1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 17:44:52.30 ID:FxxAvjZf0
「があああああああ!!」 ド ン

キョン「うおおおおおおおお」サッ

当たったら死ぬ!

「こっちだノロマめ!」

今度はジャンプシュートかよ。

「ムン!!!」 ド ン

キョン「のおおおおおおおお」バッ

ズドォォォォォォン……!!!!

間一髪よけた相手のシュートは床をえぐってめり込んだ。
お前ら念使いか!?
グリードアイランドのレイザーか!?

──こんなことになったのも元はハルヒの発案による。

それは数日前のこと……

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 17:52:23.84 ID:FxxAvjZf0
ハルヒ「ドッジボールをするわよ!」

キョン「いきなりなんだ?」

ハルヒ「市内大会が開かれるらしいのよ。このチラシを見て!」

ハルヒがまたイベントを見つけてきたらしい。
しかし一体全体運動部でもない俺たちにどうしてスポーツで勝負させようとするんだ。
ちなみに優勝賞金は10万円らしい。

古泉「おやおや、ドッジボールとは懐かしいですね」ニコニコ

長門「……」

みくる「ド、ドッジボール……ですか。それって、えと、うーんと」

朝比奈さんは知らないようだ。まあ知らない方が朝比奈さんのためでもある。

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 17:54:54.90 ID:FxxAvjZf0
ハルヒ「そう!野球の時は途中棄権しちゃったけど、今回こそは優勝よ!そろそろSOS団の名を世界へと轟かす第一歩を踏み出さなきゃいけないと思ってたの」

ハルヒ「ドッジボールなら高校でクラブなんてないし、私たちでも条件は同じ!優勝したも同然よ」

なぜそうなるのか納得させるだけの論理的説明がほしいところだが、本人はどうやら本気のようだ。

キョン「何人でやるんだ?」

ハルヒ「最低7人だから助っ人が必要かしらね。鶴屋さんやあんたの妹に頼みましょ」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 17:55:32.93 ID:FxxAvjZf0
また鶴屋さんたちか。
それにしても俺の妹なんか間違いなく戦力的に大きなマイナスだぞ。
本気で優勝する気ならもっと肩が強いヤツとかスカウトした方がいいんじゃないのか?

ハルヒ「あんたも相変わらず馬鹿ねえ。万年平団員だけあるわ。いい?SOS団はどこぞの馬の骨とも知れないヤツがおいそれと入れるところじゃないの!あたしと面識がある人間か、もしくはそれに準ずる者じゃないと認めないわよ」

ハルヒ「じゃああたしは忙しいから先に帰るわね。決戦は土曜日よ!」

そういって我らが団長はドリカムの決戦は金曜日を鼻唄しながら帰っていった。

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 17:56:01.68 ID:FxxAvjZf0
~キョン宅~

キョン「……というわけでドッジボールの市内大会があるんだが、お前も来るか?数あわせなんだが」

妹「うわあ、楽しみ!わたし好きだよ、ドッジボール。あとね、クラスにドッジボールがすごい上手いコが転校してきたんだぁ。そのコも誘ってみるね!」

上手いと言っても小学生だ。
ま、期待しないでおくにこしたことはない。一人くらい多めにいた方がいいだろうしな。

妹「髪が赤くてねえ、すっごい元気なの!ドッジボールやるといつもその子のチームが勝つんだよー」

髪が赤い、ということにいささかの不安を覚える。
が、数合わせに過度な要求をしても仕方がないことはハンタが毎週連載されるのを期待することと同じくらい無駄なのでこの祭よしとしておこう。
別に無理に優勝する必要はないしな。

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:04:09.08 ID:FxxAvjZf0
~翌日~

ハルヒ「キョン、妹ちゃんの都合はどうかしら」

キョン「皮肉なことにOKだとよ。さらにはドッジボールが上手いクラスメイトも連れてくるって言ってたぜ」

ハルヒ「ふん、あんたと違ってなかなか優秀ね。妹ちゃんが連れてくるコならまあいいでしょ。そもそもあたしさえいれば優勝間違いなしなんだけどね!」

小学生の部分には突っ込まんのか。

ハルヒ「鶴屋さんはどう?みくるちゃん」

みくる「あっあの鶴屋さんはその……用事があるらしくて……ダメだそうです」

ハルヒ「ふーんそれじゃあ残念だけど仕方ないわね。登録人数さえ満たしてれば問題ないわ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:04:35.19 ID:FxxAvjZf0
男子二人・女子三人・小学生二人の面子で問題がないらしい。しかしハルヒが言うと冗談に聞こえないのが凄いところだ。

ハルヒ「それじゃあ面子もなんとかなるみたいだし、さっそく練習にとりかかりましょ!ドッジボール部なんてウチにないし、今回はハンド部で我慢ね。岡部の部活なんかに負けてられないわよ!」

みくる「えっそそそそそれじゃあ今すぐ着替ますね」

ハルヒ「いーのみくるちゃんはマスコットキャラなんだから!ほら皆もいくわよー」ガシッ

ハルヒはそのまま朝比奈さんをズルズルと校庭に引きずっていった。
メイド服でスポーツという斬新な発想は俺としても捨てがたいので止めないでおこうか。

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:17:51.00 ID:FxxAvjZf0
~ハンド部コート~

ハルヒ「たのもー!!」

とびきりの笑顔でこのあいさつだ。スマン、ハンド部の諸君。今日の練習は諦めてくれ。
ハンド部の連中は監督の指示に従って声を出しながら前後左右上下にチョコマカ動く練習の最中だった。
いつも思うのだがハンド部がよくやるこの練習は滑稽だ。
笛を吹いていた顧問の岡部が怪訝な顔でこちらにやってくる。

※みくる以外体操着に着替えてます

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:18:14.02 ID:FxxAvjZf0
岡部「なんだ、涼宮たちか……って何だその格好は!?」

みくる「うぅ……はうぅ……」////

岡部「お前ら、ヘンテコな同好会を作ってるって話は聞いてたが一体全体何の用だ?練習の邪魔だけはしないでくれ」

ハルヒ「先生、あたし達今度ドッジボールの試合に出るんです。それで、練習相手になってもらいたいんですけど」

岡部「何言ってんだ、俺たちの練習にならないだろ。さあ帰った帰った」

ハルヒ「ははーん、負けるのが怖いんですね先生?いいわ、もしそっちが勝ったらみくるちゃんをマネージャーとして献上します!これでどうですか?」

みくる「ふぇ?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:18:42.04 ID:FxxAvjZf0
部員A「マジで!?やりましょう先生!」

部員B「メイド服とマネージャー……我々はこれであと10年は戦えるッ!!」

部員C「当 方 に 迎 撃 の 用 意 あ り」

色めき立つハンド部たち。そうなるのは当然だがそんなことは俺が許さないけどな!

