55: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:31:57.76 ID:bUQpFXIo
花陽「買っちゃった……」

花陽「年齢確認された時にドヤ顔で免許証出すのって…快感…かも……」

花陽「では…火をつけましょう」カチッ

花陽「あれ?なかなかタバコに火がつかない?」

花陽「愛煙家の皆さんは一瞬でタバコに点火してるのに…」

花陽「うーん…」ジジジ

花陽「あ、つきました!」モクモク

花陽「よし!吸ってみましょう!」スー

花陽「あれ?そんなに苦しくない?」ハー

にこ「ちょっとあんた!何してんのよ!」

花陽「は、花陽はもう未成年じゃありません!」

56: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:35:03.07 ID:bUQpFXIo
にこ「そういうこと言ってんじゃないわよ!」

花陽「す、すみません……」

にこ「タバコ吸うのは花陽、あなたの勝手よ?」

花陽「はい…」

にこ「でもね…」

花陽「……」

にこ「吸うなら吸うでちゃんとしなさい!」

花陽「はい……って、え?」

にこ「だから吸うならまともに吸いなさいって言ってんの」

花陽「ちゃんと?」

にこ「はぁ…花陽、あんたそんなんもわかってないでタバコ買ったの?」

花陽「ごごご…ごめんなさいっ!」

58: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:38:33.56 ID:bUQpFXIo
にこ「いい?にこがお手本見せてあげるから一本よこしなさい」

花陽「はい…」

にこ「ん…じゃあいただくわ」

カチッ…シュボッ…

にこ「ふぅ~」プカァ~

花陽「一瞬でタバコに火が……」

にこ「マイセン1ミリってこんなに薄いのね…」スゥ~

花陽「マイセン?これはメビウスだよ?」

にこ「どっちでもいいわよめんどくさいわね…」フゥ~

花陽「よくわからないけどごめんね…」

にこ「謝ることじゃないわよ」スゥ~

花陽「でもでも!やっぱり薄いよね!花陽、初めて吸ったのに平気だったもん!」

にこ「いや、あんた吸ってないでしょ」フゥ~

花陽「え?」

にこ「さっき見てたけどふかしてただけじゃない」スゥ~

花陽「ふかす?」

61: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:41:41.73 ID:bUQpFXIo
にこ「ちゃんと肺に入れてないってこと」フゥ~

花陽「肺に…入れる?」

にこ「そ。煙を吸い込んで息をするように肺に取り込むの」スゥ~

花陽「息をするように……」スゥ~

にこ「そうそうそのまま肺に入れるの」フゥ~

花陽「ゲホッ!ゲホゲホゲホッ」

にこ「あははははははっ」

花陽「うぅ~びっくりしたよ~」

にこ「じゃあ次はむせるの我慢してみなさい」スゥ~

花陽「う、うん!」スゥ~

にこ「……」フゥ~

花陽「……」ピクピク

にこ「……」グシャ

花陽「……」フゥ~

65: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:46:40.12 ID:bUQpFXIo
にこ「どうだった?」

花陽「なんだかクラクラしたよぉ~」

にこ「それがヤニクラってやつよ」

花陽「ヤニクラ…」

にこ「そ、ヤニを吸ってクラっとするからヤニクラ」

花陽「も、もう一回…」スゥ~

花陽「……」フゥ~

にこ「どうよ?」

花陽「ちょっとわからないからもう一回…」スゥ~

花陽「……」フゥ~

68: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:53:51.60 ID:bUQpFXIo
花陽「にこちゃん…」

にこ「なによ?」

花陽「この感じ…癖になるね!」

にこ「あ~あ……」

花陽「え?どうしたの?」

にこ「花陽、あんたもう戻れないわよ」

花陽「戻れない?」

にこ「うん、タバコ無しの生活にね……」

花陽「でもにこちゃんは?」

にこ「みんなに見えないとこで吸ってんのよ」パクッ

カチッ…シュボッ…

ぷかぷかぷか…

ふぅ~~

71: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 23:58:43.04 ID:bUQpFXIo
花陽「え?なにその黄色いの!?」

にこ「ん?これ?これはアメリカンスピリットっていうの」

花陽「アメリカン…スピリット?」

にこ「そ、これはライトね」

花陽「ライトってことは軽いの?」

にこ「吸ってみる?」

花陽「うん!」

花陽「……」スゥ~

花陽「あれ?全然吸えないよ?」

にこ「葉っぱが詰まってるからよ」

にこ「添加剤とか入ってないから燃えにくいの」

にこ「そうね…深呼吸するように吸ってみたら?」

74: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:06:42.10 ID:BsJnJes8
花陽「うん…」スウウゥゥ~~

