1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 19:39:58.601 ID:2K1Dj9dg0
あかり「わぁい!わぁい!」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 19:46:44.739 ID:2K1Dj9dg0
あかりちゃんは濁った街路を歩いていた
誰もあかりちゃんに目を向けないし
あかりちゃんも誰にも目を向けない
吸っていたアメリカンスピリットを道端に吐き出し
唾と一緒に
自分の苛立ちをそこに唾棄した
曇った濁り空は一向に晴れる気配はなかった
誰もあかりちゃんに目を向けないし
あかりちゃんも誰にも目を向けない
吸っていたアメリカンスピリットを道端に吐き出し
唾と一緒に
自分の苛立ちをそこに唾棄した
曇った濁り空は一向に晴れる気配はなかった
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 19:49:00.262 ID:2K1Dj9dg0
レジデンシャル・セグレゲーション
という言葉がある
赤座あかりちゃんが貧民たることを理由として
富裕層との生活圏を完全に分断している
この国の本質を正直に体現している
至極明快で単純な論理がそれだった
赤座あかりちゃんは生まれてから此処
掃き溜めの街しか知らないし
自分が富裕層に軽蔑されているという事も
生まれてからそれを疑問に思わない程
自然に納得していた
という言葉がある
赤座あかりちゃんが貧民たることを理由として
富裕層との生活圏を完全に分断している
この国の本質を正直に体現している
至極明快で単純な論理がそれだった
赤座あかりちゃんは生まれてから此処
掃き溜めの街しか知らないし
自分が富裕層に軽蔑されているという事も
生まれてからそれを疑問に思わない程
自然に納得していた
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 19:51:40.497 ID:2K1Dj9dg0
だけど赤座あかりちゃんは成長するにつれ
この国の不合理
世界に名だたる国家そのの内部で起こる
競争と勝者と敗者の区別
競争こそが発展への原動力と信じてやまない国家の
敗残者の掃き溜めに対して
並々ならない不満を抱いていた
資本のかたに労働力を提供して崩れていく父と母を見て
赤座あかりちゃんは確固として
その論理を是としていなかった
この国の不合理
世界に名だたる国家そのの内部で起こる
競争と勝者と敗者の区別
競争こそが発展への原動力と信じてやまない国家の
敗残者の掃き溜めに対して
並々ならない不満を抱いていた
資本のかたに労働力を提供して崩れていく父と母を見て
赤座あかりちゃんは確固として
その論理を是としていなかった
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 19:54:24.103 ID:2K1Dj9dg0
あかり「見てよあかりのこの姿」
あかり「上層を歩く人間のきらびやかな姿とは裏腹に」
あかり「あかりは生まれも育ちもこの掃き溜めのせいで」
あかり「あかりはとてもまともな生活を」
あかり「送れていないよぉ」
あかり「上層の誰かがおとす気まぐれな施しに」
あかり「あかりたちはプライドもなく群がっていく」
あかり「これが世界の在り方かよぉ」
あかり「上層を歩く人間のきらびやかな姿とは裏腹に」
あかり「あかりは生まれも育ちもこの掃き溜めのせいで」
あかり「あかりはとてもまともな生活を」
あかり「送れていないよぉ」
あかり「上層の誰かがおとす気まぐれな施しに」
あかり「あかりたちはプライドもなく群がっていく」
あかり「これが世界の在り方かよぉ」
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:01:45.932 ID:2K1Dj9dg0
力はすなわり金だった
金は即ち身分だった
身分はすなわち人生だった
赤座あかりちゃんはそれら全てのものに対して
得るなことのできるにがしかの要素も
持ってはいなかった
ここ街区の人間は誰も何も
必要なものなどもってはいなかった
金は即ち身分だった
身分はすなわち人生だった
赤座あかりちゃんはそれら全てのものに対して
得るなことのできるにがしかの要素も
持ってはいなかった
ここ街区の人間は誰も何も
必要なものなどもってはいなかった
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:06:12.847 ID:2K1Dj9dg0
かつて永遠に追放された彼らの聖地を
取り戻したドナウの民のように
赤座あかりちゃんは
自身の市民的生活の
復興や返り咲きを心に秘めていた
しかし強者の論理で進むこの世界が嫌いであるのに
その論理に従って自身の生き方を
良い軌道へ持っていこうとすることに
赤座あかりちゃんは唾棄していた
