2: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:49:03.38 ID:x3hbxolC.net
私が尊敬するあの人は、いつも良い匂いがする。
甘くて、それでいて上品な匂い。
動くたびに髪の毛が揺れて、ふわり、とあの良い匂いが広がる。
香水、使ってるのかな。
「え、香水、ですか?私は香水は使ってませんが…」
「シャンプーの匂いではないでしょうか?山桜の香りらしいです。…あとは、ヘアオイルの匂いですかね」
使っているシャンプーとヘアオイルを聞き出して、早速ドラッグストアへ買いに行く。
お風呂に入るのが楽しみだなぁ。
甘くて、それでいて上品な匂い。
動くたびに髪の毛が揺れて、ふわり、とあの良い匂いが広がる。
香水、使ってるのかな。
「え、香水、ですか?私は香水は使ってませんが…」
「シャンプーの匂いではないでしょうか?山桜の香りらしいです。…あとは、ヘアオイルの匂いですかね」
使っているシャンプーとヘアオイルを聞き出して、早速ドラッグストアへ買いに行く。
お風呂に入るのが楽しみだなぁ。
3: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:49:31.43 ID:x3hbxolC.net
:
:
待ちに待ったお風呂の時間。
私はわくわくしながらシャンプーを手に出して、頭をわしわしと洗う。
…海未ちゃんの匂い。
あの幸せな匂いに包まれてる。
あったかくて、ドキドキして、嬉しくて、にやにやしちゃう。
リンスも、同じシリーズのもの。なんだかいつもより髪がサラサラになった気がする。
髪を乾かして、歯磨きして、布団に潜り込む。
私の髪から海未ちゃんの匂いがして、まるで海未ちゃんと一緒に寝ているみたい。
:
待ちに待ったお風呂の時間。
私はわくわくしながらシャンプーを手に出して、頭をわしわしと洗う。
…海未ちゃんの匂い。
あの幸せな匂いに包まれてる。
あったかくて、ドキドキして、嬉しくて、にやにやしちゃう。
リンスも、同じシリーズのもの。なんだかいつもより髪がサラサラになった気がする。
髪を乾かして、歯磨きして、布団に潜り込む。
私の髪から海未ちゃんの匂いがして、まるで海未ちゃんと一緒に寝ているみたい。
4: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:49:59.67 ID:x3hbxolC.net
…なんか今日はにやにやしっぱなしだな。自分が気持ち悪いや。
朝からはヘアオイルもつけて行こう。海未ちゃん、気付いてくれるかな。
私にとって海未ちゃんは憧れ。
かっこ良くて、可愛くて、スタイルも良くて、頭も良くて、優しくて、強くて。
私が持ってないものを全て持っている。
大好きな海未ちゃん。少しでも近づけたら良いなぁ。
:
:
「おはよう凛ちゃん!…あれ…くんくん…凛ちゃん、シャンプー変えた?」
「それに、いつもより髪がツヤツヤしてる気がする」
さっすがかよちん。一目で分かっちゃうなんて。
朝からはヘアオイルもつけて行こう。海未ちゃん、気付いてくれるかな。
私にとって海未ちゃんは憧れ。
かっこ良くて、可愛くて、スタイルも良くて、頭も良くて、優しくて、強くて。
私が持ってないものを全て持っている。
大好きな海未ちゃん。少しでも近づけたら良いなぁ。
:
:
「おはよう凛ちゃん!…あれ…くんくん…凛ちゃん、シャンプー変えた?」
「それに、いつもより髪がツヤツヤしてる気がする」
さっすがかよちん。一目で分かっちゃうなんて。
6: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:50:26.57 ID:x3hbxolC.net
「へぇー、海未ちゃんと同じものを使ってるんだね。確かに、海未ちゃん良い匂いするもんね」
