1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 19:22:39.28 ID:RMWKpdOH0
夏凛「…………」
友奈「あ、差し入れがある。私より先に誰か来てたのかな」
夏凛「…………」
友奈「今日ね、近所に新しくできたっていう美味しいケーキ屋さんに寄ったんだ。
いつもにぼしとかぼた餅じゃ飽きちゃうもんね。……ここに置いておくね」
夏凛「…………」
友奈「風が気持ちいいね。でもあんまり秋風に当たってると風邪引いちゃうよ?夏凛ちゃん」
夏凛「…………」
友奈「……窓、閉めるね」ガラ
夏凛「……!」
友奈「夏凛ちゃん……分かる……? 私のこと……」
夏凛「ぅぅぁ……?」
友奈「そうだよ、友奈だよ」
夏凛「…………」ニコッ
友奈「……うっ…………うぅぅ……っ……」ぽろぽろ
友奈「あ、差し入れがある。私より先に誰か来てたのかな」
夏凛「…………」
友奈「今日ね、近所に新しくできたっていう美味しいケーキ屋さんに寄ったんだ。
いつもにぼしとかぼた餅じゃ飽きちゃうもんね。……ここに置いておくね」
夏凛「…………」
友奈「風が気持ちいいね。でもあんまり秋風に当たってると風邪引いちゃうよ?夏凛ちゃん」
夏凛「…………」
友奈「……窓、閉めるね」ガラ
夏凛「……!」
友奈「夏凛ちゃん……分かる……? 私のこと……」
夏凛「ぅぅぁ……?」
友奈「そうだよ、友奈だよ」
夏凛「…………」ニコッ
友奈「……うっ…………うぅぅ……っ……」ぽろぽろ
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 19:35:10.16 ID:RMWKpdOH0
友奈「『ゆ・う・な・だ・よ』」
夏凛「……」こくり
友奈「『お・い・し・い・け・え・き・も・っ・て・き・た・よ』」
夏凛「『あ・り・が・と・う』」
友奈「『た・べ・る・?』」
夏凛「……」こくり
私はケーキを包みから出して、フォークで小分けにしたあと
夏凛ちゃんの口元へ優しく運んであげました。
夏凛ちゃんはずっと私の手を握ったまま、ぎこちなく口を動かして
おいしそうに食べました。
指文字での会話もだいぶ慣れて、今では手のひらの感覚だけで意思が伝わる事もあります。
友奈「あれから半年経つね。……東郷さんは今頃なにしてるのかなぁ……」
夏凛「……」こくり
友奈「『お・い・し・い・け・え・き・も・っ・て・き・た・よ』」
夏凛「『あ・り・が・と・う』」
友奈「『た・べ・る・?』」
夏凛「……」こくり
私はケーキを包みから出して、フォークで小分けにしたあと
夏凛ちゃんの口元へ優しく運んであげました。
夏凛ちゃんはずっと私の手を握ったまま、ぎこちなく口を動かして
おいしそうに食べました。
指文字での会話もだいぶ慣れて、今では手のひらの感覚だけで意思が伝わる事もあります。
友奈「あれから半年経つね。……東郷さんは今頃なにしてるのかなぁ……」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 19:55:42.47 ID:RMWKpdOH0
東郷さんはあの日、私たちがバーテックスを撃退した後行方をくらませました。
神樹様に反旗を翻した事実は許されることではないかもしれませんが、
私はなぜか東郷さんを責める気にはなれませんでした。
夏凛「…………」
友奈「もうお腹いっぱい? じゃあ少し片付けるね」
私と手を繋いでいると、夏凛ちゃんはおだやかそうな表情で
光りのない目を私の方へ向けてくれます。
普段は目を閉じているのですが、まだ残っている健全だった頃の感覚をもとに
せめて人らしい振る舞いをしなくてはと気を使っているのです。
私はそんな夏凛ちゃんの、半開きになって震えているまぶたを見るたびに
こみあげる涙を必死に抑えて、努めて普段通り接するようにしました。
神樹様に反旗を翻した事実は許されることではないかもしれませんが、
私はなぜか東郷さんを責める気にはなれませんでした。
夏凛「…………」
友奈「もうお腹いっぱい? じゃあ少し片付けるね」