赤座あかりちゃんの右手には市政官候補生への辞令書が握られていた
赤座あかりちゃんは唾棄しながらも
貧困の中で研鑚し
支配する側に回ろうとしていた
そしてそれは今成功を収めたことを結果として受け取っていた
取り戻したドナウの民のように
赤座あかりちゃんは
自身の市民的生活の
復興や返り咲きを心に秘めていた
しかし強者の論理で進むこの世界が嫌いであるのに
その論理に従って自身の生き方を
良い軌道へ持っていこうとすることに
赤座あかりちゃんは唾棄していた
赤座あかりちゃんの右手には市政官候補生への辞令書が握られていた
赤座あかりちゃんは唾棄しながらも
貧困の中で研鑚し
支配する側に回ろうとしていた
そしてそれは今成功を収めたことを結果として受け取っていた
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:09:14.368 ID:2K1Dj9dg0
あかり「この矛盾」
あかり「あかりは滑稽なのさだよぉ」
あかり「あかりはこんな掃き溜めが作られることに」
あかり「疑問を抱いていたのに」
あかり「あかりはそれを管理する側に」
あかり「回ろうとしているよぉ」
あかり「・・・強いものが勝つ論理」
あかり「あかりのようなロクでもない出自でも」
あかり「知力で周囲を上回れば」
あかり「あかりはそこで力を得られるよぉ」
あかり「でも敗者は・・・?」
あかり「あかりは滑稽なのさだよぉ」
あかり「あかりはこんな掃き溜めが作られることに」
あかり「疑問を抱いていたのに」
あかり「あかりはそれを管理する側に」
あかり「回ろうとしているよぉ」
あかり「・・・強いものが勝つ論理」
あかり「あかりのようなロクでもない出自でも」
あかり「知力で周囲を上回れば」
あかり「あかりはそこで力を得られるよぉ」
あかり「でも敗者は・・・?」
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:10:37.722 ID:2K1Dj9dg0
あかり「敗者はきっとここにおとされるんだよぉ」
あかり「惨めで卑屈で」
あかり「暗くジメジメしたこの街」
あかり「暴力と示威がここでの正義だよぉ」
あかり「だけど」
あかり「だけどあかりは・・・」
結衣「やぁあかり」
あかり「結衣ちゃん・・・」
あかり「惨めで卑屈で」
あかり「暗くジメジメしたこの街」
あかり「暴力と示威がここでの正義だよぉ」
あかり「だけど」
あかり「だけどあかりは・・・」
結衣「やぁあかり」
あかり「結衣ちゃん・・・」
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:15:07.570 ID:2K1Dj9dg0
結衣「ん?様子がおかしいな、どうしたんだ?」
あかり「大丈夫だよぉ」
結衣「そうか?でも少し具合悪そうだし心配だな」
あかり「ありがとうだよぉ」
結衣「熱でもないのか?少しなら薬もってるから」
結衣「分けてあげようか?」
あかり「ありがとう・・・ごめんねぇでも大丈夫だから・・・」
あかり「大丈夫だよぉ」
結衣「そうか?でも少し具合悪そうだし心配だな」
あかり「ありがとうだよぉ」
結衣「熱でもないのか?少しなら薬もってるから」
結衣「分けてあげようか?」
あかり「ありがとう・・・ごめんねぇでも大丈夫だから・・・」
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:16:09.437 ID:2K1Dj9dg0
結衣「そうか・・・でもやっぱり心配だからおでこ触って熱だけでも」
あかり「!!!!」
あかり「それ以上近づいちゃダメ!!!だよぉ」
結衣「・・・・・・・・・」
あかり「ベルトの後ろにあるナイフを取ってもあかりは元気だから」
あかり「刺し違える事くらいできるよぉ」
結衣「・・・・・・」
結衣「そうか・・・残念だな・・・」
あかり「結衣ちゃん・・・」
あかり「!!!!」
あかり「それ以上近づいちゃダメ!!!だよぉ」
結衣「・・・・・・・・・」
あかり「ベルトの後ろにあるナイフを取ってもあかりは元気だから」
あかり「刺し違える事くらいできるよぉ」
結衣「・・・・・・」
結衣「そうか・・・残念だな・・・」
あかり「結衣ちゃん・・・」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:19:45.202 ID:2K1Dj9dg0
結衣「病気の京子に少しでも」
結衣「いいものを食わせてやれると思ったのに」
結衣「私が死んでしまえば」
結衣「京子がどうなっちゃうかわからないからね」
結衣「今日はごめんね、あかり、また今度」
あかり「今度もあかりは結衣ちゃんに」
結衣「殺されたりしないよぉ」
結衣「・・・・・・・・」
結衣「それは残念だ」
あかり「・・・結衣ちゃん・・・」
結衣「それじゃあね、あかり、でもこれだけは覚えてて」
結衣「誰も悲惨な目になんて遭っちゃいない。 悲劇がお楽しみに変わっただけなんだよ」
