1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 15:23:19.27 ID:jxhv39XU0
セシリア「はぁ…。今日もやっぱり一夏さんは少ししか食べてくれませんでしたわ…」

セシリア「こんなに愛情をこめて作っていますのに…」トボトボ

鈴「ふんふふーん♪あ、セシリアじゃん」

セシリア「鈴さん…」

鈴「なんか元気ないわね。あ、手に持ってるバスケット…もしかして」

セシリア「うぅ…」グス

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 15:29:16.76 ID:jxhv39XU0
鈴「はっはーん、一夏のやつ拒否ったのね?まぁあたしの酢豚ならアイツ喜んで…」

セシリア「うわぁぁぁぁぁん!」ポロポロ

鈴「」

生徒A「…」ヒソヒソ

生徒B「…」ヒソヒソ

鈴「ご、ごめん冗談だってば!!あたしが悪かったから、とりあえず泣き止んで!ね?」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 15:35:36.62 ID:jxhv39XU0
セシリア「ふえぇぇ…」グスッ

生徒C「…」

生徒D「…」

鈴(げっ、なんかギャラリー増えてるし!ああ、もう!)

鈴「あたしが料理教えてあげるから!」

セシリア「それは本当ですの!?」

鈴「立ち直りはやっ!!」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 15:43:28.21 ID:jxhv39XU0
そんなこんなで調理室。

鈴「言っとくけどあたしの特訓はきびしいわよ」

セシリア「どんとこいですわ!」

鈴「それじゃ、まず最初は」

セシリア「酢豚、ですか?ふふ、鈴さんらしいですわね」

鈴「帰る」スタスタ

セシリア「じょ、冗談ですわ!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 16:02:10.74 ID:jxhv39XU0
鈴「まったく…。とっとと始めるわよ」

鈴「じゃ、早速だけどタマゴサンドを作って。セシリア得意でしょ、サンドイッチ」

セシリア「ええ、いつも作ってるから楽勝ですわ」


……

セシリア「完成ですわ!」

鈴「うん、見た目はいい感じじゃない。どれどれ」

セシリア「…」ドキドキ

鈴「どれどれ…」

セシリア「あの」

鈴「どんな味かな…?」プルプル

セシリア「…早く食べてくださいな」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 16:22:07.07 ID:jxhv39XU0
鈴(覚悟を決めるのよ、あたし!)パクッ

鈴「うっ…!!」

セシリア「ど、どうですの!?」

鈴「は、吐きそう…」

セシリア「」

鈴「まずメチャクチャ甘い!どんな味付けしてるのよこれ!」

セシリア「砂糖とメープルシロップをたくさん入れたのがまずかったのかしら…」

鈴「んなもん入れてどーすんのよ!デザートかっての!」

セシリア「うー」ショボン

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 16:34:57.60 ID:jxhv39XU0
鈴「そして生臭い!なんでタマゴがこんな異臭を放つのよ!」

セシリア「隠し味にタイから取り寄せたナンプラーを入れてみましたの」

鈴「うぇっ」

鈴「魚醤よね、それ?何をどう考えたらその結論に至るの…」

セシリア「自信作でしたのに…」

鈴「味付けは塩・コショウで十分!一回それでやってみなさい!」


……

セシリア「できましたわ!」

鈴「もぐもぐ…かなりしょっぱいのは錯覚じゃないと思うけど、さっきのよりはマシね」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 16:54:01.88 ID:jxhv39XU0
鈴「他になにか作れる料理はある?」

セシリア「マッシュポテトも得意ですわね」

鈴「ジャガイモ料理の定番ね。今度も1回自由にアンタのやり方で作ってみて」


……

セシリア「出来上がりですわ!」

鈴「今度も見た目は…いや、妙に黒いわね…嫌な予感がするけど、いただきます」プルプル

セシリア「鈴さん、手が震えてますわよ」

鈴(なんか垓下の戦いでの項羽みたいな心境だわ…)

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 17:02:18.26 ID:jxhv39XU0
鈴「い、いただきます」パクッ

鈴「ほがぁ!」

セシリア「えっ」

鈴「辛い!舌が痛い!水、水!」

鈴「ごくごく…ぷはぁ!な、なによこの辛さ!」

セシリア「隠し味にタバスコを入れてみましたの♪」

鈴「アホなの!?何処の世界にマッシュポテトにタバスコ入れる奴がいるのよ!」

鈴「でも、なんでこんなに黒いんだろ?」

セシリア「コーヒーを入れて滑らかにしようと思って」

鈴「そりゃ牛乳でしょ…」

鈴「とりあえずあたしが作るから。ちょっと見てなさいよ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 17:13:21.75 ID:jxhv39XU0
鈴「よし完成!食べてみて」

