1: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 00:58:31.96 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「本来食事なんて必要な栄養素を摂取できればいいと考えてたけど、ジャパンに来て考えが変わったよ」

ディルムッド「ええ。それに戦に臨む前に食すもので士気の高まり具合も変わろうというものです」

ウェイバー「僕はこんな忠臣を持てて幸せだよ」

ディルムッド「もったいなきお言葉…」

ウェイバー「よし、聖杯戦争の前だ、景気付けにお前も食えよ。好きだろ、スシ」

ディルムッド「ありがたき幸せ」

6: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:02:40.42 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「回転スシでいいか?こないだのカウンターを挟んで食べるとこは高かったからさ」

ディルムッド「是非もありません。回るスシとは趣深いではありませんか」

ウェイバー「だよな。僕も回るスシは初めてなんだ。入ろうぜ」

ディルムッド「はい、我が主」

14: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:08:21.69 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「嘘だろ?ほんとに回ってるよ…」

ディルムッド「現界時にある程度の知識を与えられて知ってはいましたが、このお店はカラクリ仕掛けでスシを回しているようですね」

ウェイバー「さすが機械大国だな…。え?でもその言い方じゃカラクリ仕掛けで回してないとこもあるみたいな言い方だぞ?」

ディルムッド「カッパと呼ばれる水棲の妖魔を地下で強制労働させ、そのものらの手動で回している形式の店もあるとか」

ウェイバー「酷い話だな…」

ディルムッド「お茶を淹れました。それとおしぼりです」

ウェイバー「サンキュー。さて、何から食べようかな…」

15: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:14:17.91 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「やっぱスシといえばマグロだよな」ムシャムシャ

ディルムッド「確かに一番人気のネタですしね。ですが、不肖、ディルムッド・オディナ。あえてイベリコ豚の大とろをいただこうと思います」

ウェイバー「肉のスシ?邪道じゃないか」

ディルムッド「私のいた時代、豚などは存在しませんでした。存在したのはイノシシですね」

ウェイバー「まあ、変わったものを食べたくなる気持ちは誰にでもあるもんな」

ディルムッド「あのイノシシが人間に飼いならされ堕落し、豚として人々の食卓に並ぶようになったと思うと感慨深いです。…これは旨い」

ウェイバー「へぇ、肉のスシか。僕も食べてみようかな」

17: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:22:16.94 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「あっ」

ディルムッド「どうしました?」

ウェイバー「放ってた使い魔が、キャスター陣営の脱落を確認した」

ディルムッド「なるほど…。既に聖杯戦争は始まっていた、というわけですね」

ウェイバー「まあね。でも、死に方があっけないんだよなあ」

ディルムッド「どういった死因だったのですか?」

ウェイバー「子供をさらおうとしたんだけど、そのさらおうとした子供の親がなんと始まりのご三家の遠坂氏だったんだ」

ディルムッド「では、彼のサーヴァントに?」

ウェイバー「そうなんだ。しかも、しぶるサーヴァントを礼呪二画も使って無理矢理戦わせてた」

ディルムッド「これは幸先がいい」

ウェイバー「そりゃあね。でも、敵がこうもあっさり脱落しちゃうと、僕が実力を示せくて困るんだよ」

ディルムッド「心配無用に御座います。このディルムッド、我が主の意のままに聖杯を掴み取ります故」

ウェイバー「期待してるぞ」

20: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:35:41.62 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「おいランサー、あまりいいことじゃないが向こうの客見てみろよ」

ディルムッド「あれは…」

ウェイバー「すごい食べっぷりだよな」

ディルムッド「確かに。何十…いえ、百皿以上食べているかもしれません」

ウェイバー「見た目は従者みたいだな。となると、隣の貴婦人がその主か。あんな大喰らいの従者を持つと大変だな」

ディルムッド「はは、まったくです」

セイバー「うぐっ…!?」

アイリスフィール「大変、セイバーがお寿司を喉に詰まらせて死んだわ!」

ウェイバー・ディルムッド「!?」

セイバー「…」シュワァァ…

ウェイバー「あいつ、サーヴァントだったのか…。光の粒子になって消えてった…」

ディルムッド「霊体化できないハズレサーヴァントだったのでしょうね。あっけない…」

28: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:40:10.46 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「さて、僕はスシを五皿食べたわけだけど…」

ディルムッド「私は七皿です」

ウェイバー「この穴に皿を五皿入れると、オマケが出て来るんだってさ。やってみようぜ」

ディルムッド「戦の前の運試しですね。いいでしょう」

ウェイバー「へぇ、ミニゲームで当たり外れが決まるのか…。お、当たったぞ。これ、そんな当たらないって噂だぞ」

ディルムッド「おめでとうございます。では私も…」

40: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:46:11.17 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「げ、元気出せよ。当たるのは当たったわけだし…」

