4: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)16:44:48 ID:dED
部室
梓「こんにちはー」ガチャ
唯「あ、あずにゃんやっほー」
梓「今日はまだ唯先輩だけなんですか?」
唯「うん。りっちゃたちは掃除当番だってー」
梓「そうですか。じゃあ皆さんがくるまでコードの練習でも……」
唯「えー? お茶してからにしようよ」
梓「そう言って昨日も一昨日もロクに練習しなかったじゃないですか! ダメです!今すぐやりますよ」
唯「あずにゃんのケチ……」
梓「なんとでも言ってください。ほら、ギターだして」
唯「……不意打ち!!」ギューッ
梓「にゃあっ!!? そんなことしたってごまかされませんよ!」
唯「いいこいいこ」ナデナデ
梓「ふにゃぁあ……」ポケー
6: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)16:50:55 ID:dED
梓「はっ!危ない! れ、練習しますよ!ほら、離れてください!」グイグイ
唯「えーいいじゃーん。もうちょっとだけ……」
梓「ダーメーでーす!抱き着くのはもうおしまい!」
唯「はーい……」グイグイ
唯「……あれ?」グイグイ
梓「どうしたんですか?」
唯「おっかしいなー?離れようとしても離れられない」グイグイ
梓「……え?」
7: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)16:54:42 ID:dED
梓「またまたそんなわけ……。あれ本当に離れない」グイグイ
唯「ほーーーっ!」グイーッ
梓「んーーっ!」ジタバタ
唯「な、なんでだろ。離れらねないね、あずにゃん」ゼェゼェ
梓「そうですね」ハーッハーッ
8: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:00:54 ID:dED
梓「唯先輩、手に接着剤とか塗ったりしてませんよね?」
唯「シツレイな!そんなことするわけないじゃん!」プンプン
唯「それにあずにゃんの体だって私から離せないんでしょ?」
梓「む……確かに」
唯「分かった!きっとこれは何か不思議なパワーが働いてるんだよっ!」
梓「そ、そんなことってありえるんですか」
梓「金縛りみたいなものですかね……?でもなんでまたこ、こんな格好の時に///」
唯「あずにゃんがいつも抱き着かせてくれないから、神様が私に力を授けてくれたのかも?」
梓「そんな縁起でもないこと言わないでください!」
10: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:05:32 ID:dED
唯「でもこのまま離れなかったらどうしようねあずにゃん。寝るとき寝返りうてなくなっちゃうよ」
梓「もっと大きなことを心配しましょうよ!?」
唯「お風呂で体洗うのも大変だし……」
梓「お風呂……?(あれ?もしこのままお風呂に入ったら……)」
梓(唯先輩と、は、裸で密着しながらお風呂!?)ボンッ
唯「それに自転車も乗れな……あれ!?何であずにゃん鼻血出してるの!?」
11: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:08:39 ID:dED
唯「はいあずにゃんテイッシュ」スッ
梓「す、すびばせん……」ダラダラ
唯「あずにゃん大丈夫?保健室行こうか?」
梓「この状態で保健室行くなんて恥ずかしくてできません……」
唯「そうかなー?別に大丈夫じゃない?」
梓「唯先輩はもっと恥じらいをもってください」
12: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:15:21 ID:dED
梓「でも本当にどうしましょう。こんな姿誰かに見られたら……。絶対勘違いされちゃいますよ」
唯「いつも抱き着いてるしみんな分かってくれると思うけどなぁ」
梓「唯先輩はいいかもしれませんけど私はいやです!とにかく離れないと!んーっ!!」グイグイ
唯「あはっ。くすぐったいよあずにゃーん。おやめになってー」
梓「変な声出さないでくださいよ///もし誰かきたら勘違い……」
ガチャ
律澪紬「……」
梓(本当に来ちゃったー!!)
