前回 ことり「いきなりですがクイズです!」

1: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 02:53:14.78 ID:8tW17xFz
――部室


ことり「この間?何かあったっけ?」

海未「ことりが宿題を出してきた日の事ですよ」

ことり「……!」ビクッ

ことり「……こ、ことりっ今日は用事あったの思い出したから帰るね!」ダッ

海未「あっ、ことり……」



ガチャ バタンッ!!



海未「行ってしまいましたか……」

2: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 02:55:21.40 ID:8tW17xFz
ガチャ




真姫「……あら、海未だけなの?」

海未「真姫ですか、おはようございます」

真姫「ええ、おはよ」

海未「先程まではことりもいたのですが……」

真姫「ああ……さっきのはそういうことだったのね」

海未「何かあったのですか?」

真姫「ここに来る途中でことりとすれ違ったのよ」

3: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 02:57:44.65 ID:8tW17xFz
真姫「顔を真っ赤にして走って行ったから、どうしたのかと思ってたけど」

真姫「いつものアレってわけね。心配して損しちゃった」

海未「いい加減治していただきたいのですが……」

真姫「普通に喋ってる分には大丈夫なんでしょ?」

海未「はい」

真姫「ただ、あの話をすると……」

海未「逃げてしまうんです」

真姫「はあ……困ったものね」

4: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:02:11.23 ID:8tW17xFz
真姫「何時まで恥ずかしがってるのかしら、もうあれから二週間は経ったわよ」

海未「どうすればいいんでしょうか……」

海未「このままでは何時まで経っても約束を果たせそうにありません……」ウ-ン

真姫「バードウォッチングだったっけ?」

海未「そうです、二人で行こうと約束をしたのですが」

真姫「……」フム



真姫「……仕方ないわね」

5: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:05:58.79 ID:8tW17xFz
海未「何か策が?」

真姫「この真姫ちゃんに任せておきなさい」

海未「……あるんですよね?」

真姫「まあ、それは後でのお楽しみよ」

真姫「じゃあ私は少し準備をするから、また後でね」ガチャ

海未「はあ……わかりました。では後で」

バタン






海未「……」

海未「何故でしょう……嫌な予感しかしません」


――――

6: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:18:54.36 ID:8tW17xFz
ガチャ




真姫「待たせたわね、海未」

海未「あれ、結構早かったですね――ん?」





希「やっほー海未ちゃん♪」

にこ「ったく、今度はどうしたのよ?」

絵里「泣く子も黙るKKEのお出ましよ!」

9: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:25:27.91 ID:8tW17xFz
海未「何故希達が……」

にこ「真姫に呼ばれたのよ」

絵里「海未がまた悩んでるからって」

希「海未ちゃんも大変やねー」

絵里「でも私が来たからには大丈夫よ!任せなさい!」

希「……」チラッ

希「……エリチは置いといてウチらに任せてな~」

絵里「希っ!?」ガ-ン

10: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:30:26.10 ID:8tW17xFz
絵里「私、今回は何も変なことしてないわよ!」

にこ「いや、変な事してないっていうより」

希「エリチは何もしない方がいい、みたいな」

絵里「……うっ」グスッ

絵里「まきぃ~……」

真姫「はぁ……」

真姫「希もにこちゃんも悪ふざけはそこまでにしなさい」

のぞにこ『はーい!』



海未「まあ……最初から色々と心配ではありますがお願いします」

11: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:35:27.11 ID:8tW17xFz
真姫「それじゃ早速会議を始めましょ」

絵里「今回の議題は」

絵里「『ことりがどうやったら海未に対する恥ずかしさを克服できるか』よ」

にこ「そもそも何で恥ずかしがってんのよ、告白済みなんでしょ?」

希「にこっちわかってないなぁ」

にこ「何が ?」

希「告白したからこそ恥ずかしいってことやん」

にこ「どういうことよ?」

12: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:39:09.43 ID:8tW17xFz
希「告白する前なら、ことりちゃんが海未ちゃんの事を好きっていうのは海未ちゃんにはわからない」

希「だから、普通に接する事ができるやろ?」

にこ「まあそうね」

希「でも、今は違う」

希「お互いがお互いの気持ちを知っている」

13: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:43:08.64 ID:8tW17xFz
希「だから、話をする度に『相手は今自分の事をどんな風に思ってるんだろう』って変に意識してしまうんよ」

希「特に、海未ちゃんに片思い中のことりちゃんはね」

にこ「ふーん……そんなもんなのね」

絵里「ハラショーよ希!それ私も今言おうと思ってたわ!」

真姫「絵里、変な見栄を張るのはやめなさい」

14: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 03:48:03.57 ID:8tW17xFz
海未「意識してしまう……ですか」

希「そうそう、だからなるべくことりちゃんに意識させないような振る舞いをすればいいと思うよ」

希「あくまで自然にね」

海未「わかりました、頑張ってみます」

希「うん、頑張ってなー」

絵里「あ、そういえばさっきことりが被服室に入ってくの見たわよ」

真姫「そこに逃げたわけね」

海未「では、被服室に行ってきます」

にこ「いってらっしゃーい」



バタン……

22: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 11:49:56.39 ID:8tW17xFz
真姫「ふう……これで一件落着かしら」

絵里「だといいんだけど」フフッ

にこ「しかし、あれね」チラ

希「ん?」

にこ「希って結構ピュアな考え方してるじゃない」ニヤニヤ

希「……」

希「///」ボンッ

23: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 11:55:29.51 ID:8tW17xFz
希「……あ、あああれは別に普通の考え方やんっ!」