岡部「ああもうわかった……仕方ない、ちょっとだけ相手してやれ」

部員D「You cannot escape......from us!」ワイワイ

部員E「夢にときめけ!明日にきらめけ!」ガヤガヤ

岡部「お前ら盛り上がりすぎ」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:32:44.73 ID:FxxAvjZf0
ハルヒ「勝負はドッジボールでいいですよね。こっちは五人しかいないから5対5でやりましょう」

俺はこの時までハルヒの力を過小評価していたようだ。
いや、ハンドボール部の連中を過大評価していたのか。
ハンド部と言ってもウチは弱小だったことを忘れていた。
ちなみに聞くところによるとハルヒはスポーツテストでハンドボール投げ40m超をたたき出したらしい。

俺?30mも飛ばなかったが悪いか。

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:33:06.11 ID:FxxAvjZf0
しかし何のことはない、いつも通りだ。
俺はほぼ何をすることもなく、ハルヒ一人で5人全てアウトにしていくのを呆然と眺めていた。
ハンド部は試合前こそ典型的な引き立て役のごとく勝った気同然でいたが、ハルヒの圧倒的なセンスと実力により瞬く間に蹴散らされ意気消沈していた。
唐沢拓三かお前ら。

岡部「お前ら……今日は全員シュートノック連続30本だ。達成するまで帰さんぞ」

部員達「……メイドが……メイドマネの夢が……」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:33:29.67 ID:FxxAvjZf0
岡部顧問にきつい(と思われる)練習を言い渡された可哀想なハンド部員たちを尻目にさっさと退散することにする。
このまま残っていると岡部教諭の熱烈な勧誘が始まってしまいそうだからだ。
対象はハルヒだけだが。

ハルヒ「あれじゃイマイチ練習にならないわねー。」

ハルヒ「でも男子ハンド部であの程度じゃ市内大会に出てくるチームも楽勝ね!優勝賞金の10万円はどうしようかしら。今から考えとく必要があるわね、先に帰るわよ」

そう言い残しハルヒは風神のごとく家に帰っていった。
ハンド部にしてみれば悪夢以外の何者でもない。
それにしても、優勝が現実味を帯びてきたってのも悪くない話だな。
賞金の使い道はハルヒに決定権があるのでどうせ俺にメリットはないんだけどな!

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:37:09.36 ID:FxxAvjZf0
~SOS団部室~

古泉「改めて実感しましたが、やはり涼宮さんは何をやらせても並外れた才能をお持ちですね。僕にとってはこのまま本番でも存分に楽しんでもらって気持よく優勝してもらいたいです」

キョン「今回は確かにそれもありえるな。だが先に行っておくがインチキは絶対なしだぞ。あくまで実力でだ。長門、そういうことでいいか?」

長門「いい」

みくる「あのぅ……ドッジボールってボールを人にぶつけるんでしょうか?あの……その、あたしそういうの今回が初めてで」

キョン「大丈夫ですよ朝比奈さん。野球に比べたら全然痛くないし、いざという時は俺が守りますよ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:37:35.76 ID:FxxAvjZf0
朝比奈さん「うん……お願いしますね」

そう言って朝比奈さんは不安気な眼差しを返してくれた。
あまり信用されてないのが丸分かりで少しショックだったが、ドッジボールで死ぬことはないんですよ。

長門「……」

キョン「どうした長門?」

長門「なんでもない」

キョン「そうか」

……俺は長門が見せた微かな表情の変化の意味を、この時はまだ知る由もなかった。

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:45:24.87 ID:FxxAvjZf0
そして試合当日。

ハルヒ「とうとう来たわね!みんな、気合入れていくわよ!!」

妹「わあいハルにゃんたちだー!」

みくる「うふ、今日も元気そうですね」

妹「あ、そうだハルにゃんたちに助っ人を紹介するねー」

弾平「よっす!オイラ弾平ってんだ。よろしくな!」

キョン「ぶぼっ!」

飲んでいたポカリを思いっきり吹いた。

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:46:43.16 ID:FxxAvjZf0
──名は一撃弾平。現在小学五年生。

──幼少児から父親の墓石とキャッチボールを重ね小柄ながら強力無比なシュートを放つ。

──小学四年時に全国小学生ドッジボール選手権にて優勝。

──得意技は回転ショットと炎のシュート。

──コロコロコミックにて89年~94年にかけて連載され当時小学生の間でドッジボールブームを巻き起こした。


古泉「……といったところでしょうか」ボソボソ

解説などいらん。従兄弟の家で昔よく読んだ。
それよりもこれはどういうことだ?

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:48:02.42 ID:FxxAvjZf0
長門「涼宮ハルヒが情報改変を行った」ボソボソ

長門「時期はおよそ一週間前。彼が登場する漫画を読んだことが直接の原因。うかつ」ボソボソ

朝比奈「漫画……そういえば鶴屋さんが涼宮さんに漫画を貸したって言ってました」ボソボソ

頭が痛い。漫画に影響されすぎだろう。
てことは今回ドッジボールをやることになったのもその影響か。

ハルヒ「ちょっとあんた達何しゃべってんのよ?」

キョン「試合の戦術をだな……」

ハルヒ「ならみんなで話しなさいよ!ていうかあんたドッジボールの戦術とか知ってるわけ?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:49:41.57 ID:FxxAvjZf0
弾平「小細工なんかいらねえぜ!おいらのシュートでぶっ飛ばしてやる!」

ハルヒ「なかなか威勢がいいわね。合格よ、あんた」

弾平「へへへ、久しぶりにドッジできるなんておいら張り切っちゃうぜ」

ハルヒ「フフン、あたしたちが目指すのは優勝だけ、良い働きを期待してるわよ!」

弾平「まかしときな!おいら父ちゃんの旅についてって転校してきたんだけど、闘球部がなかったもんだからウズウズしてたんだよ!」

……親父さんと旅してるのか。そういや墓石まであるのに実は生きてたっけな。

弾平「ところでなあ」

ハルヒ「なに?」

弾平「おいらの分のメシねーかな?腹減っちまってよー!」

そういやこいつはハルヒとは違うベクトルでフリーダムだったな。

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:56:36.04 ID:FxxAvjZf0
みくる「うふふ、あたしのお弁当でよければありますよ」

弾平「ひゃっほーメシだー♪サンキューねーちゃん!」ガツガツ

こ、こいつ朝比奈さんの弁当を一人で食べやがって……!!