結衣「それじゃあ」
あかり「結衣ちゃん・・・」
結衣「いいものを食わせてやれると思ったのに」
結衣「私が死んでしまえば」
結衣「京子がどうなっちゃうかわからないからね」
結衣「今日はごめんね、あかり、また今度」
あかり「今度もあかりは結衣ちゃんに」
結衣「殺されたりしないよぉ」
結衣「・・・・・・・・」
結衣「それは残念だ」
あかり「・・・結衣ちゃん・・・」
結衣「それじゃあね、あかり、でもこれだけは覚えてて」
結衣「誰も悲惨な目になんて遭っちゃいない。 悲劇がお楽しみに変わっただけなんだよ」
結衣「それじゃあ」
あかり「結衣ちゃん・・・」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:24:24.765 ID:2K1Dj9dg0
サンマリノは悲観などしてないなかった
彼はむしろ英雄のように丘を下ったからだ
結衣ちゃんは悲しんでなどいない
なぜなら京子ちゃんが守るべき約束の場所だからだ
世界はそのように回る
赤座あかりちゃんは悲しみにくれる
辞令書は手放さない
生きる希望にすがりつく大切さは
その状況にあるものしか解らない
彼はむしろ英雄のように丘を下ったからだ
結衣ちゃんは悲しんでなどいない
なぜなら京子ちゃんが守るべき約束の場所だからだ
世界はそのように回る
赤座あかりちゃんは悲しみにくれる
辞令書は手放さない
生きる希望にすがりつく大切さは
その状況にあるものしか解らない
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:32:07.724 ID:2K1Dj9dg0
あかり「あかりが失ったモノは」
あかり「きっと元からあかりに」
あかり「必要じゃなかったんだよぉ」
あかり「結衣ちゃんも」
あかり「あかりにとって大切だったけど」
あかり「必ずしも必要なものじゃなくて」
あかり「結衣ちゃんにとってのあかりも」
あかり「きっとそうなんだよぉ」
あかり「・・・・・・・・・ふえぇぇん」
あかり「きっと元からあかりに」
あかり「必要じゃなかったんだよぉ」
あかり「結衣ちゃんも」
あかり「あかりにとって大切だったけど」
あかり「必ずしも必要なものじゃなくて」
あかり「結衣ちゃんにとってのあかりも」
あかり「きっとそうなんだよぉ」
あかり「・・・・・・・・・ふえぇぇん」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:37:02.500 ID:2K1Dj9dg0
あかり「あかり・・・あかりは・・・」
そういってあかりちゃんは
貧困街区を駆け抜けた
手に持った辞令書は決して手放さなかった
欲しいものはここにはなかった
ここにいることを望まれる事もなかった
赤座あかりちゃんは駆け抜けた
流星のように尾を引いた
世界は直線の連なりになった
悉く貧民街の意味は還元され
ただ偏に去る場所としての痕跡となった
赤座あかりちゃんは自身を構成する
この街区で育んが細胞も全て
置き去りにする気持ちで
上層への扉を叩いた
そういってあかりちゃんは
貧困街区を駆け抜けた
手に持った辞令書は決して手放さなかった
欲しいものはここにはなかった
ここにいることを望まれる事もなかった
赤座あかりちゃんは駆け抜けた
流星のように尾を引いた
世界は直線の連なりになった
悉く貧民街の意味は還元され
ただ偏に去る場所としての痕跡となった
赤座あかりちゃんは自身を構成する
この街区で育んが細胞も全て
置き去りにする気持ちで
上層への扉を叩いた
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:42:10.000 ID:2K1Dj9dg0
京子『あかりはひよこみたいだな』
あかり『え?ひよこさんみたに可愛いってこと?あかり照れるよぉ』
京子『いやそういうわけじゃなくて』
あかり『えぇーっ!違うのぉ!?』
京子『イエース、そうじゃなくてだな』
あかり『んもうぅーあかりのどこがひよこさんみたいなのぉー!』
京子『きっといつでも信じられるからんだよ、あかりは』
あかり『え?それってどういうことなの?』
京子『ほら、ひよこって親のあとについていくだろ?』
あかり『きいたことあるよぉ』
京子『あかりはそういうところがあるんだよ』
あかり『えぇー!!!』
あかり『え?ひよこさんみたに可愛いってこと?あかり照れるよぉ』
京子『いやそういうわけじゃなくて』
あかり『えぇーっ!違うのぉ!?』
京子『イエース、そうじゃなくてだな』
あかり『んもうぅーあかりのどこがひよこさんみたいなのぉー!』
京子『きっといつでも信じられるからんだよ、あかりは』
あかり『え?それってどういうことなの?』
京子『ほら、ひよこって親のあとについていくだろ?』
あかり『きいたことあるよぉ』
京子『あかりはそういうところがあるんだよ』
あかり『えぇー!!!』
