1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:15:48.68 ID:5FvCDuQ80
3  人「……」

ハルヒ「キョン、あんた知ってんでしょ」

キョン「関東では主に砂嵐を放送しているテレビのチャンネルじゃないのか」

ハルヒ「違うわよ、もっと別の……古泉君は?」

古 泉「すみません、何の事か全く」

ハルヒ「ふぅん……有希はまだ来てないし、みくるちゃんが知ってるワケ無いし」

みくる「えへへ……」

キョン「……お前、本当は何の事か知ってるんじゃないか?」

古 泉「そういうあなたこそ」

キョン「ネットの巨大掲示板だったよな。確か、『ハッキング』から今夜の……」

古 泉「『今夜のおかず』までを手広くカバーする巨大掲示板群、ですね。なぜ
    知っていると答えなかったんです?」

キョン「……教えたところできっとロクな事にならんからだ」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:21:15.64 ID:5FvCDuQ80
古 泉「僕はむしろ、興味深いですが」

キョン「お前はどうして嘘をついた?」

古 泉「あなたに合わせたまでですよ」

キョン「ハルヒ、どうしてその2ちゃんねるとやらが気になr」

ハルヒ「わかったわ! これはおそらく、インターネットのサイトのことね!」

キョン「何っ!」

古 泉「へぇ。これはこれは」

 こんなこともあるもんだ。また突拍子も無い事を言い出すのかと思いきや、
こいつの口からまさかの答えが飛び出した。
 
ハルヒ「そうよ! こいつはきっと、ネットでウワサの幻の異次元サイトなのよ!」

 そうきたか!

キョン「おい、ハルヒ……」

ハルヒ「だーからみんなコソコソ話してたのね~。んっふっふ~。我がSOS団の
    出番のようね」

キョン「何故そうなる!」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:28:50.39 ID:5FvCDuQ80
ハルヒ「みんな、この『2ちゃんねる』について調査開始よ! さっそく検索サイトで
     調べてみましょう! みくるちゃん!」

みくる「は、はい~~」

古 泉「……ふむ。まずいですね」

 ああ、まったくもってまずい流れだな!

ハルヒ「ふん、ふん……駄ー目だわ、1件もヒットしやしない」

みくる「ほえぇ~」

キョン「!」

ハルヒ「さすがに幻の異次元サイトだわ。そう簡単に情報は得られないってワケ」

キョン「……おい、2ちゃんねるが1件もヒットしないなんてありえんぞ」

古 泉「ですね……既に、事が起きているようです」

キョン「これも閉鎖空間とやらの関係か」

古 泉「今はまだ何とも。掴み所が無いですね」

ハルヒ「これは徹底調査するしかないわね! って思ったけど、もうこんな時間」

古 泉「明日、改めて仕切り直したらどうです? なかなか手ごわそうですし」

ハルヒ「そうね、お腹も減ったし。今日はこれにて解散っ!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:38:51.75 ID:5FvCDuQ80
 というわけで、またまたハルヒに端を発するトラブルに対応すべく、俺達はファミレスに集まったっ!

古 泉「お家の方に連絡は済ませましたか?」

キョン「お前に心配される筋合いは無いというか笑顔が気色悪いというか開口一番のセリフがそれか」

みくる「それでぇ、その、2ちゃんねるっていうサイトはどうしちゃったんですか?」

古 泉「ネット上からその姿を消しました。昨夜は問題なく運営されていましたが、先ほどのやりとりの
    後、初めから無かったかのように忽然と」

キョン「しかも、クラスの奴に確認してみたんですが、俺達以外の人間はそれに関する事を全部忘れてしまってる
    ようなんです」

古 泉「もしかしたら、部室にいた我々4人以外、2ちゃんねるに関する記憶が消されているのかもしれません」

みくる「でも、私達は特に何ともないですけど」

キョン「どうして俺達は無事だったんだ?」

古 泉「それはおそらく、あの部室にいたおかげではないかと」

キョン「さすがは魔窟だな……」

長 門「……」

キョン「来たか。長門」

長 門「説明を」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:44:09.60 ID:5FvCDuQ80
キョン「……と、いうわけだ。それで一体何が起きているのか、長門に調べて……」

