3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 23:53:39.00 ID:vXhZjUNy0
事務所


ちひろ「プロデューサーさん、ちょっといいですか?」

モバP(以下P)「どうしました?今月はWスタレジェとサプチケ買ったんでガチャなら回しませんよ?」

ちひろ「キャラ武器は被って石はリッチだったとか。……それは置いといて。最近紗南ちゃん見ました?」

P「そう言えば見てませんね。紗南の予定は暫くレッスンだけだったはずですけど」

ちひろ「実は紗南ちゃん昨日今日と連絡無くレッスンを休んでるんですよね」

P「まじですか。あいつ何やってんだ」

ちひろ「そんなわけで女子寮に様子を見に行って貰えませんか?」

P「俺が!?まずいですよちひろさん」

ちひろ「大丈夫ですよ。寮監の木場さんも居ますし巴ちゃんも居ますし」

P「全然大丈夫に聞こえないんですが」

ちひろ「私はクリスマスの準備に忙しいので頼みましたよ」

P「イエスマム!」

ちひろ(ちょろい)

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 00:07:58.55 ID:6+zIFykU0
P「うーむむ、しかし紗南が連絡なく休みとはなぁ」

比奈「モンハンじゃないでスか」

由里子「クロム鋼集めからの新ジョブ実装で張り付いてると見たじぇ!」

P「どっからポップしたお前ら」

由里子「話が聞こえたので面白そうだから付き添っちゃおうかなとかなんとか」

比奈「まぁ、そういうことでス」

P「……ま、いいか。男の俺じゃ出来ないこともあるかもだしな」

比奈「方向性は違ってもヲタ同士ちょっと心配なんでスよ」

由里子「というわけで女子寮にゴーゴー!」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 00:18:20.36 ID:6+zIFykU0
女子寮


P「お邪魔しまーすっと」

みちる「あれ、プロデューサー、どうしたんですか」フゴフゴ

P「紗南が連絡なくレッスンを休んでな。みちるは何か聞いてないか?」

みちる「んー、そう言えばここ何日か見てませんね。部屋にはいるみたいですけど」フゴフゴ

比奈「いるんでスか……ってことは」

由里子「籠もってゲーム三昧とか……わかるじぇ」

P「杏じゃねえんだから。紗南はそんなことない。ないと思う」

比奈「ま、少し覚悟しておけ」

みちる「?」フゴフゴ

由里子「そのネタ通じるのたぶん菜々さんとかぐらいじゃ……」

P「とりあえず部屋にいるなら行ってみるわ。ありがとな、みちる」

みちる「いえいえ~。あ、そうだ。これ、持ってってください。ウチの特製サンドイッチです!食堂でも見てないのでひょっとしたら紗南ちゃんお腹空かせてるかも知れません!」フゴフゴ

P「おう、渡しとくな」

由里子「みちるちゃんがこの会話の間にフランスパン2本平らげてた件」

比奈「気にしたら負けっス」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 00:31:56.03 ID:6+zIFykU0
P「紗南の部屋は……ここか」

由里子「起動音がしてるから据え置き系かPCっぽい」

比奈「よくわかりまスね」

P「(コンコン)おーい、紗南、いるか?俺だけど」

比奈「……返事がない」

由里子「ただのしかばねのようだ」

比奈「縁起でもないでスよ……」

P「……万が一ってこともある。ちょっと合鍵借りてくる!」ドタドタ

由里子「んー、隠密からの聞き耳ー。んー、クリック音?PC確定?」コソコソ

比奈「何やってんスか」

由里子「TRPGっぽくなかった?」

比奈「あー……」

P「由里子!遊んでないでどけ!紗南!今開けるからな!生きてろよ!」ガチャガチャ

由里子「早ッ!?」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 00:39:33.19 ID:6+zIFykU0
紗南(ポチポチポチポチ)

P「おい、紗南!紗南!」

紗南「ふぇ?あれ、プロデューサーさん、血相変えてどうしたの?」

比奈「紗南ちゃん、二日も無断で休んでたんでスよ」

由里子「ドハマリして時間忘れてた系?」

紗南「あー、そうかも……ごめんなさい」グーキュルル

P「ったく、心配かけさせやがって。さては飯食うのも忘れてたな。ほれ、サンドイッチ食え。みちるからの差し入れだ」

紗南「ひぃっ!?サンドイッチ!?」ドンガラガッシャン

比奈「いきなり何逃げてるんでスか」

紗南「ひとごろしーーーーーーーー!」

P「ええええええっ!?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 01:03:18.35 ID:6+zIFykU0
紗南「やだやだサンドイッチは駄目なの死んじゃう」

P「おい落ち着け紗南」

比奈「わけのわからない反応でスね」

由里子「ふっふっふ、真実はいつも一つ。謎は全て解けたじぇ!」

P「由里子、何か掴んだのか!」

由里子「大丈夫だじぇ、紗南ちゃん。今はアップデートされてサンドイッチ食べても死ななくなったから。だから落ち着こう、ね」ナデナデ

紗南「ほんと?ほんとに?」

由里子「本当だよ。安心して食べるといいじぇ!」

P「どういうことなの……」

由里子「説明しようッ!紗南ちゃんは『奴隷との生活 -Teaching Feeling』をプレイしていたんだじぇ!」

比奈「あー、噂だけは聞いたことがありまスねえ」

P「知っているのか比奈!」

由里子「奴隷との生活 -Teaching Feelingとは、現在人気爆発中の同人ゲーム( 禁)である!元奴隷の少女シルヴィを引き取って愛でるというゲームなんだけれど……条件を満たさないと途中でシルヴィが病死してしまうんだじぇ!」