にこ「ええ、わかってるわよ。普通ね普通」ニヤニヤ

希「本当にそう思ってる……?」ジ-

にこ「と、当然よ……」プルプル

希「~~!」

希「……にこっちぃ~!」ゴゴゴゴ……

24: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 12:00:38.73 ID:8tW17xFz
にこ「ちょっ!何でそんなに怒ってんのよ!?」

希「こうなったら……」ユラリ

にこ「な、何よ……!」ジリ……






希「わしわしMAXやーー!」ワシワシ

にこ「ぎゃあああああぁぁぁ!!」








絵里「楽しそうねー、私達もやる?」ワクワク

真姫「寝言は寝て言いなさい」

――――

33: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:03:20.88 ID:KMhoB3qA
――被服室

ことり「はぁ……また逃げちゃった」

ことり「せっかく海未ちゃんに想いを打ち明け
られたのに……」

ことり「どうしたらいいのかなぁ――」







海未「私がどうかしましたか?」ガチャ

ことり「……え?」

海未「?」

34: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:09:11.00 ID:KMhoB3qA
ことり「……ひゃああああぁ!?」ガタガタッ

海未「こ、ことり!?大丈夫ですか!」

ことり「ど、どうして海未ちゃんがここに!?」

海未(あ、えーと……あくまで自然にでしたよね?)

海未「ことりが急に部室を出ていったので心配になって……」

海未「何かあったのですか?」

ことり「え、えっと……」オロオロ

36: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:14:17.82 ID:KMhoB3qA
海未「ああ、言えないことなら無理に言わなくても大丈夫ですよ」

ことり「あ、うん……」

海未(言ってはもらえないのですね……)

海未「そうですか……」

海未「何もないなら安心しました」ニコ

海未「それでは私は部室に戻りますので」

海未「驚かせてしまい、申し訳ありませんでした。……では」ガチャ

ことり「あ……」





ことり「ま、待って海未ちゃん!」

37: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:19:04.39 ID:KMhoB3qA
海未「どうかしましたか?」クルッ

ことり「あ、あのね……」

海未「はい」

ことり「……海未ちゃんって緊張した時ってどうしてる?」

海未「緊張した時……ですか?」

ことり「う、うん……」

海未(いきなり、どうしたのでしょうか。まあ、大体予想は付きますが……)

39: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:23:37.33 ID:KMhoB3qA
海未(……恐らく、これは今のことりの状態に関係のある質問でしょう)

海未(ここで私が探りを入れてしまえば、ことりがまた逃げてしまう可能性があります)

海未(故に、自然に会話を進めたいのであればここは大人しく会話を続けるのが得策)

海未「そうですね……」

海未「よく言われるものでしたら、人と言う漢字を掌に三回書いて飲み込む……などはどうでしょうか?」

ことり「……人……人……人……えい!」ゴクン

40: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:28:19.44 ID:KMhoB3qA
海未「……どうです?」ジ-

ことり「……」ジ-








ことり「……ダメかもぉ///」カアァ

海未「駄目ですか……」

海未「他に何かありましたかね……」ウ-ン

41: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:34:07.98 ID:KMhoB3qA
海未「――あっ」

ことり「!」

海未「そういえばこの間、テレビで見たのですが」

海未「緊張している時は、敢えて自分がリラックスしている時の行動を再現するといいそうですよ」

ことり「……そうなの?」

海未「あまり信じてなさそうですね」

ことり「そ、そんなことないよっ!」

海未「まあ、騙されたと思って一度やってみてはどうですか?」

海未「私の事は気にしなくて大丈夫ですので」

ことり「海未ちゃんがそう言うなら……」

42: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:39:07.69 ID:KMhoB3qA
ことり「えぇ~っと、海未ちゃん」

海未「はい?」

ことり「ちょこ~っとだけ……協力してくれないかな?」

海未「ええ、構いませんよ」

海未「それで、何を手伝えば良いのです?」

ことり「……ここじゃ出来ないことだから保健室行こ?」

海未「……?はぁ、分かりました」

43: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:44:34.22 ID:KMhoB3qA
――保健室

ことり「わざわざゴメンね?」

海未「私が好きでやってる事なので気にしなくていいですよ」

ことり「それじゃ、海未ちゃんはベッドに寝転んでもらえるかな」

海未「ベッドにですか……」ヨイショ

ゴロン……

海未「これでいいのですか?」

ことり「うん、それで今度は目を瞑ってくれるかな」

海未「……」グッ

海未「はい、瞑りましたよ」

45: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:50:23.83 ID:KMhoB3qA
ことり「……ことりがいいって言うまで絶対目を開けちゃダメだよ?」

海未「……一体、何をする気ですか」

ことり「ダメだよ?」

海未「頑固ですね……分かりました。ことりの合図があるまで、目を開けなければいいんですね?」

ことり「そうですっ」




ことり「じゃあ……いくよ?」ゴクッ

海未「は、はい……」

48: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 22:55:06.73 ID:KMhoB3qA
ギュッ


海未「ひゃうっ!」ビクッ

ことり「あ、ご、ごめんね?ビックリさせちゃったかな?」

海未「い、いえ……視界が塞がれて少し敏感になっているだけです」

ことり「もっと、強くしてもいい……?」

海未「……どうぞ」

ことり「失礼しまーす……」ギュー!



……ムニュ


海未「……ん?」

51: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:00:37.97 ID:KMhoB3qA
ことり「……あ、ちょっと落ち着いたかも」

海未(あれ……私の勘違いでしょうか?)

ことり「ぎゅ~♪」

……ムニュムニュ

海未(やっぱり勘違いじゃないです!!)