古泉「彼は熱血・豪快・大食漢と児童漫画のツボを抑えたキャラでしたからね。それよりも対戦相手を確認してきましょう」ボソボソ

よくない。俺の今日唯一の楽しみがこれで消えたぞ。

古泉「えーと……一回戦はおや、北高ハンド部さんですね。リベンジに来たようです」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 18:57:08.66 ID:FxxAvjZf0
ハルヒ「いい度胸してるわね、もちろん返り討ちにしてあげるんだから!いい、いくら助っ人がいるからって頼っちゃダメよ。SOS団で勝利の栄光を掴んでこそなんだからね」

あいにくだが俺にそんなやる気はない。
お前が呼び寄せた漫画のキャラが大活躍するだろうよ。間違いなく。

ハルヒ「しっかしあんたの髪真っ赤ねえ。どうやったらこうなるのかしら」

弾平「何がだ?ところでこのメシうめーなあ!」ガツガツバクバク

ハルヒ「食べっぷりもいいわね。今は小さいけど将来大きくなるわよ」

相変わらずの噛み合わない会話を聞いてるうちに試合時間となった。

赤い髪の毛は確かに珍しいが身近に緑色の人もいるのでそこは突っ込まないでおこう。

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:01:21.97 ID:FxxAvjZf0
~一回戦~

SOS団・ハルヒ キョン みくる 古泉 長門 キョン妹 弾平
北高ハンド部・ハンド部員7人

ハンド部A「借りを返すぞ涼宮!」

ハンド部B「それと勝ったら約束してもらうぞ」

ハルヒ「約束?何よ一体」

部員一同「俺たちが勝ったらそのメイドさんをください!!!!!」

みくる「ええぇ~!?」

※みくるだけメイド服です

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:18:36.52 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「何よ勝手に約束なんか取り付けてきて!プライドってもんはないの?」

どの口でそれを言うか。

ハルヒ「……まあいいでしょ。はん、上等よ。その代わりあたし達が勝ったら何か一つ言う事聞いてもらうわよ!」

みくる「うぅ……あたしの意見は……」

普段なら止めに入るところだが、ハンド部は勝手に敗北フラグを立ててくれたので良しとしよう。

ハルヒを挑発するなんぞ自殺行為同然の愚行でしかない。

もうどうなってもしらんぞ!

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:19:20.53 ID:ptMG56tu0
審判「……それでは試合をはじめます」

審判「ゴー ファイト!!」

何も審判までドッジ弾平風にならなくても……


~一分後~

弾平「だあああああああ!!!!」 ド ン

バキッ!
ハンド部「ぐぐ……」

審判「ヒット!この試合SOS団の勝利!」

ハルヒ「アンタたち話にならないわね。あとであたしの言う事に絶対服従してもらうわよ」

試合内容については言うことはない。

案の定助っ人(小学五年生)とハルヒ(高一女子)の大活躍により一瞬で勝負はついた。

それよりヤツの投球時の奇声はどうにかならんのか?

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:19:54.99 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「ちょっと!勝つには勝ったけどアンタたちも活躍しなさいよね!特にキョン、ただつっ立ってるだけじゃ存在意義すらないわ。小学生の方が活躍してるわよ!」

無茶苦茶言いやがる。

投げたボールで骨折など朝飯前、岩石を砕いたり地面をボコボコにえぐったりする漫画だぞ?

そもそも俺にだけ文句を言わないでくれ。お前ら二人以外何もしとらん。

妹「弾平くん、さすがだねぇー」

弾平「へへへ、まーなまーな!でもオイラまだまだ本気じゃねえぞ」

男子高校生より速い球を投げる小学五年生の発言は、しかし巨大な墓石を破壊したりする原作から考慮するとそれも冗談には聞こえず、この先怪我なく終われればと俺は切に願った。

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:27:57.44 ID:ptMG56tu0
弾平「なあねーちゃん、おいらもっと張り合いのある奴らと試合してーぞ!」

ハルヒ「あんた小学生のくせに何者なのよ?それとボール投げる時うるさいわよ」

ハルヒ「でも確かにこれじゃ張り合いないわね!もっと白熱した勝負ができる相手はいないかしら」

余計なことを言うな!!

長門「……」

キョン「長門?どうしたまさか……」

長門「……また世界が改変されはじめた。当初の予測以上の変化が起きると考えられる」

ほらな!言わんこっちゃない!

ハンド部A「……なあ、あの小さいの小学生なのか?」

ハンド部B「俺もうスポーツ自体辞めようかな……」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:28:34.36 ID:ptMG56tu0
弾平「おめえら、ドッジを馬鹿にするヤツは許さねーぞ!」

ハンド部「!?」

弾平「ドッジは敵に背中を見せたら負けなんだ、いいな」

ハンド部「……」

ハンド部はなんだかよくわからないが熱い(小学五年生の)説教を受けてさらに絶望の底へと叩き落とされたようだった。
ていうか別に馬鹿にしてないよな今の。


~その頃北高では~

岡部「おい!部員はどこに行った!?おーい!!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:37:01.87 ID:ptMG56tu0
古泉「素晴らしい試合でしたね涼宮さん。ところで次の相手はどちらでしょうか」

???「わたしたちです」ザッ

キョン「!?」

キョン「お、おまえら……」

佐々木「やあキョン、すまないね橘さんの頼みを断わりきれなくて」くつくつ

ハルヒ「ちょっと、なんでまたあんたらがいるのよ!」

橘京子「またお会いしましたね。今日はお手柔らかにお願いしますね!」

そこには佐々木団のメンバーが勢揃いしていた。
勝手にこじれていく問題に現実逃避したくなってきた。

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 19:38:47.55 ID:ptMG56tu0
キョン「なぜいつも俺たちの行く先々に現れるんだ?」

橘京子「えー別にいいじゃないですかぁ」

佐々木「ドッジボールなんて小学校以来なもんだから楽しもうと思ったんだが、助っ人の人たちがとても上手くてやることがなくてね」

キョン「助っ人って……?」

橘京子「わたしの知り合いのツテを辿って探してきたんです」ニコッ

キョン「……!」

お、お前らはー!?

