地下決闘場　ヘルカイザー亮 VS マッドドッグ犬飼


犬飼「フフン、《SUNのラスト・μ's・ウィルス》の効果により、お前のμ'sカードは全滅するぅ！」


《SUNのラスト・μ's・ウィルス》　※元ネタ：《酸のラスト・マシン・ウィルス》
【罠カード】
自分の水属性モンスター一体を生贄に捧げ発動。
相手の手札・場・三年以内にドローしたμ'sカードを全て
墓地に送り、一枚につき500ポイントのダメージを与える。


ヘルカイザー亮「くっ…ならばこのカード！《未来融合-フューチャー・フュージョン-》！」

ヘルカイザー亮「デッキから《えみつん》と《高山みなみ》を墓地に送り、《未来バーロー》を特殊召」

犬飼「させるかよぉ！罠カードオープン！《アクア・ジャマー》！」　※元ネタ：ジャマー・スライム

犬飼「手札の水属性カードを一枚捨て、相手の魔法・罠カードを無効にし、破壊する」

ﾊﾞﾘｨｨｨｨﾝ！ ﾄﾞｶｰﾝ！

ヘルカイザー亮「ぐあっ…！」

ヘルカイザー亮（クソッ、やつのアクアデッキは完璧なμ'sメタデッキ…！）

ヘルカイザー亮（公式がμ'sを終わらせようと…μ'sを殺しにかかっている！）


ランティス幹部「ほほほっ…」

2015年12月4日深夜（公式には5日の夜）、突如として発表されたμ’sのファイナルライブ告知によって
混乱したライバーの決闘者は、各地で蜂起した。

これに対し、公式は鎮圧の名のもとにサンシャイナー（仮）のPK部隊を派遣。
日本のいたる場所で、現実を受け入れられない決闘者たちとの死闘が繰り広げられていた…

ペガサス島　海馬 VS アメルダ


アメルダ「海馬、これを見ろよ」ｽｯ


そう言って鎮圧部隊の男がポケットから取り出したのは、平仮名の「け」の字を模した傷だらけのキーホルダー。


海馬「ふぅん、そんなガラクタがどうしたというのだ」


アメルダ「…お前には、只のガラクタにしか見えないのだな」


海馬「ガラクタでなければ、なんだ？」


アメルダ「これはボクの…ボクの好きだったけいおんの形見だ！」


海馬「…！」


アメルダ「けいおんは…ラブライブに殺されたんだ！」

アメルダ「けいおんは素晴らしいアニメだった…今でも思い出すよ。たった数年前…あの頃はみんな夢中になっていた」

アメルダ「でも、ボクは見たよ。地獄をね…」


アメルダは語った。公式からの供給が途絶えると同時に、周りの人間たちが、
あれほどまでにのめり込んでいたけいおんから、あっさりと身を引いていく様を。

そんな彼らの大半が次に目を着けたのはそう、ラブライブだった…


アメルダ「ボクのけいおんを愛する心もその時に死んだ。これは復讐なんだよ…！」

アメルダ「ボクは願った。けいおんがずっと皆に愛され、続いていくことを…」

アメルダ「でもそんなことは無理なんだ。新しいコンテンツの出現は止められない、人間は次々それに乗り換えることを止めない…！」

アメルダ「だったらラブライブ…μ’sも同じように滅んでしまえばいい！」

海馬「Aqoursでμ’sを滅ぼしてか？」

アメルダ「あぁ…！」

海馬「そうか…」

海馬「つまり、貴様がμ’sにけいおんを殺されたのと同じやり方で、今度はμ’sを愛する者たちの心を踏み躙ろうというわけだ」

アメルダ「…！」

海馬「フン、貴様如きが御大層に語るけいおんとμ’sとの因縁…そんなもの、俺には全く関係のないことだ！貴様の吐く空疎な言葉など、俺の胸に些かも届かぬ！」

海馬「いいか、教えてやろう。貴様と俺との、ファンとしての決定的な差を」

海馬「究極的には他人など関係ないのだ。くだらん周囲の些事に流され、己のロードを踏み外し、気が付けば自身のけいおん熱までもが冷めていった…違うか？」

アメルダ「っ…」

海馬「けいおんを好きで居続けられなかった…その一点において貴様は負けているんだ。そんなやつが復讐だと？ 片腹痛い。逆恨みもいい加減にしろ。それこそ負け犬の遠吠えだ」