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:44:15.661 ID:2K1Dj9dg0
あかり『あかりそんな単純じゃないよぉー!』プンスコ
京子『んにゃ、単純とかじゃなくて』
あかり『うん』
京子『まず、あかりがついていくのは私や結衣とかそういうんじゃないんだ』
あかり『そうなの?それじゃああかりは誰についていくんだろう・・・』
京子『不審者?』
あかり『んもうぅー!京子ちゃん!!』
京子『あはは、冗談冗談』
京子『んにゃ、単純とかじゃなくて』
あかり『うん』
京子『まず、あかりがついていくのは私や結衣とかそういうんじゃないんだ』
あかり『そうなの?それじゃああかりは誰についていくんだろう・・・』
京子『不審者?』
あかり『んもうぅー!京子ちゃん!!』
京子『あはは、冗談冗談』
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:47:24.185 ID:2K1Dj9dg0
京子『そうじゃなくてだな』
あかり『うん』
京子『あかりは信じてるものについていくんだよ』
あかり『信じてるもの?』
京子『うん私たちが忘れていく幼い時の・・・』
京子『なんていったらいいのか・・・道徳?』
あかり『よくわからないよぉ』
京子『次第に失っていく美しいものとか光ってるものとかそういう』
京子『人の矜持みたいなものにあかりは』
京子『あかりは常に歩いていける、強くて優しい子なんだ』
あかり『うぅよくわからないよぉ』
京子『なはは、言ってる私もよくわかってない』
あかり『えぇ~京子ちゃ~ん!』
あかり『うん』
京子『あかりは信じてるものについていくんだよ』
あかり『信じてるもの?』
京子『うん私たちが忘れていく幼い時の・・・』
京子『なんていったらいいのか・・・道徳?』
あかり『よくわからないよぉ』
京子『次第に失っていく美しいものとか光ってるものとかそういう』
京子『人の矜持みたいなものにあかりは』
京子『あかりは常に歩いていける、強くて優しい子なんだ』
あかり『うぅよくわからないよぉ』
京子『なはは、言ってる私もよくわかってない』
あかり『えぇ~京子ちゃ~ん!』
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:50:45.258 ID:2K1Dj9dg0
京子『つまりはそういうことだから』
京子『あかりはきっと』
京子『幸せになれるんだよ』
あかり『うぅ・・・よくわからないけどありがとだよぉ』
扉が開かれる
あかり「きっと全部嘘なんだね」
あかり「きっと全部全部」
あかり「見てよあかりのこの矛盾を、京子ちゃん」
あかりは汚れた服を身にまとう姿のまま
上層へ入る第一歩に決意を込めて踏み出した
京子『あかりはきっと』
京子『幸せになれるんだよ』
あかり『うぅ・・・よくわからないけどありがとだよぉ』
扉が開かれる
あかり「きっと全部嘘なんだね」
あかり「きっと全部全部」
あかり「見てよあかりのこの矛盾を、京子ちゃん」
あかりは汚れた服を身にまとう姿のまま
上層へ入る第一歩に決意を込めて踏み出した
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 20:58:59.821 ID:2K1Dj9dg0
結衣『なぁ、あかり』
あかり『なぁに、結衣ちゃん』
結衣『あかりにはすごく大切なものってあるか?』
あかり『んんー、お友達みんな大切だよぉ』
結衣『そうか、じゃああかりは』
結衣『お友達みんなを殺そうとする奴が現れたら』
結衣『あかりはどうする?』
あかり『えぇーこわいよぉ!』
結衣『怖くても答えて』
あかり『うぅ・・・』
あかり『なぁに、結衣ちゃん』
結衣『あかりにはすごく大切なものってあるか?』
あかり『んんー、お友達みんな大切だよぉ』
結衣『そうか、じゃああかりは』
結衣『お友達みんなを殺そうとする奴が現れたら』
結衣『あかりはどうする?』
あかり『えぇーこわいよぉ!』
結衣『怖くても答えて』
あかり『うぅ・・・』
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:01:08.853 ID:2K1Dj9dg0
あかり『あかりならきっと・・・』
結衣『うん』
あかり『その怖い人を説得するよぉ』
結衣『そうか、じゃあ説得じゃ抑えきれないのがわかったらあかりは』
結衣『どうするんだ?』
あかり『そうなったらあかりは』
あかり『・・・あかりは』
あかり『あかりを殺してもらってそれで納得する様に』
あかり『してもらうよぉえへへぇ』
結衣『そうか・・・・・・』
結衣『・・・・・・』
あかり『結衣ちゃん・・・?』
結衣『うん』
あかり『その怖い人を説得するよぉ』
結衣『そうか、じゃあ説得じゃ抑えきれないのがわかったらあかりは』
結衣『どうするんだ?』
あかり『そうなったらあかりは』
あかり『・・・あかりは』
あかり『あかりを殺してもらってそれで納得する様に』