「あ、海未ちゃん達だ」
「おはようございます、凛、花陽」
「おっはよー!」
「おはよ♪」
「ん…?あれ…凛ちゃん、海未ちゃんのシャンプーの匂いがする!お揃いにしたの?」
「凛もあのシャンプー買ったんですね。あの匂いは私もお気に入りで、ずっとあれを使っているんですよ」
にこり、と微笑む海未ちゃん。
「穂乃果もあの匂い好き!でも、ウチはみんなで同じシャンプー使ってるから、一緒のやつに出来ないんだぁ」
「あ、海未ちゃん達だ」
「おはようございます、凛、花陽」
「おっはよー!」
「おはよ♪」
「ん…?あれ…凛ちゃん、海未ちゃんのシャンプーの匂いがする!お揃いにしたの?」
「凛もあのシャンプー買ったんですね。あの匂いは私もお気に入りで、ずっとあれを使っているんですよ」
にこり、と微笑む海未ちゃん。
「穂乃果もあの匂い好き!でも、ウチはみんなで同じシャンプー使ってるから、一緒のやつに出来ないんだぁ」
7: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:50:50.02 ID:x3hbxolC.net
「あはは、穂乃果ちゃんが勝手に変えたら、雪穂ちゃん凄く怒ったって言ってたもんね」
「そうなの!『私はパンテーンしか許さない!』なんて言うんだよぉ。他のも使いたいよー」
…でも、凛の気のせいかな。それとも、鼻がおかしいのかな。
今日の海未ちゃん、いつもの匂いがしない。
誰かの家に泊まってきたのかな。
「そうなの!『私はパンテーンしか許さない!』なんて言うんだよぉ。他のも使いたいよー」
…でも、凛の気のせいかな。それとも、鼻がおかしいのかな。
今日の海未ちゃん、いつもの匂いがしない。
誰かの家に泊まってきたのかな。
8: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:51:50.69 ID:x3hbxolC.net
:
:
私は特に今まで、ヘアケアなんか気にしてこなかった。
ずっとショートヘアだったし、シャンプーやリンスにこれといったこだわりは無かった。
でも、海未ちゃんのシャンプーは凄く好き。今まで使ったシャンプーの中で、ダントツで良い匂い。
はてさて、あの匂いに惹かれて海未ちゃんを大好きになったのか、海未ちゃんが大好きだからあの匂いが好きなのか…
うーむ、哲学である。なんて。
真っ暗な部屋のなか、布団に包まってそんなことを考える。
…そういえば、穂乃果ちゃんもこのシャンプーの匂い好きって言ってたよね。
えへへ、変えて良かったな。これからもリピートしよう。
今日も、山桜の香りに包まれておやすみなさい。
:
私は特に今まで、ヘアケアなんか気にしてこなかった。
ずっとショートヘアだったし、シャンプーやリンスにこれといったこだわりは無かった。
でも、海未ちゃんのシャンプーは凄く好き。今まで使ったシャンプーの中で、ダントツで良い匂い。
はてさて、あの匂いに惹かれて海未ちゃんを大好きになったのか、海未ちゃんが大好きだからあの匂いが好きなのか…
うーむ、哲学である。なんて。
真っ暗な部屋のなか、布団に包まってそんなことを考える。
…そういえば、穂乃果ちゃんもこのシャンプーの匂い好きって言ってたよね。
えへへ、変えて良かったな。これからもリピートしよう。
今日も、山桜の香りに包まれておやすみなさい。
9: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:52:21.70 ID:x3hbxolC.net
:
:
「今日の練習はこれで終わりです」
「はー疲れたー!さっさと帰るわよ」
「…凛ちゃん、穂乃果ちゃん誘わないで良いの?」
かよちんは、私の全てを知っている。
私が好きなもの、こと。
そして、好きな人。
:
「今日の練習はこれで終わりです」
「はー疲れたー!さっさと帰るわよ」
