1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:32:58.087 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「ワイはネズミ」

彡(゚)(゚)「ワイは古い家に住んでる」

彡(゚)(゚)「今日も食料を探して床下を走り回るぞ。ん?あれはイタチか?」

(´・ω・)「おい、ネズ公。お前んとこの戸棚の穴から金平糖がばらばらこぼれているぜ。早く言ってひろいな。」

彡(^)(^)「ほんとか!」ダッシュ

彡(゚)(゚)「やっと戸棚の下まで来れたわ。って誰かいるな」

<珍`Д´>「誰だ、止まれ!」

彡(゚)(゚)「ファッ!?お前こそ誰や!」

2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:33:13.629 ID:0dJb6fqs0
<珍`Д´>「俺は蟻の特務曹長だ。ここから内へはいってはならん。早く帰れ!帰れ!帰れ!」

彡(゚)(゚)「アッハイ」ダッシュ

彡(゚)(゚)「クソッ!確かに蟻は兵隊だし強いけどあの糞雑魚イタチに教えられてわざわざ戸棚の下まで走って行ったのに、特務曹長に怒鳴られるとは何たるしゃくに触ることや!」

彡(゚)(゚)「これは文句を言わんと気がすまんな」ダッシュ

彡(゚)(゚)「おるか~?」

(´・ω・)「おう、ネズ公。金平糖は食えたか?」

3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:33:22.864 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「イタチの旦那、ずいぶんお前も悪いやつやな。ワイのようなか弱いものを騙すなんて」

(´・ω・)「騙してないぞ。金平糖は確かにあった。」

彡(゚)(゚)「あるにはあった。けどもう蟻が来てたんや。」

(´・ω・)「蟻がね、そうかそうか。まったく早い奴らだな」

彡(゚)(゚)「みんな蟻がとっていったんや。ワイのようなか弱いものを騙すなんて、つぐなってくれや。つぐなってくれや。」

(´・ω・)「それはしかたない。お前が行くのが少し遅かっただけだ。」

4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:33:32.103 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「知らん、知らん。ワイのようなか弱いものを騙して、つぐなってくれや、償ってくれや。」

(´・ω・)「困った奴だな、ひとの親切を逆恨みするとは。もういいわ、そんなに言うなら俺の金平糖をやろう。」

彡(゚)(゚)「償えや~償えや~」

(´・ω・)「おらっ!それ持っていけ!てめぇの持てるだけ持って失せろ!」

(´・ω・)「てめぇみたいなぐにゃぐにゃした男らしくもないやつは、つらも見たくねぇ。持てるだけ持ってどこかへ失せろ!」

彡(^)(^)「へへへ、ありがてぇ。じゃ、遠慮無く」

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:33:46.291 ID:0dJb6fqs0
(´・ω・)「早く行ってしまえ!てめぇの取った残りなんかウジ虫にでもくれてやる!」

彡(゚)(゚)「(コイツは何をこんなに怒ってるんや・・・)」ダッシュ

彡(゚)(゚)「金平糖はたしかにうまかったが、あれから誰もあんまり相手にしてくれなくなったぞ」

彡(゚)(゚)「まあええか。ワイには柱や、ちりとりや、バケツや、ほうきがいるんや」

彡(゚)(゚)「特に柱はええなぁ。ワイに優しいし」

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:33:56.605 ID:0dJb6fqs0
('ω`)「ネズミさん、もうじき冬になるね。ぼくらはかわいてミリミリ言わなくちゃならない。お前さんも今のうちに、いい寝具のしたくをしておいた方がいいだろう。」

('ω`)「幸いぼくのすぐ頭の上に、すずめが春持ってきた鳥の毛やいろいろ暖かいものがたくさんあるから、今のうちに、すこしおろして運んでおいたらどうだい。」

('ω`)「ぼくの頭は、まあ少し寒くなるけれど、僕は僕でまた工夫をするから。」

彡(゚)(゚)「せやな。さっそく今日から運ぶことにするわ」

彡(゚)(゚)「とは言ったものの、結構坂が急だなぁ・・・滑らないようにしないt(ツルッ」ドスン

('ω`)「ねずみさん、けがはないかい。けがはないかい。」

彡(゚)(゚)「ハッ!死ぬかと思ったわ!」

7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:34:09.303 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「おい柱、お前もずいぶん酷いひとやな。ワイのような弱いものをこんな目にあわすなんてな。」