比奈「それとサンドイッチの関係は何でスか?」

由里子「シナリオ中で外出するイベントがあるんだけど、その時に『主人公と同じサンドイッチを食べさせる』『気にしていたパンケーキを食べさせる』の二択があって、ここでサンドイッチを選択しちゃうと病気イベントの時に問答無用でシルヴィが死ぬという不具合があったんだじぇ。ちなみに前半でシルヴィを触ると漏れなく死にます。慈悲は無い」

P「おいちょっと待て。 禁て」

紗南(フゴフゴ)メソラシ

P「この馬鹿たれーーーーー!」


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 01:20:54.28 ID:6+zIFykU0
比奈「紗南ちゃんお説教中でス。しばらくお待ち下さい」






由里子「つまり、ゲーム内でシルヴィを撫でるだけで一日が終わっていた先生を地で行って……」

紗南「ほんとに撫でるだけで二日経ってたってわけです、ごめんなさい……」ポチポチ

P「言いながら撫でんなッ!」

紗南「でもでももうステータス上がりきってるし服もアクセも全部買っちゃったしアイテムも揃ってるしもう撫でるか会話するかしかないじゃん!」

P「そういう問題ではないんだがなぁ」

紗南「あ、おねだりしてきた。そういえばずっと撫でてるだけだったなあ」ポチポチ

由里子「ラブラブになってからヤらないまま放置してたら待ちきれなくておねだりしてくるんだじぇ。で、それでもずっと放置してたら寝込みを襲われる。放置して下がる 乱度よりも襲われるイベントで上がる 乱度の方が高いので後はもうピンク色のスパイラル……だったけどそれもアップデートで改善したんだじぇ!」

P「お前らアイドルにあるまじき発言をやめい!このうどん県民ども!」

比奈「プロデューサーも寝込みを襲われないように気をつけないと駄目でスよ」

P「ねえから!誰ともラブラブにもなってないから!」

ゲーム画面『(夜中に下半身に妙な感覚を感じ目がさめる』

由里子「おお、来たよ来ましたよ!」

紗南「いやー、じらした時の会話もやばいよね。    来るよね」ポチポチ

比奈(アカン)

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 01:42:04.06 ID:6+zIFykU0
P「ええい!PCクラッシュしても知らんぞ!」ヒッコヌキ

由里子「うわ、実力行使」

P「隠れてやる分にはある程度見逃すのもやむないとは思ってるがレッスンさぼった挙句俺の前でそういうシーンに突入するとか許容できんわ!とりあえずトレーナーさんのとこに行くぞ紗南!」

比奈「おーい、紗南ちゃん?大丈夫でスか?」

紗南(ナデナデナデナデナデナデ)

P「おい紗南……紗南?」

紗南(ナデナデナデナデナデナデ)

由里子「エアシルヴィ!?」

比奈「これは……やばい奴でスね」

P「どうすんだこれ……とりあえず晶葉か志希辺りに……」

由里子「まぁまぁ待ってよプロデューサーさん。紗南ちゃん、紗南ちゃん」

紗南「どしたの?」ナデナデナデナデ

由里子「とりあえずレッスン行こう?シルヴィちゃんに紗南ちゃんのお仕事姿を見せてあげよ。外出、だじぇ」

紗南「それもそっか!ちょっと待っててねシルヴィ。着替えて来るから」イソイソ

P「良いのかそれで……」

紗南「プロデューサーさんにはシルヴィ見えないの?蘭子ちゃんが『瞳』持つものだって言ってたのに」

P「そういう意味じゃねえよ!」

比奈「はいはい、ともかく紗南ちゃんが着替えるんだから出て行きまスよ」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/19(土) 01:50:28.07 ID:6+zIFykU0





P「あれから紗南を連れてトレーナーさんに謝りに行った」

P「トレーナーさんにこっぴどく叱られた紗南は遅れを取り戻すべくレッスンに勤しんでいる」

P「今でもエアシルヴィがいるらしく休憩時間に撫でたり会話をしたりしているのが問題だが、パフォーマンス自体が良くなっているのでトレーナーさんともどもどうするべきか悩んでいる」

P「で、紗南が猛プッシュするものだから俺のPCにもインストールしてみたわけだが……」

P「…………」

P「――――」




数日後

P「ちひろさん、新しいアイドル候補生をスカウトして来ましたよ!」ナデナデナデナデ

ちひろ「えっと?プロデューサーさん?誰も居ませんけど……?」

P「ほら、シルヴィ。挨拶して。大丈夫、服屋さんほど胡散臭くないから。腹黒いけど」ナデナデナデナデ

ちひろ「おいこら」

P「可愛いでしょ」ナデナデナデナデ

ちひろ「いや、だから誰も――」

P(ナデナデナデナデナデナデナデナデ)

比奈「この事務所……」

由里子「もう駄目かもわからんね」

引用元: 紗南「奴隷との生活」