長 門「……」カタカタカタカタカタ……

長 門「!」

みくる「ど、どうしたんですか?」

長 門「ネットを通じて次元(ry」

古 泉「なるほど。しかし(ry」

長 門「それは無い。ただ(ry」

キョン「……」

みくる「ふぇぇぇ……」

キョン「それで? 何がどういうことなっているんだ?」

古 泉「コンピ研の部長さんの時と、同じような事が起きたようです」

キョン「2ちゃんを閲覧した人間が、どこぞの異空間に閉じ込められたか」

古 泉「それよりも、厄介な事件が起きているようです」

キョン「それって……」

長 門「これを」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:50:13.73 ID:5FvCDuQ80
みくる「何かのニュースですか? ええと……へぇっ!?」

キョン「んなっ……!!」

古 泉「この内容、どこかで見覚えはありませんか」

キョン「見覚えなんぞあるわけ……    これ、たまにみかける書き込みじゃないか」

古 泉「そのとおりです。2ちゃんねるに書き込まれたこのレスの内容が、現実に起こって
    しまっているというわけです」

長 門「現在各地において同時多発的かつランダムに発生。発生時期や場所は予測不可能」

 日本各地で2ちゃんねらの  が爆発したり閉鎖されたりしている……なんという悪夢!

みくる「ど、どうするんですか? これじゃみんなが」

キョン「……ずっと気になっていたんですが、朝比奈先輩も……」

みくる「え?」

キョン「いや、違うよな……うんそうだ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:54:39.28 ID:5FvCDuQ80
古 泉「長門さん、これを止めるには、一体どうしたら?」

長 門「一連の現象の発信源は、異空間化した2ちゃんねるに確認されている」

キョン「どこかに消えちまった2ちゃんねるにか?」

長 門「現在はネットの情報の海を漂流している状態。涼宮ハルヒがきっかけとなり、一連の
    現象が起き始めた」

キョン「とにかく、俺達がそこへ行って解決してくるという流れか」

古 泉「そうですね」

キョン「それじゃ明日の放課後、その異空間と化した2ちゃんねるへ行ってみるか」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 20:58:20.48 ID:5FvCDuQ80
キョン「これでハルヒ以外、全員集まったな。……それじゃ長門」

長 門「awsedrtyghghujik……」

キョン「っとちょっと待った!」

長 門「……」

古 泉「どうしました?」

キョン「確認するが、ちゃんと俺達は戻って来れるんだろうな」

長 門「可能性は低くない」

キョン「高くも無いという事か?」

みくる「ふぇぇぇ……」

古 泉「大丈夫です、戻って来られますよ」

キョン「その発言の根拠を問い詰めたいが……長門、やってくれ」

長 門「awsedrftgyhuji……」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:08:47.47 ID:5FvCDuQ80
4人 「……」

 気がつくと俺達は、普通の街の普通の高校にいた。
 例えるなら、この校舎といいグラウンドといい周囲の環境といい、まさに……

キョン「どう見てもウチの高校にしか見えんのだが!?」

 なんという既視感!

古 泉「間違いなく、そうですね」

みくる「ど、どうしたんですか? 学校に戻ってきちゃったんですか?」

長 門「スレッドは全て独自の異空間として存在している。その中で発信源が潜んでいると予測
    されるのがここ」

古 泉「スレの内容がそのまま世界を形成するわけですか……」

みくる「なんだか、怖いですぅ」

キョン「2ちゃんに立つスレなんて、ロクなモノがありませんからね」

 今ここでどんなに最悪な事が起きても、俺は驚かないだろう。

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:30:03.09 ID:5FvCDuQ80
古 泉「しかし、我々が通っている高校に関するスレが立てられていたとは、知りませんでした」

キョン「まちBBSなんかはあるが、固有の学校にもスレが立つんだな」

みくる「生徒もいるんですねぇ~、私達もいるんでしょうか」

キョン「さて、何が出てくるやら…… ん?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:38:24.37 ID:5FvCDuQ80

