7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 21:31:11.31 ID:fJrd4b1hP
蛍「センパイのアルバム~♪」パラパラ

このみ「ああっ!この写真!」

蛍「もしかして、パンツとか映ってたんですか!?」

小鞠「そんなの映ってるわけないでしょ!」

蛍「…そうなんですか…はぁ…」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 21:33:26.04 ID:fJrd4b1hP
このみ「これって楓ちゃんが分校を卒業した時の写真だ」

小鞠「あっ、本当だ!懐かしい~♪」

蛍「センパイがぬいぐるみ抱いてる…可愛いですね」

小鞠「もぉー。ぬいぐるみ大好きっこの蛍に言われたくないよ」

蛍「えへへ」


このみ(あっ、楓ちゃんのお別れ会の時の写真もある)

このみ(…)

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 21:37:32.50 ID:fJrd4b1hP
■5年前 卒業おめでとうパーティー

\パーン/

\パーン/

\パーン/


このみ(中学1年)「楓ちゃん卒業おめでとう~♪」

ひかげ(小学5年)「おめでと」

夏海(小学2年)「あっー!ご馳走だ!」

小鞠(小学3年)「ほら夏海。ちゃんと頂きますしなきゃダメだよ」

兄(小学4年)「…」モグモグ

れんげ(赤ちゃん)「なうーっ♪」もきゅもきゅ

楓(中学3年)「半分くらい祝ってくれてない気がするが…まぁ、礼は言っておくよ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 21:41:39.66 ID:fJrd4b1hP
このみ「あーっ!みかんジャムのサンドウィッチは私が狙ってたのにー」

夏海「夏海ちゃん悪くないもーん。勝手に口に入ってくるサンドウィッチが悪いもーん」

れんげ「ギャオーーーー!」

ひかげ「れんげ、ほらよしよし。泣くな泣くな。駄菓子屋に面倒見て貰うんだぞ…な?」

小鞠「小吉さんも一緒にご飯食べようね~♪」

兄「…」モグモグ

楓「やっぱり礼は言わん。お前ら騒ぎたいだけだろ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 21:46:39.49 ID:fJrd4b1hP
れんげ「ムン!」

このみ「れんげちゃんが立った!?」

スタスタ

ボフッ

ひかげ「へぇ~」

楓「…なんだよ…」

ひかげ「れんげはそこがお気に入りだもんね~」ニヤニヤ

楓「うっせえ!ニヤニヤすんな!」

このみ「れんげちゃんは楓ちゃんの膝の上が好きなんだよねー」

れんげ「~♪」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 21:51:43.35 ID:fJrd4b1hP
夏海「あーっ駄菓子屋が赤ちゃんと一緒だー」

楓「うっせえ、向こうで飯食べてろ」

夏海「でも、    出ないよねー。このみちゃんの方が大きいもんねー」

楓「うっせえ!年相応だ!それにアホは大きくなりやすいんだよ!」

このみ「ちょっと!アホって私の事!?」

ひかげ「ああー、なるほどー」

このみ「ひかげちゃん!?」

ひかげ「いやいや、中1でこのスタイルはおかしいって」

このみ「そんな事ないってば!」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 21:57:11.11 ID:fJrd4b1hP
 
ギュウウ

楓「って、れんげどうした?急に抱きついて」

れんげ「なっなう~♪」

夏海「あー、赤ちゃんは駄菓子屋がいいって言ってるー」

楓「そ、そうなのか…」

ひかげ「あらあら、まぁまぁ」ニヤニヤ

楓「…文句あんのか?」

ひかげ「べっつにー」

このみ「楓ちゃん?ひかげちゃんはね、妙に嬉しそうな楓ちゃんを見て…」

楓「うっせえ!わかってるから言うな!桜の木の下に埋めるぞ!」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:01:54.99 ID:fJrd4b1hP
このみ「ねえねえ、楓ちゃん」

楓「今度は何だ?」

このみ「ほら、この辺の学生で髪が短いのって私だけでしょ?」

楓「ほら、卓がいるだろ。卓」

このみ「もうっ!女の子でって意味。どうかな?伸ばした方が似合うと思う?」

楓「そうだな…」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:06:52.82 ID:fJrd4b1hP
小鞠「このみちゃん!髪伸ばすの!?」