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:17:58.85 ID:ptMG56tu0
五大「ふん、久しぶりだな一撃弾平。今度こそ風間小のドッジを見せてやろう」

伊集院「ふふ、久しぶりだねおチビちゃん」

賢木豹「おまえがそこにいたのは風が教えてくれた」

羅門「……」←イメトレ中

く……この状況はどう理解すればいい。チートキャラが四人もいるだと……!?

弾平「よう!久しぶりだなおめーら!試合で会うなんて奇遇だなー」

弾平「へへ、でもおいら燃えてきたぜ……!」メラメラ……

ハルヒ「なに、知り合いなのあんた?……まあいいわ、あたしも燃えてきたわよ……!」ゴゴゴゴゴ……

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:18:14.29 ID:ptMG56tu0
羅門「ウォーミングアップを始めるぞ」

五大「よかろう。風間小のウォーミングアップを見せてやろう」

伊集院「きええええええええい!!」ビュン!

賢木豹「ムッ」バシィ!

賢木豹「行くぞ羅門」ビュッ!

羅門「いい球だ!」バシィィィン!

キョン「これは……」

古泉「当たったら骨どころじゃすまなそうですね……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:18:35.78 ID:ptMG56tu0
みくる「ええええええええ、こっこんなことって……」

妹「うわあ、すっごい速いねえ~」

朝比奈さんは青ざめていて妹は事態を理解していない。これは本格的に危険だ。

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:21:22.31 ID:ptMG56tu0
プルルルルルル

古泉「おや、森さんからのようですね」

古泉「はい、ええ。……!ええ、わかりました。すぐに向かいます」

古泉「涼宮さん、申し訳ありませんがどうしても外せない急用が入ってしまいましたので僕はこれで失敬させてもらいます」

ハルヒ「えっ試合はどうなるの?」

古泉「心配ご無用です。僕の知り合いが急遽選手を三人ほど探してくれまして、そろそろ会場に着く頃だそうです」

古泉「……涼宮さんと佐々木さんの邂逅直後に炎のボールを投げる神人が大量発生したそうです……。というわけなので、あとはよろしく頼みますよ」

そう言い残して古泉は去っていった。
正直同情するぜ。

えーと、ところで肝心の代替選手はどこにいるんだ?

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:21:42.82 ID:ptMG56tu0
???「俺たちならもうここにいるぜ!」

またこのパターンか。

陸王「おれは力を信じる……力のある者が勝つのさ!」

嵐「へっ、力の差を見せつけてやるぜ……!」

大河「ふふふ……僕が本当の闘球(ドッジ)を教えてあげよう」

キョン「……」ズーン

もう帰りたい……。

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:31:18.22 ID:ptMG56tu0
弾平「お、おめえら!どうしてここに!?」

陸王「よう弾平じゃねえか。知り合いに試合に出てくれって頼まれてな!」

嵐「同じチームでやるのは初めてだな」

大河「ふふ、弾平君とはつくづく縁があるようだね」

涼宮「なんなの?また知り合い?偶然は重なるものねえ」

その偶然はお前が呼んでるんだよ!

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:31:35.58 ID:ptMG56tu0
キョン「なあハルヒ、朝比奈さんや俺の妹があの連中のボールを受けるのは危険だ。彼ら三人に代わりに出てもらうことにしないか?」

ハルヒ「うーんまあいいわ。有希は大丈夫そうだけど、確かにみくるちゃんと妹ちゃんじゃ当たったら怪我しそうだものね。でもあんたはちゃんと出なさいよ!」

言われなくても出るさ。人数ギリギリだしな。

陸王「弾平、あいつら……?」

大河「プロドッジ選手の羅門と伊集院。それに風間小の五大と玄武小の賢木だね。す、すごい面子だ……」

弾平「ああ!みんな過去に対戦したけどすげえ奴らばっかだった……」

嵐「ふん、ブラックアーマーズキャプテンとして負けられねえな」

彼らも燃えてきたようだ。頼もしいのだがそれ以上に恐ろしい。

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:32:12.72 ID:ptMG56tu0
~二回戦~

SOS団・ハルヒ キョン 長門 弾平 陸王 大河 嵐
佐々木団・佐々木 橘京子 周防九曜 羅門 伊集院 賢木豹 五大

※藤原はやる気がないので不参加です


ジャンプボール

SOS団・陸王
佐々木団・羅門


審判「それでは二回戦を開始します」
審判「ゴー ファイト!」

陸王「……ッ!」
羅門「もらったぞ!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:49:23.88 ID:ptMG56tu0
五大「風間小のスピードプレイを見せてやろう」

五大「ムン!」 ド ン ←ボールを投げる音

ズドォォォォォォン ←ボールをキャッチした音
大河「ぐっ」 ザザザザ…… ←ボールに押されて足が滑った音

大河「さすが風間小……だが負けるわけにはいかないね!」

大河「スカイショット!」 ド ン

ズドォォォォォォン
羅門「……!」 ビリビリ

羅門「ふふ、プロの俺にここまでやるとは……」

羅門「しかしノンプロにやられてたまるか!があああああ!」 ド ン

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:50:46.60 ID:ptMG56tu0
……
…………
……………………