国木田「……こうやって、キョンと一緒に手を繋いでみなかったんだ」

キョン 「あまりベタベタするなよ、誰かに見られたらどうする」

国木田「別にいいだろ? 見せ付けてやれば。 ……ん」

キョン 「お、おいおい」

国木田「……顔、真っ赤だよ」

キョン 「!」

国木田「ハハッ、やっぱりキョンは可愛いなぁ」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:40:58.51 ID:5FvCDuQ80
キョン「……       んなぁーーーーーーーーーー!?」

古 泉「これはこれは……」

長 門「……」

みくる「きょきょきょキョンくんが、キョンくんがっ!」

キョン「ちっ、違うんです朝比奈さん、あれはこの世界の俺であって、決して現実の俺では!」

 なせ俺と国木田が付き合いたてのカップルみたいになっている!?
 国木田を抱き寄せるな俺! 頬を染めてはにかむな国木田! あぁなんかもう、死ね俺っ! 

キョン「一体これはどういうことなんだ、長門っ!」

長 門「類似しているスレッドが混ざり合っている、不安定な状態」

古 泉「ということは、ああいった内容のスレが存在しているということですね」

キョン「どこの誰だ? あんなこと2ちゃんに書き込んでる奴は!?」

長 門「……」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:45:10.37 ID:5FvCDuQ80
キョン「0コンマ1秒でも早く発信源を見つけないと、俺の心がどうにかなりそうだ……」

古 泉「あそこに怪しい人影があります!」

キョン「どこだ古泉!? どこに」


古 泉「……」


古 泉「僕……ですね」

キョン「古泉? この世界の古泉が元凶か」

長 門「違う」

キョン「何?」

みくる「あれ……なんだか、様子が変ですよ?」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:52:43.84 ID:5FvCDuQ80
タタタタッ……
古 泉 「偶然ですね。お二人とも」

国木田「っ!」

キョン 「古泉……!?」

古 泉 「おや、仲良く手を繋いで、一緒に下校ですか」

キョン 「別に、何でもない」

古 泉 「なるほど……」 ギロッ

国木田「……!」

古 泉 「申し訳ないんですが、彼とは約束がありまして。いいですか?」

キョン 「え? ああ、そうなのか、国木田」

国木田「う……うん」

古 泉 「では、これで失礼します。行きましょうか」

国木田「……」

古 泉 「……  帰ったら、"おしおき"が必要ですね」

国木田「……はい……」

キョン 「国木田……」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:54:15.17 ID:5FvCDuQ80
古 泉「……」

キョン「……」

長 門「……」

キョン「長門、じっと俺達を見るのはやめてくれ」

みくる「ええ、えーと、皆さん、先を急いだ方がいいと思うんですけどぉ」

キョン「朝比奈さんの言うとおりだ、古泉」

古 泉「そ、そう、ですね……これ以上被害を拡大させないためにも、急ぎましょう」

キョン「とは言うものの、何をどうしたらいいのかサッパリだな」

みくる「とりあえず、部室に行ったらどうでしょうか? 他にあてもないですし」

キョン「ふらふらしててもしょうがない、一度、落ち着くことにしよう」

 ということで、俺達は部室へとやってきた。

古 泉「時間的に、もう皆さん帰っているはずですね」

キョン「あぁ、何か手がかりが無いか探して……ん?」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 21:56:27.77 ID:5FvCDuQ80
ハルヒ「ねぇ、みくるちゃん……」

みくる「……」


キョン「ハッ、ハルヒ!? 中にアイツがいる!」

みくる「わ、私もいます~」

古 泉「しっ! 何か話をしていますね」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:02:04.64 ID:5FvCDuQ80
ハルヒ「あの、ね、あたしも頑張ったんだけどね、でも……」