このみ「どうしようかなーって、どっちがモテると思う?」

小鞠「お兄ちゃんはね、髪が短くて猫みたいなお人形さんたくさん持ってるよ」

小鞠「たまに小吉さんと一緒に遊ぶんだよ。ねー小吉さーん?」

小吉(ぬいぐるみ)「」

楓「…」

このみ「…」


楓「うん、まぁ、伸ばしておさげにするのもありなんじゃないか?」

このみ「そうだね。そうしようかな」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:10:15.40 ID:fJrd4b1hP
兄「…」

楓「ん?どうした?」

兄「」

楓「は?ショートカットが無理なら猫耳でも?知るか!向こうに行け」

兄「…」トボトボ

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:14:51.20 ID:fJrd4b1hP
ひかげ「それにしても駄菓子屋が高校生かー」

楓「ん?何だ急に」

ひかげ「私も早く大人になりたいなー」

楓「いや、高校生も子供だろ」

ひかげ「でも高校生は憧れるよ。高校の帰りに買い食いしたり、カラオケ行ったり」

楓「いやいや、買い食いって言っても…………ここら辺じゃうち…しかないか?」

ひかげ「そ、そういえば、高校の帰り道でも駄菓子屋しか…?」

楓「そうだな。カラオケとかそんなのないしな」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:19:32.48 ID:fJrd4b1hP
ひかげ「はぁ~いいよね。都会は。買い食いとかオシャレとかいっぱいできるからねー」

楓「へぇ~。お前がオシャレに興味があったなんてなー」

ひかげ「将来の話。高校生になったらオシャレもするし」

楓「まぁ、田舎なんてそんなもんだ。いいじゃんか制服で」

ひかげ「はぁ…田舎より、都会が良かったなー」


楓「じゃあ、高校生になったら都会に行けばいいだろ」

ひかげ「へ?」

楓「まぁ、どうせ無理だろうが」

ひかげ「おぉ!その手があったか!そうだよ!姉ちゃんだって東京の大学に行ってるんだし」

楓「え?いや、センパイは大学生だから」

ひかげ「よし!私も東京に行く!そして…ふふふふふふふふ」

楓「…まぁ、夢を見るだけなら勝手だしな」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:26:59.78 ID:fJrd4b1hP
このみ「あれー?楓ちゃん。全然食べてないよ?」

楓「そうか?普通に食べたぞ?」

このみ「はい、これ食べてみて?…あーん」

楓「は?皿に乗せろ。普通に食べる」

このみ「いいから。いいから。はい、あーん」

楓「ああ、もうっ。わかったよ。食べればいいんだろう。食べれば…ほら」

このみ「あーん」

楓「あ、あーん」

パクッ


楓「…」モグモグ

このみ「美味しい?」

楓「…ああ、このバナナケーキ美味しいぞ」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:29:22.50 ID:fJrd4b1hP
楓「って、変な物を食べさせるのかと思った」

このみ「あははは。これ私が作ったんだよ?」

楓「おぉっ、また料理の腕を上げたな。うちの店に並べてもいいレベルだ」

このみ「…ありがとう」

楓「ん?どうした?いつもだったら『もー、駄菓子屋さんに並べても売れないでしょ?』ぐらい言うのに…」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:34:23.35 ID:fJrd4b1hP
このみ「…うん、えーと…その…ね?」

楓「なんだ、モジモジと。お前らしくないぞ?」

このみ「本当にやめちゃうの?」

楓「は?何をだ?」

このみ「もー。分校だよ。分校。本当にもう卒業しちゃうの?」

楓「卒業式やったろ?」

このみ「やったよ。で、でも…その実感がわかなくて…」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:39:33.72 ID:fJrd4b1hP
楓「ん?ははぁーん。さては急に寂しくなったのか?」

楓「って、お前に限ってそれはないよな」


ギュウウ


楓(なっ…このみが後ろから抱きしめてきて…)