ことり「ぎゅぎゅぎゅ~♪」

……ムニュムニュムニュ

海未(も、もう耐えられそうにありません……)


海未「あ、あの、ことり……」

ことり「どうしたの~?」

52: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:05:01.58 ID:KMhoB3qA
海未「非常に申し上げにくいのですが……その」

ことり「うんうん」



海未「む、胸が……その、当たってます///」カアァ

ことり「ふえっ!?」ムニュ


ガタッ



ことり「//////」カアアァ

海未「こ、ことり?」

55: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:12:01.37 ID:KMhoB3qA
ことり「う……」

海未「う?」




ことり「海未ちゃんの   ぃ~~~!!!」ウワ-ン!



バタンッ!!



海未「……えっ?ことり!?」

海未(もしや、出ていってしまったのでは!?)

57: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:17:24.72 ID:KMhoB3qA
海未(合図があるまで目を開けては駄目だと言われましたが……)

海未(仕方ないですよね?)



パチッ



海未「……やはり居なくなってますね」

海未「……」ウ-ン

海未「一度、部室に戻りましょうか……」

58: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:23:40.29 ID:KMhoB3qA
――部室

海未「という事で失敗でした……」


のぞえりにこまき『……』

にこ「質問いいかしら?」

海未「はい、どうぞ」

にこ「……アンタらは、学校で一体何やってんのよ!?」

海未「……さあ」

にこ「さあ、って……海未も分かってないの?」

海未「全然です、教えてもらう前にどこかに行ってしまいました」

59: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:27:57.83 ID:KMhoB3qA
希「どっちかって言うと、海未ちゃんが逃がした感じやけどね」

海未「私が?」

真姫「そうね、海未がデリカシーに欠ける発言したからじゃないの?」

絵里「そうよそうよ!海未が悪いわ!」ヤイノヤイノ

真姫「絵里は静かにしてて」

絵里「わかったわ!」ピシッ

60: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:32:55.19 ID:KMhoB3qA
海未「では、どうすれば良かったのでしょう……」

にこ「そこはもう、耐えて忍ぶしかないんじゃない?」

海未「にこは耐えられますか?あの、ことりの……アレに」

にこ「……」ウ-ン





にこ「無理ね」キッパリ

希「にこっち……」ジト-

真姫「見た目によらずだったのね……」ハァ…

61: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:37:35.25 ID:KMhoB3qA
にこ「はぁっ!?違うわよ!」

カタポン……

にこ「なによ!?」




絵里「……」ニコッ

絵里「分かるわよ、その気持ち」グッ

にこ「わかんなくていいわよっ!」

絵里「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのよ」フフッ



ナンデソウナルノヨ!?

ダイジョウブ、ワカッテルカラ

アンタネェ……

62: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:41:22.78 ID:KMhoB3qA
希「あー……もう、あの二人は置いとこっか」

海未「そうですね、話が進みそうにありませんし」

真姫「で、どうするのよ?」

希「そうやねー……」

海未「何か、良い手はないでしょうか」

真姫「もう、いっその事はっきり言えば?」

海未「何をですか?」

真姫「逃げるな、ちゃんと向き合えって」

希「確かに一番手っ取り早いかもしれないけど……」

63: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:45:27.82 ID:KMhoB3qA
海未「そんな無理矢理ではかえって逆効果では?」

真姫「まあ、その可能性は高いでしょうね」

海未「もう少し、優しく諭したいんですが……」

希「海未ちゃんはことりちゃんには甘いなぁ」

真姫「これが穂乃果だったら、間違いなくはっきり言ってるわよね」

海未「いえ、なんと言いますか……穂乃果には怒りなれているのに対して」

海未「ことりには殆んど怒った記憶が無いので、どのように言えばいいのかが分からないんです」

64: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:51:05.60 ID:KMhoB3qA
希「ほぉ……なるほどねぇ」

真姫「だったら……」

希「お、真姫ちゃん何か考えが?」

真姫「私達がことりを説得してみる?」

海未「真姫達が……一体、どのように?」

真姫「いや、ごめんなさい。やっぱり忘れ――」




希「よし!じゃあウチが行ってこようか」スクッ

うみまき『はっ?』キョトン

65: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/16(木) 23:56:50.14 ID:KMhoB3qA
海未「あの、希……まだやるとは一言も」

希「大丈夫、ウチに任しとき!」グッ

真姫「……その自信は一体何処から出てくるのかしら」

希「じゃあ、ちょっと行ってくるね~」フリフリ

海未「あっ、ちょ――」



バタン……



真姫「行ったわね……心配だわ」

海未「まあ、希ならそう酷くなることはないでしょう」




海未「……ない、ですよね?」



―――

71: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:02:04.43 ID:YrzH/ECg
被服室


ことり「もう~!海未ちゃんのばかばかばかぁ!」

ことり「なんで、急に変なこと言い出すの!」

ことり「ことりはただ、お家でいつもやってるみたいに海未ちゃん抱き枕に抱き着いただけなのに……」

ことり「それなのに……海未ちゃんの   ///」カアァ

72: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:07:57.05 ID:YrzH/ECg
ことり「……あ、でもでも!それって、海未ちゃんがことりのこと女の子として意識してくれてるってことだ――」




バ-ンッ!!