佐々木「なあキョン」  陸王「沈め!プレスショット!!」 ド ン
ゴォォォォォォォ
キョン「何だ?」  五大「ビッグアローショット!」 ド ン
ズォォォォォォォン
佐々木「暇じゃないか?」  嵐「トルネードショット!!」 ド ン
ヴィィィィィィン
キョン「そうだな」  弾平「炎のシュートだぁぁぁぁぁぁ!」ド ン
ギュンギュンギュンギュン
佐々木「私が思うに」  伊集院「きええええ!」 ド ン
ゴォォォォォォォ
佐々木「彼らは物理法則を超越している」  大河「スカイショット!!!」 ド ン
ゴォォォォォォォ
佐々木「これも涼宮さんの力なのかい?」  羅門「ローリングストーンショット!!」 ド ン
ギャァァァァァン
キョン「……ノータッチで頼む」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:51:25.93 ID:ptMG56tu0
ズレやがった……orz

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 20:56:25.40 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「こらー!キョン、試合中に敵と話してんじゃないわよ!!」

いやだってこの中に入り込むのは無理だろう。

陸王のシュートは床を破壊するし嵐のシュートで服は切れるし賢木は「風がお前たちの動きを教えてくれる」とか電波なこと言ってる。ここ屋内だけどな!

などと考えてるうちに内野は俺とハルヒだけになっていた。
その間の過程はこうだ。

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:00:24.62 ID:ptMG56tu0
陸王は五大のビッグアローショットを「いい球だ、嬉しくなるぜ」とキャッチし逆にパワーショットでぶっ飛ばしたが伊集院の高速変化球を捕りそこなってヒット。(ちなみに流血)

嵐はスピントルネードショットを繰り出し佐々木と橘京子の腕をかすめてヒットにした(火傷になったらしい)が、羅門のローリングストーンショットに潰された。

大河はすかさずハイパーダイビングショットで羅門をヒットにするがシュート後倒れているところを賢木のスピンドリルショットで貫かれた。(ちなみに大流血)

ここまで五分の勝負。弾平は必殺の炎のシュートで賢木を狙うも「これは強い風だ……」と間一髪かわしたため外野は誰もとれず相手ボール。
逆にスピンドリルショットでヒットされてしまった。

このものすごいオールスター対決はできれば漫画で読みたかったぜ。

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:01:15.40 ID:ptMG56tu0
現在こっちの残りは俺、長門、ハルヒ。
相手は賢木豹、周防九曜。

相手はまだ一人漫画キャラが残っている。
こっちにも長門がいるじゃないかって?

いや、この試合長門は何もしていない。
というのも長門は長門で周防のチート対策に全精力を費やしているたからだ。

つまり俺とハルヒだけでこの局面をなんとかしなければいけない。
とりあえず立っているだけ(のように見える)周防にコツンと当てて残り一人にしてやったが、これで相手ボール。

これからどうすればいい?
ワットシュダイドゥー!?

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:06:15.38 ID:ptMG56tu0
賢木豹「……ふふふ、久しぶりに俺の闘志にも火がついた……」

賢木豹「この炎はきさまらの血を見るまでは消えない!!」クワッ

うるせーハゲ!!小学生のくせに!
俺とハルヒは何もしてないだろ!

……ここでようやく話は冒頭にもどる。

俺は内野と外野を行き来する殺人的なボールに手を出せるわけがなく、相変わらず逃げまわるのに精一杯だった。

ハルヒですら「何なのよこれ……」と困惑している。

長門は自分の身だけは守れるようで間一髪かわしている。

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:15:41.09 ID:ptMG56tu0
弾平「くっそー!逃げてるだけじゃ勝てねえぞ!」

賢木豹「ちょこまかと……戦う気のない者は去れ!」 ド ン

キョン「こっちは死にたくないんだよ!」
ゴオォォォォォ
キョン「うおおおおお!」バッ

必殺技でなくても十分殺人クラスの球を間一髪かわした。
だが──

パシィ
五大「ならば俺がヒットしてやる!」

五大「ムン!」 ド ン

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:15:58.06 ID:ptMG56tu0
やばい!このままじゃハルヒに当たる!

ハルヒ「いやあ!キョンなんとかしてっ!!」

そう思った瞬間俺はハルヒをかばうために身を投げ出していた。
南無三……短い人生だったな……。

……
…………
………………

……あれ?当たっていない。

……前を見ると長門が人智を超えた豪速球をキャッチしていた。

長門「間一髪。今の(ハルヒの叫び声)で隙ができた。」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:16:13.52 ID:ptMG56tu0
長門「今のうちにあなたに抗情報改変組織結合体を注入する」ガブッ

キョン「うおっ!」

反応する間もなく噛み付かれた。
ハルヒは……見ると気絶していた。

……なにやら"力"が急激に湧いてくる……!!

賢木豹「き、きさま一体何を?さっきまでと同じヤツとは思えない……」

キョン「さっきまでとは違うぜ……、俺は超(スーパー)キョンだ」

賢木豹「!?」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:16:34.97 ID:ptMG56tu0
キョン「遊びは終わりだ!」

キョン「H.F.B(ハリケーン・ファイアー・ボール)!!」 ド ン

ギュオオオオオオオオオオン

ズドォォォォォォン!!
賢木豹「ぐっ……は」
バタリ

審判「そこまで!試合終了、SOS団の勝利!」

キョン「やった……!」

チートはダメと自分で言っていたくせに結局チートで勝ったところが情けないが、ハルヒを守るためだったので良しとしておこう。

ちなみにH.F.B(ハリケーン・ファイアー・ボール)はボンボンでドッジ弾平と同時期にやっていたドッジボール漫画の技だ。

知らないという苦情は受け付けん。

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:25:52.47 ID:ptMG56tu0
みくる「わあああ、無事に終わってよかったです……」

妹「キョンくんすごかったよぉ!ドッジボール上手いんだねえー」

妹よ、そういうレベルじゃないんだぞ。

弾平「やった!すげえやにーちゃん!」

陸王「ははは、いい勝負だったな!」

嵐「へっ、なかなかやるなアンタも」

助っ人たちからも祝福される。悪くない気分だ。
ただしもう一度言っておくが彼らは「小学生」だということを忘れないでほしい。

敬語使え。

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:26:10.76 ID:ptMG56tu0
橘京子「あたしたち、今日何しに来たんだろ……」←実はただハルヒにちょっかい出しに来ただけ

キョン「これに懲りたんならもう俺たちに関わらないことだな」

佐々木「くつくつ、まあいいじゃないか。わたしは面白いものが見れたからよかったよ」

えーと、そりゃどういう意味だ?