私と手を繋いでいると、夏凛ちゃんはおだやかそうな表情で
光りのない目を私の方へ向けてくれます。
普段は目を閉じているのですが、まだ残っている健全だった頃の感覚をもとに
せめて人らしい振る舞いをしなくてはと気を使っているのです。
私はそんな夏凛ちゃんの、半開きになって震えているまぶたを見るたびに
こみあげる涙を必死に抑えて、努めて普段通り接するようにしました。
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 20:17:25.50 ID:RMWKpdOH0
ここに入院した当初、夏凛ちゃんは頻繁にパニックを引き起こし、
それはもう見るも悲惨な状況だったと聞きました。
私たちが面会できるようになったのはこの2、3ヶ月の話ですが、
それでも最初は発声の加減が分からず、突然大声で叫んで私たちを驚かせたりしました。
その頃に比べると、今の夏凛ちゃんは別人のように落ち着いています。
まるで全部を諦めて死ぬことを受け入れた囚人のように……。
夏凛「『ほ・か・の・ふ・た・り・は・?』」
友奈「『用・事・で・こ・れ・な・い・っ・て』」
夏凛「…………」コクリ
友奈「……二人っきりだね……」
それはもう見るも悲惨な状況だったと聞きました。
私たちが面会できるようになったのはこの2、3ヶ月の話ですが、
それでも最初は発声の加減が分からず、突然大声で叫んで私たちを驚かせたりしました。
その頃に比べると、今の夏凛ちゃんは別人のように落ち着いています。
まるで全部を諦めて死ぬことを受け入れた囚人のように……。
夏凛「『ほ・か・の・ふ・た・り・は・?』」
友奈「『用・事・で・こ・れ・な・い・っ・て』」
夏凛「…………」コクリ
友奈「……二人っきりだね……」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 20:35:12.29 ID:RMWKpdOH0
私はくいっと夏凛ちゃんの手首を引き寄せ、そっと身体を寄せます。
夏凛ちゃんはベッドの上で私にもたれかかり、安らかに目を閉じました。
こうやって安心させてあげる事くらいしか私には出来ないけれど、
光りも音も失った彼女の、弱弱しい身体に触れていると
愛おしさと哀しさに胸が張り裂けそうになりました。
友奈「…………」スッ
それは決して情けなどではなく、ましてや彼女を救うための行為でもありませんでした。
私は、自身の内側から溢れ出るどうしようもない感情のために
彼女の身体を利用するのです。
夏凛「……ぅ……な……?」
友奈「夏凛ちゃん……ごめんね……」ぽろぽろ
私は夏凛ちゃんを強く抱きしめました。
夏凛ちゃんは察したように、私の背中をぽん、ぽんとあやしてくれます。
夏凛ちゃんはベッドの上で私にもたれかかり、安らかに目を閉じました。
こうやって安心させてあげる事くらいしか私には出来ないけれど、
光りも音も失った彼女の、弱弱しい身体に触れていると
愛おしさと哀しさに胸が張り裂けそうになりました。
友奈「…………」スッ
それは決して情けなどではなく、ましてや彼女を救うための行為でもありませんでした。
私は、自身の内側から溢れ出るどうしようもない感情のために
彼女の身体を利用するのです。
夏凛「……ぅ……な……?」
友奈「夏凛ちゃん……ごめんね……」ぽろぽろ
私は夏凛ちゃんを強く抱きしめました。
夏凛ちゃんは察したように、私の背中をぽん、ぽんとあやしてくれます。
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 20:44:38.32 ID:RMWKpdOH0
夏凛「…………ん……!?」
友奈「はぁ……はぁ……」
私は高ぶる胸の鼓動を抑えきれず、夏凛ちゃんの唇を奪いました。
突然の異物感に、夏凛ちゃんは驚いて顔を背けましたが、
私は構わず彼女の唇を貪り続けました。
夏凛ちゃんの吐息を感じます。
彼女は怯えた様子でしたが、抵抗はしませんでした。
人形のように虚空を見つめたまま、されるがままベッドに横たわっていました。
……許されない事をしているのは分かっています。
