雪穂「そうなんだ、それでわざわざうちに…」

雪穂「ごひいきにしていただいてありがとうございます」ﾍﾟｺﾘ

ことり「お菓子なら穂乃果ちゃんちって思っただけだから気にしないで、ね」

雪穂「いえいえ、お客さまですから」

ことり「雪穂ちゃんはえらいねぇ、接客もていねいだし」

雪穂「そんなことないよ、お姉ちゃんがくだけすぎなだけで…」

雪穂「こっとりちゃーん、いらっしゃい！何にする？お饅頭？おせんべ？」ﾎﾉﾏﾈ

雪穂「…とか、他にお客さんいてもやっちゃうし」

ことり「あ、あはは…」

雪穂「まあ、それはおいといて」

雪穂「時間があるならゆっくり見ていってくださいね、何もないけど」

ことり「うん、ありがとね」

ことり「♪～」

ことり「ふわぁ…これいろどりがきれい～」

ことり「これもおいしそう♪」

雪穂（ことりちゃん可愛いなぁ）

雪穂（いかにも女の子らしいっていうか）

雪穂（服もふわふわひらひらしてるのが似合うなぁ）

雪穂（なんだろう、お姫さまみたいな）

雪穂（わたしじゃあんな感じは難しいなぁ）

ことり「…ほちゃん」

雪穂（女の子らしく、か…）ﾎﾟｹｰｯ

ことり「ﾕｩｷﾎﾁｬｰﾝ！」

雪穂「！」

雪穂「わわっ、ごめんなさい」ｱｾｱｾ

ことり「どうしたの？ぼーっとして」

雪穂「い、いや…なんでもないよ///」

ことり「？」

ことり「じゃあ、これとこれお願いします」

雪穂「は、はい」

雪穂「ではこちらがお品物です、ありがとうございます」

ことり「うん、ありがとぉ♪」

雪穂「///」ｷｭﾝ

雪穂「ね、ねぇ…ことりちゃん！」

ことり「ん、なぁに？」

雪穂「ことりちゃんの女の子らしさ、勉強させてください！」

ことり「ふぇっ！？」

雪穂「わたしや亜里沙にはあまり女の子らしさってのが足りないと思うの！」

ことり「そ、そんなことないと思うけど…」ｱﾊﾊ

雪穂「お願い、ことりちゃん！」ｶﾞｼｯ

ことり「ぴぃっ///」

ことり「う、うん…わかったよ///」

雪穂「ほんと？ありがとうことりちゃん！」ｷﾞｭｰｯ

ことり「ぴぃぃ///」

ことり（こういうところはやっぱり姉妹なんだなぁって感じるよぉ…）

～～～～～～～～～～～～～～
週末・都内繁華街(・8・)

雪穂「あ、ことりちゃーん！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ことり「雪穂ちゃん、お待たせ～」