みくる 「……」

ハルヒ「見つかりそうになって、その、必死に逃げてたら……あの……」

みくる 「……   涼宮さぁん」

ハルヒ「ひっ……! と、と、盗れなかっ…… あうっ!」

みくる 「これ、昨日買ってきたばかりのハサミなんですけど、髪の毛よく切れるんですよぉ」

ハルヒ「痛っ、いたい、痛いっ!」

みくる 「ほらぁ、髪の毛もこんなにジョキジョキ~って、すごい切れ味です」

ハルヒ「やめてみくるちゃん、切らないでっ、やめて……ください……!!」

みくる 「ねぇ涼宮さん、私思うんですけどぉ、髪の毛の色をSOS団のロゴみたいにカラフルにしたら
     似合うと思うんです」

ハルヒ「え、え……」

みくる 「明日さっそく、染めてきたらどうですかぁ?」ニコッ

ハルヒ「そ、そんなの……あたし、出来な……」

みくる 「 す ー ず ー み ー や さぁん?」

ハルヒ「……わかり……ました……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:02:54.75 ID:5FvCDuQ80
みくる「ひょえぁぅいあぅえうあぅぅぅぅぅぅ」

キョン「これは……なんて、言ったらいいか……」

 正直この朝比奈さんにグッときてしまったのは、俺だけの秘密だ。

古 泉「急ぎましょう、現実世界も心配です」

キョン「そうだな……長門、何か、手がかりは無いか?」

長 門「教室」

キョン「教室? 俺のクラスか?」

長 門「そこに、この世界では異質な存在が確認される」

キョン「よし、行ってみるか」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:06:20.02 ID:5FvCDuQ80
キョン 「おい、また中に誰かいるじゃないか」

古 泉「これは……我々を待っている?」

キョン 「何だと?」

長 門「……」 ガラッ

キョン 「おい、長門待っ……  お前は!?」

谷 口「よぉ」

キョン 「谷口!?」

古 泉「気をつけて下さい。彼からは薄ら寒いものを感じます」

 いつもあいつには薄ら寒いものを感じているが、今は様子が違うようだ。

みくる 「ひぇぇぇぇっ」

長 門「あれが一連の元凶。人の形をとっているだけ」

キョン 「そう言われてもな」

谷 口「へぇ、俺を消しにきたかよ、キョ……」

キョン 「古泉、長門、さっさと片付けてくれ」

谷 口「無視か!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:08:22.76 ID:5FvCDuQ80
古 泉「もちろんそのつもりです……ふんもっっふ!!」

谷 口「うぉっ、と!!」

キョン「避けるな! 谷口のくせに!」

谷 口「くせにとか言うなよ! そう簡単にやられてたまるかっ!」

長 門「……」

谷 口「キョン! お前、別の異世界の2ちゃんでどんな扱いされてるか知ってるか?
    女体化だぜ!? キョン子とか言って女の子にされてんだぞ!? 可愛いけど! 好みだけど!」

キョン「異世界だと? 意味のわからんことを!」

谷 口「それと古泉、お前はどうなってると思う?」

古 泉「なかなか素早い動きですね……次は当て……」

谷 口「キョンを密かに狙ってる、完全無欠のゲイだ!」

古 泉「……」

キョン「古泉がショックを受けた!? 谷口め、言いたい放題言いやがって!」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:13:19.89 ID:5FvCDuQ80
長 門「…… 全ての工程が終了した。許可を」

キョン「あいつを倒せるのか?」

長 門「完全に消去が可能」

谷 口「おぉっと、そいつはどうかな?」


長門2「……」


長 門「……」

キョン「長門!? いつの間にっ……!」

みくる「きょっ、キョンくん!」

古 泉「不覚ですね、こちらの世界の長門さんを忘れていました」

谷 口「そのまま抑えてろよ! キョンをどうにかされたくなかったら、動くんじゃねーぞ」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:19:01.37 ID:5FvCDuQ80
キョン 「こっ、こっちの長門、ちょっと手加減してくれ……!」