ことり「ぴいっ!?」ビクッ

希「なにかお困りのようやね!ことりちゃん!」

73: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:13:17.48 ID:YrzH/ECg
希「でも、ウチが来たからには大丈夫!スピリチュアルパワーでちょちょいのちょ――あれ?」






ことり「」ブルブル

希「えっ、そんなに怯えるほどやった?ウチの登場」

ことり「」コクコク

希「あぁ……それはゴメンね、驚かせるつもりはちょっとしか無かったんよ」

ことり(ちょっとはあったんだ……)

74: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:19:18.49 ID:YrzH/ECg
希「お詫びと言ってはなんやけど、是非相談に乗るよ~」

ことり「あの……希ちゃん」

希「どうしたん?」

ことり「その……ことりが何か悩んでるってのは一体誰から?」

希「えっ?」

希「えーと……」ウ-ン






希「……あっ!カードがウチにそう告げたんや!」

75: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:24:16.34 ID:YrzH/ECg
ことり「今、あっ……って」ジ-

希「……言ってないよ?」

ことり「ホント~?」ジト-

希「……ウチを信じない子にはわしわしマックスやよ~」ワキワキ

ことり「ひぃ!」

ことり「信じる!信じるよ!」

希「よろしい」フフン

ことり「……危なかった」フゥ

希(危なかったのはこっちやけどね)ヒヤヒヤ

76: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:29:03.28 ID:YrzH/ECg
ことり「え、えっと……それじゃあ希ちゃんに相談してもいいのかなぁ?」

希「うん、どんどんしてくれてオッケーよ」

希(だって、相談内容知ってるし)

ことり「あの……ね、ちょっとビックリする内容かもしれないんだけど……」

希「だーいじょうぶ!ウチに任しとけば 恋愛相談もお手の物――あ」ハッ

ことり「え……なんで恋愛相談って知ってるの?」

希(あっちゃ~、やってもうた……)

77: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:34:47.60 ID:YrzH/ECg
希(ご、誤魔化せるか、分からんけど取り敢えず……)

希「いや、スピリチュアルパワーがね?何かこう……ビビビっと来たんよ!」

ことり「……」

希(あっ、やっぱ無理っぽい)





ことり「そうなんだ~さすが希ちゃんだね♪」ニコッ

希(嘘ぉ!?)

78: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:39:21.98 ID:YrzH/ECg
希「……う、うん!まあ、伊達にスピリチュアルガールは名乗ってないで!」

希(もういいや、このまま押し通そう……)


ことり「……それなら、相談に乗ってもらってもいい?」

希「全然ええよ」フフッ

ことり「えっと、実はね」



カクカク……

シカジカ……

チュンチュンチュン……



ことり「っていうことなの、どうしてなのかなぁ?」

79: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:45:53.96 ID:YrzH/ECg
希「ふーむ……なるほどなるほど」

希(やっぱり……ウチの勘も捨てたもんじゃないなー)

ことり「どうしてもね、海未ちゃんとお話すると恥ずかしくなっちゃって……」

希「……」

希「ことりちゃん……」

ことり「は、はいっ!」

希「単純に意識しすぎやね」

ことり「へっ……そ、それだけ?」

希「うん、それだけ」

80: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:50:26.31 ID:YrzH/ECg
希「とは言っても、たったそれだけの事でことりちゃんは困ってるんやろ?」

ことり「……それは言わないでぇ」ヒ-ン!

希「一応聞いておくけど、その話題以外では平気なん?」

ことり「うん、普段おしゃべりする時は全然普通なんだけど……」

ことり「そっちの話になっちゃうと、やっぱりあの時の事を思い出しちゃって///」カアァ



ことり「やぁん///」ヤ-ン

ことり「……あ、ごめんね。ちょっと海未ちゃんの事思い出しちゃった」エヘヘ

希(あれ、なんでやろ。急に面倒くさくなってきた)

81: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 22:56:06.54 ID:YrzH/ECg
ことり「それで、何かいい方法は無いかな?」





希「そうやね……一つだけあるよ」

ことり「ホント!?教えてっ、希ちゃん!」

希「簡単や、恥ずかしさに打ち勝てばええんよ」

ことり「……」

希「どうしたん?」

ことり「それが出来ないから困ってるんだよぉ~……」グスッ

82: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 23:01:49.33 ID:YrzH/ECg
希「ことりちゃんの気持ちもわかるで……でもね」

ことり「……うん」





希「そんなにモタモタしとったら、海未ちゃん取られてしまうで?」

ことり「だ、大丈夫だよ!海未ちゃんは今、好きな人いないって言ってたし……」

希「海未ちゃんが想っとる人は……ね」

83: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 23:06:09.84 ID:YrzH/ECg
希「じゃあ逆に、海未ちゃんの事を想っとる人はことりちゃんも含めてどれくらいおると思う?」

ことり「……そ、それは」シュン

希「海未ちゃんはカッコいいからね、さぞかしモテると思うんやけどな~」

ことり「……うぅ~」

ことり「でもでも!海未ちゃんはそういうの全部お断りしてるって聞いたことあるもん!」

希「それはウチも知っとるよ」

ことり「じゃあ、大丈夫――」

希「ただし、それはあくまで海未ちゃんとは殆ど接点の無い、先輩後輩って話やけどね」

84: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 23:12:32.35 ID:YrzH/ECg
ことり「ど、どういうこと……?」

希「つまりは……接点の無い先輩後輩から告白された場合なら心配することないけど」

希「もし、海未ちゃんに近しい人物――例えばμ'sのメンバーとかに告白されたら果たして大丈夫やろうかね、って事や」

ことり「μ'sのメンバー!?誰か海未ちゃんのこと好きなの!?」

希「あれ、ことりちゃん知らんかったん?」

ことり「希ちゃんは知ってる?」

希「まあ、一応ね」

85: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 23:18:34.12 ID:YrzH/ECg
ことり「お、教えてください!」ピイッ

