律「澪～！」

澪「りつ・・・。」

律「澪、あんたまた手首切ったんだって？」

澪「だって・・・」

律「手首切っても死なないよ、切るならこーこ」首筋ﾄﾝﾄﾝ

唯「りっちゃん・・・」

澪「・・・わ・・・」

澪「私が死ぬほど苦しんでるっていうのに！
　　そんなこと言うの！？
　　なんで！！」

律「６回目ともなると」

唯「うん。」

律「さすがにねぇ・・・。」ﾌｩ

唯「見て見て！！」

律「どうした？」

唯「フリマで１万円で買ったんだ！」

澪「そのコート？」

唯「うん、ほら見て！アルマーニだよ！！」

澪「それ、ニセモノよ。」

唯「な、なんだよー、アルマーニだよ！！」

　　　『アノレマーニ』

澪「・・・なに？アノレマーニって・・・」

唯「・・・。」

律「！？」

律「アノレマーニだって！？」

律「ちょ、ちょっと見せて！」

唯「わわ、どうしたの律っちゃん？」



律「間違いない・・・本物のアノレマーニだ・・・。」

澪「いや、ニセモノだよ」

律「違うんだ、澪。」

唯「？」

律「アノレマーニっていうのは有名な贋作のブランドなの。」

澪「へ？」

律「アノレマーニの売りは、オリジナルとは似ても似つかないオリジナリティの高さでね

澪「それってニセモノとしてダメダメなんじゃ」

律「贋作だから取り扱ってる人も少ないんだ。」

律「だから贋作マニアの間では幻の作品としてものすごく有名なんだ」

澪「なにそのマニア・・・」


唯「ってことは！」

唯「これってすごいの！？」

唯「もしかして本物よりもすごい！？」

律「ありうるよ！」

唯「やったあ！！」



律「・・・なわけないやん」ﾌｩ

唯「」

澪「」

澪「このあいだ、うちのパソコン、ウィルスにやられてさ」

律「最近流行ってるもんね」

澪「ウィルスって、それを作っている人がいるわけでしょう」


澪「そういう人って、それでみんなが騒ぐのを見て楽しんでるんだね、きっと」

澪「そんな力があるなら別のことに使えばいいのに」

律「ウィルスを作っているのはそんな人じゃないよ」


律「ネットじゃ有名だけどね、ウィルスを作っているのはプロテクトプログラムの製作会社なんだ」

澪「え」

律「自分たちでウィルスを作って、そのワクチンを買わせているんだ」

澪「そうだったんだ、初めて知ったよ。
　　ひどい話だ・・・。」

律「うそだよ」

澪「」

唯「ねぇねぇ、クリスマス、ひま？」

澪「うん、暇だよ？」

紬「なにかするのかしら？」

唯「へー、ひまなんだ！！」


唯「あたしね、クリスマスにメル友と会うんだ！

澪「・・・・へー・・・。」

唯「クリスマスに！

　　メル友と！！」

紬「はぁ・・・」

澪「ふーん。」

唯「でさー、そのメル友ってゆーのがー

　　　ねえ、聞いてる？」

澪（う、うざい・・・）

唯「―――――――――-！！

　　　○○○×××ｗｗ

　　～～～ｗｗ～～～～ｗｗｗｗｗ」

澪（あーあ、今年のクリスマスもひとりか・・・）

唯「～～～～でさぁｗｗｗｗ」

澪（核戦争、はじまらないかな・・・」

唯「え、なにをはじめるの？」

澪「いや、べつに。」

澪「クリスマス、別に用事がないなら、ムギと３人でパーティしない？」

紬「！！
　　いいわね！」

律「ごめん、毎年クリスマスは、昔の嫌な出来事を思い出して、

　　家でずっと

　　吐き続けているから」

澪「・・・」

紬「・・・」

律「・・・」


律「ハハ、なんてね、冗談冗談

澪「・・・」

律「ハハ、冗談、ハハ」

紬「・・・」

律「ハハ」

唯「　　ってさ、本当に飲むと苦いらしいよ。

　　知ってた？」

澪「どうしたの突然・・・」

紬「はぁ」



律「ねえ、　　　すると妊娠するって知ってた？」

唯「そんなんジョーシキじゃんジョーシキ！！」


律「私、

　　知らなかったんだ・・・・。」

澪「」

紬「」

律「私知らなかったんだよ？」