長門2「それは出来ない」

キョン 「せ、背骨がどうにかなりそうだ」

長門2「離れたくない」

キョン 「…… なっ、何?」

谷 口「きょっ、キョンお前、この状況で何してんだよ!」

キョン 「知るか! こっちの長門がなんというか……」

長門2「……」じっ……
 
 俺の胸に抱きつき、潤んだ瞳でじっと見つめる異世界の長門。
 愛おしそうに胸に顔を埋めるその姿は、なんというか……

キョン 「なんというか……   すさまじい破壊力なんだ……」

谷 口「何てうらやましい事を……くそっ! やっちまえ!」

キョン 「! なっ、長門っ!」

みくる 「きょっ、キョンく~~ん!」

長門2「awsedrftgyuhijokp……」

長 門「!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:25:03.02 ID:5FvCDuQ80
キョン「……!!   ん、んん?」

古 泉「これは……」

みくる「ほぇぇぁぁぇぇ……だっ、大丈夫ですかぁ?」

キョン「ええ、俺は何とも、ないんですが」

谷 口「えっ!? な、何で俺消えてるんだよ!? おい、ちょっ……」

キョン「消えた……これ、お前がやったのか、長門」

長 門「違う」

キョン「じゃあ、こっちの長門なのか」

長門2「……」

キョン 「どうして……」

長門2「私達は所詮、オリジナルの亜種に過ぎない」

キョン「さっき谷口が、別の異世界と言ってたが……それと関係があるのか」

長門2「……」

キョン「長門。俺達は異世界では一体、どういう……」

長門2「それは知らない方が良い」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:27:48.59 ID:5FvCDuQ80
キョン「……」

長門2「貴方達は確かに、実存在としてそこに在る。それだけ忘れないでほしい。……私達はそれを
    異世界の住人によって作り変えられた存在」

古 泉「作り変えられた、ですか」

長門2「性的嗜好や興味、悪意等の赴くまま、人格や存在意義まで自由にアレンジされている。そして、
    それを満たす事が私達の存在意義」

キョン「お前もそのうちの一人、なのか? そのためにお前は」

長門2「……」

 あの長門が、恥かしそうに顔を背けた。いかん、夢に出そうな可憐さだ。

長門2「私という個体は……」

キョン「……」

長門2「……貴方に」

長 門「異空間が消滅しかかっている。脱出の許可を」

キョン「!」

古 泉「貴方は、彼にずっと……オリジナルの彼をずっと」

長 門「…… 許可を」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:32:03.91 ID:5FvCDuQ80
キョン「……長門っ」

長門2「!」

 気がつくと、俺は彼女を抱きしめていた。

長門2「……」

キョン「頼みがある。このまま、脱出させてくれないか」

長 門「……」

みくる「キョンくん……」

古 泉「長門さん」

長 門「わかった」

長門2「……」

キョン「この異空間に来て、今……初めて良かったと思ったよ。長門」

長門2「……」ボソボソ……

キョン「!」

長 門「awsedrftyguhijkokp……」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 22:34:28.75 ID:5FvCDuQ80
キョン「……で結局、あれからおかしな事件は起きなかったわけか」

古 泉「ええ、例の同時多発  事件の他には、異常は見られなかったようですね」

キョン「それも十分恐ろしいがな」

ハルヒ「ていうか……   暇ね~」

みくる「皆さん、お茶が入りました~」

キョン「例の異次元サイトとやらはどうしたんだ? ハルヒ」

ハルヒ「そんなことより次よ次! SOS団は常に新たな謎を求めてるのよ」

キョン「飽きたのか……」

長 門「……」

 あれから俺達は、いつもの日常に戻っていた。
 ハルヒは早くも2ちゃんねるには飽きたようで、長門も何事もなかったかのように、
読書に勤しんでいる。

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/22(火) 23:00:42.37 ID:5FvCDuQ80
キョン「……」

古 泉「どうしました?」

キョン「お前に心配されるような事は何も無い」

古 泉「それなら良いのですが」

キョン「…… 長門」

長 門「……」

キョン「……   今日、俺と一緒に帰らないか?」

長 門「……(こくり)」



 ……もちろん、ハルヒには内緒でな、長門。



何とか書きこめた……
これで終わりです。
読んでくれた人乙でした。

引用元: ハルヒ「ねぇ、2ちゃんねるって何の事か知ってる?」