4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 16:54:00.04 ID:TgkeC3J5i
ーーーーー


紅莉栖「し、シュタインズゲート?何ですかそれ」

岡部「・・・気にする必要はない」

紅莉栖「はぁ・・・あ、あの、これから時間あります?助けてくれたお礼がしたいのですが・・・」

岡部「礼はいい」

紅莉栖「でも」

岡部「・・・いいんだ」

紅莉栖「・・・」

紅莉栖「・・・ここで話しても仕方ないですね」

紅莉栖「とりあえずどこか落ち着いて話せる所に行きませんか?聞きたいこともありますし」

岡部「わ、分かった」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:00:34.94 ID:TgkeC3J5i
ーーーー


紅莉栖「この街にもこんなカフェがあったんですね」

岡部「・・・」

紅莉栖「さて、色々聞きたいんですけど改めまして」

紅莉栖「本当に、本当にありがとうございました」

岡部「・・・無事でよかった」

岡部「・・・本当に」

紅莉栖「・・・ラジオ会館でも貴方は私を知っているようだった」

紅莉栖「どうして、助けられたんですか?」

紅莉栖「あんな誰も来ないような部屋で、武器まで持って」

岡部「それは・・・」

岡部「・・・言えない」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:07:37.57 ID:TgkeC3J5i
岡部(リーディングシュタイナーはいずれ発動してしまうだろう)

岡部(だが俺は、それでもあんな記憶を紅莉栖に思い出させたく無い)

岡部(俺が紅莉栖を・・・)

紅莉栖「・・・そうですか」

岡部「・・・意外だな、もっと問い詰めてくるものだと思ったが」

紅莉栖「そりゃあ気になりますよ、本当は」

紅莉栖「命の恩人である貴方が言いたくないのなら、無理に聞く訳にもいかないでしょう?」

岡部「済まない、これだけは話す訳にはいかないのでな」

紅莉栖「・・・どうして」

岡部「ん?」

紅莉栖「どうして泣いているんですか?」

岡部「・・・え」ポロポロ

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:16:42.99 ID:TgkeC3J5i
岡部「な、泣いてなどいない!これは機関の洗脳攻撃による

紅莉栖「ふふっ、目。真っ赤ですよ、おかしな人」

岡部「なっ、・・・ふ、フゥーハハハハハ!!貴様、先程までしおらしかったのにとうとう本当の正体を現したな、セレセブめ!」

紅莉栖「セレセブ違う!!」

紅莉栖「・・・あれっ?」

岡部「!!」

紅莉栖「何だろう、やっぱり何か忘れているような・・・」

岡部「な、何でもない、忘れろ」

岡部(前の記憶を取り戻しつつあるのは嬉しい)

岡部(だが、やはりあんな辛い記憶は思い出させたく無い・・・)

岡部(紅莉栖は無事で、目の前にいる)

岡部(それで十分ではないか・・・)

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:24:29.07 ID:TgkeC3J5i
ーー2010年10月


ダル「オカリンもすっかり厨二病抜けちゃったなー、違和感すげぇお」

岡部「もうそんな歳でもないからな」

紅莉栖「厨二病ってあのフゥーハハハって叫びながら痛いキャラ演じる奴?」

まゆり「えっへへー、オカリンはオカリンだけどねぇ、実はマッド

岡部「まゆり、言わなくていい。あと紅莉栖も痛いとか言うな!」

岡部「それに・・・もうまゆりも、人質卒業だしな」

まゆり「んー?」

岡部(・・・それもあるが)

岡部(厨二を演じる事で思い出されても困るからな)

岡部(ラボに行きたがる紅莉栖に冷や冷やしたが、記憶は戻っていないようで安心した)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:33:28.78 ID:TgkeC3J5i
ーー2012年8月


岡部「こんな所に呼び出してどうした?紅莉栖」

紅莉栖「あ、あのね、その・・・」

紅莉栖「あ、あんたとの付き合いも長いでしょ?だから、えっと、えーっと、んんー・・・」モジモジ

岡部「おーい、なんだその変な踊りは」

紅莉栖「ちゃかすな岡部のバカッ!」

岡部「き、今日は暑いから早くして欲しいのだが」

紅莉栖「ああもうムードのない男ねっ!!・・・あ、あんたが」

紅莉栖「あんたが好きなのよ!!もうどうしようもなくっ!」

岡部「!!!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:41:19.06 ID:TgkeC3J5i
岡部(紅莉栖っ、・・・)

紅莉栖「だ、黙ってないでなんとか言いなさいよっ!」

岡部「・・・」

岡部(俺に幸せになる資格が・・・あるのか?)

岡部(見殺しにし、自分の手で殺しておいて)

岡部(俺に・・・)

岡部(だが・・・)

岡部「・・・紅莉栖」

紅莉栖「はっ、はひっ!!」

岡部「お前から言わせて済まなかったな」

岡部「紅莉栖、好きだ」

紅莉栖「っ、!!」

岡部(今目の前にいる紅莉栖を悲しませたくは・・・ない)

紅莉栖「・・・ぉ、ぉかべ」


紅莉栖「ちゅ、ちゅうとか、して、しても、いいんだからな?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:47:15.31 ID:TgkeC3J5i
岡部「!」

紅莉栖「ぁぁもう何言っちゃってんだろ私、もう恥ずかしい・・・」ブツブツ

岡部「紅莉栖、すまない・・・」

岡部「それだけは・・・それだけは出来ないんだ・・・」

紅莉栖「え・・・」

岡部「いや、違う、もちろんお前とき、キスはしたいに決まっている」

紅莉栖「・・・もしかして口臭気にしてたり?」

岡部「ち、違う!・・・兎に角だ。俺は、お前とキスは出来ない。・・・駄目か?」

紅莉栖「う、ううん、岡部がそういうんだったら仕方ないかなっ、て・・・」

岡部「紅莉栖・・・」ギュッ

紅莉栖「ひゃっ///」

紅莉栖「・・・い、今ので許す」

岡部「・・・ありがとう」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 17:56:10.62 ID:TgkeC3J5i
ーー2015年4月