澪「」

紬「」

唯「ほぇ～・・・」

キーンコーンカーン

澪「うーん、やっとテスト終わったぁ！」

唯「澪ちゃんどーだったぁ？」

澪「もうパーペキ！」ｸﾞｯ

律「いまさら、パーペキとか言うな」

澪「ぇ・・」

律「奇跡は起きます！起こしてみせます！

　　とか言うな。」

澪「言ってない。」

唯「あ、みて、この雑誌」

澪「どれ？」

唯「またネット自殺だってさ。流行ってんのかな？」

澪「どんな感じだろ？」

紬「もう、澪ちゃんたら」

律「私、ためしに行ってみたよ」

紬「え・・・」

澪「行くなよ。」

唯「ほぇ、どーだった？」

澪「聞くなよ・・・」


律「どーだったって・・・　　　された。」

澪「」

紬「」

唯「ほぇ～」

律「ま、生きてたたら色々あるよ。」

律「今まで何度も‘死にたい’って思うことがあって・・・

　　でも、

　　同じくらい‘生きたい’って思ってて

　　それでなんとか生きてるって感じなのかな・・・」


澪「・・・律・・・」

律「・・・」

澪「そんなに唯に欠席プリント届けに行くの嫌なの？」

律「いやだ。

　　私あいつきらい。」

澪「春って、何か憂鬱になるよね・・・」

唯「そうだねぇ」

　　ｶﾁｯ　　　ｼｭﾎﾞｯ

唯「ｽｩ・・・・ﾌｩ～・・・」


澪「って、なに吸ってんの！！！」

唯「大丈夫大丈夫、タバコじゃないからｗ」


唯「たばこじゃなｗｗｗ

　　　　は、ははｗｗｗ

　　　　うふふふｗｗｗ」

澪「うわータバコよりももっとマズイやつだ」

唯「ほらー手首、見て見て！！

　　七針縫ったんだ！！」

澪「リストカット・・・・」

唯「もー血がドバドバ出てきてすごかったんだからぁ！！」

澪「・・・へぇ・・・」


律「・・・・死ぬよ。」

澪「」

唯「」

律「死ぬよ。」ﾕﾗーーー

唯「ねえ、カエルの子はカエルって言うけど

　　あれって嘘だよねー」

澪「どうしたんだ急に」

唯「おたまじゃくしだよねー！！

　　ぜんぜん違うよねー！！」

律「でもねえ」


律「大きくなったら親と同じことを繰り返すんだ」

律「カエルの子は

　　やっぱりカエルだ」

澪「律、大丈夫？」

唯「それでねー、そのメル友の人がぁ、忙しくってなかなかメール出来なくｔ・・・・～～～～～～」

紬「？？？」ﾆｺﾆｺ

澪（あー唯ウザイ・・・）

律「ねぇ、球体間接人形ごっこしようか？」

紬「球体・・・？」

澪「？」

唯「あ！知ってる！やりたい！

　　私、ローゼンメイデンとかすごい好きでー」

律「まず輪ゴム」

澪「ふむ」

律「これを、ヒザやヒジの間接に巻きつけて」ﾏｷﾏｷ

紬「あらー？」

律「それからマジックで、間接にスジを書くだろ？」

唯「うん」


律「あとは一切しゃべるな」

澪「」

紬「」ﾆｺﾆｺ

唯「ほぇ～・・・？」

澪（あわわわわわ）

紬（おろおろおろおろ）ﾆｺﾆｺ

唯「ねえねえ、土日休み、どっか行った？」

澪「べつにどこにも」

唯「私はね、結構遠くまで行ったんだよ！！」

律「私は―

　　遠くに行くのに失敗してずっと病院のベッドで寝ていたわ」

澪「・・・・」

律「で」

律「唯はどこに行ってきたの？」

唯「大阪まで！

　　メル友に会いに！！」

律「へー。」

律「・・・なんてったってアーイドール♪

律「なんてったってアーイドール・・・」

澪「・・・」

律「ずっとこのままでいたい

　　歳なんかはとりたくない

　　いつもみんなにキャーキャー言われ続けたい

　　楽しければいい・・・・



澪「・・・律、なんか悩みでもあるの？

唯「相談なら乗るよ？」

律「いい・・・ほっておいて・・・」

律「今度の休み、みんなでちょっと遠出しない？」

紬「いいわね！」

唯「するする！！」

澪「どこ行くの？」


律「富士の樹海」


澪「」

唯「」

紬「」

律「・・・ひとりで死ぬのは、

　　　　　さみしいよね・・・」