佐々木「とりあえず私たちはこれで帰らせてもらうよ。キョン、また近いうちによろしく」

もうしばらくは今回のようなことは起こってほしくないな。

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 21:26:34.32 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「う~ん……」

キョン「よう、目覚めたか」

ハルヒ「あ、キョン……。あたし、あんたが守ってくれたあと……ハッ」///////

自分で思い出して勝手に赤くなっている。なんか俺も恥ずかしいじゃないか!

ハルヒ「何よ!団員が団長を助けるのなんて当たり前なんだからね!」///////

キョン「まあ無事に終わったんだから何でもいいさ。早く帰ろうぜ」

ハルヒ「何言ってんのよ!次が決勝でしょ?」

キョン「!?」

そうだった……話の流れ的にすっかりEDを迎えたもんだと思ったけどきっちり「二回戦」と書かれていたっけな……。

もうさすがにしんどいがここまで来たら俺も優勝したくなってきた。やってやるよ!

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:06:53.82 ID:ptMG56tu0
>>66
thx
風呂入ってた

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:07:37.89 ID:ptMG56tu0
鶴屋「あっはは!やっほーハルにゃん!いい試合だったさっ!」

ハルヒ「鶴屋さん!今日は用事があったんじゃないの?」

鶴屋「いやあこの前は断っちゃってゴメンよ!実はこれがあたしの用事なのさっ」

ハルヒ「……てことは」

キョン「……決勝の相手は」

みくる「ええええと鶴屋さんですか!?」

鶴屋「そうよん♪あたしはただの応援で試合に出るのは友達だけどね」

鶴屋「くにおくん!こちらあたしの友達のハルにゃんたちだよっ!」

くにお「なめんなよーっ!」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:08:19.23 ID:ptMG56tu0
キョン「……」

キョン「……」

キョン「……長門、ちょっと」

長門「これも涼宮ハルヒの情報改変による。ゲームソフトが原因。うかつ」ボソボソ

みくる「ゲーム……そういえば鶴屋さんが涼宮さんにゲームソフトを貸したって言ってました」ボソボソ

どうやら決勝も一波乱ありそうだ。
それにしても鶴屋さんのレトロ愛好家っぷりにもほどがあるぜ。

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:08:48.49 ID:ptMG56tu0
鶴屋「あははっ!くにおくんはちょっと恥ずかしがり屋さんなのさっ!ごめんね」

鶴屋「他の皆もこっち来て自己紹介しておくれっ」

りき「くにおだけにいいカッコさせねえぜ」

へいるまん「ビーッグボス ツルヤ ニタノマレテ アナタガタヲタオシマースネ オーケー?」

もるどふ「ハラショー!」

ごだい「うら!うら!うらー!」

やまだ「全国の山田さんには申し訳ないが俺が悪の大ボスのやまだだ!」

とびやま「くにおに頼まれたから来ました」

面子が凄すぎて涙が出てくる。

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:10:06.90 ID:ptMG56tu0
弾平「へっ、今度の相手は高校生みてえだな。相手にとって不足はねえぜ!」

大河「……あの人は……ドッジボール世界大会で優勝したという熱血高校の滝くにおさんでは……?」

嵐「あの、伝説の……?あっちはアイスランド代表のへいるまんとソ連代表のもるどぶか」

今はロシアだけどな。

陸王「すげえ相手だな……!へへ、決勝も楽しめるってこった!」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:16:12.53 ID:ptMG56tu0
~決勝戦~

SOS団・ハルヒ スーパーキョン 長門 弾平 陸王 大河 嵐
鶴屋さんと愉快な仲間たち・くにお りき へいるまん もるどふ ごだい やまだ とびやま

ジャンプボール
SOS団・陸王
鶴屋さんと愉快な仲間たち・りき

いつの間にか現れた東審判長「それでは試合をはじめます!ゴー ファイ!!」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:35:21.77 ID:ptMG56tu0
陸王「もらったぜ……!」バッ

陸王「このままヒットだ!がああ!」

出た!ジャンプボールで奪うなりそのまま当てにいくという陸王さんの荒業だ!

りき「甘いぜ坊や。マッハパンチ!」シシシッ!

これがマッハパンチか……あのショットを弾き返すなんて……でも。

東審判長「ヒーット!」

そりゃそうなるよな。

鶴屋チーム   SOS団
  6   ─  7

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:36:02.02 ID:ptMG56tu0
くにお「バカヤロウ!俺らのゲームとは違ってライフ制じゃねえんだよ!」

ハルヒ「ライフ制?何の話かしら」

メタ発言はやめろ!

くにお「今度はこっちからいくぜっ」

くにお「ナッツショットだ!!」ピキュウ ゴオォォォォ

これは……ジャンプして投げ下ろす弾速の速いくにおの必殺シュートか!

大河「くっ」バキィ!

大河「うう……僕のスカイショット以上の威力だ……」

鶴屋チーム   SOS団
  6   ─    6

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:36:43.69 ID:ptMG56tu0
嵐「もう出し惜しみはしねえ……!」

嵐「スピントルネードショット!!」 ド ン
ヴィィィィィィン
ごだい「うらーうらー!こんなの打ち返してやんよ!」スッ カキーン!

東審判長「ターイム!ごだいくんバットの使用により失格!退場!」

ごだい「なめんなよーっ!?」

くにお「大バカヤロウ!!!!!!バットなんかなんで持ってんだよ!?」

ごだい「しく しく しく……」

しめた、向こうのチームは頭が悪いようだ。
まあほとんどヤンキーだからな。

鶴屋チーム   SOS団
  5   ─    6

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:41:14.12 ID:ptMG56tu0
東審判長「SOS団ボールからはじめます」

弾平「てめえら……ドッジを馬鹿にしやがって……!」

弾平「ボールの内なる力を活かしたとき指先から炎がほとばしる……!」

そんな前置きいらん。

弾平「炎のシュートだ!」 ド ン
ギュンギュンギュンギュン
やまだ「俺か!?」

やまだ「だが……」ニヤ

やまだ「やまだのじゅつ!」ブインブイン

長門「……」スッ

やまだ「あっれー!?」
バキィ!!
長門「超能力は禁止」

東審判長「ヒット!」

鶴屋チーム   SOS団
  4    ─   6

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:41:40.63 ID:ptMG56tu0
やまだ「そ、そんなばかな……俺の悪のパワーが通用しないなんて……げろろんぱ」

くにお「ダメだこいつら……早く何とかしないと……」

へいるまん「コノママデハ ビーッグボス ツルヤ 二 シカラレマース」

へいるまん「モルドフ ココハ タノミマース ネ」

もるどふ「ハラショー!」

もるどふ「ハ!」ダダダッ

もるどふ「ラ!」バッ

もるどふ「ショー!!」 ピキュウ ゴオォォォォ

あっしゅくシュートか!ていうか解説一々面倒なんですけど!

