1: 名無しで叶える物語(SIM) 2023/08/28(月) 19:30:34.49 ID:dgfwV+7t
彼方(えっ?)

栞子「確か缶の中に入っている飴玉のことでしたよね?日本史の資料集に書いてあったかと」

彼方「……」

彼方(そ、そっかぁ。栞子ちゃんにとってドロップスって、教科書の中のものだったんだ。彼方ちゃんちょっぴりショックだぜ……)

栞子「それで、しずくさん。そのドロップスがどうかしたのですか?」

しずく「ふふっ、栞子さんとの勝負を思いついちゃったの。じゃじゃーん!」

栞子「勝負?」

2: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:31:54.34 ID:V91hvbJT
しずく「うん。ねえねえ栞子さん、この中には甘くない飴玉も含まれてるの知ってる?」カラカラ

栞子「はい。ハッカ味、と言うのですよね」

しずく「そうそう。だから……」

栞子「順番に一つずつ食べていって甘くない味を引いた方が負け、とかですか?」

しずく「ううん、それじゃあ面白くないと思って。いくよ~」

栞子「?」

しずく「ん……」パクリ!

栞子「……」

しずく「ん!」

栞子「??」

しずく「さて問題です!私がいま口の中に含んでいるのは、甘い飴玉か、甘くないハッカ味。どっちでしょう?」

栞子「はい?」

4: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:33:06.15 ID:V91hvbJT
しずく「ん~……」

栞子「……もしかして当てられたら私の勝ちで、当てられなかったら私の負け、ということですか?」

しずく「うん、そうだよ。もちろんいつも通り勝った方は負けた方になんでも一つお願い聞いてもらえる条件付きで!」

栞子「はぁ……わかりました。けどいいのです?」

しずく「?」

栞子「人を見る目には自信があります。てっきり……」


栞子(ん、んんっ。スースーする……)

栞子『ん~……』

しずく『わかった!栞子さんが食べているのはハッカ味!』

栞子『えっ!?せ、正解です。なんで……』

しずく『ふふん、栞子さんってばすぐ表情に出るんだから~♪』ツンツン

栞子『うぅ……』


栞子(……という展開を作りたがるのかと。からかい好きなしずくさんのことですし)

5: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:33:45.50 ID:V91hvbJT
栞子「こほん。わかりました。でも後悔しないで下さいね。嘘を見抜くのには自信があります」

しずく「そうなの?けど……私だって演劇部員だよ?嘘を演じることには自信があるけど」

栞子「問題ありません。それすらも計算にいれるだけですから」

しずく「そっか、わかった。じゃあもう一回やるね」

パクリ

しずく「ん!さて、いま私の口の中に入ってるドロップスは……」

栞子「?」

しずく「……あ、ごめんね。はい!甘いのか甘くないの、どっちを私は食べているでしょう!」

栞子「……」

しずく「ん~……」

栞子「……本当に当ててしまって良いのですね」

しずく「うん、大丈夫だよ」

栞子「わかりました。では」

栞子(……)

6: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:34:32.42 ID:V91hvbJT
しずく「ん~……」

栞子(先程しずくさんは)


しずく『ん!さて、いま私の口の中に入ってるドロップスは……』

栞子『……?』

しずく『……あ、ごめんね。はい!甘いのか甘くないの、どっちを私は食べているでしょう!』


栞子(と言った時、一瞬だけ怪訝な表情をしていました。もちろん、私がそれを見逃すはずがありません)

栞子(と、いうことは)

栞子「……」

しずく「ん~……」



栞子(……と、おそらくしずくさんは考えているはずです)

7: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:35:08.30 ID:V91hvbJT
栞子(少しでも戸惑った表情をすれば私がそれを見逃すはずもないことを、あのしずくさんが計算がいれないはずがありません。今までさんざん騙されてきたのですから)

栞子(となれば、さっきの表情は、完全なブラフ)

栞子「……」

しずく「……」

栞子「……ふふっ」

しずく「?」

栞子(もらいましたよ、この心理戦。しずくさん)

8: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:35:32.55 ID:V91hvbJT
栞子(あなたはご存知ないのでしょうが……嘘を嘘と見抜ける人でないと、この虹ヶ咲で生徒会長を務めるのは、非常に難しいことなのです)

栞子(それに確率的に考えると、ハッカ味の飴玉は通常の味の飴玉に比べて圧倒的に数が少ない。この勝負、天も私に味方しています!)

しずく「栞子さん。まだ考え中?」

栞子「いえ、たった今答えが出たところです」

栞子(そう。私の頭脳がはじき出した計算結果は———

栞子「ずばりしずくさんがいま口に含んでいるのは『甘い味のドロップス』ですね!」

しずく「んー……」

栞子「……」

しずく「……」

栞子「……って」

9: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:36:28.51 ID:V91hvbJT
栞子「よくよく考えればこれでは勝負になりません。しずくさんの口の中に入っている飴玉の色を確認する術がないのですから」

しずく「え?」

栞子「食べる前に、写真を撮っておかなければ

しずく「ううん、あるよ。方法」

栞子「はい?でも

しずく「んっ」


カプッ♡


栞子「ん!?」

しずく「ん……♡」


チュッ…♡


栞子「ん……」

10: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:37:11.37 ID:V91hvbJT
しずく「……はい。どう?甘い味だったでしょ?」

栞子「はい。確かに、フルーツの風味が……」

しずく「ふふっ。おめでと、栞子さん。今回は栞子さんの勝利だよ」

栞子「はぁ。ありがとうございま…………って!!//////」

しずく「?」

栞子「な、なにをしてるのですか!!しずくさんっ!!!//////」

しずく「えっ?」

栞子「そっ、やっ……そんなことをしていいと許可した覚えはないのですが!!!/////」

しずく「そんなことって?」

栞子「さっきのですっ!!私にキっ、キしゅっ、キキキキキキキ……//////」

しずく「ふふっ、噛み噛みだよ。栞子さん♪」

栞子「なっ!?……っ、~~っ!!とにかくっ!!//////」

12: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:37:45.96 ID:V91hvbJT
しずく「でも飴玉の味がわからないって言ったのは栞子さんだよ?」

栞子「あんなことをしていいとは一言も言ってません!!学園の風紀が乱れます!!/////」

しずく「ふーん、そっか」

栞子「そっかじゃありません!!反省文です!!しっかりと反省文を!!/////」

しずく「あ、私演劇部長に呼ばれてるんだった。じゃあもう行くね、栞子さん」

栞子「あっ、ちょっと!待ちなさい!!しずくさん!!////」

しずく「またね♪」

パタン!

栞子「うっ……////」

栞子(う~~~っ!!/////)


この後しっかりお願い聞いてもらいました

13: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2023/08/28(月) 19:38:30.43 ID:V91hvbJT
おしまい。ちなみにサクマ式ドロップスはもう既に売っていないらしいです

引用元: しずく「ねえ栞子さん、ドロップスって知ってる?」栞子「はい。以前教科書で読んだことがあります」