海馬「アメルダ…俺が貴様だったら、絶対にけいおんを見限らなかった！ どんなことがあってもだッ！」

アメルダ「くっ…！今言ったことは全て自分に跳ね返ってくるんだぞ。お前だって五年後、μ’sを好きでいられる確証が」

海馬「あるッ！」ドン☆

アメルダ「ふっ…ふざけるなッ！口では簡単に言えるさ！でもな、現実は甘くないんだよぉ！」

海馬「所詮貴様程度のにわか決闘者ではそこが限界ということだ。だが俺は常識を超越し限界を凌駕する男」

海馬「それに、μ’sはまだ一言も解散などという宣言は行っていない。今からそれを証明してやる…」

アメルダ「馬鹿な…この状況でか？」

アメルダ「このターン、お前は《カオス・エンペラー・ドラゴン》の効果を発動させ、お互いの手札と場にある全てのカードを墓地に送った」

アメルダ「最後の打ち上げ花火のつもりだろうが、これを見ろ。草一本ない焦土と化したフィールドを」

アメルダ「これはコンテンツの終焉そのものだ。ファイナルライブの後には、何も残っていないじゃないか！このラストターン（2016年）でお前に出来ることなど無い！」

海馬「フ…そこで指を咥えて見ているがいい。このターン、《ドラゴンを呼ぶ笛》が墓地に置かれたのでカードをドローさせてもらうぞ」　※原作30巻参照

アメルダ「なっ」

海馬「ドロー！……予言してやろう。μ’sは五年後に復活する」

アメルダ「なに？ 手札一枚、場は空っぽのこの状況で、五年後の復活を宣言するだと！？」

海馬「そうだ、それで貴様を葬り去る」

アメルダ「ほ、本当に出来るとでも…」

～♪（BGM：クリティウスの牙）


海馬「一年目、俺は手札から、《命削りの宝札》を発動」

海馬「手札を五枚になるようにドローする。代償として五年後、南條の膝が爆発するがな」

海馬「二年目、手札から魔法カード、《μ’sからの解放》を発動」　※元ネタ：魂の解放

海馬「墓地にあるμ’sメンバーを全てゲームから除外する。今しばらくはソロ活動に勤しんでもらうとしよう」

海馬「三年目、手札から、《膝再生》を発動」　※元ネタ：魔法再生

海馬「手札の魔法カード二枚を墓地に送り、南條のウィークポイントを再生強化。これで後顧の憂いはなくなった」

海馬「四年目、ライフを半分払い、《引退よりの帰還》を発動。除外されていたモンスターを、全て俺の場に特殊召喚する」　※元ネタ：異次元よりの帰還

アメルダ「あ…ああっ」


《えみつん》 《みもりん》 《うっちー》 《りっぴー》 《シカコ》 《ぱいちゃん》 《そらまる》 《くっすん》 《ナンジョルノ》

「「「「「「「「「どーもみなさんお久しぶり！μ’sでーーーーーーーーーす！！！！！！！！！」」」」」」」」


海馬「見たか。ファイナルライブ後のサプライズ、サンシャインへのゲスト、ユニットCD、SIDのドラマCD化、
　　　　メモリアルボックスの特典ドラマ、アニバーサーリー企画での再結集、復活のチャンスなどいくらでもあるわ」

海馬「さあ、五年目の復活ライブ！再び舞い戻ったμ’sの旋律、とくと味わうがいいっ！！フッハハ！！！ ワハハハハハハハハッ！！！！」


――――――

――――

――

蜂起した決闘者の中には海馬のような滅茶苦茶だが出鱈目に熱いライバーもいた。

一方で、狂気の闇に囚われたライバーがここに一人…

ヘルカイザー亮「ワナワナワナ・ワナナンダ？？」

ヘルカイザー亮「罠カードオープン！《磁力が卑怯い-マグネティック・トゥデイ-》！」　※元ネタ：パワーボンド

ヘルカイザー亮「手札または場から《そらまる》と《ぱいちゃん》を墓地に送り、《にこまき》を融合召喚ッ！」

ヘルカイザー亮「《マグネティック・トゥデイ》の効果により、その攻撃力は倍！」


にこまき『ｳﾞｩｵｪｪﾆｺｫｫｳﾞｪｪｯ!!!!』　ATK252521→505042


ヘルカイザー亮「このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、俺は融合モンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける…」