希「聞いてどうするん?」

ことり「え、えっと……海未ちゃんがその子に取られないように注意します!」

希「どうやって?」

ことり「海未ちゃんから離れないようにしたりとか……」

希「……」

ことり「だめ……かな?」

希「……はぁ」

ことり「教えてくれるの!?」ガバッ

希「教えることは出来んけど」

ことり「だよね……」

87: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 23:25:05.45 ID:YrzH/ECg
希「多分、明日になれば分かるよ」

ことり「明日?」

希「うん、まあ詳しくは言えんけどね」

ことり「いいの?本当は秘密にしなきゃだめな事じゃない?」

希「そうやね……でも」

希「ウチとしてはことりちゃんに頑張ってもらいたいしね」ニコッ

88: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/17(金) 23:30:54.13 ID:YrzH/ECg
ことり「……希ちゃん」ジ-ン

ことり「ありがとう……ことり、頑張るね」グスッ

希「うん、頑張ってな」ナデナデ














希(まあ、ほとんど嘘やけどね)

――――――

93: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:15:34.30 ID:uh9ghQGx
――部室



ガチャ

希「たっだいま~!」

海未「希、やっと帰ってきましたか!」

希「早速やけど、エリチおる?」

海未「絵里、ですか?でしたら、あちらに……」ユビサシ






絵里「真姫ぃ~!にこが私のこといじめるの~!」グスッ

真姫「……今度は何したのよ、にこちゃん」

94: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:19:40.80 ID:uh9ghQGx
にこ「いや、最近余りにも絵里が馬鹿っぱいからちょっと喝入れただけよ」

真姫「まあ、そんな事だろうと思ったわ」ハァ

絵里「ね、ヒドイでしょ?」

真姫「あーはいはい、そうね」

絵里「ちょっとー、ちゃんと聞いてよ!」

真姫「はぁ……メンドクサい」ウンザリ

95: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:24:50.84 ID:uh9ghQGx
海未「先程から、ずっとあの調子です」

希「真姫ちゃん、大変そうやね~」

真姫「大変なんてもんじゃないわよ!見てないで助けて!」

希「あ、ゴメンゴメン」

希「エーリチ、ちょっとええかな?」チョイチョイ

絵里「あら、希?いつの間に帰ってきたの?」

希「ついさっきやよー。で、エリチに一つ質問いい?」

絵里「ええ、別に構わないわよ」

96: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:29:44.44 ID:uh9ghQGx
希「エリチは海未ちゃんのこと好き?」

海未「はい!?」

にこ「帰ってくるなり、何わけ分かんないこと質問してんのよ……」

希「まあまあ、別に変な意味やないから。それで、どうなん?」

絵里「勿論好きよ」ニコッ

真姫「躊躇いないわね……」

希「よし、問題なしと」

にこ「なに始める気?」

希「海未ちゃんとことりちゃんの為にちょっとね♪」

97: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:35:05.26 ID:uh9ghQGx
海未「私とことりの?」

希「うん、その為に少しエリチに協力してもらいたいなぁと思って」

絵里「……協力するのは構わないけど、何すればいいの?」

希「いつもより少しだけ、海未ちゃんに近付いてくれたらそれでええよ」

海未「どういうことですか?」

希「その内わかるよ♪」

海未「……その内、ですか」

絵里「私は取り敢えず、海未に近づけばいいのね?」

希「ことりちゃんが一緒におる時にね」

99: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:39:43.23 ID:uh9ghQGx
にこ「あぁ……そういうこと」

真姫「ヘマはしないようにね、絵里」

絵里「何をしたらヘマなのか分からないけど、頑張るわ!」グッ

海未「私は何かしたりとかは――」

希「海未ちゃんはいつも通りでよろしくな~」

海未「あ、はいわかりました」

希「じゃあ、取り敢えず今日は解散って事で!」

――――

100: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:45:22.42 ID:uh9ghQGx
――翌日

ことり「おはようっ海未ちゃん♪」

海未「お早うございます、ことり」

ことり「あれ、穂乃果ちゃんは?」

海未「……いつものあれです」

ことり「穂乃果ちゃんは相変わらずお寝坊さんだね~」

海未「遅刻しても知りませんよ……全く」

ことり「あ、噂をすれば穂乃果ちゃんからメールだよ」ホラ

海未「まさか間に合いそうにない、などという内容ではないでしょうね」

101: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:50:22.89 ID:uh9ghQGx
ことり「えーと……間に合いそうにないから先に行ってて、だって」

海未「……」

ことり「……」

海未「……行きましょうか」ハァ

ことり「……だね」アハハ…




ことり「……」スタスタ

海未「……」スタスタ

ことり(手、繋いじゃおっかな……)

ことり「……」スッ

103: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 22:56:09.25 ID:uh9ghQGx
海未「どうしました?手でも繋ぎます?」スッ

ことり「///」バッ

ことり「ち、違うの!ちょっと手、伸ばしただけだから……」

海未「そうなんですか?私は構いませんので、遠慮せずに言ってくださいね」

ことり「う、うん……」

ことり(うぅ~……折角の海未ちゃんと二人で登校なのに、何にも出来ないよぉ~)

ことり「……」ウ-ンウ-ン

海未(今日のことりは変ですね、何かあったのでしょうか)

104: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:02:56.99 ID:uh9ghQGx
海未「ああ、そういえばことり。昨日の事で少し聞きたいことが――」

ことり「忘れて!」

ことり「昨日のことは忘れて、ね?」ニコッ

海未「いえ、私が何かしたのならば謝罪をしなくてはいけませんので」

ことり「何もされてないからっ!」

海未「しかし……」

ことり(もう~何でこんなに食い下がってくるのぉ!)