あかり『してもらうよぉえへへぇ』
結衣『そうか・・・・・・』
結衣『・・・・・・』
あかり『結衣ちゃん・・・?』
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:02:59.956 ID:2K1Dj9dg0
結衣『そうだよな、あかりは・・・』
あかり『どうしたの・・・?悩みがあるなあかり・・・』
結衣『いや、いいんだ』
あかり『・・・結衣ちゃん・・・?』
結衣『なぁ、もしその殺人者が』
結衣『わたしでもそうするのか・・・あかり・・・?』
あかり『・・・結衣・・・ちゃん・・・?』
あかり『どうしたの・・・?悩みがあるなあかり・・・』
結衣『いや、いいんだ』
あかり『・・・結衣ちゃん・・・?』
結衣『なぁ、もしその殺人者が』
結衣『わたしでもそうするのか・・・あかり・・・?』
あかり『・・・結衣・・・ちゃん・・・?』
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:04:38.489 ID:2K1Dj9dg0
曰く、不可解
必要なものは在るのに
用意はされていない
それはただそこにあるだけだった
誰かが見つけた時
誰かが使おうとしたとき
それははじめて意味を持つ
しかし意味をもつことに意味はない
それは既に在るもので
誰もそれを否定できないから
必要なものは在るのに
用意はされていない
それはただそこにあるだけだった
誰かが見つけた時
誰かが使おうとしたとき
それははじめて意味を持つ
しかし意味をもつことに意味はない
それは既に在るもので
誰もそれを否定できないから
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:07:06.046 ID:2K1Dj9dg0
辿れるものを出来るだけ辿ってみる
赤座あかりちゃんに必要なものは
物事の源泉だった
積み重なる現実が
赤座あかりちゃんの本質を
ぼやけさせていた
本当の赤座あかりちゃんは何処なのか
本当の自我など最初から存在しないのか
赤座あかりちゃんを定義する記憶は
何処にあるのか
考えながら
赤座あかりちゃんは二歩三歩と光の道をあゆむ
光り輝く上層世界への道
赤座あかりちゃんに必要なものは
物事の源泉だった
積み重なる現実が
赤座あかりちゃんの本質を
ぼやけさせていた
本当の赤座あかりちゃんは何処なのか
本当の自我など最初から存在しないのか
赤座あかりちゃんを定義する記憶は
何処にあるのか
考えながら
赤座あかりちゃんは二歩三歩と光の道をあゆむ
光り輝く上層世界への道
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:09:17.246 ID:2K1Dj9dg0
あかり「誰もあかりのことなど」
あかり「わかってはいなかった」
あかり「あかりはなるべくして」
あかり「この道を歩いているのだ」
あかり「あかりは今日から」
あかり「あかりでなくてすらいいのだ」
あかり「ほんとうに必要なものは」
あかり「私が決めていくのだ」
あかり「私のみが私を規定できる」
あかり「わたしはもう私でいる必要はない」
あかり「わかってはいなかった」
あかり「あかりはなるべくして」
あかり「この道を歩いているのだ」
あかり「あかりは今日から」
あかり「あかりでなくてすらいいのだ」
あかり「ほんとうに必要なものは」
あかり「私が決めていくのだ」
あかり「私のみが私を規定できる」
あかり「わたしはもう私でいる必要はない」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:11:46.748 ID:2K1Dj9dg0
あかり「不必要なものは切り捨てよう」
あかり「必要な支配は肯定しよう」
あかり「見よ、この矛盾を」
あかり「誰もこれが以前のあかりだとは思わない」
あかり「夜になると胸が苦しくなる」
あかり「わたしがわたしでないことに涙が出る」
あかり「夜風がとても懐かしく感じるのだ」
あかり「あの日キャンプをした衒いのない仲間を思い出すのだ」
あかり「わたしはもうそこにはいない」
あかり「必要な支配は肯定しよう」
あかり「見よ、この矛盾を」
あかり「誰もこれが以前のあかりだとは思わない」
あかり「夜になると胸が苦しくなる」
あかり「わたしがわたしでないことに涙が出る」
あかり「夜風がとても懐かしく感じるのだ」
あかり「あの日キャンプをした衒いのない仲間を思い出すのだ」
あかり「わたしはもうそこにはいない」
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:15:13.514 ID:2K1Dj9dg0
あかり「わたしはもうそこにはいないのだから」
あかり「これで全てが一つの結末となって」
あかり「私はまたあらたに始まる」
あかりちゃんは遂に踏み入れた
光と絢爛の世界
ネクタイとノリのきいたシャツに身を包んだ
