1: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:12:35.73 ID:mxDG39W7o
~☆

友奈「太った……?」

夏凜「うん」

風「……そうね、明らかに太ったわね」

樹「……」

友奈「え、ええ……?」






東郷「――ごめんなさいっ!」


友奈 風 樹 夏凜 園子「!?」


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2: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:17:29.88 ID:mxDG39W7o


東郷「私が友奈ちゃんに、最近ほぼ毎日和菓子をたくさん食べてもらっていたから……」

東郷「友奈ちゃんの味覚が戻って、本当においしそうに食べてくれるのが嬉しくて、それで……」


夏凜「なるほど」

園子「わっしーのお菓子おいしいよね~」

風「納得の理由ね」

樹「お姉ちゃんは大丈夫なの?」

風「え? 何が?」

3: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:23:28.78 ID:mxDG39W7o


友奈(私って、知らない内に太ってたんだ……)

友奈(確かに、お腹をつまむとプニってする)プニッ

友奈(あっ)

友奈(もしかしてこれ、つまむと二段どころか三段に――)



友奈「よし! 痩せなきゃっ!」

夏凜「痩せるなら、効果的なサプリメントがあるわよ」

夏凜「あと、先に言っておくけど、素人が安易な食事制限で痩せようなんて考えない方が良い」

夏凜「私たちは成長期だし、ちゃんとバランス崩さずに食事を摂って、運動で痩せることを考えましょう」

友奈「なるほど」


風「…………」

風(この常識的な発言が、コンビニ弁当サプリ暮らしの夏凜の口から出るのって、なんかおかしくない?)

4: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:27:45.74 ID:mxDG39W7o

夏凜「運動のメニューなら私が組んであげるから、それをしっかりこなしていく」

夏凜「トレーニングの機器も、家にある奴使わせてあげる」

友奈「か、夏凜ちゃん……頼もしい!」

夏凜「痩せるために、まず放課後数日私の家で合宿をやりましょう」

友奈「合宿?」

夏凜「ええ。こういうのは、最初の滑り出しが肝心なのよ」

夏凜「やるぞーって意志を自分に上手いこと刻み込んで、それを最後まで維持できれば、
    人間はちゃんと痩せることができるはずだわ」

5: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:31:19.52 ID:mxDG39W7o

東郷(ああ、なんて愚かなの東郷美森……)

東郷(私が、自分の気持ちばかり優先して、適量を弁えずに友奈ちゃんへ――)

友奈「東郷さん」

東郷「……友奈ちゃん?」

友奈「私、はやく痩せて、東郷さんのぼたもちやその他のお菓子を、
    また気兼ねなく食べられるようになって、帰ってくるね」

東郷「友奈ちゃん……」グスッ


風(これ、ダイエットしようってだけの話よね?)

6: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:33:10.18 ID:mxDG39W7o
~☆



夏凜「……」タッタッタッ

友奈「……」タッタッタッ

夏凜「あと十分、走りぬきなさいっ!」タッタッタッ

友奈「はいィっ!」タッタッタッ




7: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:34:45.11 ID:mxDG39W7o
~☆



友奈「三十一、三十二、三十三……」グッ グッ グッ

夏凜「ファイト―! まだあと二セットあるわよー!」

友奈「三十四、三十五、三十六」グッ グッ グッ

友奈(腕立て伏せって、こんなに大変だったんだなぁ……)

8: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:37:42.68 ID:mxDG39W7o
~☆



夏凜「はい、サプリと水」

友奈「ありがとう」

友奈「んぐ、んぐ」ゴクゴク

友奈「ぷはぁ!」



9: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:38:57.06 ID:mxDG39W7o
~☆




友奈「うおおおおおおおおおおおっ!」ゴゴゴゴゴゴ

夏凜「うおおおおおおおおおおおっ!」ゴゴゴゴゴゴ




10: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:40:12.66 ID:mxDG39W7o
~☆

友奈「じゃじゃーん!」

友奈「結城友奈、夏凜ちゃんの手助けのおかげもあって、無事にダイエットに成功しました!」

風「おめでとー」パチパチ

園子「おめでとう~」パチパチ

樹「おめでとうございます」パチパチ


東郷(良かった……)

東郷(これでようやく、友奈ちゃんと思う存分一緒にいられなかった生活と、おさらばできるわ……)

東郷(こんなに長いことかかるのなら、私もダイエット、友奈ちゃんと夏凜ちゃんと一緒にやればよかった)

