1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:01:29.16 ID:wnjVWP9eM.net
チノ「そうなんですか」

ココア「聞きたい!?」

チノ「はい。聞きたいです」

ココア「ホントに!? ホントに聞きたい!?」

チノ「はい。ホントに聞きたいです」

ココア「じゃあ言うね」ゴホン

チノ「早くしてください」ワクワク

ココア「倒置法を使うと、ラップっぽくなるんだよ!」テテーン

チノ「はぁ……?」

7 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:04:25.02 ID:wnjVWP9eM.net
ココア「すごくない!?」

チノ「いえ……。よく分かりません」

ココア「私の名前はココアです。チノちゃんと一緒にラビットハウスで働いています」

チノ「知ってますよ。なんでいきなり自己紹介を始めたんですか」

ココア「ココア、それは私の名! 働くぜラビットハウス、withチノちゃん!」

チノ「はぁ」

ココア「ね?」

チノ「ラップっぽくもないし、そもそも倒置法も使えてませんよそれ」

9 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:07:25.01 ID:wnjVWP9eM.net
ココア「なんで!? なんでyo! yo-yo-!」

チノ「なんでもです。あと、喋りながら手をだらしなく振るのやめてください」

ココア「チェケラ! チェケッ……、ごほっ! ごほっ!」

チノ「ちょ……、大丈夫ですか。ココアさん」

ココア「ごほっ……。だ、大丈夫……。ココアそれは私の名……」

チノ「知ってます」

12 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:10:32.12 ID:wnjVWP9eM.net
チノ「どうしていきなりラップを始めようと思ったんですか」

ココア「それはゲストが来てから説明するね」

チノ「ゲスト?」

カランコロン

ココア「あ、噂をすれば」

シャロ「チノちゃーん! ココアー! ヤッホー!」

ココア「リリックマスターのお出ましだよ!」

チノ「ココアさん……。またシャロさんにコーヒー飲ませたんですか……」

13 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:13:30.18 ID:wnjVWP9eM.net
シャロ「お出まし私はリリックマスター! 今日のバイトはサボーりましたー!」

チノ「ちゃんとお金貰ってやってることなんですから、サボっちゃダメですよ」

ココア「今日のシャロちゃんはいつになくハイテンションだね!
   致死量ギリギリのカフェインを摂取させた甲斐があるよ!」

チノ「危ないじゃないですか! 致死量ギリギリって!
  下手したら死んじゃいますよ!」

ココア「大丈夫だよ! 私がそんなヘマをすると思う!?」

シャロ「うっ……! なんか胸が苦し……」

チノ「死にかけてるじゃないですか!」

14 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:16:41.23 ID:wnjVWP9eM.net
シャロ「はー……。死ぬかと思ったわ……」

ココア「私の応急処置が的確だったおかげだね!
   私に感謝してね、シャロちゃん!」

チノ「もとはと言えばあなたのせいでしょう!
  それに応急処置って言っても、
  ぬるま湯を大量に飲ませただけですし」

ココア「水飲ませすぎると透明なゲロ出るんだねー! あははー!」

チノ「笑い事じゃないですよ!」

ココア「シャロちゃん、お口直しにこれをどうぞ」

シャロ「コーヒー? ありがとね、ココア」

チノ「ココアさん!」

15 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:19:55.18 ID:wnjVWP9eM.net
シャロ「ココアー!」ダキッ

ココア「シャロちゃんシャロちゃんシャロちゃんシャロちゃん!」ギュー

シャロ「ココアココアココアココア!」ギュウウウー

チノ「……私の店でイチャつくのやめてもらえないですか」イライラ

ココア「あれ、チノちゃん。もしかして……、妬いてるの?」

チノ「別に? 違いますが」

シャロ「ココアってなんだかいい匂いがする……」スンスン

チノ「……」イラッ

17 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:23:15.69 ID:wnjVWP9eM.net
ココア「もおー! チノちゃん怒らないでよぉ!」

チノ「怒ってないですよ」

ココア「怒ってるじゃない!
   足立ナンバーの軽に煽られたみたいな顔しちゃって!」

チノ「どんな顔ですか……、それ」

シャロ「チノちゃん! つらい時は飲んで忘れた方がいいわyo!」

ココア「そうだyo!」

チノ「はぁ……」イラッ

18 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:26:26.42 ID:wnjVWP9eM.net
リゼ「なんだ。今日はシャロもいるのか」カランコロン