形式的な世界
革靴の鳴る高い音と
規則正しく清潔であり厳格な空気を身にまとう
あかり「あかりはあかりではなくなるのだ」
あかり「これで全てが一つの結末となって」
あかり「私はまたあらたに始まる」
あかりちゃんは遂に踏み入れた
光と絢爛の世界
ネクタイとノリのきいたシャツに身を包んだ
形式的な世界
革靴の鳴る高い音と
規則正しく清潔であり厳格な空気を身にまとう
あかり「あかりはあかりではなくなるのだ」
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:18:54.913 ID:2K1Dj9dg0
以前そこにあった大切なもの
あの日身を寄せ合い
掃き溜めの街
薄暗い路地裏で
隠れる様に過ごした
桃色の髪の親友
互いにパンを分け合い
綺麗な水を守り
寒さに体を寄せ合った親友のことを
赤座あかりちゃんは思い出す
あの日身を寄せ合い
掃き溜めの街
薄暗い路地裏で
隠れる様に過ごした
桃色の髪の親友
互いにパンを分け合い
綺麗な水を守り
寒さに体を寄せ合った親友のことを
赤座あかりちゃんは思い出す
38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:22:24.845 ID:2K1Dj9dg0
いつから一緒にいたかはわからない
始めのうちはうまく言ってなかったことは
なんとなく覚えている
このままきっとこの子とは
そりが合わないまま過ごすんだろうと思っていた
だけどそれも
変っていく現実の中の一つの瞬間でしかなくて
お互いの親が遂に倒れた時には
自然とストリートの隅
どこかの路地裏の
さらに小さな穴から通じる
下水道への配管が貫いている
煉瓦の小さく空いた空間の隙間に
二人の寝床を見つけてから
ずっと二人で生活を助け合っていた
始めのうちはうまく言ってなかったことは
なんとなく覚えている
このままきっとこの子とは
そりが合わないまま過ごすんだろうと思っていた
だけどそれも
変っていく現実の中の一つの瞬間でしかなくて
お互いの親が遂に倒れた時には
自然とストリートの隅
どこかの路地裏の
さらに小さな穴から通じる
下水道への配管が貫いている
煉瓦の小さく空いた空間の隙間に
二人の寝床を見つけてから
ずっと二人で生活を助け合っていた
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:24:13.582 ID:2K1Dj9dg0
イデオロギーは常に
底流に流れていた
何がしか思想めいたビラは
この世界の隅に思える路地裏にまで
投棄されていた
ちなつちゃんは熱心にそれを読んでいた
あかりちゃんは興味がなかった
今があればそれでよかった
だけどちなつちゃんはこの生活から抜け出すことに
当時のあかりちゃんよりもなお
積極的だった
ちなつちゃんは貧乏が大嫌いだった
底流に流れていた
何がしか思想めいたビラは
この世界の隅に思える路地裏にまで
投棄されていた
ちなつちゃんは熱心にそれを読んでいた
あかりちゃんは興味がなかった
今があればそれでよかった
だけどちなつちゃんはこの生活から抜け出すことに
当時のあかりちゃんよりもなお
積極的だった
ちなつちゃんは貧乏が大嫌いだった
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:26:46.260 ID:2K1Dj9dg0
日々の糧は食べ物に消えた
服も装飾も
通常の少女なら興味の出る事について
ちなつちゃんもまたそれを欲した
だけどそれは
自身の身分を自覚したうえでの
叶わない願いだった
それがちなつちゃんの本質だった
だけど赤座あかりちゃんには
決して嘘は言わなかった
ちなつちゃんは欲しいものを欲しいとあかりちゃんに
言った
あかりちゃんは困った笑顔でちなつちゃんの
頭を撫でる事しか
出来なかった
服も装飾も
通常の少女なら興味の出る事について
ちなつちゃんもまたそれを欲した
だけどそれは
自身の身分を自覚したうえでの
叶わない願いだった
それがちなつちゃんの本質だった
だけど赤座あかりちゃんには
決して嘘は言わなかった
ちなつちゃんは欲しいものを欲しいとあかりちゃんに
言った
あかりちゃんは困った笑顔でちなつちゃんの
頭を撫でる事しか
出来なかった
41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:30:34.368 ID:2K1Dj9dg0
本質を変える事は難しい
たぶんそれは本質であるが故の命題だった
アルメニアがアルメニアであるのは
幾度もの侵略と略奪を経てもなお変わらないのだから
だから赤座あかりちゃんは
頭を撫でる事しかできなかった
持たざる者は他人に出来る事が少ないのも
一つの不幸だから
たぶんそれは本質であるが故の命題だった
アルメニアがアルメニアであるのは
幾度もの侵略と略奪を経てもなお変わらないのだから
だから赤座あかりちゃんは
