1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 12:56:28.121 ID:hr2lTOJ2D
デキム「はい、お二人にはゲームをプレイして頂きます」

ワトソン「ホームズ!これは罠だ!恐らくクロロホルムを嗅がされたんだろう、記憶が曖昧だ、我々は攫われたんだよ!」

ホームズ「ゲームには何か賭けるのかね?」

ワトソン「」

デキム「はい、お二人の命を、それぞれ賭けてプレイして頂きます」

ホームズ「ゲームの審判は君が?」

デキム「立会人を務めさせて頂きます」

ホームズ「聞いたかワトソン!我々の命が目的ではないらしい!」

ホームズ「殺すならとっくに死んでるだろう、そうなってないのはゲームを騙ったテストで何某かを測る事が目的だからだ、生死が重要でないなら多分殺される事はあるまい」

ワトソン「多分って…」

ホームズ「デキム君、屋内の店舗という事は何かの組織に所属しているという事だ。つまり君には多くのお友達が居るのだろう。その上で君一人の独断でテストの判定を下せるのなら君の、いや君の組織はその判定を下す事を主目的としたものである事が伺える」

ホームズ「さて、何を測るのだろうな」

デキム「」

4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 13:08:46.634 ID:MDKKzRvNp
デキム「今回お二人にやって頂くのは」

ホームズ「ルーレットか…」

ワトソン「ランダムかはアテにならないな」ポチッ

ワトソン「…デスクレー?」

デキム「…クレー射撃です」

ボイーーーン ゴウンゴウンゴウンゴウン
ガシャガシャガシャ ゴイーーィイム

ワトソン「なんだこれは!」

ホームズ「大掛かりな仕掛けだ、やはりルーレットはポーズだったな」

デキム「……ルールの説明に入らせて頂きます」

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 13:21:41.214 ID:MDKKzRvNp
ワトソン「円盤を撃てばいいんだな?」

デキム「はい」

ホームズ「君と射撃か、珍しい取り合わせだな」

ワトソン「銃をこっちに向けないでくれ!」

デキム「では始めて下さい、先攻はワトソン様から」

シュッ

ホームズ(あの円盤のデザインは…人の臓器か?肺に見える)

ワトソン「…」ッパーン

パリーン

ホームズ「」ドサッ

ワトソン「ホームズ?どうしたんだ!」

ホームズ「……手術された形跡はない…これは、黒魔術の類いか」

ホームズ「やっかいだな、興味は無かったんだが」

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 13:22:59.982 ID:MDKKzRvNp
飽きた

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 13:30:36.483 ID:MDKKzRvNp
ホームズ「次は私の番だな」

ワトソン「ホームズ?もう平気なのか?」

シュッ

ホームズ「無論だ」パァン

バリーン

ワトソン「」ドサッ

デキム「説明しておりま」ホームズ「円盤の図柄と連動しているのか、しかし、やはり死ぬ事は無いらしい。心臓だったようだが、運が良い」

デキム「」

ワトソン「」

10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 13:39:08.808 ID:MDKKzRvNp
ワトソン「付き合ってられん!」

ホームズ「デキム君、見せてやりたまえ」

デキム「…」

ガラガラガラガラ 吊られた人ズラーッ

ワトソン「…なんだコレは、これは、全て君達がやったと言うのか…」

ホームズ「…」

ホームズ「人形だ」

デキム「…」

ワトソン「虚仮威し、というやつか?」

ホームズ「あながちそうでもないかも知れんぞ」

ホームズ「今此処に居る我々は黒魔術で憑依しているに過ぎない人形である可能性もある」

ワトソン「笑えない冗談だな」

デキム「」

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 13:58:13.814 ID:MDKKzRvNp
ホームズ「ふむ」ガクガク

ワトソン「やはり君が痛むのか…円盤の色はプレイヤーを示しているんだな」

ホームズ「しかし私が君の撃つべき円盤を破壊した事で得点を阻止出来るという訳だ」

ワトソン「勝つための戦略か」

ホームズ「いや、争わせる為だな」

ワトソン「テストというのはそれか!」

ホームズ「恐らくな」

デキム「」

ホームズ「デキム君、君の反応を見るに、どうやら我々は真相に着々と近付きつつあるようだな。
しかしいいのだろうか、テストの内容を知ってしまった以上、テストを続ける意味は無くなってしまうのでは?」

ワトソン「モラルを忘れなければ良いのだろう、元より我々は紳士だが」

デキム「…」スッ…
ホームズ「上司と連絡かね」
デキム「!」

ホームズ「いいだろう、やりたまえ。イレギュラーになる程、真実に容易く付け入れる」
デキム「」
ホームズ「やらないのかね、それはそれでいいのだろう、ならば意味消失したゲームを続けるかね?」

デキム「」ガタガタ

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 14:08:01.374 ID:MDKKzRvNp
ワトソン「!…」

ホームズ「ワトソン?」

ワトソン「ホームズ、君が…」

ワトソン「アヘンチンキを吸っていたのを思い出した、今に始まった事ではないが」

ホームズ「記憶が戻ったのか」

ワトソン「ああ…しかし」

ワトソン「命に関わる量だった様に見えた」

ホームズ「…」

ワトソン「今に始まった事ではないが」

ホームズ「…記憶が戻ったのは薬の影響ではないかも知れんな」

ワトソン「黒魔術?」

ホームズ「かも知れん」

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 14:19:02.714 ID:MDKKzRvNp
ホームズ「私も思い出したぞ」