「…凛ちゃん、穂乃果ちゃん誘わないで良いの?」
かよちんは、私の全てを知っている。
私が好きなもの、こと。
そして、好きな人。
10: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:52:49.66 ID:x3hbxolC.net
「えぇ…昨日もそう言ってたでしょ!ほら、行った!」
「うわぁ、凛ちゃん。どうしたの?…ラーメン?良いねー、行く行く!2人でご飯って、久々だね!」
私は、穂乃果ちゃんが好き。
:
:
「んー、美味しいね。さっすが凛ちゃんオススメのラーメン屋さん」
穂乃果ちゃんはいつも美味しそうにご飯を食べる。こっちまで気分が良くなっちゃう。
「あはは、花陽ちゃんと真姫ちゃんって、クラスではそんな感じなんだ」
「うわぁ、凛ちゃん。どうしたの?…ラーメン?良いねー、行く行く!2人でご飯って、久々だね!」
私は、穂乃果ちゃんが好き。
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:
「んー、美味しいね。さっすが凛ちゃんオススメのラーメン屋さん」
穂乃果ちゃんはいつも美味しそうにご飯を食べる。こっちまで気分が良くなっちゃう。
「あはは、花陽ちゃんと真姫ちゃんって、クラスではそんな感じなんだ」
11: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:53:16.65 ID:x3hbxolC.net
穂乃果ちゃんと一緒に居ると楽しくて、もっとお喋りしたくなっちゃう。
「いやー、凛ちゃんみたいな後輩を持てて、穂乃果は幸せだよ」
『後輩』…か。
凛には恋愛なんて良く分からないけど、道程は遠そうだ。
これからもっと仲良くなれたら良いのになぁ。
「…え…恋人…?…何言ってんの、穂乃果に恋人なんて居るわけないじゃん!」
「変な凛ちゃん。よし、そろそろ出よっか」
良かった。今付き合ってる人は居ないみたい。
「じゃあね、凛ちゃん。今日は楽しかったよ!」
穂乃果ちゃんと別れて帰路に立つ。もっと頑張んなきゃ。
「いやー、凛ちゃんみたいな後輩を持てて、穂乃果は幸せだよ」
『後輩』…か。
凛には恋愛なんて良く分からないけど、道程は遠そうだ。
これからもっと仲良くなれたら良いのになぁ。
「…え…恋人…?…何言ってんの、穂乃果に恋人なんて居るわけないじゃん!」
「変な凛ちゃん。よし、そろそろ出よっか」
良かった。今付き合ってる人は居ないみたい。
「じゃあね、凛ちゃん。今日は楽しかったよ!」
穂乃果ちゃんと別れて帰路に立つ。もっと頑張んなきゃ。
12: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:53:47.47 ID:x3hbxolC.net
「ん…電話」
「もしもし…うん。うん、そうだよ!楽しかったー!」
「んー、そう!凛ちゃん大好きだからねー!」
「え…日曜日?行くー!行く行く!!」
「誘ってくれるなんて嬉しいなぁ。いつも穂乃果の方から誘ってたから…はは、うん。うん」
「分かった、また明日ね」
「あ…待って。今日さ、好きな人居る?って聞かれちゃって…」
「……うん、うん…」
「…そうだよね…うん。また今度話そっか。うん、じゃあね」
「…」
「もしもし…うん。うん、そうだよ!楽しかったー!」
「んー、そう!凛ちゃん大好きだからねー!」
「え…日曜日?行くー!行く行く!!」
「誘ってくれるなんて嬉しいなぁ。いつも穂乃果の方から誘ってたから…はは、うん。うん」
「分かった、また明日ね」
「あ…待って。今日さ、好きな人居る?って聞かれちゃって…」
「……うん、うん…」
「…そうだよね…うん。また今度話そっか。うん、じゃあね」
「…」
