1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:02:55.83 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「本当に!?本当にあたしが魔法少女になれるの!?」ブンブン

QB「あ、あんまり揺さぶらないでくれないかな」ガクンガクン

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:05:25.53 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「夢みたい…今まで探し続けてきた不思議がこんなに急に現れるなんて!」

ハルヒ「やっぱり継続は力なりってことね!!」ブンッブンッブンッ

QB「僕は目が回るとかそういうことはないけど不快なことに変わりは無いから振り回さないでくれよ」グルグル

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:07:25.65 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「しかも魔法少女になる代わりに願い事をかなえてもらえるなんて至れり尽くせりじゃない!」

ハルヒ「それってどんな願い事でもいいの?」

QB「君の潜在能力からしてかなり大きな願い事もかなえてあげられると思うよ…ふう」

ハルヒ「そっかあ…あーでも急にそんなこと言われると困っちゃうわね、逆に」

ハルヒ「自分でかなえてこそ、ってのもあるしなあ~どうしよっかなあ~」ニヤニヤ

QB(早く魔女になってくれないかなこの子……)

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:09:26.83 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「うーん……うーん……」

QB「まあ、今すぐに決めろとは言わないからじっくり考えるといい」

QB「僕は君が契約を望めばいつでも駆けつけるよ」

ハルヒ「そう?じゃあ今日いちにち考えてみよっかなあ…」

ハルヒ「とりあえず学校行かなくちゃだしね」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:12:07.29 ID:CsSlW4O50

――学校

谷口「それでよー!とうとう俺にもなー!彼女がなー!!」

国木田「はいはいよかったね。ねえいつまでもつか賭けない?」

キョン「三日に150円」

国木田「じゃあ僕一時間に200円」

キョン「強気に出たな…」

谷口「酷くね?あれ?お前ら酷くね??」

ハルヒ「……彼女、ねえ」

キョン「ん?ああハルヒ来てたのか。おはよう」

ハルヒ「とりあえずその賭けあたし五分に300円賭けとく」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:14:48.35 ID:CsSlW4O50

谷口「ええいお前らみてろよ絶対今回はあんなことやこんなことにまでこぎつけてやるんだからな!」

ハルヒ「うっわ最低ね」

国木田「はいはい頑張って頑張って」

キョン「しっかし谷口に彼女なあ……」

ハルヒ「なによ、あんた興味あるわけ?」

キョン「まあそういうお年頃だからな」

ハルヒ「……ふーん」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:16:37.02 ID:CsSlW4O50

キョン「なんだよ」

ハルヒ「なんでもないわよ」

国木田「涼宮さん今日なんか機嫌いいよね。なにかいいことでもあった?」

ハルヒ「べっつに!」

キョン「確かにいつもなら俺らがこんな会話してる時点で一蹴だもんな」

谷口「文字通り一蹴だからな…スカートであの蹴りはねえよなあ」

ハルヒ「お望みなら今お見舞いしてあげてもいいのよ」ジリッ

谷口「あっ俺今日日直だったWAWAWA~!」ダッ

ハルヒ「ちっ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:18:58.32 ID:CsSlW4O50

――放課後

ハルヒ「ほらキョンさっさと行くわよ!」

キョン「あー悪い。ちょっと今日は所用があってだな……」

ハルヒ「はあ?神聖なるSOS団の活動をサボろうっての?」

キョン「そういうわけじゃあないんだが、今日は欠席させてもらう」

ハルヒ「……」

ハルヒ「ま、いいわ。好きにしなさい」

キョン「すまんな。じゃあまた明日」

ハルヒ「んー」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:23:57.48 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「……」ポポパポ

ハルヒ「もしもし古泉くん、今日の団活中止ってみんなに伝えといてくれる?お願い。キョンはもう知ってるから有希とみくるちゃんにだけでいいわ。じゃあねー」プッ

ハルヒ「……よしっと」

ハルヒ「かえろ」

QB「あれ?なにか落ち込んでるみたいだね」

ハルヒ「わひゃあ!」ビクッ

谷口「わぎゃあ!」ビクッ

ハルヒ「な、なんであんたがここにいるのよ!」

谷口「自分の教室に居て何がおかしいんだよ!?」

ハルヒ「あんたじゃないわよあんたじゃ!」

QB「ああ、魔法少女の素質の無い人間には僕は見えないからね」

ハルヒ「それを先に言いなさいよ!!」

谷口「こいつはいったい誰と喋っているんだ…」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:27:21.43 ID:CsSlW4O50