澪「お、お邪魔しましたー」スタスタ
梓「ああ待ってください澪先輩! これはですね!」
紬「まあ梓ちゃんったら///大胆なんだから///」
梓「ち、ちがうんです!誤解です!」
律「相変わらずお前らは仲良しだなー。ムギ、紅茶淹れてー」
梓「そして律先輩は気にしなさすぎです!」
13: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:22:00 ID:dED
律「えー?だってお前らがイチャイチャしてるのはいつものことじゃんか」
梓「い、イチャイチャなんてしてません!唯先輩が勝手に抱き着いてくるだけで……」
唯「もうあずにゃんったら、恥ずかしがらなくたっていいのに。今だって抱き着いてるじゃーん」
梓「離れられないから仕方なくですっ! ちゃんと先輩方にも説明してくださいよ!」
澪「離れられない……?唯、何かあったのか?」
唯「うん。実はね、あずにゃんがね、『今日は離れたくない』って……」
澪梓「んなっ!!?」
紬「まあまあまあまあまあまあ!!!」
梓「ちょっ!な、何デタラメ言ってるんですか!そんなこと言ってませんよ!」
澪「梓……お幸せにな」
梓「ちっ、違います!これはですね……」
唯「そんでさ、『もう離しませんから』って……」
梓「ね、ねつ造しないでください!」ボカッ
14: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:29:15 ID:dED
唯「んもー。冗談なのに」
梓「言っていい冗談と悪い冗談があります!」
澪「なんだ冗談か。あはは……」ホッ
紬「うふふ……」ガーックリ
梓「なんでそんなに落ち込むんですか!?」
律「よし、そろそろケーキ食べようぜ」
梓「そしてこの人はマイペースすぎる!」
16: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:34:54 ID:dED
唯「ケーキッ!?私も食べる!」グイグイ
梓「んにゃっ!? 急に動こうとしないでくださいよ!」
律「何やってんだお前ら……。離れたらいいじゃねえか」
梓「ですから離れられな……いたっ!唯先輩足踏まないでください!」
唯「ごめんごめ……うわぁ!!」ドテッ
梓「ちょっと何やってるんですかー」ジタバタ
律「……どうなってんだこりゃあ?」
17: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:38:18 ID:dED
・・・・・・
唯「……ってことがあってね、あずにゃんと離れられなくなっちゃったの」
律「……うん。それで?」
唯「……?それだけだよ?」
律「なるほど。ムギ、分かったか?」
紬「全然分かりません先生!」
唯「あれー?説明不足だったかな、つまりね、あずにゃんに抱き着いたらね、離れられなくなっちゃったんだ」
澪「情報が何にも増えてないぞ……」
18: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:52:47 ID:dED
澪「梓、何か離れられなくなった原因とか分からないのか?」
梓「いろいろ考えてみたんですけども全然……」
律「うーん……。ずっと磁気に触れたせいで唯と梓が磁石になっちゃったとか?」
梓「そんなわけないでしょう……」
律「でもこういうのってさー、案外引っ張れば外れるんじゃねーの?」グイグイ
梓「それはさっき試しましたって!いたた!」
19: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)17:56:31 ID:dED
律「力が足りなかったのかもよ。澪、唯の方持ってみて」
澪「うぇっ!?わ、私か?」
唯「よろしくお願いしやすぅ」
澪「あ、あぁ分かった」ガシッ
紬「頑張ってー♪ フレー、フレー♪」
律「よし、じゃあ行くぞー!そーれっ!」グイグイ
唯「!! い、痛い痛い!!」
澪「せいっ……」グイグイ
梓「にゃー!!私もいたいです!!」
20: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:01:56 ID:dED
・・・・・・
律「うーん。この作戦は失敗だったか」
澪「びくともしなかった……」ゼェゼェ
唯「私とあずにゃんは固い絆で結ばれているのさ……」フッ
梓「格好つけてる場合ですか」
紬「……分かったわ!」ポンッ
律「ムギ、何か分かったのか!?」
紬「ええ。謎は全て解けたわ!!」
梓「なぜに某少年探偵のようなセリフ!?」
21: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:04:42 ID:dED
澪「ま、まさか分かったのか!?唯と梓を離れさせる方法が」
紬「えぇ」
唯「!? 聞かせて!ムギちゃん」
紬「簡単なことよ。唯ちゃんと梓ちゃんがキスすればいいのよ」
唯澪律「……えっ?」
梓「えぇーっ!!?」
22: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:10:51 ID:dED
梓「むむむムギ先輩!!正気で言ってるんですか!?」
紬「いたって正気よ」ハァハァハァ
梓「呼吸荒くなってるじゃないですか!」
紬「梓ちゃん、よく聞いて。私の推理にはちゃんと理由があるの」
梓「理由……?」
紬「白雪姫って知ってるかしら?」
唯「白雪姫……?なんだっけ、りんご食べ過ぎちゃってお腹壊しちゃうお姫様のお話だっけ?」
澪「毒リンゴで毒殺されるんだろ……」
紬「そう。そして毒殺された白雪姫は王子様にキスをされて生き返るのよ!!」ビシイッ
梓「あれ……?でもキスの描写は映画版とかで付け加えられたもので、原作にはないって聞いたことが……」
紬「細かいことはいいのよ梓ちゃん!!」
梓「いいんですか!?」
23: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:17:04 ID:dED
紬「それにもう一つ!『美女と野獣』でもヒロインが王子様にキスをした後、お城の呪いが解けているわ!」
梓「ま、まあそうかもしれませんけど……」
紬「つまり!キスさえすればこの事件が解決することは明らかだわっ!!」
梓(す、すごい自信だ!!)