13: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:54:28.93 ID:x3hbxolC.net
:
:
「凛ちゃんは消極的過ぎるんですっ!」
「こんなに可愛いんだから、自信持って!大丈夫だよ!」
かよちんは、私のことになると人が変わったようになる。
それだけ、私のことを考えてくれてるってことだよね。ありがとう、かよちん。
「…でも、花陽も恋愛なんてしたことないし、穂乃果ちゃんのことをよく知ってるわけでもないんだよね」
「だから!もう1人、サポーターを増やそうよ!穂乃果ちゃんをよく知ってる人が良いかな」
確かに、このままだと全然進展しないかも。手伝ってくれる人が多いと心強いけど…
穂乃果ちゃんのことを好きって知られるのは恥ずかしい。
:
「凛ちゃんは消極的過ぎるんですっ!」
「こんなに可愛いんだから、自信持って!大丈夫だよ!」
かよちんは、私のことになると人が変わったようになる。
それだけ、私のことを考えてくれてるってことだよね。ありがとう、かよちん。
「…でも、花陽も恋愛なんてしたことないし、穂乃果ちゃんのことをよく知ってるわけでもないんだよね」
「だから!もう1人、サポーターを増やそうよ!穂乃果ちゃんをよく知ってる人が良いかな」
確かに、このままだと全然進展しないかも。手伝ってくれる人が多いと心強いけど…
穂乃果ちゃんのことを好きって知られるのは恥ずかしい。
14: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:55:06.86 ID:x3hbxolC.net
…でも、海未ちゃんなら大丈夫かも。穂乃果ちゃんのこともよく知ってるし。
:
:
海未ちゃんに恋愛相談をする日が来るなんて、思ってもみなかった。
大体、μ'sのみんなは付き合ってる人は居ないはずだし…
はー、ドキドキする。
「話とは何ですか?…え…いや、私は…お付き合いは…していませんが…」
「か、からかわないで下さいっ!…え…凛が…?」
「……」
「…そう…ですか…穂乃果のことを…」
…??海未ちゃん、顔が暗いよ?もしかして、嫌なのかな。
「…いえ。何でも…」
「……」
:
:
海未ちゃんに恋愛相談をする日が来るなんて、思ってもみなかった。
大体、μ'sのみんなは付き合ってる人は居ないはずだし…
はー、ドキドキする。
「話とは何ですか?…え…いや、私は…お付き合いは…していませんが…」
「か、からかわないで下さいっ!…え…凛が…?」
「……」
「…そう…ですか…穂乃果のことを…」
…??海未ちゃん、顔が暗いよ?もしかして、嫌なのかな。
「…いえ。何でも…」
「……」
15: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:56:24.57 ID:x3hbxolC.net
「すみません、少し具合が…申し訳ないのですが、帰らせて下さい」
そういった海未ちゃんの顔は青白くて、少し悲しげな表情をしていた。
「大丈夫です。1人で帰れます。また明日…」
:
:
「ええ!?もう告白しちゃうのぉ!?」
「あ、ごめんね、つい声が…で、でも、早くないかな?まずは外堀を埋めないと…」
「あー、告白されてから好きになるっていうのも聞いたことあるけど…大丈夫かな?」
確かに、まだ私と穂乃果ちゃんは『付き合う』って感じではない。
でも、凛、不器用だから何したら良いか分からないし…
このまま、『ただの後輩』で居るのも嫌だ。
そういった海未ちゃんの顔は青白くて、少し悲しげな表情をしていた。
「大丈夫です。1人で帰れます。また明日…」
:
:
「ええ!?もう告白しちゃうのぉ!?」
「あ、ごめんね、つい声が…で、でも、早くないかな?まずは外堀を埋めないと…」
「あー、告白されてから好きになるっていうのも聞いたことあるけど…大丈夫かな?」
確かに、まだ私と穂乃果ちゃんは『付き合う』って感じではない。
