場から逃げたい
この恐怖から逃げたい
様々な逃げたいという意思が収束した先にあったのは
逃げようと必死に走った先にあったのは
洋館の窓
72 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:41:10.15 ID:x4mpKqf30.net[18/22]
光彦はコナンのように窓を蹴破る道具など持ってはいない
そんな力もない
故に窓を何かで破ってから逃げるというのは不可能だった
それでも光彦は逃げ出したかった
光彦が見つけた窓はまさに逃げるための最後の道だった
故に光彦は細かいことを考えることができぬまま
窓に頭から突っ込んだ
74 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:44:26.46 ID:x4mpKqf30.net[19/22]
窓のガラスが割れ
その割れた破片が
光彦の顔に
眼に
首に
喉に
次々と突き刺さった
光彦「 お゛ お゛ ぉ゛ !? 」
異常なまでの激痛が光彦の顔に走る
そして光彦は傷付き血みどろになった目で見て気付いた
窓の先にあったのは
崖だった
77 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:46:23.93 ID:x4mpKqf30.net[20/22]
窓から飛び出した光彦はそのまま崖の底へ
激痛を顔に、恐怖を全身に味わいながら落ちて行った
一体あの洋館は何だったのか
自分たちに一体何が起きたのか
何もわからぬまま
崖の底へ
叩き落とされた
80 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:47:14.68 ID:x4mpKqf30.net[21/22]
女の像「」
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女の像「」
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82 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/17(月) 00:48:32.18 ID:x4mpKqf30.net[22/22]
女の像「」
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女の像「」
女の像「」
女の像「」
女の像「」
女の像「」
おわり
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