花陽「ゲホッ!ゲホゲホゲホ」

花陽「なにこれ!凄く強いよ!」

にこ「まぁ8ミリだからね」スゥ~

花陽「は、はちぃ!?」

にこ「8ミリくらいがちょうどいいわよ」フゥ~

にこ「軽すぎず重すぎずね」

花陽「8ミリかぁ…」

花陽「クラクラするよぉ~」

にこ「まぁそのうちタールキツイの買うようになるわよ」スゥ~

花陽「そんなもんなのかなぁ?」

にこ「そんなもんよ」フゥ~

75: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:08:45.78 ID:BsJnJes8
花陽「でもにこちゃんのそれ、煙は薄いよね?」

にこ「薄くないわよ?」スゥ~

にこ「……」フゥ~

にこ「ほらね?」

花陽「ほんとだ…」

にこ「アメスピは独特の吸い方があるからしょうがないわ」スゥ~

にこ「そのかわり…」フゥ~

にこ「無添加タバコならではのおいしさがあるのよ」

花陽「そうなんだ……」

にこ「アメスピのおいしさを知るともう他のタバコには戻れないわね」

花陽「にこちゃん…そのタバコ好きなんだね…」

76: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:16:02.09 ID:BsJnJes8
にこ「ええ」

にこ「でもね、一つだけ許せないことがあるの」

花陽「許せないこと?」

にこ「なんでソフトからボックスに全面移行したのよ!」

にこ「ソフトの方が好きだったのに…」

花陽「ソフト?」

にこ「あんたのそのマイセンみたいなやつのことよ」

花陽「なるほど…でも花陽はこだわりはないかなぁ…」

にこ「そりゃそうよ。今日初めて吸ったんだから」

にこ「携帯するうえでソフトの方が好きなのよ」

にこ「ボックス派の人はソフトだとタバコが曲がるとかいうけどね」

にこ「そんなとこに入れなきゃいいのよ」

にこ「ボックスだって箱が潰れれば中身も無事じゃないのは同じよ」

78: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:19:39.07 ID:BsJnJes8
にこ「それにソフトの方が味わいがいい気がするもの」

花陽「ええ!?そうなの!?」

にこ「あくまで気がするよ、気がする」

花陽「ええ~」ジトー

にこ「なによその目…」

にこ「いいじゃない!別に!」

にこ「あくまで気分なんだから!」

にこ「それに…ソフトの方がタバコって感じがするじゃない……」

花陽「にこちゃん…タバコが大好きなんだね……」

81: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:28:51.16 ID:BsJnJes8
にこ「タバコが好きなんじゃないの」

にこ「にこはアメスピライトが好きなの」

花陽「そ、そうなんだ……」

にこ「あ!あともうひとつ許せないことがあるの!聞いて花陽!」

花陽「な、何かな?」

にこ「最近、小さい文字が見えなくってコンビニで番号じゃなくて銘柄で言ったのよ」

花陽「うん…」

にこ「アメスピライトくださいってね」

花陽「うん…」

にこ「そしたらコンビニバイトのバカったら、メンソール持って来やがったのよ!?」

にこ「誰もメンソールなんて言ってないのに!」

花陽「まぁ間違いなら誰でも…」

82: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:33:58.38 ID:BsJnJes8
にこ「いいえ!一回ならまだ許せるわよ」

にこ「他のコンビニでも同じことが何度もあってもうなんなの?」

にこ「あんたが持ってきたそれはアメリカンスピリットライトじゃなくてアメリカンスピリットライトメンソールでしょうが!」

にこ「メンソールなんて一言も1ミリも言ってないのに!」

花陽「タバコだけに1ミリって?」

にこ「はぁ?バカにしてんのあんた」

花陽「ご、ごめんね…そういうつもりで言ったんじゃ…」

にこ「……」

カチッ…シュボッ……
ぷかぷかぷか……スゥ~……フゥ~………

にこ「ごめん、花陽…やっぱりどうでもいいわ……」

にこ「それにこんなことが何度かあってからは頼む時はアメスピの黄色って言ってるし」

花陽「うん…」

83: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:40:24.83 ID:BsJnJes8
にこ「まぁあんたも吸いなさいよ」カチッ

花陽「あ、うん!ありがとね」パクッ

花陽「う~ん…」

にこ「どうしたのよ?」

花陽「にこちゃんみたいにうまく火がつけられないの」

にこ「あぁそんなことね」フゥ~

にこ「ふつうにタバコを吸うように、吸い込みながらだと簡単につくわよ」

花陽「やってみる!」

にこ「はい」カチッ

花陽「……」スゥ~

花陽「わぁ!ほんとだ!簡単についた!」

花陽「すごいよにこちゃん!」

にこ「はいはい…どういたしまして」フゥ~

85: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:47:10.34 ID:BsJnJes8
花陽「ところでにこちゃんはなんで火付ける時にぷかぷかぁ~ってするの?」