でも、凛、不器用だから何したら良いか分からないし…
このまま、『ただの後輩』で居るのも嫌だ。
16: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:57:24.99 ID:x3hbxolC.net
海未ちゃんにも相談しようと思ったんだけど、あの日以来ずっと元気が無くて、相談出来ないで今日に至る。
「…うん、凛ちゃんが決めたことなら、花陽、全力で応援するよ」
「どんな結果になっても、花陽はずーっと、凛ちゃんの味方だから!」
ありがとう、かよちん。
こんな親友を持てて、凛は幸せ者だ。
:
:
「…別れる?何で?穂乃果、何か悪いことした…?」
「…嘘。正直に話して」
「え…?凛ちゃんが私のことを…?…あはは…そう…なんだ…」
「…でも、それって凛ちゃんに失礼だと思うんだ」
「…それに…穂乃果のこと、その程度の好きだったんだ」
「…ごめん、そういうつもりじゃなかったの。凛ちゃんのこと、凄く可愛がってるもんね…」
「…本当のことを話そう。凛ちゃんにも…みんなにも」
「やっぱり嘘はつくもんじゃないねー…罰が当たったのかな」
「うん…でも、やっぱり穂乃果はあなたのことが好き」
「海未ちゃん」
「…うん、凛ちゃんが決めたことなら、花陽、全力で応援するよ」
「どんな結果になっても、花陽はずーっと、凛ちゃんの味方だから!」
ありがとう、かよちん。
こんな親友を持てて、凛は幸せ者だ。
:
:
「…別れる?何で?穂乃果、何か悪いことした…?」
「…嘘。正直に話して」
「え…?凛ちゃんが私のことを…?…あはは…そう…なんだ…」
「…でも、それって凛ちゃんに失礼だと思うんだ」
「…それに…穂乃果のこと、その程度の好きだったんだ」
「…ごめん、そういうつもりじゃなかったの。凛ちゃんのこと、凄く可愛がってるもんね…」
「…本当のことを話そう。凛ちゃんにも…みんなにも」
「やっぱり嘘はつくもんじゃないねー…罰が当たったのかな」
「うん…でも、やっぱり穂乃果はあなたのことが好き」
「海未ちゃん」
17: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:57:53.56 ID:x3hbxolC.net
:
:
私が全てを知ったのは、私の気持ちの全てを伝えた後。
そうだったんだ。凛、鈍感だから、全然そんなこと気づかなかったよ。
…あはは、馬鹿みたい。1人で浮かれて、あれこれ悩んで。
全部、ぜーーーーーーんぶ、無駄だった。
ごめんねかよちん。せっかく応援してくれたのに。
「アイドル同士が付き合ってるなんて知られたら、大変なことになるだろうから…だから隠してたの」
「それに…まさか、私のことを好きになってくれる人が2人も居るなんて、思ってもみなかったから」
真っ白な頭の中に、穂乃果ちゃんの言葉がふわふわ出たり入ったり。
「…ごめん。本当に…」
:
私が全てを知ったのは、私の気持ちの全てを伝えた後。
そうだったんだ。凛、鈍感だから、全然そんなこと気づかなかったよ。
…あはは、馬鹿みたい。1人で浮かれて、あれこれ悩んで。
全部、ぜーーーーーーんぶ、無駄だった。
ごめんねかよちん。せっかく応援してくれたのに。
「アイドル同士が付き合ってるなんて知られたら、大変なことになるだろうから…だから隠してたの」
「それに…まさか、私のことを好きになってくれる人が2人も居るなんて、思ってもみなかったから」
真っ白な頭の中に、穂乃果ちゃんの言葉がふわふわ出たり入ったり。
「…ごめん。本当に…」
18: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:58:20.53 ID:x3hbxolC.net
穂乃果ちゃん、泣いてるの?…なんで?海未ちゃんと付き合って、好き同士で、幸せなのに、どうして?
