放課後

絵里「ごめん希、待たせたわね」

希「ううん、気にしてないよ」ﾆｺｯ

絵里「そう？じゃあ、そろそろ行きましょう」

希「そういえば、絵里ちとお出かけするのも久しぶりやね」

絵里「そう？……そうかもしれないわね」

絵里「最後に二人で出かけたのはμ'sの解散後だもんね」

希「……そうだったね」

絵里「あの頃が一番輝いていた気がするわ」

希「そうなん？大学に入った今でも色んな人から声かけられたりしてるやん」

絵里「そうね、でもそういうのじゃなくてね」

絵里「心から楽しめる物がなくなった気がするのよ」

希「そうなんか……」

絵里「だから今日はめいっぱい楽しみましょ！」ﾆｺｯ

希「うん、楽しも♪」ﾆｺｯ

絵里「まずは……そうねぇ、服を見に行きたいのだけどいい？」

希「うん。でも絵里ち、色んな服持っとるみたいやけどまだ何か欲しいの？」

絵里「別に見るだけでもいいし、試着してみて気に入ったら買えばいいのよ」

希「ほぉ～」

絵里「それに……あなたに似合う服も見つけてあげようと思ってね」ﾌﾌｯ

希「う、うちはええよ///」ｶｧー

絵里「ふふっ、じゃあ希、あそこのお店入りましょ」

希「またお洒落なお店やねぇ……」

絵里「～♪」

希「絵里ちは服に夢中やな……暇やしうちも何か探そうかなぁ」ｺﾞｿｺﾞｿ

希「ん？これかわいいデザインやなぁ……」

希「こういうフリフリな衣装を見てるとμ'sの衣装を思い出すなぁ～」

希「ふふっ懐かしい、ちょっと試着してみようかな♪」

絵里「希～……あら？どこ行ったのかしら？」

絵里「あら？試着室の前にある靴は……」

絵里「希、いる？」シャッ

希「え？」

絵里「あ、き、着替えてたのね……」

希「～～/////」ｶｧｰ

絵里「ご、ごめんってば」

希「もうしらんもん！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

絵里「でも、μ'sの頃よりまた大きくなったんじゃないかしら？」

希「え、絵里ち！！///」

絵里「冗談よ。それよりあそこのクレープでも食べましょ？奢るわ」ｸｽｸｽ

希「むぅ……///」

絵里「私はチョコで希はバナナでいいかしら？」

希「……うん、うちはそれでええよ」

絵里「はい。こうしてクレープを食べて歩くのも懐かしいわ」

希「あはは。穂乃果ちゃんと凛ちゃんがいっつも食べてたもんなぁ～」

絵里「こっそりにこが妹達の分を買ってた事もあったわね」

希「へぇ～そんなことがあったんか……」

絵里「……懐かしいわね」

希「絵里ち？」

絵里「こんなこと言うのは変だけど、戻れるならまたあの頃に戻りたいわ」

希「……うん、うちも戻りたい……けど、それは無理なんよ」

希「うちらは時間を戻すことはできない」

希「だから今を……新しい未来を精一杯生きていかなきゃいかんと違う？」

絵里「……そうね」

絵里「ごめんね、こんなときに」

希「ううん、かまへんよ」

絵里「よし、気分転換にゲームセンターでも入りましょ！」

希「また昔みたいにホッケーのゲームでもやる？」

絵里「いいわね！次は負けないわよ！」

絵里「ふふーん、ホッケーでは負けたけどダンスゲームは私の勝ちね」

希「うぅっ……流石に今のうちじゃ勝てんかー……」

絵里「あなたが現役でも私には勝てないわよ」ﾄﾞﾔｯ

希「むぅ～」

絵里「それに穂乃果やにこでも私には勝てないはずよ」

希「いやぁ～それは案外難しいんやないかな？」

絵里「そうかしら？ふふっ、流石リーダーと部長ね」ｸｽｸｽ

希「元気にしてるかなぁ。穂乃果ちゃんとにこっち」

絵里「あの二人から元気を取ったら何が残るのよ」

希「ん～、かわいいとこかな♪」

絵里「穂乃果は素直なとこで、にこはぶりっ子なとこだけでしょ」ﾊｧ

希「それはそれでかわいいとこやん♪」

絵里「……そうね。そうかもしれない」

絵里「じゃあ次はどこに行きましょうか……希はどこか行きたいところある？」

絵里「あら？希……？」

希「…………」ｼﾞｰ

絵里「何見てるのよ？」

希「わっ、な、何でもないよ」ｱﾀﾌﾀ

絵里「UFOキャッチャーね」ﾌﾑ

希「う、うん。ちょっと景品が気になって……」

絵里「キツネとタヌキのぬいぐるみじゃない」

希「このキリッとしたキツネが絵里ちっぽいなぁ～って」

絵里「あら、じゃああのとろ～んとしてるタヌキは希みたいね」ｸｽｯ

希「も、もう！///」

絵里「ほら、次の場所行きましょ♪」

絵里「もう大分日が落ちてきたわね」

希「はぁ～……もう冬やし、街灯もつき始めたね」

絵里「……寂しい思いはこの冬からやって来るのかしらね……」

希「急にどうしたん？もしかして絵里ち、寂しいんか？」

絵里「……そうね」

希「あ、ご、ごめん……」

絵里「ううん、いいの」

絵里「あ、そうだ希！ここでちょっとだけ待ってて！」ﾀﾞｯ

希「え？ええけど……」

絵里「すぐ戻るわ！」

希「もう、今日の絵里ちは強引やなぁ……」

希「……寒いなぁ」ﾊｧｰ

希「……丁度こんな寒い冬の季節やったなぁ」

希「この大通りでうちらμ'sが歌ったんや」

希「今でも思い出せるよ……」

希「とーどけてー切なさにはー♪」

希「なーまえをーつけよーうかースノーハレーション♪」

絵里「……素敵な歌声ね、希」

希「あ、絵里ち」

絵里「あの頃の事を思い出してたのね」

希「うん、うちもやっぱりμ'sが大好きやったんやなーって」

絵里「私もあなたも結局同じなのね」

希「ふふっ、そうやね」

絵里「……ねえ希」

希「どうしたん？」

絵里「私の気持ちはあの頃から何にも変わってないの」

希「え？どういうこと？」

絵里「これ、受け取ってもらえるかしら」ｽｯ

希「……小さな箱」ﾊﾟｶｯ

絵里「気に入らないなら捨てて結構よ……」

希「……わぁ、綺麗な指輪……♪」

絵里「ただの安物よ」

希「ううん、すごい綺麗」

絵里「喜んでくれて嬉しいわ」

希「……じゃあ、うちも絵里ちにお礼せなあかんな」

絵里「別にお礼を求めてやったわけじゃ……！！」ﾁｭｯ

絵里「……っ」

希「これがうちのお礼♪」

絵里「……///」ｶｧｰ

希「今日はほんまに楽しかったよ絵里ち♪」

希「うちはここから帰るから。明日また大学で会おうね♪」

絵里「……これはまた一本取られちゃったわね///」

絵里「さて、私も帰ろうかな？……きっと明日からはいい日になるわよね」


おわり