澪「」ﾌﾙﾌﾙ

唯「」ﾌﾙﾌﾙ

紬「」ﾌﾙﾌﾙ

律「うそうそ！！自殺は冗談！！
　　ただ樹海を見たいって、それだけ！！」

唯「あー、私も死体とか見たいって思ってたんだ！」

澪（あれはマジだったぞ・・・）

紬（死体を見たいって・・・）ﾆｺﾆｺ



律「準備するものはー
　　長袖の服と帽子だろー？」

唯「カメラに懐中電灯！」

紬「水分と、お弁当も持っていきましょう！」

澪「あと必ずロープ！」


律「ロープ？
　　ああ首吊り用？」

澪「森で迷わないように入り口からたぐる用にだ！！」

唯「時々思うんだ・・・
　　　今、私が死んでも誰も何も思わないんじゃないかって・・・」

澪「そんなことないよ」

律「そうだよ」


律「私は、すごくうれしいよ」


唯「ひどい・・・
　　私なんかＨＴＴの誰かが死んだって思うだけですごく悲しくなるのに・・・」

律「ふーん、それで？」

唯「ねえねえ！！
　　夢ってある？？」

澪「ゆめ？」

唯「私の夢は小さなサンドイッチ屋さんなんだけど

澪「私はまだなにも・・・

紬「あら、みんなアーティストが夢なのかと

ﾜｲﾜｲ

律「夢・・・
　　夢か・・・」

律「夢の中に・・・

　　ずっといたい・・・」


澪「律・・・。」

律「死にたくなったときは・・・

澪「もうやめようよ、律」

律「死にたくなったときは、家族や友人
　　私が死んだら悲しむだろうなって人のことを考えるの。」

澪「律・・・」

紬「りっちゃん・・・」

律「そして、その人たちが私にとって大事じゃないって気づいて、
　　余計死にたくなる・・・。」

澪「」

紬「」

律「さて、ここで問題です」

澪「ん？」

律「勝訴と敗訴、裁判で勝ったのはどっち？？」

唯「・・・？」

紬「普通に勝訴じゃないのかしら？」

律「ブー！」

澪「？」

律「ハイソ（上流階級）は裁判で負けたりしないもんねー！」

紬「」

澪「」

唯「ほぇ～」

律「ねえ、澪
　　唯のあれ、どうしたの？」

澪「ああ、あのゴスロリルック？」

澪「なんでも、有名な占い師に
　　前世がマリーアントワネットだって言われたらしいよ」


さわちゃん「ちょっと唯ちゃん、学校でその格好はやめなさい！」

ゴスロリ唯「仕方ありませんわ、だって私は貴婦人なんですもの・・・」

澪「はは・・・」

律「」


律「ちょっと殺してくる」ﾕﾗーー

澪「え？あ？や？？」

唯「みんなウツウツって騒ぐけど、あんなのもう風邪と同じだよね！」

澪（騒いでんのはあんたでしょ・・・）

律「そうだぞ、唯」

唯「だよねー！」

律「こじらせると、死ぬこともあるしな」

澪「・・・」

唯「・・・」

律「」ﾍﾟﾗ・・・ﾍﾟﾗ・・・

澪「何読んでるの？」

律「ドラえもん」

澪「ふぅん」



律「のび太は
　　えらいなぁ・・・」

澪「いったいどうしたの？」

唯「進路指導の将来の希望のところに
　　アーティストって書いたら、さわちゃんが
　　もっと現実的な夢を書きなさい！
　　ってさぁ～」

澪「もっと自分になれそうなの書かなきゃ・・・」

唯「自分になれそうな・・・」


唯「じゃあニート！」

澪（たしかに現実的だけど・・・！！）

唯「ねぇ、見た見た？
　　淡路島の５人殺人のニュース！」

澪「あ、あぁ、話題になってるしな」

紬「ひどいわよね」

唯「やっぱり生きてる人間が一番恐いよねー！！」

律「そうだね、恐いね」


律「そんな話を退屈しのぎにしちゃう人間とか」

澪「」

紬「」

唯「そういえば、震災から４年だよね、どうなってるのかなぁ？」

律「さあ・・・。」

唯「　　　　の３５歳で羊水が腐る発言って、あれひどいよねー！！」

澪「そうだな、女性の発言とは思えないってゆーｋ

律「関係ない・・・」

澪「？？」

律「１７歳で魂が腐るから・・・
　　関係ない・・・」

澪「」

唯「」

律「死にたい」

澪「」

唯「」