セシリア「いただきます。…む、ふわっとしてておいしいですわ!」

鈴「シンプルなレシピだし普通に作れば大抵食べれると思うけどね…」

セシリア「次はプリンを作ってみますわ」

鈴「またしても嫌な予感がするけど、頑張って」


……

セシリア「出来上がりですわ!」

鈴「見た目は違和感ないのよね…さて」

セシリア「どうぞ召し上がれ♪」

鈴「…」プルプルプル

セシリア「スプーンが震えてますわよ?鈴さん」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 17:31:35.20 ID:jxhv39XU0
鈴(まるで追い詰められた明の最後の皇帝みたいな気分ね…)パクッ

鈴「臭い!なんなのこのひどい料理は!人が食べるモンじゃないわよ!」

セシリア「そ、そこまでいわなくても」グスッ

鈴「まずこのカラメルソース…何入れたの?」

セシリア「ベトナムから取り寄せたニュクマムですわ」

鈴「だから魚醤を入れるなっての!魚醤マニアかアンタは!」

セシリア「最高級品ですのに…」

鈴「そもそもデザートにこんなもん入れて美味くなると思うその神経を疑うわ…」

セシリア「むぅー」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 17:43:26.46 ID:jxhv39XU0
鈴「そして…この粘ついた豆はなに?これもかなり臭い原因になってるんだけど」

セシリア「納豆ですわ」

鈴「は?」

セシリア「長時間発酵させた大豆ですわ」

鈴「知ってるわよ!てか、んなもんデザートに使うな!」

セシリア「…てへ☆」

鈴「てへ、じゃない!」

※ 納豆プリンは実際にあります

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 17:52:53.25 ID:jxhv39XU0
鈴「というかアンタ、味見したことあるの?」

セシリア「ないですわ」キリッ

鈴「しろよ」

セシリア「わたくしは自分の料理に絶対の自信がありますもの」エッヘン

鈴「」

鈴「まぁまぁ、とりあえず食べてみなさい。自分の自信のある料理を」

セシリア「ぱくっ。…おぇっ」

鈴「どれくらいマズイかこれでわかったでしょ」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 18:13:22.50 ID:jxhv39XU0
セシリア「わ、わたくしは一夏さんになんてひどいことを…」

鈴「まったくよ。一夏の為にも普通の料理が作れるようにならないと」

セシリア「ご指導よろしくお願いいたしますわ!」

鈴(あれ?でもセシリアの料理が直って何かあたし得するの?)

鈴(…まぁいいわ。一夏のつらそうな顔はあたしも見たくないし)

こうして1週間鈴による料理の特訓が続いた。

さてセシリアの料理やいかに?

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 18:29:04.32 ID:jxhv39XU0
校舎屋上

セシリア「今日は一夏さんのためにサンドイッチを用意してきましたの!」

一夏「あ、ありがとな…(来たか、セシリアのサンドイッチ攻撃)」

箒(大丈夫か、アイツ…)

シャル(ご愁傷様…)

ラウラ(久しぶりだし、死ぬんじゃないか)

鈴(さぁ、どうなる?)ワクワク

セシリア「さぁ、召し上がれ♪」

一夏「い、いただきます」パク

一夏「…」モグモグ

セシリア「ど、どうでしょうか?」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/15(日) 18:39:49.48 ID:jxhv39XU0
一夏「…うまい!」

一夏(いや実際は決して美味くはないんだけど、全然食えるレベル!セシリアに何があったのか分からないけど、これで漸く苦しまずに済むのか!)

一夏「うっうっ…うめぇ、うめぇ…」ポロポロ

感動の余り一夏はうれし泣きした。

セシリア「あまりのおいしさに泣いていますのね!良かったですわ」

セシリア(鈴さん、ありがとう…貴女のお陰ですわ)



鈴の部屋

ティナ「どうしたの?なんか最近急にやせたように見えるけど」

鈴「まぁ、色々あってね…」ゲッソリ



おわり!

引用元: 鈴「あたしがアンタの料理を修正してやるわ!」 セシリア「えっ」