このみ「そうだよ。寂しくなったの。急に実感が出て…」

楓「お、おい」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:42:38.29 ID:fJrd4b1hP
このみ「ねえ、本当に最後なの?学校来ないの?」

楓「…ああ、もう最後だ。卒業式やったからな」

このみ「ねえ、楽しくないの?学校楽しくないの?」

楓「あのな。子供みたいな事言うなよ」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:47:56.51 ID:fJrd4b1hP
このみ「私はね。すっごく楽しかったよ。楓ちゃんがいて…みんながいて…」

楓「私が卒業しても、みんながいるだろ?」

このみ「ダメだよ。それじゃ…ダメ。私は楓ちゃんにもいて欲しいの。楓ちゃんがいて『みんな』なんだよ」

楓「このみ…」

このみ「それに来月からは私が一番年上なんだよ?」

このみ「私じゃ頼りないよ…楓ちゃんじゃないとダメだよ」

このみ「だから…お願いだから…行かないでよ…」

このみ「私達の面倒を見てよ…」

楓「…」

このみ「うぅ…」ポロポロ

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:52:30.22 ID:fJrd4b1hP
夏海「てやー!夏海ちゃんパーンチ!!」

楓「ぐっ…いってえええ!夏海!何をする!」

夏海「このみちゃんを泣かせたな!このみちゃんを泣かせるな!このみちゃんはウチが守る!」ポカポカ

楓「やめろっ!私は何もしてない!だから殴るな」

夏海「ウチが…ウチが…うぅ…わああああん」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 22:57:50.98 ID:fJrd4b1hP
小鞠「夏海!?何で泣いてるの?」

夏海「駄菓子屋がー駄菓子屋がーこのみちゃんをー」

小鞠「え?このみちゃ…………」

このみ「え?あっ、ちょっと目にゴミが……ね?」グシグシ

小鞠「…」ジー

楓「いや、あのこれはな?」

小鞠「うわああああああああん。このみちゃんがーーーーー」

楓「おい、ちょっと待ってくれ」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:02:47.87 ID:fJrd4b1hP
れんげ「ギャオーーーー!」

楓「今度はれんげが泣きだした!?」

兄「…」

楓「お前は男だろ!泣くな!」

ひかげ「ちょっとトイレに行ってたら…なんだこれ?」


楓「ひかげ!れんげをパスだ」

ひかげ「へ?」

楓「れんげは任せた」

ひかげ「う、うん」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:08:39.36 ID:fJrd4b1hP
楓「なあ、このみ」

このみ「うぅ……なに?」

楓「さっきさ、『私じゃ頼りないよ…楓ちゃんじゃないとダメだよ』って言っただろ?」

このみ「う、うん…」

楓「ほら、見てみろ」

このみ「え?」

夏海「うわあああん」
小鞠「わあああん」
兄「…」
れんげ「ギャオーーーー!」
ひかげ「れんげ泣きやんでくれよ。こっちが泣きたくなってくるわ」


楓「な?」

このみ「?」

楓「みんなお前を慕って、そしてお前の為に泣いてるんだよ」

このみ「え?」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:13:02.47 ID:fJrd4b1hP
楓「そんなお前なら大丈夫だ。ああ、私が保障してやるよ。お前なら大丈夫。やれるさ」

このみ「そうかな…」

楓「今まで通り、みんなの面倒を見てやれ」

このみ「うん…」

楓「それに、もし大変な事があったとしても…」

夏海「うー駄菓子屋のバカー」ポカポカ

楓「ほら、このアホとかが助けてくれるさ。何でも一人でやる必要なんてないんだ」

このみ「…」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:18:01.64 ID:fJrd4b1hP
楓「それに、私はいつでもずっと駄菓子屋にいる。ほら、みんなを連れていつでも遊びに来い」

このみ「…」

楓「…な?」

このみ「…」

楓「このみ?」


このみ「そっか…」

このみ「私バカだね。何でも一人でやる必要はないんだね」

楓「ああ」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:23:10.87 ID:fJrd4b1hP
このみ「そうだよね。楓ちゃんは今日いっぱいで死ぬわけでもないし、いつでも会えるよね」