友奈「はぁ……はぁ……」
私は高ぶる胸の鼓動を抑えきれず、夏凛ちゃんの唇を奪いました。
突然の異物感に、夏凛ちゃんは驚いて顔を背けましたが、
私は構わず彼女の唇を貪り続けました。
夏凛ちゃんの吐息を感じます。
彼女は怯えた様子でしたが、抵抗はしませんでした。
人形のように虚空を見つめたまま、されるがままベッドに横たわっていました。
……許されない事をしているのは分かっています。
44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 21:04:34.44 ID:RMWKpdOH0
夏凛ちゃんは、自分が今何をされているのか
それがどういう意味を持つのか理解しているはずです。
彼女のやわらかい唇に、味覚のない私の舌から
粘り気のある唾液が糸を引いていました。
味はしないけれど、そこには確かに夏凛ちゃんの存在を感じました。
友奈「……ぅぅ……っ………ああぁぁぁ……!」
私は彼女を傷つけた。
夏凛ちゃんの顔に、私の涙がぽつり、ぽつりと落ちました。
私は接吻をとき、言葉にならない声を上げ、泣きじゃくりました。
激しい後悔に、私の心は潰れそうになりました。
その時です。
ベッドに横たわったままの夏凛ちゃんは、こわばった表情をほどき、
あろうことか私に微笑んでくれたのです。
それがどういう意味を持つのか理解しているはずです。
彼女のやわらかい唇に、味覚のない私の舌から
粘り気のある唾液が糸を引いていました。
味はしないけれど、そこには確かに夏凛ちゃんの存在を感じました。
友奈「……ぅぅ……っ………ああぁぁぁ……!」
私は彼女を傷つけた。
夏凛ちゃんの顔に、私の涙がぽつり、ぽつりと落ちました。
私は接吻をとき、言葉にならない声を上げ、泣きじゃくりました。
激しい後悔に、私の心は潰れそうになりました。
その時です。
ベッドに横たわったままの夏凛ちゃんは、こわばった表情をほどき、
あろうことか私に微笑んでくれたのです。
48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 21:21:03.97 ID:RMWKpdOH0
友奈「…………!!」
驚いて言葉を失っていると、
夏凜ちゃんは、ふらふらと左手を差し伸べて、
私の身体をぺたぺたと触り、
そして手を握りました。
夏凜「『つ・づ・け・て』」
私は、その言葉に熱い接吻で応えました。
その間、ずっと夏凜ちゃんの名前を呼びながら。
驚いて言葉を失っていると、
夏凜ちゃんは、ふらふらと左手を差し伸べて、
私の身体をぺたぺたと触り、
そして手を握りました。
夏凜「『つ・づ・け・て』」
私は、その言葉に熱い接吻で応えました。
その間、ずっと夏凜ちゃんの名前を呼びながら。
51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 21:32:03.60 ID:RMWKpdOH0
……その日から、私と夏凜ちゃんは
二人きりの時にだけ、誰にも見つからないように
秘密の行為に勤しむようになりました。
私の欲求は次第にエスカレートしましたが、
行為のあいだ、夏凜ちゃんはあの穏やかな表情を消し、
微動だにせず私のすべてを受け入れてくれます。
私はその、夏凜ちゃんの優しくて空っぽの心を
暗い感情に従うまま、飽きることなく貪り続けていくのでした。。。
二人きりの時にだけ、誰にも見つからないように
秘密の行為に勤しむようになりました。
私の欲求は次第にエスカレートしましたが、
行為のあいだ、夏凜ちゃんはあの穏やかな表情を消し、
微動だにせず私のすべてを受け入れてくれます。
私はその、夏凜ちゃんの優しくて空っぽの心を
暗い感情に従うまま、飽きることなく貪り続けていくのでした。。。
52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/21(日) 21:33:48.67 ID:RMWKpdOH0
おはり
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。