105: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:09:01.66 ID:uh9ghQGx
ことり「……あっ、見て海未ちゃん、絵里ちゃんと希ちゃんだよ!」オ-イ

海未「話を逸らしましたね」ジト-

ことり「……な、何のことかなぁ?」



絵里「あら、ことりに海未じゃない。おはよう」

希「おはよーさん、穂乃果ちゃんは?」

海未「寝坊です」ピシャリ

106: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:14:59.66 ID:uh9ghQGx
希「あちゃー穂乃果ちゃん……」

絵里「もう、しょうがないんだから」

海未「後でお説教ですね」

ことり「あんまり怒らないであげてね……」

海未「大丈夫ですよ、そこは分かっています。いつもの事ですし」





希「ほら、エリチ」コソコソ

絵里「なに?どうしたのよ?」コソコソ

108: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:19:41.60 ID:uh9ghQGx
希「昨日解散した後、詳しい事説明したやろ!」コソコソ

絵里「……ごめんなさい、何だったかしら」コソコソ

希「ああ、もう!」コソコソ

希「海未ちゃんに近づいてって言ったやん!」コソコソ

絵里「あ――」




絵里「ああっ思い出したわ!」

ことうみ『!!』ビクッ

109: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:26:05.00 ID:uh9ghQGx
希「エリチっ!声、声っ!」コソコソ

ことり「絵里ちゃん……なにか思い出したの?」

絵里「ええ!」





絵里「海未にベッタリとくっつかなきゃいけない事を思い出したわ!」ドヤァ

ことり「ふぇっ!?」

海未「……これが、昨日言ってたアレですか」ボソッ

希(……エリチ、何かアホっぽいで)

ことり「な、何で海未ちゃんにくっつかないとダメなの?」

110: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:32:51.24 ID:uh9ghQGx
絵里「そんなの決まってるでしょ――」








絵里「海未が私の事を好きだからよ!」バンッ

海未「えっ!?」

希「えっ!?」

絵里「えっ!?」

ことり「海未ちゃんが!?」

絵里「あ、間違えたわ」

ことり「えぇ……」

111: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:38:05.44 ID:uh9ghQGx
海未「……ですよね、思わず私も驚きました」ボソッ

絵里「ごめん、もう一回やるわね」

希(……最初からダメダメやん)





絵里「私が海未にくっつかなきゃいけない理由はね――」

絵里「私が海未の事を好きだからよ!」

114: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:42:34.63 ID:uh9ghQGx
ことり「ほ、ホントなの……?」

絵里「ええ、本当よ」





海未「嘘なんですけどね」ボソッ

希(ポンコツもここまで来ると、愛おしさを感じるんやなぁ……)ホッコリ



絵里「そんな訳で……海未」

海未「はい?」

115: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:47:58.39 ID:uh9ghQGx
グイッ


ことり「!?」

絵里「一緒に学校、行きましょうか」ギュッ

海未「あ、あの……腕が///」カアァ

絵里「ああ、腕組み?別にいいでしょ?」チラッ

ことり「っ」

絵里「だって、海未の事が好きなんだから」フフッ

116: 名無しで叶える物語(なっとう)@\(^o^)/ 2015/07/18(土) 23:53:34.38 ID:uh9ghQGx
海未「///」カアァ

ことり「~~!」

絵里「それじゃ、お先失礼するわね~ 」

海未「ちょっと絵里……」




スタスタ……




ことり「……」ポツ-ン

126: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 22:39:41.21 ID:mNLQW26n
ことり(どどどど~しよぉ~!まさか、希ちゃんの言ってた人が絵里ちゃんだったなんて!)

ことり(絵里ちゃんがライバルなんて、勝ち目無いよぉ!)

ことり「希ちゃぁん……」ウルウル

希「これは完全にやられてしもたね」

希(エリチならすぐ失敗すると思ってたんやけどなぁ)

希(ちょっとやり過ぎな感じもするけど……まあ面白そうやからいっか♪)

127: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 22:45:57.19 ID:mNLQW26n
ことり「海未ちゃん……連れて行かれちゃったよ……」ズ-ン

希「じゃあ、ことりちゃんも急がんとダメやない?」

ことり「へ?」

希「海未ちゃんから離れんようにするって、昨日言ってたやん」

希「それやったら、こんな所で落ち込んでる暇は無いんやないかな?」

ことり「……そっか」

ことり「確かにそうだよね!」グッ

希「行ってき」ニコッ

128: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 22:53:03.18 ID:mNLQW26n
ことり「うん、行ってきます!」ダッ




ウミチャァン!!マッテ--!!



希「……海未ちゃんもことりちゃんもホンマに世話が焼けるなぁ」

希「でも――青春やねぇ」フフッ

――――――

129: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 22:59:24.51 ID:mNLQW26n
ことり「海未ちゃーん!待ってぇー!」ハアハア

絵里「残念、もう追いつかれちゃった」

ことり「こ、ことりも……」ハアハア

海未「大丈夫ですか?辛いのなら、休んだ方が――」





ことり「大丈夫だよ……ことりも海未ちゃんと一緒に行きたいから」

絵里「あらあら、健気ね」

海未「ことり……」

131: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:08:35.38 ID:mNLQW26n
絵里「でーも……」

絵里「私と海未の邪魔をしないでもらえるかしら?」

海未「そのように言わなくと――」

絵里「海未はちょっと静かにしててね♪今はことりと話してるから」シ-

絵里「私は海未が好きなの。だから二人きりで登校したいんだけど……
ことりはどうなの?」

ことり「……き……もん」ボソッ

絵里「なに?そんなんじゃ聞こえないわ」

133: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:15:23.23 ID:mNLQW26n
海未「絵里!」