頭を撫でる事しかできなかった
持たざる者は他人に出来る事が少ないのも
一つの不幸だから
42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:33:18.119 ID:2K1Dj9dg0
ちなつ『あかりちゃん私は』
あかり『うん』
ちなつ『いつかきっとここを出ていく』
あかり『うん』
ちなつ『・・・驚かないの?』
あかり『あかりはちなつちゃんがどうしたいか知ってるから』
ちなつ『・・・・・・』
あかり『だから・・・』
ちなつ『・・・・・ごめんね、あかりちゃん・・・』
あかり『・・・ううん』
ちなつ『・・・いつも慰めて貰ってばかりだね』
あかり『あかりはちなつちゃんが幸せになってくれればそれで・・・』
ちなつ『あかりちゃん・・・』
あかり『うん』
ちなつ『いつかきっとここを出ていく』
あかり『うん』
ちなつ『・・・驚かないの?』
あかり『あかりはちなつちゃんがどうしたいか知ってるから』
ちなつ『・・・・・・』
あかり『だから・・・』
ちなつ『・・・・・ごめんね、あかりちゃん・・・』
あかり『・・・ううん』
ちなつ『・・・いつも慰めて貰ってばかりだね』
あかり『あかりはちなつちゃんが幸せになってくれればそれで・・・』
ちなつ『あかりちゃん・・・』
43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:38:18.378 ID:2K1Dj9dg0
あかり『だから二人で貯めたお金もっていって』
ちなつ『・・・あかりちゃんは・・・そうやって私のこと・・・』
あかり『ううん、いいから』
ちなつ『あかりちゃんはこれからどうするの?一人でお金また溜めて何て・・・』
あかり『あかりは上層に行ってしたいことなんてないよぉ』
ちなつ『でも・・・』
あかり『あかりは結衣ちゃんと京子ちゃんの事も気になるし』
あかり『それにあかりは一人だって・・・』
あかり『一人だって・・・』
ちなつ『・・・・・・・・・あかりちゃん・・・』
あかり『いいの、ちなつちゃんはあかりのこと』
あかり『信じてあかりもちなつちゃんのことを信じて』
あかり『二人でやってこれた思い出があるだけであかりは満足だよぉ』
ちなつ『・・・あかりちゃんは・・・そうやって私のこと・・・』
あかり『ううん、いいから』
ちなつ『あかりちゃんはこれからどうするの?一人でお金また溜めて何て・・・』
あかり『あかりは上層に行ってしたいことなんてないよぉ』
ちなつ『でも・・・』
あかり『あかりは結衣ちゃんと京子ちゃんの事も気になるし』
あかり『それにあかりは一人だって・・・』
あかり『一人だって・・・』
ちなつ『・・・・・・・・・あかりちゃん・・・』
あかり『いいの、ちなつちゃんはあかりのこと』
あかり『信じてあかりもちなつちゃんのことを信じて』
あかり『二人でやってこれた思い出があるだけであかりは満足だよぉ』
44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:45:44.742 ID:2K1Dj9dg0
あかり『またお手紙書いて』
あかり『あかりは』
あかり『あかりはそれで・・・』
あかり「そうやって送り出したちなつちゃんが」
あかり「わたしたちの溜めたお金を持ってたせいで強盗にあったちなつちゃんが」
あかり「わたしの前から消えたのも」
あかり「わたしが心に従ってちなつちゃんを引き止めなかった」
あかり「業なのかもしれない」
あかり「この世は心の従って行動するように」
あかり「作られている」
あかり「走らなければ。今から倒れるまで」
あかり『あかりは』
あかり『あかりはそれで・・・』
あかり「そうやって送り出したちなつちゃんが」
あかり「わたしたちの溜めたお金を持ってたせいで強盗にあったちなつちゃんが」
あかり「わたしの前から消えたのも」
あかり「わたしが心に従ってちなつちゃんを引き止めなかった」
あかり「業なのかもしれない」
あかり「この世は心の従って行動するように」
あかり「作られている」
あかり「走らなければ。今から倒れるまで」
45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:53:51.568 ID:2K1Dj9dg0
赤座あかりちゃんを駆り立てるものは
最早何かわからない
今にして思えば些細であり
確定的な要因とは言えない
全ての何がしかに対して
赤座あかりちゃんは確定し
そして気に入らない何がしか全て唾棄して回った
最早何かわからない
今にして思えば些細であり
確定的な要因とは言えない
全ての何がしかに対して
赤座あかりちゃんは確定し
そして気に入らない何がしか全て唾棄して回った
47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:57:43.085 ID:2K1Dj9dg0
奇妙さは何処にでもついて回った
あの日見た風の匂いも
向日葵畑も