QB「ここじゃあ君にとって場所が悪いね」

QB「とりあえず移動しようよ。これ以上注目を浴びてしまうと後で君が困るんじゃないかな」

ハルヒ「言われなくても今帰るところよ!」ズカズカズカズカ

谷口「……あいつの電波っぷり、多少は収まったような気がしてたんだが」

谷口「俺の気のせいか。くわばらくわばら」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:30:27.37 ID:CsSlW4O50

――ハルヒ宅

QB「で、僕と契約してくれる気にはなったかい?」

ハルヒ「元々契約する気はありありよ。ただお願いごとがあんま思いつかなくて」

QB「ふうん。珍しいね。普通は契約するかしないかで散々悩むんだけど」

ハルヒ「普通って……もしかしてこの世界に魔法少女はいっぱいいるってこと!?」

QB「そうだよ。少なくとも一町に一人はいるかな。たまに例外もあるけどね」

ハルヒ「そんなに多いの!?」ガシィ

QB「く、苦しいよハルヒ」

ハルヒ「気易くあたしの名前呼ばないで!」ビターン

QB「わけがわからないよ……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:32:45.17 ID:CsSlW4O50

QB「まあとにかく、願いを言ってもらえなくっちゃあ契約はできないんだ」

ハルヒ「とりあえず契約しといてお願いはあとで、とかは駄目なの?」

QB「駄目だね。まず願いありきの契約なのさ」

ハルヒ「ふーん。面倒ねえ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:35:56.32 ID:CsSlW4O50

QB「悩んでる時間が勿体ないね。ちょっと見学にでも行ってみるかい?」

ハルヒ「見学?」

QB「ああ。少し足を延ばして他所の町の魔法少女を見に行くんだ」

QB「ちょうど魔女もあらわれたみたいだし」

ハルヒ「魔女?魔女ってなによ!魔法少女の他にもまだそんな面白そうなのが居るの!?」

QB「あれ?説明してなかったかな」

QB「魔女っていうのは絶望を巻き散らす怪物さ。魔法少女はそれを倒す役目があるんだよ」

ハルヒ「そんな大事なこと説明しないなんてあんたセールスマンとして失格じゃないの」

QB「君が有無を言わせず僕を掴んで振りまわしたんじゃないか」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:40:29.14 ID:CsSlW4O50

QB「――さ、着いたよ。ここが結界の入り口d」

ハルヒ「きゃっほー!!」ダッ

QB「ちょ、ちょっとハルヒ!」

ハルヒ「なにここすごい!すごい!こんなの常識的に考えてありえない!!」

ハルヒ「不思議だわ!!とびっきりの不思議だわ!!!!」

QB「わけがわからないよ」

QB「言っておくけどねハルヒ、」

ハルヒ「気易く名前呼ぶなって言ったでしょ!」

QB「もういいや。怪我だけはしないようにね」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:43:54.75 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「ねえねえなにあれ!なにあの変なの!」

QB「あれは魔女の使い魔だよ。あんまり近付くと攻撃してくると思うから騒ぎ立てないで」

ハルヒ「あっ!あっちの方からなんか凄い音がするわ!行ってみましょうよ!」

QB「まったく……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:50:10.41 ID:CsSlW4O50

魔女「」グネグネグネ

ハルヒ「ううわあーなにあれ!なにあれ!!なんか悶えてる!」

QB「ああ、ちょうど終わりそうだね」

QB「調子はどうだい、キョン」

ハルヒ「は?」

キョン「え」

魔女「」ドカーン

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:54:08.37 ID:CsSlW4O50
ハルヒ「キョ、キョ、キョ、キョン!? はあ!? え、なんであんた、はああぁ!?」