絵里「静かにしてって言ったでしょ?」

ことり「……すき」







ことり「ことりだって海未ちゃんが好きだもんっ!」

絵里「大胆♪」フフッ

ことり「だから、海未ちゃんは渡せません!」グイッ

海未「きゃっ!」

134: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:20:39.61 ID:mNLQW26n
絵里「あーあ、そんなに強引にしちゃ海未が可哀想よ」

絵里「もっと優しく、そうね――」スッ


ギュッ


海未「あっ……」

絵里「こうしてあげないと、ね?」フフン





ことり「……むむ~!」バチバチ

絵里「……ふふっ」バチバチ

135: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:27:28.93 ID:mNLQW26n
海未「あ、あの~……二人ともそろそろ学校に……」オソルオソル

ことり「そうだねっ、行こっか海未ちゃん♪」ガシッ

ことり「ことりと二人で――」


ガシッ


絵里「仲間外れは寂しいじゃない」ニコッ

ことり「……」ジ-

136: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:32:46.23 ID:mNLQW26n
ことり「行こっ、海未ちゃん」フンッ

絵里「行きましょうか、海未」フフッ


スタスタ……スタスタ………




海未「はぁ……」ズルズル

海未「……もう好きにしてください」グッタリ


――――

137: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:38:06.28 ID:mNLQW26n
――三年教室

絵里「ふっふーん♪私の名演技どうだったかしら?」エッヘン

希「なかなか良かったんやないかな、ことりちゃんは結構危機感感じてると思うよ」

にこ「そうね、いつもあんな感じでカッコ良くいれば、何も言うことないのに……」

希「あれ?にこっちあの場におったん?」

にこ「ええ、通りすがりでしか見てないけどね」

138: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:43:48.40 ID:mNLQW26n
絵里「やっぱりKKEの私ともなるとあれぐらいの事も軽々こなせちゃうのよね~」

にこ「なーんで、黙ってればいいのに余計な事を言うのかしら……」

希「それがエリチやからね」アハハ…

にこ「μ'sに入る前はこんな事なかったと思うんだけど」チラッ


絵里「希とにこに褒められちゃった♪」フフ-ン



希「……まあ、ね」

140: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:49:44.52 ID:mNLQW26n
希「でも多分、こっちが本当のエリチなんやないかな」

希「にこっちはこっちのエリチは嫌い?」

にこ「……そんなわけないでしょ」

希「うんっ、ウチも!」




絵里「なになに~何の話~?」

のぞにこ『……』フフッ

にこ「秘密よ」

希「そうやね、これはちょっと教えられんかなぁ」

141: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/19(日) 23:55:25.68 ID:mNLQW26n
絵里「ええー!教えてくれたっていいじゃない!」

希「だーめ♪そんな事よりことりちゃん達が上手くいくように、これからの展開考えるよ~」

絵里「けち……」

にこ「ケチでも何でもいいわよ。ただし、今やってるのはアンタしか出来ないんだからちゃんと一緒に考えなさい」

絵里「……はーい」ブ-ブ-

希「ふふっ、ええ子ええ子」ナデナデ

――――――

149: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 22:44:47.88 ID:lqvdJ0uo
――二年教室 昼休み

穂乃果「よーし!やっとお昼休みだぁー!」

穂乃果「ことりちゃん!海未ちゃん!お昼食べよー」

ことり「……」ブツブツ

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「エリチャンニカツタメニハ……」ブツブツ

穂乃果「おーい!」フリフリ

ことり「モットコトリガセッキョクテキニ……」ブツブツ

穂乃果「こーとーりーちゃーん?」

ことり「イッソノコトイロジカケ……イヤソレハサスガニ」ブツブツ

150: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 22:53:37.17 ID:lqvdJ0uo
穂乃果「ダメだ……全然反応してくれないや」

穂乃果「ことりちゃんどうしたんだろ?今日ずっとああだよ~」

穂乃果「海未ちゃん何か知ってる?」

海未「……へっ!?あ、あー……何故でしょうね~……」ダラダラ

穂乃果「残念、海未ちゃんも分かんないのかぁ」

穂乃果「気になるけど……まあしょうがないよね、パンでも買ってこよーっと!」



海未「……ふぅ」

海未(すみません穂乃果……もう少しすればちゃんとお話しますので……)

151: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 22:59:38.69 ID:lqvdJ0uo
海未「しかし……」

ことり「コノママジャウミチャンガ……」ブツブツ



海未「確かに、朝からずっと考え事をしている様ですね」

ことり「……よし!」スクッ




スタスタ……


海未(ん?こっちに向かってきますね、どうしたのでしょうか?)

152: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:05:32.30 ID:lqvdJ0uo
ことり「うーみーちゃんっ♪一緒にお昼食べよ?」

海未(ああ、お昼のお誘いでしたか)

海未「ええ、構いませんよ。では、穂乃果が帰ってくるまで待っていま――」


バ-ンッ



絵里「海未!一緒にお昼食べましょ!」

ことり「」

153: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:10:36.70 ID:lqvdJ0uo
海未「また絵里ですか……」ハァ

絵里「あら、私はお呼びじゃなかった?」

海未「そういうわけではありませんが……いえ、丁度良かったです」

海未「少しこちらに、よろしいですか?」

絵里「ええ、いいわよ」





海未「あの、これってちゃんと効果あるんですか?」コソコソ

絵里「これって?」コソコソ

156: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:15:21.96 ID:lqvdJ0uo
海未「絵里が私の事を好きだという演技です」コソコソ