11: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:42:35.77 ID:mxDG39W7o
~☆

東郷「ねえ、友奈ちゃん」

友奈「ん?」

東郷「何してるの?」

友奈「何って、片手懸垂だよ?」

東郷「なんでいま片手懸垂を……」

友奈「いやぁ、最近私の筋肉が、ボクのことをもっと鍛えてくれって喧しくてさ」

友奈「ほら、上腕二頭筋が言ってるよ」

友奈「ムキムキ、ボク、ムキムキニナリタイヨ!」ウラゴエ

東郷「え?」

12: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:46:58.88 ID:mxDG39W7o

友奈「冗談冗談」

友奈「でも、筋肉鍛えるの、本当に楽しくて」

友奈「せっかく空いてる時間、何もしないでいると、もったいないじゃない?」

東郷「それって、私といる時間よりも、大事ってこと……?」

友奈「そんなことないよ」

友奈「けど、筋肉を鍛えるのはなにも考えずにできるでしょ?」

友奈「東郷さんとお喋りしながら、筋肉を鍛えたら、楽しいに楽しいをかけて百倍だよ」

東郷「…………」

東郷(友奈ちゃんが何を言っているのか、わかるようでちょっとよくわからない……)

13: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:48:29.69 ID:mxDG39W7o
~☆

東郷「最近友奈ちゃんが、私のことよりも、自分の筋肉を大事にしてるらしいのが、見ていて辛くて、辛くて……」

夏凜 風(何を言っているのか一応わかるけど、中身はよくわからないこの感じはいったい)

園子「つまり、ゆーゆの筋肉愛に嫉妬してるわっしーは、ゆーゆの筋肉からゆーゆを取り戻したいってこと?」

夏凜 風(……?)

東郷「そう言うことに……なるのかしら」

夏凜 風(あっ、通じるんだ)

14: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:49:22.75 ID:mxDG39W7o

園子「三角関係だ~」

東郷「ええ」

東郷「友奈ちゃんの叱咤に応えて、ムキムキと育っていく筋肉を見るに、
    筋肉も友奈ちゃんのことを愛していると言って過言じゃないはず」

夏凜 風(過言だよ、無茶苦茶過言だよ)

園子「なら、わっしーも筋肉の魅力に負けない、女の武器で、友奈ちゃんをメロメロに籠絡しなきゃダメだね~」

東郷「女の武器……?」




樹「――たわわに実った、東郷先輩の    二房ですね」

15: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:50:59.53 ID:mxDG39W7o
~☆

東郷「ゆ、友奈ちゃん」

友奈「なに?」

東郷「こっちに、来て」

友奈「うん、いいよ」

友奈「なんの用――」

東郷「えいっ!」ムギュゥ

友奈「!?」

樹『優しく包み込むように、    に顔を押し付けさせるんです。ぐいっと、こう抱きしめて』

樹『    チュウチュウ数回させれば、友奈さんと東郷先輩の仲ですから、あっという間に友奈さんは落ちます』

樹『タロットカードもそう言っています。あなたの星を、信じてください』



東郷(樹ちゃん……あなたの言葉を、星を、信じるわよっ!)

東郷「ほら、友奈ちゃん。あったかい    でちゅよ~」

友奈「//////」

16: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:51:37.72 ID:mxDG39W7o
~☆



東郷「実は最近、友奈ちゃんが、私自身よりも、私の    目当てに――」





風 夏凜「もう、いいわよ! そのパターン!」

17: ◆2DegdJBwqI 2015/03/04(水) 18:55:23.56 ID:mxDG39W7o
~☆



先生「~~~~~~」


園子「zzzzzzz」


夏凜(また、授業中に寝てるし……)


園子「……えへへ~、東郷さんの    には、大きな大きな夢が詰まってるんだよ~」zzzzz


夏凜(クラス全体にはっきり聞こえる音量で言う寝言なの、それ)

夏凜(東郷さん、ってことは、友奈になりきって……    ?)



東郷「/////」

友奈「と、東郷さん、ドンマイだよ!」


先生「結城さん、授業中ですよ」

先生「私が今、読み上げていた教科書のページを、最初から読んでみてください」

友奈「え、ええ~!」


園子「zzzzzz」


夏凜(乃木家の家格は、露骨な授業中の居眠りを、容易には注意させないほどのものなのね……)


終わり


引用元: 夏凜「友奈、最近太ったわね」