「私は、海未ちゃんのことが好きで、付き合ってます。だから、凛ちゃんとお付き合いすることはできません」
はは、こんなにハッキリ断わられたら、傷付くなー。
…でも、凛知ってるよ。
それは、穂乃果ちゃんが優しいから。
中途半端に断ったら、凛はずっと、穂乃果ちゃんへの思いを引きずることになるから。
「私は、海未ちゃんのことが好きで、付き合ってます。だから、凛ちゃんとお付き合いすることはできません」
はは、こんなにハッキリ断わられたら、傷付くなー。
…でも、凛知ってるよ。
それは、穂乃果ちゃんが優しいから。
中途半端に断ったら、凛はずっと、穂乃果ちゃんへの思いを引きずることになるから。
19: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:59:07.69 ID:x3hbxolC.net
「…え…?」
「…!!」
「り…凛ちゃ…うっ…うぅっ…」
「大切にする…ずっと…大切にするからっ…」
私の好きな人が、好きな人と付き合えたんだもん。
私の好きな人が、幸せになってくれたらそれで良い。
それが、凛の幸せだよ。
ずっとお幸せにね。
「…!!」
「り…凛ちゃ…うっ…うぅっ…」
「大切にする…ずっと…大切にするからっ…」
私の好きな人が、好きな人と付き合えたんだもん。
私の好きな人が、幸せになってくれたらそれで良い。
それが、凛の幸せだよ。
ずっとお幸せにね。
20: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 20:59:41.64 ID:x3hbxolC.net
「…凛ちゃん…」
「穂乃果ね、海未ちゃんと凛ちゃんって姉妹みたいだなーって思ってたの」
「…だから、これからも仲良くしてあげてね」
当たり前じゃん。海未ちゃんは、私の憧れの人だもん。
かっこ良くて、可愛くて、スタイルも良くて、頭も良くて、優しくて、強くて。
私が持ってないものを全て持っている。
私が…持つことが出来ないものも。
「穂乃果ね、海未ちゃんと凛ちゃんって姉妹みたいだなーって思ってたの」
「…だから、これからも仲良くしてあげてね」
当たり前じゃん。海未ちゃんは、私の憧れの人だもん。
かっこ良くて、可愛くて、スタイルも良くて、頭も良くて、優しくて、強くて。
私が持ってないものを全て持っている。
私が…持つことが出来ないものも。
21: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 21:00:22.56 ID:x3hbxolC.net
:
:
「…凛…」
「怒らないのですか…?」
怒るわけないよ。海未ちゃんが幸せなら、私も幸せなの。
…嘘をつかれたのはショックだけど。
「ごめんなさい…凛っ…私は…私は…こんなに可愛い後輩を悲しませてしまって…」
え?凛、悲しくなんか無いよ?
先輩として、尊敬してる大好きな海未ちゃん。
1人の女の子として、魅力的で大好きな海未ちゃん。
:
「…凛…」
「怒らないのですか…?」
怒るわけないよ。海未ちゃんが幸せなら、私も幸せなの。
…嘘をつかれたのはショックだけど。
「ごめんなさい…凛っ…私は…私は…こんなに可愛い後輩を悲しませてしまって…」
え?凛、悲しくなんか無いよ?
先輩として、尊敬してる大好きな海未ちゃん。
1人の女の子として、魅力的で大好きな海未ちゃん。
22: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 21:01:17.98 ID:x3hbxolC.net
そんな私の大好きな2人が一緒に幸せになるなんて、凛、嬉しいよ。
嬉しい。
…嬉しい。のに。
目の前がぐじゅぐじゅになって、鼻水が止まらない。
おかしいな、変だよ。
「凛っ…!!」
海未ちゃん、そんなにきつく抱きしめないでよ。苦しいじゃん。
…海未ちゃんの髪の匂い。
山桜の良い香り。
私も一緒の匂いなのに、姉妹みたいに仲が良いのに、なんで凛は海未ちゃんになれないんだろ。
なんで凛じゃないんだろ。
不思議。
嬉しい。
…嬉しい。のに。
目の前がぐじゅぐじゅになって、鼻水が止まらない。
おかしいな、変だよ。
「凛っ…!!」
海未ちゃん、そんなにきつく抱きしめないでよ。苦しいじゃん。
…海未ちゃんの髪の匂い。
山桜の良い香り。
私も一緒の匂いなのに、姉妹みたいに仲が良いのに、なんで凛は海未ちゃんになれないんだろ。
なんで凛じゃないんだろ。
不思議。
23: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 21:01:43.54 ID:x3hbxolC.net
:
:
今日は疲れちゃった。
…2人にメールを送っておこう。
『凛は2人が幸せなら幸せだよ!