キョン「おいこらキュゥべえどういうことだなんでハルヒがここにいるんだよ」

QB「ちょっと新しい魔法少女を引き入れようと思ってね」

ハルヒ「説明しなさいよなんであんたがこんなところにいんのよ!!」

キョン「ふっざけんなよだからってこんなとこによりにもよってハルヒ連れてくるとかお前…!」

QB「とりあえずキョン、変身を解いたらどうだい」

QB「いくらパンツルックとはいえちょっと町中でするには目立つよ、その衣装は」

キョン「うわあああああ」

ハルヒ「あれっあの変な空間から戻って来てる…」

QB「魔女を倒したから結界が解けたんだよ」

ハルヒ「ふーん。っていうかそんなことはどうでもいいわ!早く事情を説明しなさい!!」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:57:28.99 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「なーにが魔法少女よ。キョンは正真正銘の男よ男!」

QB「魔法少女という名称に関してはそれ以外に形容する言葉が無いからね」

キョン「しにたい」

QB「別に魔女と戦ってくれれば男だろうと女だろうと関係ないのさ」

ハルヒ「魔法使いとかでいいじゃないの」

QB「それだと少し意味合いが違ってくる」

ハルヒ「だいたいあたしに黙ってこんな楽しそうなことやってたなんて許せないわ!」

キョン「鬱だ…」

QB「ああキョン、ソウルジェムが濁ってるよ。グリーフシードを使った方がいい」

キョン「うるせーよ元はと言えばお前が悪いんだろうがよ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:01:44.31 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「ソウルジェム?グリーフシード?なによそれ」

キョン「お前何も知らずに契約しようとしてたのか」

ハルヒ「?」

キョン「キュゥべえ……」

QB「だって、聞かれなかったからね。わざわざ説明することでもないと思って」

キョン「ほんとお前タチ悪いよな」

QB「そうかい?」

ハルヒ「あたしを置いて話を先に進めるんじゃないわよ!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:05:46.66 ID:CsSlW4O50

キョン「……とにかく一度関わったからには説明が必要か」

キョン「かといってこんな話そこらの喫茶店じゃできんしな」

キョン「俺の家でいいか。このすぐ近くだし」

ハルヒ「えっキョンの家!?」

キョン「ああ。誰も居ないからもてなしは出来んが」

ハルヒ「だ、だれもいないですって」

キョン「おい変な意味にとるんじゃない」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:11:33.14 ID:CsSlW4O50

――キョン宅

ハルヒ「おっじゃまっしまーす!」

ハルヒ「あれ?そういえば妹ちゃんなんでいないの?この時間帯ならもう小学校終わって、…あ」

ハルヒ「……ごめん」

キョン「気にすんな。今はもう大事とってるだけだからな。明日明後日には無事退院だよ」

ハルヒ「そっか。よかった」

ハルヒ「そしたら盛大に妹ちゃんの退院祝いやんなきゃね!」

キョン「そうだな」

QB「あの子もかなり素質ありそうだから僕としてはあの子にも契約してほしいところ」

キョン「ぶっ殺すぞ」

QB「物騒だねえ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:15:15.84 ID:CsSlW4O50

キョン「油断も隙もありゃしねえ」

キョン「いいかハルヒ、絶対にこいつとは契約するなよ」

ハルヒ「なんでよ」

キョン「魔法少女だの願いをかなえるだの言ってるがこいつは悪魔みたいなもんだからな」

キョン「よっぽど切羽詰まった願いがないんならやめとけ」

QB「でもハルヒは魔法少女になりたいんだろ?」

ハルヒ「なりたいわよ!こんな面白いこと見逃せるわけがないじゃない!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:19:00.39 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「だいたいキョンだって契約してるくせに何言ってんのよ」

キョン「俺は……それ相応に必死の願いがあったからな」

キョン「わらにでも悪魔にでもカミサマにでもすがりつきたい気分だったのさ」

キョン「実際助けてくれたのが悪魔だったってんだから笑えないが」

ハルヒ「……そんなに魔女との戦い、危険なの?」

キョン「倒す魔女にもよるが、少なくとも安全ってことはないな」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:28:56.72 ID:CsSlW4O50