梓「そ、そんなこと言ってもキスなんて……ねぇ、唯せんぱ……」
唯「あずにゃんとキス……/// ムギちゃん!私やるよ!」
梓(って躊躇なしですか!?)
梓「え、あの……澪センパイ……」
澪「応援してるぞ、梓」ポンッ
律「がんばれよー」
梓(にゃー!!もう完全にキスする流れになってるー!!)
24: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:33:36 ID:dED
梓「あの……みなさん。考え直しません?流石にき、キスはちょっと……///」
紬「えぇー?完璧な推理なのに……」シュン
律「やってみる価値はあると思うけどなー?」
梓「そ、そう言われましても///」
澪「私たちはあっち向いてるからさっ」クルッ
梓(澪先輩手に手鏡持ってるの見えてます!)
唯「あ、もしかしてあずにゃん……」
梓「は、はいなんですか?」
唯「……私とキスするの、嫌、なの?」ウルウル
梓「え」
25: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:38:15 ID:dED
唯「そんなー!ひどいよあずにゃーん!! いつも可愛がってたのにー」ウワーン
梓「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ唯先輩!!嫌なんて一言も言ってないでしょう」アセアセ
唯「だってさっきからキスしようとしてくれないじゃん」
梓「だってそれはそのう……(恥ずかしいからですよ!!///)」
唯「グスッ。やっぱりあずにゃん私のこと嫌いなんだ……」
梓「!! そ、そんなわけないじゃないですか!!」
梓「……唯先輩!こっち向いてください!」
唯「……なに、あずにゃん」クルッ
梓「えいっ!」
チュッ
唯「!!」
紬「!! キマシタワー!」
澪「わ、私は見てないぞー」チラッチラッ
律「ヒューヒュー!お熱いねー、お二人さーん!」
27: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:43:42 ID:dED
梓「ハァーッ、ハァーッ……。唯先輩のこと、嫌いなわけないじゃないですか……」
唯「……あずにゃん」
唯「ふふっ。ありがとね、あずにゃん」
梓「こちらこそすみません。不意打ちでき、キスしてしまって……」
唯「私も今日は不意打ちで抱き着いたんだからお互い様だよー」
梓「あっ。そういえばそうでしたね」アハハ
唯「と見せかけて……スキありっ!」チュッ
梓「!!?/// ゆ、唯へんはい!?」
唯「へっへーん。お返しだよー。私からもしてみたくなっちゃった」
梓「もう、唯先輩ったら……///」
澪「見てないぞーみてないぞー」チラッチラッチラッ
律「なんか部屋の温度が10度くらい上がってる気がする」
紬「あらやだ鼻血が」ダラダラ
29: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:50:55 ID:dED
唯「あ、ムギちゃんテイッシュあるよ」スタスタ
紬「あ、ありがとう唯ちゃん」
紬「……あら?」
唯「え?」
梓「あっ」
唯梓「は、離れられたー!!」
唯「や、やったー!!」ピョンピョン
梓「はぁ、つ、疲れた……」ヘナヘナ
紬「うふふ。よかったわ~」ニコニコ
律「うぉおおお!!よっしゃー!!」ギューッ
澪「お、おい! なんでお前は私に抱き着くんだよ!」
律「いやー、私まで嬉しくなっちゃってさー」
澪「……ふふっ。今日くらいは勘弁してやるか」
30: 名無しさん@おーぷん 2015/03/30(月)18:53:22 ID:dED
紬「じゃあ唯ちゃんと梓ちゃんももとに戻ったことだし、ケーキ食べましょ♪」
唯律「いえーい!!」
梓「はっ!練習は!?」
唯「明日からやるよー」モグモグ
梓「これで三日連続練習なしですか……」ガックリ
紬「まあまあ。梓ちゃんもケーキ食べましょ」コトッ
梓「あ、ありがとうございます」
律「よーし、私たちも……ってあれ?」グイグイ
澪「おい何やってるんだよ……ん?えっ!?」グイグイ
梓「……?どうしたんですか?」
律澪「は、離れられない……」
唯梓紬「えっ」
完
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