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:49:13.59 ID:ptMG56tu0
……っておい、ハルヒ狙いかよ!

ハルヒ「!!」

嵐「くっ大将をヒットされてたまるか!!」バッ
バキィ!
嵐「ぐぐ……」

弾平「あ、嵐!!」

ハルヒ「あ、あんた……あ、ありがとう……」////////

嵐は原作で宇佐美をかばったときの再現をしたようだ。
※原作8巻p103参照

ハルヒをかばったのはファインプレーなんだが複雑な気分なのはどういうわけだ?
小学生に守られて照れるなそこ!

鶴屋チーム   SOS団
  4    ─   5

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:49:50.37 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「キョン!!嵐くんの敵討ちよ!やり返してあげなさいっ!」

わかってるよ。燃えるなんてガラじゃないが俺だってたまには……!

キョン「ラストローリングストーンビッグアロードリルショット!!!」 ド ン
ゴォォォォォォ
とびやま「……」サッ

か、かわした!?

とびやま「だって俺ドッジボール部じゃないからキャッチとか無理」

大河「……彼のことは聞いたことがあるぞ」

し、知っているのか大河ー!?

大河「大雪山高校ホッケー部のとびやまと言ったらカナダのプロチームも注目している超高校級選手という噂だ……」

いけいけ熱血ホッケー部か!胸が熱いな……!

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 22:54:12.63 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「何やってんのよバカキョン!相手ボールじゃないの!」

くっ……長門にチートパワーをもらってる最中だというのに。

りき「俺にパスをくれ!」

りき「へへ……さっきはまっはパンチで墓穴を掘っちまったが今度はな!」
ダダダッ
りき「アッパーシュート!」 ピキュウ ゴオォォォォ

長門「……」サッ パシ!

りき「え?」

これは相手が悪い。
花園の番長には悪いがウチの長門は漫画以上のチートキャラでね。

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:03:02.91 ID:ptMG56tu0
陸王「やるな姉ちゃん!あとは俺に任せとけ」

長門「そう」
ガッ
陸王「があああああ!」 ド ン
ゴォォォォォォォ
もるどふ「!?」 バキィ!

もるどふ「ハ ハラショー……」

陸王は得意のパワーショットでもるどふを粉砕した。

しかしあの投げる前にボールを潰す動作には何の意味があるのだろうと毎度ながら疑問に思う。
俺も小学生時によく真似したが普通に投げた方が普通に速かったぜ!

鶴屋チーム   SOS団
   3    ─   5

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:08:15.38 ID:ptMG56tu0
くにお「てめえら……やるな!」

くにお「へいるまん!見せてやれ!」

へいるまん「モズオトシシュート イキマース。オーケー?」
ダダダッ バッ
へいるまん「ハイッ!」ピキュウ ゴオォォォォ

弾平「す、すげえ球だ!」
バキ!
弾平「ぐっ……」

ポ───z___ン コロコロ

東審判長「弾平くん、ヒット!」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:08:58.08 ID:ptMG56tu0
くにお「また俺らボールだ!」
ダダダッ バッ
くにお「ハイッ!」ピキュウ ゴオォォォォ

今度はかんつうシュートか!

陸王「いい球だぜ……!」ドォォォォォォン

陸王「……ッ!」ポトッ コロコロ

東審判長「陸王くんヒット!!」

鶴屋チーム   SOS団
   3   ─   3

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:18:32.48 ID:ptMG56tu0
これでこっちはハルヒ、俺、長門のSOS団メンバーだけになった。
あっちはくにお、へいるまん、とびやまの三人だ。

と、ここで今まで珍しく大人しくしていたハルヒが投げさせろと言い出した。

ハルヒ「キョン、今日は助っ人に頼りっぱなしだったけど団長として納得いかないわ。ボールちょうだい」

ハルヒが俺なんかよりもいい球を投げるのはわかっているが、あのチートキャラ達には間違いなく通用しないぞ……。

それどころかその後の反撃で危険な目にあいかねない。

さて、どうするか?

ハルヒ「早くしてよ」

……!

キョン「よしわかった」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:22:15.44 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「アンタ達覚悟しなさい!」

ハルヒ「えーい!」ダダダッ ビュッ

と、ここで俺は猛然とハルヒが投げたボールに向かってダッシュ、ボールに追いつきさらに速度を加えて相手に投げつけるという手段に出た。

へいるまん「ノー!?」バキィッ

跳ね返ってきたボールでさらにとびやまもヒットする。

そう……今の俺は"スーパーキョン"だ。

ドッジ弾平読んでて初めて役に立ったぜ。
※原作16巻p25参照

東審判長「ヒット!」

鶴屋チーム   SOS団
   1   ─   3

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:25:35.38 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのシュート邪魔しないでよ!!!!!!」

ハルヒは割と本気でご立腹だ。

むしろ感謝してほしいくらいだがこのままじゃハルヒが不満を残したまま終わってしまう。それはハルヒにとっても俺たちにとっても精神衛生上よろしくない。

……!!
またまた名案。

キョン「長門、ちょっと耳貸してくれ……」ゴニョゴニョ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:25:57.06 ID:ptMG56tu0
くにお「俺一人か……だが熱血高校ドッジボール部として負けられねーな」

くにお「全力のナッツシュートで決めてやるよ……」

大河「くっ、彼のショットを止められる者は今の内野にはいない……」

嵐「万事休すか」

弾平「てめえらー死んでも捕れー!!」

ダダダッ バッ
くにお「なめんなよ!!」ピキュウ ゴオォォォォ

大河「あ、あれは」

嵐「合体!?」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:26:39.71 ID:ptMG56tu0
球を!!