キョン「とにかく安直な気持ちで契約するのはやめてくれ」

キョン「俺は後悔もなにもしてないが…今のお前のテンションで契約したら、絶対に後で悔やむことになる」

ハルヒ「……」

ハルヒ「……わかった。今はやめておく」

QB「あれ、やめちゃうのかい?まあ僕は無理強いはしないけどね」

ハルヒ「そのかわり!私を毎回魔女退治の時に連れて行きなさい!」

キョン「ことわる」

ハルヒ「なんでよ!」

キョン「危ないからに決まってるだろ!」

ハルヒ「むう……」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:33:53.38 ID:CsSlW4O50

キョン「……もうだいぶ日も暮れてきたし、送る」

ハルヒ「良いわよ別に。ひとりで帰れるから」

キョン「そうか。……重ねて言うが絶対にあいつの話は聞くなよ」

ハルヒ「もーわかってるってば!うっさいキョン!おやすみ!」バタンッ




キョン「……おいキュゥべえ。なんであいつをわざわざ俺のところにつれてきた」

キョン「俺があいつを魔法少女にするのに賛成するとでも思ったのか?」

QB「まさか。ただどうせなら顔見知りのところに連れていく方がいいかなと」

キョン「……」

QB「ほら、早く魔女を探しに行かないと」

QB「キョンの妹が入院している病院にでもとりつかれたら大変だよ?」

キョン「……化け物が」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:37:00.61 ID:CsSlW4O50

――翌朝

ハルヒ「ふぁ……結局ろくに眠れなかった……」

QB「やあ!」

ハルヒ「きゃああああああ」

QB「おはようハルヒ!さっそくだけど願いごとは決まったかい?」

ハルヒ「あ、あんたとは契約しないって言ったでしょ!」

QB「嘘だね。本心では契約したくてしたくて仕方ないんだろう?」

QB「大丈夫だよ。契約しちゃえばキョンだって笑って許してくれるさ」

ハルヒ「あああもううるさいわよあっち行って!」

QB「僕はいつでも君の願いを受け付けるからね!」

ハルヒ「最悪の目覚めだわ……」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:19:13.42 ID:CsSlW4O50

――
――――
――――――


「もう助からないんですって」

   「新薬の開発が」         「可哀想に…まだあんなに小さいのに」

  「治療法が確立されてなくて」
            「残念だけど」   「もって半年だとか」

    「奇跡は」    


          「それこそ魔法でもなければ――」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:23:14.62 ID:CsSlW4O50

「ねえ」

「きみ、かなえたい願いがあるんだろう?」

「僕ならそれをかなえてあげられるよ!」

「だから、僕と契約して――」



ハルヒ「――キョン!」

キョン「っ! あ、……ああ、悪い、寝てたか俺」

ハルヒ「まったくもう!たるんでる証拠よ!」

古泉「まあそう言わずに。彼も疲れてるんですから」

みくる「でもよかったですね!今日が妹さんの退院日でしょう?」

長門「時間は」

キョン「ああ、そうだな。そろそろ迎えに行くか……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:00:57.48 ID:CsSlW4O50

キョン妹「ねえキョンくん」

キョン「なんだ?」

キョン妹「ずっとね、夢をみていたの」

キョン妹「白くて、ちょっとピンクで、ふかふかしてる可愛い猫ちゃんみたいな子がね」

キョン妹「ずっと励ましてくれてたんだぁ」

キョン「……そうか」

キョン妹「なんだったんだろう…もしかして天使さんかな!」

キョン「だといいな。でももし万が一そんなのがお前の目の前に出てきたらすぐに俺に言うんだぞ」

キョン妹「?キョンくんなんで怖い顔してるのー?」

キョン「……お前はなにも心配しなくていいことさ」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:03:36.68 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「うー……」

ハルヒ「この頃キョンが来なくてつまんないよぉ」

QB「魔女がここのところ大量に出現してるからねえ」

QB「キョンはその相手で手いっぱいなのさ」

ハルヒ「魔法少女は結構いるんじゃなかったの」

QB「魔女が増えれば魔法少女は減ることになるからね」

ハルヒ「あー……やっぱ魔女退治って危険なのね……」

ハルヒ「……キョン、大丈夫かなあ」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:17:32.27 ID:CsSlW4O50