ワトソン「私は  が痛い」ビクビク

ホームズ「ああ、君の  を蹴り飛ばした」

ワトソン「ホームズ!」

ホームズ「上物(アヘン)を満喫して足元が覚束なかったからな」

ワトソン「…図柄と思い出す事柄にも何か関係があるのだろうか」

ホームズ「デキム君!」

デキム「」ボー

ホームズ「どうせ異常事態なのだ、はっきり言ってしまいたまえ」

ホームズ「我々は既に死んでいるのではないかね?」

デキム「」ビクーッ
ワトソン「ホームズ!?何を…」

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 14:31:49.732 ID:MDKKzRvNp
ホームズ「恐らく此処は天国か煉獄へ魂を選り分ける所なのだろう?」

ワトソン「最後の審判?」

ホームズ「さよう、もしくは黒魔術にモノを言わせてそれを気取るただの人間か。
どちらにせよ我々は、少なくとも君達に死んでいると判断されているのだろう」

ホームズ「死因を聞いても?」
ワトソン「そんな…まさか」

デキム「……ゲームを続ければ、自ずと分かります」

ワトソン「…ホームズ、続けるのか?」

ホームズ「その必要は無い、無駄に痛みを味わってもつまらんからな…
そういうモノが存在するのか、しかし解せないな。
何故争わせる?」

デキム「わ、私は…己の生を全うした人間を尊敬しています」

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 14:40:17.924 ID:MDKKzRvNp
デキム「ゲームでは、人を極限状態に誘導して、その、本心をさらけ出す必要があります」

ホームズ「本心を見て判断すると?」

デキム「…はい」

ワトソン「極限状態に見せるのが本心だと…?」

ホームズ「…」

デキム「…」

ワトソン「そんなものは本心ではない…!」

ワトソン「極限状態に陥った人間のそれは本能だ!君は人を獣に成り下がらせて見ているに過ぎない!」

デキム「…?」

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 14:54:03.400 ID:MDKKzRvNp
ワトソン「おかしいとは思わないのか!君は!
何を追い込む必要がある!何を削ぎ落とす必要があると言うのだ!」

ワトソン「Mr.デキム!此処は酒場に見えるが、君はバーテンか!」

デキム「はい…?そうですが」

ワトソン「ならば何故分からない!?人間の心というものはカクテルのように様々なものが混ざって出来るものなのだ!
その味がその人間の心なのだ!
君はそれを火にくべた残りカスを酒だと言うつもりか!?」

デキム「…!?」

ホームズ「人間の心は薄っぺらなグラスでもある」

ホームズ「年齢の時間や経験の重さやちょっとした事で簡単に形を崩してしまう」

ワトソン「それでも!それでも我々は自分を保って生きて行かねばならないのだ!」

ワトソン「Mr.デキム!」

デキム「ッ!!」

ワトソン「それを壊す義務も権利も、何者であろうと持ち合わせてはならないのだ!何故それがわからない!!」

デキム「…!…!!」

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 15:06:24.507 ID:MDKKzRvNp
ワトソン「うっ…うぅ…うっ」

ホームズ「…」

デキム「…」

ホームズ「彼は癇癪持ちでね」

デキム「…はい、存じ上げております」

ホームズ「私は良い人間ではない、まかり間違えば悪人になっていただろう才能がある」

ホームズ「しかし彼は、私を社会に役立ててくれた」

ホームズ「出来れば、我々を天国に送ってくれると助かるのだが」

デキム「…」

謎の声「その必要はない」

全員「!?」

ボシュンッ ホームズとワトソン人形ガラガラ

デキム「!?」

謎の声「アクシデントがあった」

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 15:17:26.218 ID:MDKKzRvNp
………
……


謎の声「……ムズさん!…きて下さい!…!
…!
ホームズさん!」

ホームズ「っ!」ガバッ

ホームズ「…?ウィギンスか」

ウィギンス「ホームズさん!気が付いたんですね!」

ホームズ「…ワトソン?」

ワトソン「…ホームズ」

ウィギンス「あんなに慌てたハドソン夫人を見たのは久しぶりですよ!
ヘヘッ兄貴に教わった僕のピッキングがなけりゃ今頃…」

ホームズ「夢を、見ていた…」
ワトソン「ああ、私もだ…しかし…」
ホームズ「忘れてしまった」

ウィギンス「呑気に夢なんて見てないで、換気を手伝って下さいよ!まだこんなに匂う!スー…ハァ…ホームズさん、もう寝タバコはやめましょうよ!枕にストックを隠してたなら尚更!」

22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/11(月) 15:26:18.858 ID:MDKKzRvNp
ワトソン「ホームズ…」

ホームズ「ああ」

ワトソン「あの孤児共に助けられてしまったよ」

ホームズ「ベイカーストリート‘イレギュラー’ズにな、やはりレストレードにも優る優秀さだ」

ワトソン「…寝タバコだけはもうやめてくれ、ソファーに転がるのもだ」

ホームズ「ああ、別な所に隠す」

ワトソン「…」

ウィギンス「ホームズさん」

ホームズ「ああ、礼はワトソンが払う」

ワトソン「」

ー完ー

引用元: シャーロックホームズ「クイーンデキム?」