別れたら許さないんだから!』
明日の部活で、2人が付き合ってることをみんなに話すらしい。
…みんな、どんな反応するのかな。
真姫ちゃんとか、面白い声出しそう。楽しみだなぁ。
:
今日は疲れちゃった。
…2人にメールを送っておこう。
『凛は2人が幸せなら幸せだよ!
別れたら許さないんだから!』
明日の部活で、2人が付き合ってることをみんなに話すらしい。
…みんな、どんな反応するのかな。
真姫ちゃんとか、面白い声出しそう。楽しみだなぁ。
24: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 21:02:27.86 ID:x3hbxolC.net
お風呂に入って、歯磨きをして、布団に潜る。
最近は布団にもシャンプーの匂いがうつってきちゃった。
海未ちゃんに包まれてるみたい。
かっこ良くて、可愛くて、スタイルも良くて、頭も良くて、優しくて、強くて。
私が持ってないものを全て持っている。
大好きな海未ちゃん。
おやすみなさい。
最近は布団にもシャンプーの匂いがうつってきちゃった。
海未ちゃんに包まれてるみたい。
かっこ良くて、可愛くて、スタイルも良くて、頭も良くて、優しくて、強くて。
私が持ってないものを全て持っている。
大好きな海未ちゃん。
おやすみなさい。
25: 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 21:03:27.05 ID:x3hbxolC.net
:
:
気持ちの良い朝。
ぐんと背伸びをして、布団から跳ね起きる。
顔を洗ってご飯を食べて、歯磨きして、制服に着替える。
鏡の前で、くるりと一回転。うん、今日もキマってる。
洗面台には、海未ちゃんと同じヘアオイル。
透明な瓶には黄金色のオイルが入っていて、窓から入る朝日をきらきらと反射している。
私はその瓶を手に取って、太陽にかざしてみる。
優しい山桜の香りがふわりと漏れだす。
いくら形だけ真似しても、仲良くしても、私はあの人になれない。
私は得ることはできない。
あはは、当たり前じゃんねー。
振りかぶって、手に持った瓶を床に叩きつける。
ガツンと鈍い音がして、1、2回バウンドして瓶は無様に床に転がった。
思い切りが足りなかったか、瓶が予想以上に硬かったか。瓶は割れなかった。
さて、行ってきます。
おわり
:
気持ちの良い朝。
ぐんと背伸びをして、布団から跳ね起きる。
顔を洗ってご飯を食べて、歯磨きして、制服に着替える。
鏡の前で、くるりと一回転。うん、今日もキマってる。
洗面台には、海未ちゃんと同じヘアオイル。
透明な瓶には黄金色のオイルが入っていて、窓から入る朝日をきらきらと反射している。
私はその瓶を手に取って、太陽にかざしてみる。
優しい山桜の香りがふわりと漏れだす。
いくら形だけ真似しても、仲良くしても、私はあの人になれない。
私は得ることはできない。
あはは、当たり前じゃんねー。
振りかぶって、手に持った瓶を床に叩きつける。
ガツンと鈍い音がして、1、2回バウンドして瓶は無様に床に転がった。
思い切りが足りなかったか、瓶が予想以上に硬かったか。瓶は割れなかった。
さて、行ってきます。
おわり
引用元: ・凛「海未ちゃん良い匂いだにゃー!」
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