QB「おやおや……今回の魔女もグリーフシードを落とさなかったみたいだね」

QB「ソウルジェムは大丈夫かい?もうだいぶ限界に近いんじゃないのかな」

キョン「……あとちょいで真っ黒だな」

キョン「これにひびが入り始めたら……」

キョン「……」

QB「まあ、諦めないで最期まで魔女を倒し続ければいいよ」

QB「それかハルヒに頼むかい?」

QB「『俺を普通の人間に戻してくれ』ってさ」

キョン「黙れ」

QB「まあ、彼女の能力をもってしても無理かもしれないけどね。僕らと彼女の力は根本的に出どころが違うから」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:22:13.19 ID:CsSlW4O50

QB「いちばん確実なのは、そうだな」

QB「彼女が魔法少女になる引き換えに君を普通の人間に」

キョン「黙れって言ってんだろ!」

QB「どうしてだい?僕はキョンのことを案じているだけだよ」

QB「それに、きみがこのまま魔女になってしまうよりかは、きみを焚きつけてハルヒを魔法少女にした方が僕としても都合がいいもの」

キョン「……さすがに妹の恩人をめった刺しにするなんて気分の悪いことはしたくないんだが」

QB「そうだね。今は退散するとしようか」

QB「いまは、ね」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:27:14.03 ID:CsSlW4O50

谷口「キョンこの頃こねえな……」

国木田「谷口にはキョンくらいしか友達いないもんね。心配だよ」

谷口「さらりと酷いこと言われた気がするがまあ俺は特に気にせずスルーする」

谷口「おい涼宮、おまえキョンについてなんか知ってねえの」

ハルヒ「うっさいわよだまんなさいよ」

国木田「ご機嫌斜めか。まあそりゃそうだよね」

谷口「なんだかなー」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:43:04.05 ID:CsSlW4O50

QB「だいたい君は用心深すぎたんだよ」

QB「魔法少女と魔女の因果性とか、僕の目的とか、さ」

QB「聞かれたから答えたけど。正直そこまで知られて契約されたんじゃあ元々の希望の絶対値が少なくなってしまうんだ」

QB「元々の希望のエネルギーが高ければ高いほど、魔女になった時に生まれるエネルギーは高くなるからね」

QB「でもきみも変わってたよね。普通その仕組みを聞いてまで契約しようだなんて思わないだろう?」

QB「そこまでして妹を助けたかったのかい?」

QB「……もう聞こえていないか。ああ残念だ。キョンの動き次第ではあのSOS団全体も魔法少女になれたろうに」

QB「じゃあ、僕はそろそろ行くよ」

QB「さすがに魔女空間で使役個体を破壊されると、あとが面倒だからね」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:48:09.42 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「――なに、いま、なんて言ったの、あんた」

QB「彼も最期までよく頑張ってたんだけどね」

QB「あ、身体なら幸い残ってるけど。どうする?持って帰るかい?」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「ああ、」

ハルヒ「夢か。そうよね夢よね。そもそも魔法少女とか魔女とか、ありえないんだから」

ハルヒ「不思議がこんな簡単にみつかるわけなかったのよ。ちょっと長い夢をみてただけよね」

ハルヒ「あはははははおっかしー。あたしったらなんて夢みてんだろ」

ハルヒ「さっさと起きてまた学校行ってSOS団で不思議探さなくっちゃ」

ハルヒ「ゆめよゆめぜんぶゆめぜんぶうそよはやくおきなくちゃおきなくちゃおきなくちゃ――」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:51:18.08 ID:CsSlW4O50

QB「……うーん。まさか世界の再形成なんてことをこの星の生命体がやるなんて」

QB「まあ、いいか。改変といってもこの星ひとつの話だし」

QB「僕らの存在を根本から消されるようなことはないからね。しばらくは涼宮ハルヒという個体には近づかない方がよさそうだけれど」

QB「彼女を魔法少女にしてみるのもおもしろそうだったんだけどなあ」

QB「またの機会に、かな?」

QB「それよりも、もっとこの星の生命体について詳しく調べる必要がありそうだね」

QB「少しばかり忙しくなりそうだ」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:56:33.34 ID:CsSlW4O50

ハルヒ「さー今日もはりきって不思議探索するわよ!」

キョン「へいへい」



end...?(◕‿‿◕)

引用元: ハルヒ「魔法少女ですって!?」