蝉の声も
全て遠くにあるの幻だという真実しか
この世界にはなかった
そこにある過去との比較で現実は見えてこないし
意味をなさなかった
あるべきものは過去をみるときにのみ
確定して
そして悲しかった
あの日見た風の匂いも
向日葵畑も
蝉の声も
全て遠くにあるの幻だという真実しか
この世界にはなかった
そこにある過去との比較で現実は見えてこないし
意味をなさなかった
あるべきものは過去をみるときにのみ
確定して
そして悲しかった
48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 21:59:20.506 ID:2K1Dj9dg0
関わりは全てを拒否し
赤座あかりちゃんはここにはいない
在るべきものを取り戻して
世界の均衡を図るにも
時間は恐ろしく強固な意志で
進むのみで赤座あかりちゃんはまた
地面を向いて歩くしかなかった
赤座あかりちゃんはここにはいない
在るべきものを取り戻して
世界の均衡を図るにも
時間は恐ろしく強固な意志で
進むのみで赤座あかりちゃんはまた
地面を向いて歩くしかなかった
49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 22:01:53.799 ID:2K1Dj9dg0
正しいものを正しいと規定することを
愚かさの極みとして断定した
今よりもむしろ過去が鮮烈なのも
その迂回した思考からくる端数のような
切れ端のせいだった
今はただ静かに祈ることをする赤座あかりちゃんも
教会なんて言うものは
上層に来るまで知らなかった
ステンドグラスという色とりどりの光の採光も
赤座あかりちゃんが許しがほしくてやまない
全てのものへ通じてるように錯覚させているという事も
赤座あかりちゃんはしっかりと自覚していた
愚かさの極みとして断定した
今よりもむしろ過去が鮮烈なのも
その迂回した思考からくる端数のような
切れ端のせいだった
今はただ静かに祈ることをする赤座あかりちゃんも
教会なんて言うものは
上層に来るまで知らなかった
ステンドグラスという色とりどりの光の採光も
赤座あかりちゃんが許しがほしくてやまない
全てのものへ通じてるように錯覚させているという事も
赤座あかりちゃんはしっかりと自覚していた
50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 22:05:39.465 ID:2K1Dj9dg0
何もない状態のものが世の中に溢れていた
それはラベルが貼られていない何がしかだった
正義とか善とか人とか矜持とか
そういうものを拾い集めて赤座あかりちゃんは
机の奥底にしまっていた
いつか使う事を期待して
だけどそれが永遠にこないことも
赤座あかりちゃんはまた知っていた
神がお休みになられた日曜日にはまた繰り返すための反復記号が
譜面のように記されていた
いったい何度世界の創世をするのか
人々には理解でない
それはラベルが貼られていない何がしかだった
正義とか善とか人とか矜持とか
そういうものを拾い集めて赤座あかりちゃんは
机の奥底にしまっていた
いつか使う事を期待して
だけどそれが永遠にこないことも
赤座あかりちゃんはまた知っていた
神がお休みになられた日曜日にはまた繰り返すための反復記号が
譜面のように記されていた
いったい何度世界の創世をするのか
人々には理解でない
51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 22:10:04.754 ID:2K1Dj9dg0
理解できない物を集めて
赤座あかりちゃんは両手に包み
祈りを捧げた
櫻子「いつも祈りを捧げていますね」
あかり「お友達の為です」
櫻子「確かなものはここにしかありません」
赤座あかりちゃんは両手に包み
祈りを捧げた
櫻子「いつも祈りを捧げていますね」
あかり「お友達の為です」
櫻子「確かなものはここにしかありません」
52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/04/11(土) 22:10:35.575 ID:2K1Dj9dg0
あかり「ならあなたは何を提供できるのでしょう」
櫻子「あなたと通じ合う事しか捧げられません」
あかり「そんなことどうやって」
櫻子「手をとって踊るだけです」
あかり「踊る?」
櫻子「それでひと時の夢をみられます」
あかり「ほんとうに?」
櫻子「全てを忘れて。なぜならそれは」
ワルツだから。だから私と
おわり
櫻子「あなたと通じ合う事しか捧げられません」
あかり「そんなことどうやって」
櫻子「手をとって踊るだけです」
あかり「踊る?」
櫻子「それでひと時の夢をみられます」
あかり「ほんとうに?」
櫻子「全てを忘れて。なぜならそれは」
ワルツだから。だから私と
おわり
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