ハルヒが止め!!

キョンは後ろに立つだけ!!

長門が全てのサポートをする!!

バキュゥゥゥゥ────────────────ン!!!!!!!

観客「うおおおおおおおおおおお!!」

観客「すっげえええええええええ!!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:31:05.41 ID:ptMG56tu0
大河「一見三人の力を合わせたように見えるが……」

大河「99%仕事をしたのはあの無口な少女!!」

陸王「脱帽……だな」

嵐「恐ろしい才能……!おそらく俺があの域に到達するのは20台後半……」

外野が好き勝手なこと言ってるがハルヒには力を合わせて捕球したように思わせられたので万事OKだ。

ていうかお前ら小学生のくせにうるせえ。

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:35:28.22 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「あんた達なかなかいいサポートだったわよ」ニコニコ

ハルヒ「そしてあいつをヒットしなきゃ勝ちにならないわね」

ハルヒ「あたしが決めるわよ……!」

ハルヒ「ハイパースピンパワースカイトルネード炎のシュート!!!!!」 ド ガ ン
グォォォォォォォン
くにお「な、なめんなよー!」ズドォォォォォン!!!!!

くにお「ぐぐっ」ズザザザザザザザ

キョン(長門!今だ!)

長門「……」スッ

くにお(!?……足が滑る!?)ツルッ

ポトッ コロコロ……

東審判長「ヒット!ゲームセット、この試合3-0でSOS団チームの勝利とする!」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:36:07.25 ID:ptMG56tu0
弾平「やったぜー!!」

陸王「いい試合だったな」

嵐「へっ、久しぶりに熱くなれたな」

大河「おめでとう、みんな」


まあ解説すればこうだ。

さっき奴のシュートをキャッチした際に俺に注入してあった抗情報改変なんちゃらをハルヒにも入れてくれるよう長門に頼んでおいたのだ。

インチキはなしだと言っておいて最後まで長門頼みだったな、スマン。

まあ本当の原因は自分で収拾つけられなくなった作者にあるんだけどな。

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:36:42.33 ID:ptMG56tu0
みくる「みんな……無事でよかったですぅ~」シクシク

みくる「あたし……あたし……毎回役に立てなくて本当にごめんなさい……」

ハルヒ「いいのよみくるちゃん、ちょっとだけ相手も強かったしね。今回は大目に見てあげるわ」

ちょっとだけなのか。

妹「おめでと~キョンくん!弾平くんも格好よかったよ!」ニコッ

弾平「うっ!いや……へへ……まーなまーな!」

おいてめえ妹に手を出したら承知せんぞ。

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:37:14.28 ID:ptMG56tu0
鶴屋「あっはっはっはっ!めがっさいい試合だったよっ!おかげで楽しく観戦できたよー」


そういや鶴屋さんのチームだったっけな。

負けても楽しめればOKなところは鶴屋さんらしいよ。


くにお「く……負けたぜ……だが次は負けねえぜ」

くにお「よーしお前ら、来年の試合に向けて今から練習だぁーう!!」

とびやま「だから俺ホッケーが本職だって……」


俺はもう会いたくないっつーの。

そして世界改変も何とかして元に戻すっつーの!

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:37:40.80 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「みんな!賞金の10万円よ!これで打ち上げに行きましょ」

ハルヒ「キョン、今回はあんたもちょっと活躍したわね!褒めてつかわすわ」

ハルヒ「……格好良かったんだから」ボソッ

キョン「ん?何か言ったかハルヒ?」

ハルヒ「うっさいわね!何でもないわよ!」

キョン「一時は気絶までしたけどすっかり元気になったな」

ハルヒ「うー、うー、うるさいわよっ!!」////////////

ブンッ

ばか!今のお前はスーパーハルヒ…………

ボグッ!

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:38:13.03 ID:ptMG56tu0
……
……………
……………………

キョン「……」

キョン「あれ?ここは?学校?」

ハルヒ「ようやく起きたわね。何も覚えてないの?あんたハンド部のボールを顔面で受けて今までのびてたのよ?」

ハルヒ「まったく運動神経ゼロなんだから!団長として恥ずかしく思うわ」

キョン「……ドッジボールの大会は?」

ハルヒ「だからそれに向けた練習をしていたんじゃないの!試合は今度の土曜日よ」

キョン「……そういうオチか」 ズーン

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:39:06.83 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「は?何言ってんの?いよいよ本格的に頭おかしくなったのかしら?」

ハルヒ「あんたがそんなんじゃいよいよ心配ね。大会までに練習するわよ。せめてキャッチくらいはできるようにならないとね」

ハルヒ「ほら!いくわよキョン!」


やれやれ。チートキャラを召喚されるよりはマシか。

毎度のことだが命の危険はこりごりだぜ。

……まあそういう時のサポートは嫌いじゃないがな。

長門、悪いがその時は協力してくれ。


長門「……」

長門「時空改変に少しだけ失敗した……」

キョン「!?」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:39:32.97 ID:ptMG56tu0
弾平「よう兄ちゃん、道に迷っちまってよ。ここどこだ?」

賢木豹「お前が気絶していたのは風が教えてくれた……」

へいるまん「ヘイユー アイスランド ハ ドチラデースカ?」

ハルヒ「アンタ達だれ?」

キョン「……」

キョン「……」

キョン「……」

キョン「長門さーん?」

長門「失敗は誰にでもある」ボソボソ

キョン「いやそうだけどな」ボソボソ

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/26(月) 23:40:30.96 ID:ptMG56tu0
ハルヒ「ちょっと何内緒話してんの!?さっさとドッジボールの練習するわよ!」

弾平「ドッジ!?おいらもやるぞー!」

賢木豹「ふふ……全ては風が導いてくれる……」

へいるまん「ワタシモ キョウリョク シマース」



そうして……ドッジにかけたみんなの熱い戦いが、時のすぎゆくままにつづけられた……


キョン「もう疲れた」


         お し ま い

引用元: ハルヒ「ドッジボールをするわよ!」