ディルムッド「しかし、私の当たりカプセルだけ空っぽとは…」

ウェイバー「空っぽといえば、僕の先生にあたるロードエルメロイなんだけど」

ディルムッド「ああ、あの、ライダーを呼び出してそのライダー自身に殺されたという…」

ウェイバー「うん。彼が召喚に際し取り寄せた聖遺物を僕が奪ってジャパンに来たから、向こうじゃ聖遺物の箱が空っぽになってて大変なんだろうなって」

ディルムッド「杞憂です、我が主。大体、その男は既に死んでいるのです。考えるだけ無駄です」

ウェイバー「だよな。あはははは」

ディルムッド「はっはっは」

50: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 01:52:45.69 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「あっ」

ディルムッド「どうしましたマスター?まさかまた聖杯戦争に動きが!?」

ウェイバー「そうなんだよ。さっきキャスター陣営を敗退させた遠坂氏なんだけど、多分バーサーカーだな。そいつらに襲われてあっけなく死んだ」

ディルムッド「礼呪を二画も欠いた状態でしたし、無理もないでしょう」

ウェイバー「それが、残ったバーサーカー陣営も、マスターがバーサーカーに魔力を吸い尽くされて死んだんだよ」

ディルムッド「なんと…」

ウェイバー「その点僕はついてる。お前の宝具は燃費もよくて強力だもんな」

ディルムッド「ええ。私はマスターの魔力を枯渇させるようなヘマはいたしませんのでご安心を」

ウェイバー「さて、次は何を食べようかな…」

66: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 02:05:16.94 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「デザートで終わりにしようかな。京わらびもち…ジャパンのスイーツだな。これにしょう。ランサーはどれにする?」

ディルムッド「では私はカリカリさつまいもを」

ウェイバー「お、いいね。ジャパニーズスイートポテトか」

ウェイバー「ところでランサー、さっきからどうしたんだ?」

ディルムッド「いえ、どこからか迷い込んだ幼な子が足元にまとわりついてきて…」

ウェイバー「お前、口が聞けないのか…?」

ちびアサシン「…」

ウェイバー「ジャパンじゃ見慣れない褐色の肌の子供か…」

ディルムッド「おそらく浮浪者かと。いかがしますか、我が主?」

ウェイバー「しょうがないな。とりあえず保護しよう。お前、スシは食べるか?」

ちびアサシン「…」コクン

ウェイバー「か、かわいい…」

ディルムッド「ですね」

71: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 02:09:56.57 ID:q2OOUTLH0
ちびアサシン「…」ムシャムシャ

ウェイバー「それにしても良く食うな」


ディルムッド「見たところ、薄着一枚に足は裸足…。貧しい暮らしが想像できますし、きっと食事も満足にとれていなかったのでしょう…」

ウェイバー「そうか…」

ちびアサシン「モグモグ」

72: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 02:12:50.56 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「ところでランサー。お前、僕がマスターだからステータスが軒並み低かったよな?」

ディルムッド「ええ。実際、セイバーが間近にいたのにも気付けないほどです」

ウェイバー「それってやばくないか?残ったのはアサシンの陣営だぞ?もし接近されていたとしたら…」

ランサー「ハッ!?気付くことさえできない!?」

ウェイバー「危ない、僕が気付いたからいいようなものの、気をつけてくれよな、ランサー」

ディルムッド「すみません」

78: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 02:19:50.57 ID:q2OOUTLH0
綺礼「おや、うちのアサシンがお邪魔したようだね」

ウェイバー「えっ?あ、あんたは教会の神父さんの息子の…」

綺礼「言峰だ。アサシンのマスターをしている」

ウェイバー「まさか戦いに来たのか!?やれ、ランサー!」

ディルムッド「よいしょぉ!」ザクッ

綺礼「ぐぇぇ」

ちびアサシン「…」シュワァァ…

ウェイバー「幼女が消えた!?まさかサーヴァントだったのか!?」

ディルムッド「スシ屋の片隅には聖杯も出現しています、マスター」

ウェイバー「うえぇ、汚いもので溢れてる…。僕は聖杯戦争を勝ち抜いて満足だからランサー、お前にやるよ」

ディルムッド「私も既に願いは叶えられたので不要です」

86: 以下、\(^o^)/ でVIPがお送りします 2014/03/16(日) 02:24:55.05 ID:q2OOUTLH0
ウェイバー「だよな…。まあ、あんな禍々しい気を放ってるしろくなものじゃないだろ。ランサー壊してくれ」

ディルムッド「よいしょぉ!」パカーン

ウェイバー「さて、僕はこれから時計塔に帰って武勇伝を披露してくるけど、ランサーはどうする?」

ディルムッド「はい、実は先ほど聖杯の泥を浴びたせいか現世での肉体を得てしまって…。行くあてが…」

ウェイバー「お前は僕のサーヴァントだ。だろ?」

ディルムッド「ついていってもよろしいのですか?」

ウェイバー「あったりまえだろ。その生涯をもって僕に仕えてくれ」

ディルムッド「聖杯戦争に参戦できてよかった…。望みが叶うだけではなく、その後の騎士道まで約束されているとは…」


引用元: ディルムッド「我が主よ、今宵はスシでも…」ウェイバー「いいねえ」