にこ「ん?あぁさっき言った通りアメスピって無添加タバコなのよ」

花陽「うんうん」

にこ「だから燃えにくいの」

にこ「燃えにくいってことは火もつきにくいの」

にこ「だから最初は軽くふかしてやって火を安定させるのよ」

花陽「へぇ~」

にこ「油断すると本当に失火しちゃうから」

にこ「まぁある種アメスピ点火の儀式みたいなものね」

88: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:50:28.66 ID:BsJnJes8
花陽「てっきりただのかっこつけかと思ってたよ」

にこ「まぁ…にこは少しかっこつけてるけど……」

花陽「あ、やっぱり?」

にこ「う、うるさいねぇ!」

にこ「そんなことより星が綺麗ね…」

花陽「曇ってるけど……」

にこ「……」

花陽「あ…なんかごめんね…」

にこ「気を使わないでいいのよ花陽…」

にこ「ちょっとかっこつけてみたかっただけだから……」

89: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 00:58:00.77 ID:BsJnJes8
花陽「でもなんかこういうのっていいね…」

にこ「そうね……」

花陽「静かで…落ち着く…」

にこ「夜風に当たりながらタバコをふかしてる時間だけは本当に誰にも邪魔されない至福のひと時よ」

花陽「それに、にこちゃんとタバコを吸いながらゆっくりお話し出来て嬉しいな……」

にこ「私もよ…」

にこ「よく絵里とドライブして休憩がてら星を見ながら一緒に一服してるの」

にこ「よかったら今度一緒に行く?」

花陽「一緒に行っていいなら花陽も行きたいな!」

にこ「もちろんよ」

90: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 01:04:14.62 ID:BsJnJes8
花陽「やったあ!」

花陽「っていうか絵里ちゃんも吸うんだね…」

にこ「意外?」

花陽「ちょっと…」

にこ「絵里はストレス抱え込むタイプだから…」

にこ「私がタバコ教えたらあっという間にのめり込んだわ」

花陽「へぇ…絵里ちゃんは何吸ってるの?」

にこ「絵里はアラスカを吸ってたわ」

花陽「アラスカ?」

92: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 01:16:12.92 ID:BsJnJes8
にこ「まぁもうないんだけどどうしてもアラスカ吸ってるイメージなのよ」

にこ「今はイナズマ吸ってるんだけどね」

花陽「うん…よくわからない!」

にこ「私もメンソール好きじゃないからよくわからないわ」

花陽「あぁ…終わっちゃった……」グシャ

にこ「ふぅ~」

花陽「あれ?にこちゃん、私より先に吸い始めたよね?」

にこ「ふっふっふ…これがアメスピなのよ」

花陽「どういうこと?」

にこ「無添加タバコで燃えにくい」

にこ「これだけじゃいいイメージないでしょうけど、その分葉っぱが詰まってるのよ」

93: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 01:28:02.78 ID:BsJnJes8
にこ「おいしくて燃焼時間も長くていいことづくめなのよ」

花陽「にこちゃんがアメスピ大好きなのがよくわかったよ」

にこ「まあ他のタバコよりちょっとだけ高いけど、そんなの気にならないわ」

にこ「むしろ他のタバコは燃焼時間短くて本数増えるから高くつくし」

花陽「なんかわかる気がする」

にこ「まあこれは後付けの理由ね」

にこ「にこはアメスピの味とアメスピがくれるゆったりした時間が好きなのよ」

花陽「そうだね…にこちゃんリラックスしてるもん」

にこ「そう、アメスピならではの至福の時間よ」

花陽「知る人ぞ知る…だね」

にこ「そうね…でも最近は取り扱ってるコンビニも増えてきたし助かるわ」

にこ「数年前までは何件か回らないといけないこともあったし」

96: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/05/31(日) 01:31:56.00 ID:BsJnJes8
にこ「ふぅ~」グシャ

にこ「お待たせしました」

にこ「それじゃ、帰りましょうか」

花陽「うん」

にこ「悪かったわね。アメスピのことばっかり語っちゃって」

花陽「ううん、にこちゃんとお話し出来て楽しかったよ」

にこ「そう…それじゃあ私こっちだから」

花陽「うん、ばいばい」

にこ「気をつけて帰りなさいよ~」

花陽「は~い」



~終~



引用元: 花陽「つ、ついにタバコをかっちゃいました・・・・」