紅莉栖「ん、むぅ・・・もう朝?」

岡部「zzz」

紅莉栖「倫太郎は・・・まだ寝てるか」

紅莉栖「・・・可愛い顔しちゃって」

紅莉栖「・・・」

紅莉栖(倫太郎は未だにキス、してくれない)

紅莉栖(別に平気、だけど)

紅莉栖「やっぱり寂しいや・・・」

紅莉栖「・・・ごめんね、一回だけ、約束事破らせて」

紅莉栖「倫太郎・・・」チュッ




岡部「ん・・・朝か」

紅莉栖「遅いわよ、休みだからっていつまでも寝てないで朝ご飯食べちゃってー」

岡部「分かったー」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:01:59.66 ID:TgkeC3J5i
岡部「じゃあ出かけてくる」

紅莉栖「気を付けなさいよー」

岡部「あぁ、分かった」

紅莉栖「行ってらっしゃい」




紅莉栖「・・・」

紅莉栖「おかべ・・・」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:14:09.31 ID:TgkeC3J5i
岡部「ただいま」

紅莉栖「お帰りなさい・・・」

岡部「・・・どうした?浮かない顔をして」

紅莉栖「・・・私ね、全部・・・全部思い出しちゃったの」

岡部「!?」

紅莉栖「倫太郎が・・・倫太郎が、まゆりや私を救う為にどれだけ頑張ったか」

紅莉栖「それに・・・倫太郎が、私が刺された記憶を思い出さないようにしてくれていたのも」

岡部「紅莉栖・・・」

紅莉栖「今まで、本当に辛かったね、本当にごめんね、 本当にありがとう」

紅莉栖「本当に・・・」ボロボロ

岡部「だっ、大丈夫かっ!?」

紅莉栖「わ、私はっ、平気、それより」

紅莉栖「全部、話してくれる・・・?」

岡部「あぁ・・・」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:19:34.07 ID:TgkeC3J5i
ーーー


紅莉栖「そうだったの・・・未来の倫太郎がDメールで・・・」

岡部「今まで黙っていて悪かった」

紅莉栖「私を思っての事だったんでしょ?いいのよ」

紅莉栖「倫太郎・・・本当にありがとう。今まで、お疲れ様」

岡部「おいおい、これで終わりみたいな事を言わないでくれ」

紅莉栖(・・・)

岡部「それで、この流れだからいう訳ではないんだが」

岡部「そ、そろそろ、結婚、しないか・・・?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:24:21.15 ID:TgkeC3J5i
ーー2020年5月

紅莉栖「あなたー、ご飯よー」

倫太郎「お、今日も美味そうだな」

倫太郎「初めの頃の紅莉栖のご飯はとても食べられたものでは無かったのにな」

紅莉栖「もう、あの頃の話はしないでくれる?」

倫太郎「別に今が上手なのだから問題なかろう?」

倫太郎「・・・紅莉栖、なんか元気が無いな」

紅莉栖「え?そ、そんなことないわよ!ほら、さっさと食べちゃって!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:27:19.54 ID:TgkeC3J5i
紅莉栖(・・・最近、あのことばかり考えてる)

紅莉栖(もし万が一、私の仮説が当たったら・・・)

紅莉栖(私は・・・どうすれば・・・)

紅莉栖「・・・」

倫太郎「紅莉栖、本当に大丈夫か?」

紅莉栖「あ、ちょっとボーッとしちゃっただけよ、大丈夫!」

倫太郎「無理するなよ、今日の食器は俺が洗っておくから休んでいろ」

紅莉栖「・・・うん」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:34:24.40 ID:TgkeC3J5i
ーー2023年7月


紅莉栖「ふぅ・・・」

紅莉栖(・・・確率としては低いし、心配する必要はないわよね)

紅莉栖(ないわよね・・・)

紅莉栖「あなた」

倫太郎「ん、どうした?」

紅莉栖「愛してるわ」

倫太郎「ブッ!!い、いきなりどうした?」

紅莉栖「・・・あなたは?」

倫太郎「も、もちろん愛してるに決まっているだろう」

倫太郎「お前を世界で一番愛してるのはこの俺だ」

紅莉栖「ありがとう、その気持ち、忘れないでね」

倫太郎「ふっ、忘れるものか」

紅莉栖「・・・ありがとう」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:39:49.39 ID:TgkeC3J5i
ーー2025年8月


紅莉栖「すみません、じゃあうちの子お願いしますね」

紅莉栖「いい?門限までには帰ってくるのよ?」

子供「はーい!」



紅莉栖「ただいまーっ、あなたー、お昼食べたー?そうめん買ってきたけどー」

倫太郎「・・・」

紅莉栖「・・・あなた?」

倫太郎「ここは・・・」




岡部「ここはっ!?世界は!?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/06(水) 18:44:05.96 ID:TgkeC3J5i
紅莉栖「・・・あ、なた・・・?」

岡部「・・・紅莉栖・・・?」

岡部「紅莉栖なのか!?」

岡部「本当に、本当にっ、!!本当に紅莉栖なのか!?」

岡部「よかったっ、よかったっ・・・」

岡部「紅莉栖っ、もう、何処へも行かないでくれ・・・っ、!!」



紅莉栖「・・・」

岡部「・・・紅莉栖?」






岡部「なぜ泣いているのだ?」

END

引用元: 岡部「なぜ泣いているのだ?」