楓「物騒な事を言うな」

このみ「えへへ♪」

楓「ったく、ようやく調子が戻ったか?」


このみ「ありがとう楓ちゃん」

楓「はいはい、どういたしまして」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:28:14.88 ID:fJrd4b1hP
ひかげ「あのー」

楓「ん?なんだ?」

ひかげ「いい雰囲気の所悪いけど、こいつらどうにかしてくれない?」

夏海「うわあああん」
小鞠「わあああん」
兄「…」
れんげ「ギャオーーーー!」


楓「はぁ…最後まで迷惑をかけるやつらだな…」

このみ「って言いながらも、嬉しそうだよ。楓ちゃん」

楓「バーカ。最後だから嬉しんだよ」

楓「これでこいつらの面倒を見なくて済むと思うとさ」

このみ「…最後…か…」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:33:25.88 ID:fJrd4b1hP
このみ「…うん。楓ちゃん!卒業おめでとう」

楓「『おめでとう』って、今日何回目だよ」

このみ「今度は本当の本当のおめでとうなんだよ」

楓「…」

楓「そうか。ありがとう。このみ」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:38:27.01 ID:fJrd4b1hP
■現在

このみ(そういえば…あの時の楓ちゃん…)

このみ(すっごい笑顔のようで悲しそうな目してたな…)

このみ(あの時はよくわからなかったけど…)

このみ(やっぱり楓ちゃんも寂しかったのかな…)


小鞠「もぉー!このみちゃん聞いてる!?」

このみ「え?え?何?」

小鞠「やっぱり聞いてない!」

このみ「え?」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:43:41.39 ID:fJrd4b1hP
蛍「今からコンビニ行きません?バスだと30分くらいですし」

このみ「うーん」

このみ「…」


このみ「あっそうだ。それより、駄菓子屋に行かない?」

小鞠「えぇー駄菓子屋って子供っぽいよー」

このみ「いいでしょ。コンビニだと高くてあまりお菓子買えないし」

蛍「バス代も必要ありませんし、私もそっちの方が…」

小鞠「蛍も行きたいなら…まぁ、駄菓子屋でもいいかなー」

このみ「それにたまには、ずっと待っててくれる寂しがり屋さんに顔を見せないとね」

蛍「え?」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:48:38.33 ID:fJrd4b1hP
このみ「さっそく行こっか。そうだ。お姉さんが100円まで奢ってあげるねー」

小鞠「おぉーこのみちゃん太っ腹ー」

このみ「あははは。乙女に向かって太っ腹って言わないの」

蛍「微妙に顔が笑ってないような…」

このみ「じゃあ、早く行こっか」

小鞠「うん」

蛍「はい!」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:53:29.08 ID:fJrd4b1hP
 
………


このみ「えへへ。来ちゃった」

楓「げっ…ウザいのが来ちゃったな」

ギュウウ

楓「って、何で抱きつくんだよ!」

このみ「えへへ。楓ちゃん暖か~い」

楓「やめろ!お前外から来たから冷たいんだよ!寒い!死ぬ!」

このみ「えへへ~」スリスリ

楓「おい!小鞠!蛍!このアホをどうにかしてくれ!」


蛍「センパイ、奥の棚にサンタのコスプレが!」

小鞠「へぇ~…って、スカート短っ」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/21(土) 23:56:57.09 ID:fJrd4b1hP
蛍「センパイ!センパイにはサンタさんが似合うと思うのですが!」

小鞠「『思うのですが』って、着ないよ!こんなの!」

蛍「しょ、しょんな…」

小鞠「はぁ~、泣いてもこれは着ないからね」

蛍「…うぅ…」

小鞠「わかったてば!ただし誰にも言わないでね。蛍にしか見せないんだから」

蛍「わぁい♪」

小鞠「はぁ…やっぱり嘘泣きか…クリスマスが憂鬱になってきた…」

蛍「クリスマスが楽しみになってきました♪」


楓「おいコラ!聞け!」

このみ「えへへ~」スリスリ

楓「もう何なんだよ…これ…」





       終わり

引用元: このみ「5年前か~。懐かしいな~」