ヘルカイザー亮「だが、このターンで終わらせてや」

犬飼「ところがそうはいかないんだよなぁ…」ﾎｼﾞﾎｼﾞ

犬飼「罠カード発動！《アクア・ホール》！」　※元ネタ：《スライム・ホール》

犬飼「俺の場に水属性モンスターがいて、μ’sが特殊召喚された時そいつを破壊し、その攻撃力分のライフを回復する」

ヘルカイザー亮（またメタカード…！）


にこまき『ﾆｺﾞｫｳﾞｪｪ…!!!!』ﾄﾞｶﾞｰﾝ！！！！


ヘルカイザー亮「うぐあっ…！！」

犬飼「ふんっ、万策尽きたな。これでμ'sの解散は確実となった…」

「いやだ…（震え声）」


犬飼「嫌だぁ…？何を言って」


ヘルライバー亮「嫌だ！ 俺は、（μ'sの解散を）認めたくないィィィィ！！！！」


ランティス幹部「…！」


ヘルライバー亮「どんな形でもいい…俺はμ'sを存続させたい…貴様を倒して」


犬飼「フン、無理無理ぃ」


ヘルライバー亮「わかったんだ、今やっと…俺は流出特番以来誤魔化し続けてきた…」


ヘルライバー亮「μ'sの…声優たちの（解散の）意志をリスペクトする…それさえ出来れば、これが最後のライブかどうかなんて関係ないと…」


ヘルライバー亮「だが違う！俺は飢えている…！渇いている…！μ'sに！」


犬飼「！？」


ヘルライバー亮「μ'sの自由意志を奪い取ってでも、俺は…！」

ヘルライバー亮「リバースカードオープン！《リビングデッドの呼び声》…！」

犬飼「なにぃ！？」

犬飼（一度引退させたμ'sを墓場から再び引きずり出す気か…！）

ヘルカイザー亮「蘇れ！《ぱいちゃん》を攻撃表示で特殊召喚！」

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ…

アンデッド・ぱいちゃん「ｳﾞｪｪｪｪｪｪ」　ATK1988

犬飼「貴様そこまでして…！」

ヘルライバー亮「たとえゾンビになろうがぱいちゃんマジぱいちゃん！ そして手札から、《オーバーロード・フュージョン》を発動ォ！」

ヘルライバー亮「自分の場と墓地から素材となるメンバーを選択し芸能界から除外！μ’sの融合モンスターを特殊召喚するっ、俺は…この六人を生贄とするッッッ！！！」


《ぱいちゃん》 《そらまる》 《えみつん》 《くっすん》 《りっぴー》 《シカコ》　※人選に深い意味はありません


ヘルライバー亮「これがμ'sを生き残らせるための、俺の足掻きだァ！いでよ、《キメラテック・オーバー・μ's》！！」


《キメラテック・オーバー・μ’ｓ》　※元ネタ：キメラテック・オーバー・ドラゴン　
【融合・効果モンスター】
召喚条件：μ’sメンバー二体以上の融合。
ATKとDEFは、融合素材にしたモンスターの数同士の累乗。


《オーバーロード・フュージョン》により降臨したのは、素材となった六人の首を持つ巨大なスクラップ。
それは個人としてより、μ’sというコンテンツの塊と化した六人の姿だった。

犬飼「6の6乗…攻撃力46656だと！？」

ヘルライバー亮「《キメラテック・オーバー・μ’s》で、《渡辺曜》を攻撃！エヴォリューション・リザルト・バースト！」

ﾄﾞｶﾞｧｧｧﾝ！ﾖｰｿﾛｰ！

犬飼「ぐううううううう…なんのっ、貴様はこのターンの終了時、《マグネティック・トゥディ》のリスクで252521ポイントのダメージを受けることを忘れていまいな！」

犬飼「貴様の残りライフは874。それでジ・エンドだ。どの道このターン（2016年）で解散なんだよ」

ヘルライバー亮「フッ、言っただろ。μ’sはあと五年は戦えると…」

犬飼「馬鹿な…」

ランティス幹部「そんなことが出来るわけない！」

ヘルライバー亮「《キメラテック・オーバー・μ’s》は、生贄にしたメンバーの数だけ、活動期間を延長することが出来るッ！」

犬飼・ランティス幹部「「なにぃ！？」」

ヘルライバー亮「ゆけ！《キメラテック・オーバー・μ’s》の五年連続公演！」

ヘルライバー亮「エヴォリューション・リザルト・バーストォ（進化の末路の破滅）！グォレンダァ（五年間）！」

犬飼「うっ…うわあああああああああああああああああああ！！！！！！！！」

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この日、ヘルライバー亮という怪物が誕生した。

五年の延命を望む彼と、一方で五年待ち続けることを選んだ海馬。

両者のうちどちらが正しく、どちらが間違っているなど、誰が決められようか。