雪穂（うわぁ、ことりちゃん今日も可愛い…）ｼﾞｰ

雪穂（ほんとにお姫さまだよ、プリンセスだよ）

ことり「そ、そんなに見られると恥ずかしいよ///」

雪穂「あ、ご、ごめんなさい！」

雪穂「今日は一日、よろしくお願いします」

ことり「うん、よろしくね♪」

ことり「まずはお洋服でも見に行こうか？」

雪穂「おしゃれ！女の子の基本だね！」

ことり（雪穂ちゃんも十分おしゃれしてると思うけどな…）

───────

ことり「うん、これ可愛い！雪穂ちゃん、ちょっと着てみる？」ﾋﾗﾋﾗｰ

雪穂「ちょ、ちょっとわたしはこういうのは…」

ことり「いいからいいから～♪」ｵｼｺﾒ

雪穂「ううっ///」

────────
試着室

ことり「雪穂ちゃん、終わった？」

雪穂「う、うん///」ｼｬｯ

ことり「うわぁ～可愛いぃ～♪」

雪穂「そ、そうかな///」ﾃﾚｯ

ことり「うんうん、なんだかお姫さまみたいだよ」

雪穂「お姫さま…///」

ことり「ねぇねぇ、ちょっと回ってみて、くるっと」ｸﾙｸﾙ

雪穂「え、こう？」ｸﾙｸﾙ

ことり「やーん、可愛い！」

ことり「ねぇ、今度はこっちも着てみて？」

雪穂「えっまだ着るの…」

ことり「…ﾕｷﾎﾁｬﾝ、おねがぁい！」

雪穂（うっ、これが海未ちゃんですら逆らえないという、例の…）

雪穂「う、うん」

ことり「わぁい、ありがとう♪」

ことり「これと、これとぉ♪あっ、これも可愛い♪♪♪」

雪穂（はっ、しまった…でもこれは断れないよ…）

───────

ことり「はぁ～ふわふわひらひら雪穂ちゃん可愛かったぁ～」

雪穂「うぅ…すごく恥ずかしかったよ…」

ことり「でも、雪穂ちゃんの言ってた女の子っぽいってあんな感じだよ？」

雪穂「うぅ…なかなかハードル高いなぁ」

ことり「ふふっ♪」

ことり「そろそろお昼にしよっか、なんか行きたいところある？」

雪穂「あ、別にどこでも…」

ことり「はい、女の子ポイントマイナス1です」

雪穂「ええっ！？」

ことり「あそこのお店に行きたいなぁとか、ここのお店が人気なのとか」

ことり「女の子はアンテナを高くしておきましょうね♪」

雪穂「は、はい！わかりました」ﾒﾓﾒﾓ

ことり「近くにスイーツバイキングのお店があるんだけど」

ことり「行ってみたかったんだけどなかなかチャンスがなくて」

雪穂「バイキング！うん、行こう行こう！」

ことり「ふふっ♪」

───────

雪穂「わわっ…いろんなケーキやサラダにパスタまで！」

ことり「眺めてるだけで幸せになっちゃうね～」

雪穂「こんなに種類があると迷っちゃうよ」

ことり「ことりはチーズケーキにしようかなー、雪穂ちゃんは？」

雪穂「ショートケーキと…モンブランと…」ﾋｮｲﾋｮｲ

ことり「はい、女の子ポイントマイナス3、です」

雪穂「うえっ…」

ことり「一度にたくさん持ってくのはあまり可愛く見えませんよ？」

雪穂「ことりちゃんも、ホールでチーズケーキ頼んでたってお姉ちゃんが言ってたよ！」

ことり「ぴぇっ！？」

雪穂「ことりちゃんも女の子ポイント、マイナスだね」ﾆｼｼ

ことり「むむぅ…」

───────

雪穂「おいしかったー」

ことり「お腹いっぱいだね～」

雪穂「ねぇ、次はカラオケ行きたい！」

ことり「うん、いいよ！」

雪穂「えへへ、ことりちゃんとカラオケ…楽しみだよ♪」ﾆｺﾆｺ

ことり「そ、そんな///」ｷｭﾝ

ことり（雪穂ちゃん、可愛いよ雪穂ちゃん）

ことり（十分女の子っぽいよ♪）

───────
カラオケボックス

ことり「♪はしりーだす、べりべりぃとれいん」

雪穂（おおっ、これがトロける歌声）

ことり「♪あーまーくて、すっぱくてぇ～」

雪穂「ハイ！ハイ！ハイ！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ことり「雪穂ちゃんラブライブレードいつから持ってたの…」

───
雪穂「♪someday　of　mylife、someday　of　mylove～」

ことり「雪穂ちゃん、上手♪」

ことり（そういえばブレードの色、なんとなく白にしてたけど）

ことり（これってことりと同じだね♪）

雪穂「ふぅーっ、疲れたー」

ことり「お疲れさま、すごく上手だったよ！」

雪穂「え、えへへ…そうかな」ﾃﾚﾃﾚ

雪穂「…でも、お姉ちゃんはこれをダンスしながら、何曲も歌ってるんだよね」

雪穂「もっと体力つけなきゃ、とてもライブなんてできないや」

ことり「そうだね、でもあわてなくていいんじゃないかな」

ことり「わたしたちも最初は1曲やるのが精一杯だったし」

ことり「あまりたくさんあれもこれも、ってやろうとすると手につかなくなるよ」

雪穂「…そうだね、あまり欲張るのは良くないよね」

ことり「そう、亜里沙ちゃんと二人でゆっくり進んでいってね」

ことり「…わたしも、穂乃果ちゃんと海未ちゃんがいなかったら今は無かったと思うの」

雪穂「ことりちゃん…」

ことり「最初はわたしも穂乃果ちゃんや海未ちゃんに比べて何もないって」

ことり「何もできないって思ってた」

雪穂「ことりちゃん…」

ことり「何か変わるかと思ってメイドカフェでバイトもした」

ことり「結果的にわたしは何も変わらないけど考え方を変えられた」

ことり「だから雪穂ちゃんも、わたしの真似…女の子らしくじゃなくて」

ことり「雪穂ちゃんらしさ、で頑張ってみて！」ﾆｺｯ

雪穂「…ありがとう、ことりちゃん」

雪穂「こないだことりちゃんがお店にきたとき、すごく可愛くて」

雪穂「わたしにあんな雰囲気は無いなーって思って」

ことり「雪穂ちゃん…」

雪穂「うん、でも、それはちょっと違ってたね…」

ことり「今日、雪穂ちゃんとすごした時間が少しでも雪穂ちゃんのためになったならよかった♪」ﾆｺﾆｺ

雪穂「ことりちゃん、今日はありがとうございました！」

ことり「まだ終わりじゃないよ、まだ時間残ってるし最後はいっしょに歌お？」

雪穂「…うん！」

♪～

～～～～～～～～～～～～～～
翌朝

雪穂「おねーちゃん！もう起きないと遅刻だよ！」ﾕｻﾕｻ

穂乃果「んー…あと5分…3分…」

雪穂「1分でもダメ！ほら起きて！」ﾊﾞｻｰ

穂乃果「うへぇ…寒いよぉ…」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

＼ﾎﾉｶ！ﾏﾀﾞﾈﾃﾙﾉﾃﾞｽｶ！／
＼ﾊﾉｹﾁｪｰﾝ…／

雪穂「ほら海未ちゃんとことりちゃん来たよ」

穂乃果「げっ、またお説教されちゃう！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

雪穂「…わたしも行こうっと」ﾊｱ

雪穂「…わたしらしく、か」

雪穂「まあ、気張らずにしっかり頑張って行こう！」

穂乃果「雪穂、お待たせ！着替えたよ！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

雪穂「お姉ちゃん、その制服のリボンわたしの！青い！」

穂乃果「うええっ！？」

…普段はこんなでも、ステージに立つと輝いてみえるお姉ちゃん

それが誇りでもあり、少し重荷にも思えた

でも、もう大丈夫

もう焦らないよ

ありがとう、ことりちゃん。


おしまい