ココア「rizeちゃん!」

シャロ「ラ……、rizeしぇんぱい……!」

リゼ「ライズって誰なんだよ……」

チノ「今日のココアさんは普段に輪をかけておかしいんですよ。
  なんだか急にリリックマスターとか言い出して」

リゼ「へー、そうなのか。私もヒップホップとか好きだぞ」

ココア「そうなの!? rizeちゃん!」

リゼ「私の名前はリゼなんだが」

19 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:29:39.66 ID:wnjVWP9eM.net
リゼ「ココアは誰に憧れてラップを始めたんだ?」

ココア「よくぞ聞いてくれました! ボブ・マーリーだよ!」

リゼ「ボブ・マーリーはヒップホップじゃなくてレゲエミュージシャンなんだが」

ココア「だってかっこいいんだよぉ!
   ファイアっていう缶コーヒーのCMにも出てたしね!」

リゼ「あれはスティービー・ワンダーだろ。ラップもしてないし」

ココア「だからrizeちゃん! 私の熱いソウルを聞いてくれない!?」

リゼ「お前は耳がついていないのか」

21 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:32:50.98 ID:wnjVWP9eM.net
ココア「ココアfeaturingシャロ!」

シャロ「カモーン!」ズンチャズンチャ

ココア「ええ加減そうな俺でも、しょーもない裏切りとかは嫌いねん」

シャロ「尊敬しあえる相手と共に成長したいねん」

ココア「一生一緒にいてくれや」

シャロ「みてくれや才能も全部含めて」

ココア「ちゃんと俺を愛してくれや」

シャロ「俺を信じなさい」ズンチャズンチャ

22 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:36:04.29 ID:wnjVWP9eM.net
ココア「どうだった!? rizeちゃん!」

シャロ「ラ……、rizeしぇんぱい!」

リゼ「だから私の名前はリゼなんだが」

チノ「完全に三木道山でしたね。またエライところからパクったもんです」

リゼ「ああ……。なんか聞いたことあると思ったら……」

ココア「パクリじゃないよ! リスペクトだよ!」

チノ「ライフタイムリスペクトですね」

23 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:39:10.07 ID:wnjVWP9eM.net
チノ「そもそも倒置法がどうとか言うのはどこ行ったんですか」

ココア「チノちゃん! ひとつのことに固執するとね、人は全てを失うんだよ」

チノ「はぁ」

ココア「過去にとらわれない。そんな人に、私はなりたい」

シャロ「ココア! かっこいいわ!」ダキッ

ココア「シャロちゃん!」ギュー

チノ「……」イラッ

リゼ「お前ら、遊んでないでそろそろ開店準備始めるぞ」

24 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:42:15.86 ID:wnjVWP9eM.net
準備は滞りなく進み、そして、ラビットハウス開店の時間がやってきた。

ココア「ラビットハウス……。それがこのお店の名……」

チノ「ラップのことは忘れてください。もうオープンしますよ」

日常に変化を与えるのは、ほんの些細な思い付きからかも知れない。

ココア「rizeちゃんも、準備はOKかな?」

リゼ「だから。私の名前はリゼだと言ってるだろう」

それはまるで、コーヒーにひと匙入れたミルクがほのかな香りを漂わすかのごとく、
変わり映えのない日々に様々な色を付けてくれる。

27 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/02/04(水) 17:45:11.87 ID:wnjVWP9eM.net
ココア「あ、お客さんだよ。チノちゃん。rizeちゃん。
   ココア、それは私の名」

チノ「唐突な自己紹介やめてください」

リゼ「いい加減名前間違えるのやめろよ、ココア」

笑って過ごせる毎日を作り出すのは、とてもとても小さな出来事。

ココア&チノ&リゼ「いらっしゃいませ! ラビットハウスへようこそ!」

人生を彩るそれが、いつかかけがえのない宝物になるんだろう。
私たちは、暮らしの中で培われる様々なものを胸にそっとしまい込み、今を生きていくんだ。

終わり