('ω`)「ねずみさん、すまなかった。ゆるしてください。ゆるしてください。」

彡(゚)(゚)「許してくれもないやろ。お前さえあんなこしゃくな指図をしなければ、ワイはこんな痛い目にもあわなかったんや。」

彡(゚)(゚)「償ってくれや、償ってくれや。さあ償ってくれや」

('ω`)「そんなこと言ったって困りますよ。許してくださいよ。」

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:34:17.992 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「いや、弱いものいじめはワイは嫌いなんや、だから償ってくれや。償ってくれや、さあ償ってくれや。」

('ω`)「ううう…酷いよ…」

彡(゚)(゚)「男のくせに何をめそめそしてんねん。ほんとに使えねーやつだな。」

('ω`)「(もうねずみと関わるのはやめよう…)」

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:34:27.578 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「あ~ハラ減ったなぁ~誰か食べ物くれないかな~」チラチラッ

(●゚◇゚●)「…これ、半分食べたモナカですけど…食べます?」

彡(^)(^)「流石はチリトリ!ワイは貰えるもんは何でも貰うで!ありがとナス!」ムシャムシャ

彡(゚)(゚)「うっ!大変や!腹が壊れたやで!」

(●゚◇゚●)「ネズミのくせに腹が弱いとはこれ如何に」

彡(゚)(゚)「お前のせいや!お前が腐ったモナカをよこすからワイがこんな苦しい目にあってるんやで!」

(●゚◇゚●)「モナカ食う前に鳥のフン食べてませんでしたっけ?」

彡(゚)(゚)「ええから償ってくれや、償ってくれや。さあ償ってくれや」

(●゚◇゚●)「こいつ真性か…償えって100回も言うなよ…」アキレー

10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:34:38.693 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「あー、顔がかゆいなぁ。誰か石鹸持ってないかなぁ」チラチラッ

(●▲●)「洗濯ソーダならあるぞ、ついでにその臭い体も洗えよ」

彡(^)(^)「さすがはバケツや!ありがとナス!」

彡(゚)(゚)「うっ!ワイの美しいヒゲが!」ポロポロ

(●▲●)「洗濯ソーダで顔を洗えば当然だよなぁ」

彡(゚)(゚)「うるさい!ええから償え!償え!償え!」

(●▲●)「あ、そんなこと言うんだ。じゃあもうお前いらない」アキレー

彡(゚)(゚)「あ、おいどこに行くんや」

(●▲●)「モウトモダチジャナイカラ・・・」

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:34:49.985 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「みんなワイの顔を見ると逃げる。ワイは孤独や。ワイはなんて不幸なんや。」

(*^◯^*)「ネズミくんは独りじゃないんだ!僕がいるんだ!」

彡(゚)(゚)「お前は…ネズミ捕り!」

彡(゚)(゚)「お前は人間の味方だろ、ワイは騙されんぞ。」

(*^◯^*)「誤解なんだ!そもそも人間は一度も僕を優遇したことなんてないんだ!」

(*^◯^*)「最近じゃ新聞の広告にまで猫と一緒にお払い箱と書かれる始末…」

(*^◯^*)「だから、僕は人間なんかよりネズミの方によっぽど同情しているんだ!」

12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:35:03.559 ID:0dJb6fqs0
(*^◯^*)「でもネズミは僕を怖がってるんだ…いくら説得しても仲良くなってくれないんだ…」

(*^◯^*)「いくら、餌を食べてる間入り口が閉まらないように押さえてると言っても信じてくれないんだ…」

彡(゚)(゚)「そうやったんか…なんか、ワイら似た者同士やな。」

(*^◯^*)「そうなんだ!だから仲良くするんだ!」

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:35:14.367 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「な、だから、友達ならな、その餌を食わせてくれんか?」

(*^◯^*)「えさだけあげるんだ!。そら、早くお食べ。美味しそうなはんぺんなんだ!」

彡(゚)(゚)「…まぁまぁの味やな」モグモグ

彡(゚)(゚)「また明日も頼むで」

(*^◯^*)「わかったんだ!またあすの晩もくるんだ!」

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:35:24.437 ID:0dJb6fqs0
(;゚;ё;゚;)「えさだけとって行きやがった。ずるいねずみだな。しかしとにかく中にはいったというのは感心だ。」

(*^◯^*)「僕の友達が食べてくれたんだ!」

(;゚;ё;゚;)「全然掛からないからネズミももう知ってるんだと思ってたぞ。ネズミの学校で教えるんだと思ってたぞ。」

(*^◯^*)「他のネズミは家族と相談の上でくるって言ってたんだ!」

(;゚;ё;゚;)「そら、きょうは鰯だぞ」

(*^◯^*)「下男さんいつも餌つけご苦労様なんだ!」

(;゚;ё;゚;)「…ん?今誰か俺を呼んだか?」

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:35:49.391 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「こんばんは、約束どおり来てあげたやで」

(*^◯^*)「…さあ、食べるんだ」

彡(゚)(゚)「…モグモグ」

彡(゚)(゚)「じゃ、明日も来てあげるから、楽しみに待ってるんやで」

(*^◯^*)「…結構むかつくんだ…」

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:36:01.168 ID:0dJb6fqs0
(;゚;ё;゚;)「また餌だけ取って逃げるとは、ずるいねずみだ。しかし、毎晩、そんなにうまくえさだけ取られるはずがない。」

(*^◯^*)「ずるいだけじゃなくムカつくネズミなんだ!」

(;゚;ё;゚;)「どうも、このねずみ捕りは、ねずみからわいろをもらったらしいぞ。」

(*^◯^*)「言いがかりなんだ!もらわないんだ!あんまり人を見損なわないで欲しいんだ!」

(;゚;ё;゚;)「今日は腐ったはんぺんで十分だろう、どうせネズミに食われるもんだ。」

(*^◯^*)「ちょっと待つんだ!訂正するんだ!人間もムカつくんだ!」

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:36:15.949 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「あ~あ、毎日ここまでやって来るのも、並みたいていのことやない。」

彡(゚)(゚)「それにごちそうといったら、せいぜい魚の頭や。しょぼすぎるやろ。」

彡(゚)(゚)「しかしまあ、せっかく来たんだからしかたないな。食ってやるか。ねずみ捕り、おるか~?」

(*^◯^*)「食え」イライラ

彡(゚)(゚)「なんやこのはんぺん!腐ってるやんけ!」

彡(゚)(゚)「おいネズミ捕り!酷いやないか!このはんぺん腐ってるやんけ!」

18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:36:28.738 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「ワイのような弱いものを騙すやなんて、あんまりや!償ってくれや!償ってくれや!」

(*^◯^*)「…」プチッ ガシャーン!

彡(゚)(゚)「ファッ!?入り口が閉じてるやんけ!」

彡(゚)(゚)「ネズミ取りさん、あんまりだ~あんまりだ~」

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:36:39.342 ID:0dJb6fqs0
彡(゚)(゚)「ネズミ捕りは酷い!ネズミ捕りは友達にこんなことをするのか!」

(*^◯^*)「もうお前はおしまいなんだよ」

彡(゚)(゚)「ヒエッ…」

彡(゚)(゚)「(そうか、もうワイはおしまいなんか。)」

(;゚;ё;゚;)「よしよし、とうとう掛かった。意地の悪そうなねずみだな。さあ、出て来い。こぞう。」

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/12/23(水) 19:37:11.490 ID:0dJb6fqs0
宮沢賢治のツェネズミでした
ありがとう

引用元: 彡(゚)(゚)「ワイはネズミ」