絵里「大丈夫、大丈夫♪お陰でことりに変化が出てるでしょ?」コソコソ

海未「……いい方向に変化してるとは言いきれませんが、確かに変化はありますね」コソコソ

絵里「でしょ?だから、効果はあるって事よ」コソコソ

海未「果たして本当でしょうか……」コソコソ

絵里「もうっ、心配症ね。希のお墨付きなんだから安心しなさい」コソコソ

海未「ああ、それなら心配なさそうですね」コソコソ

絵里「この扱いの差よ……」コソコソ

157: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:21:30.63 ID:lqvdJ0uo
ことり(何話してるんだろ……気になる)ソワソワ


海未「まあ、効果があるならばそれでいいんです」コソコソ

絵里「そんな事が聞きたかったの?」コソコソ

海未「それもありますが……」コソコソ

絵里「他にも何か?」コソコソ

海未「朝のやり方を見て少し思ったことがあったので、絵里に知っておいてもらおうかと」

絵里「私に?何かしら?」

158: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:28:15.72 ID:lqvdJ0uo
海未「……」スゥ





海未「まずは、私とことりの為に色々と考えてくれて感謝しています」

絵里「別に気にしなくてもいいわよ」フフン

海未「ですが――」

海未「朝のやり方は少し酷いように感じました」

絵里「えっ……そ、そうかしら?」

絵里(私何か酷いことしたっけ……)

海未「はい」

159: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:34:53.61 ID:lqvdJ0uo
海未「私が言うのもなんですが、その……ことりの目の前で想い人の私を奪う、というのはどうかと思います」

海未「他にも、もっとやり方があったのではないでしょうか」

絵里「あれ、ダメ?」

海未「ことりが可哀想ではないですか、だから駄目です」ピシャリ

絵里(えぇ……)

海未「ことりは見た目通りのとても繊細な女の子なんです、絵里と違ってあんな事をされたら泣いてしまいます」

絵里(何か、今さりげに酷いことを言われたような……)

160: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:40:36.39 ID:lqvdJ0uo
海未「私はことりのそんな姿は見たくありません」

海未「だから、もっと優しく接してあげてください」ペコリ

絵里「……」

海未「どうかしました?」

絵里「ねえ、海未ってまだことりと付き合ってるわけじゃないのよね?」

海未「つきっ……!い、いえ付き合ってはいません///」カアァ

海未「わ、私はただことりの事を思ってですね……」アセアセ

絵里「そうよね、ありがと」

161: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/20(月) 23:46:01.47 ID:lqvdJ0uo
絵里(……実は海未ってことりの事めちゃくちゃ好きなんじゃないかしら)

絵里(ことりに対する態度が他の人より段違いで甘いんだけど)

海未「え、絵里?」

絵里「まあ……優しくするように善処するわ」



――――

168: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 22:59:41.05 ID:BMgo9R9K
海未「お待たせしてしまってすみません、ことり」

ことり「ううんっ、大丈夫だよ!それより、お話は終わったの?」

海未「はい、もう終わりました」

ことり「それじゃ、お昼にしよ♪」

海未「そうですね、穂乃果もそろそろ帰ってくるでしょうし」




絵里「あ、そういえば穂乃果は待たなくていいわよ」

169: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:06:16.73 ID:BMgo9R9K
海未「何故です?穂乃果を仲間外れなどには出来ません!」

絵里「違うわよ、そういう意味じゃなくて……穂乃果は希達とお昼食べてるんだって」

ことり「希ちゃん達と?」

絵里「ええ、パンを買いに来てた穂乃果と偶然会ってそれで……って流れみたいよ。さっき連絡があったわ」

海未(本当に偶然でしょうか……)

ことり「そういう事だったんだね、ちょっとびっくりしちゃったぁ」エヘヘ

海未「では、こちらはこの三人でお昼ですか」

170: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:12:03.83 ID:BMgo9R9K
ことり「!」ハッ

絵里「そういうことになるのかしらね」

ことり「……」ジ-

絵里「ん?」ピクッ

絵里「いやね、そんなに睨まなくても大丈夫よ」

ことり「……今の絵里ちゃんはあんまり信じられないもんっ」フンッ

絵里「お昼ぐらい普通に食べようと思ってたんだけど……嫌われちゃったかしら」シュン

ことり「あ……」

171: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:17:45.27 ID:BMgo9R9K
海未「ことり」

ことり「……だって、海未ちゃん取られちゃう」

海未「取られなんかしませんよ」フフッ

ことり「でもぉ……」

海未「では、私はことりの隣で食べます」

ことり「えっ!」

海未「いいですよね?絵里」

絵里「そうね、特に異論はないわ」

172: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:23:10.28 ID:BMgo9R9K
海未「ほら、絵里も賛成してくれましたよ」

海未「ことりはどうですか?」

ことり「う、うん……」

ことり「……絵里ちゃんごめんなさい」ペコリ

絵里「謝らなくてもいいわよ。それより、一緒に食べてもいいかしら?」

ことり「うん!」

海未「やはり、平和が一番ですね」ニコニコ

――――

173: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:27:59.17 ID:BMgo9R9K
海未「ご馳走様でした」パンッ

ことり「ごちそうさまでした♪」パンッ

絵里「ごちそうさまでした」パンッ

ことり「本当に絵里ちゃんが何もしてこなかった……」

絵里「だから言ったじゃない、お昼ぐらい普通に食べたいって」

ことり「言ったけど……」

絵里「それとも、何かした方が良かった?」

ことり「……そ、それはダメ!」ブンブン

絵里「そうでしょ?だからこれでいいじゃない」

174: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:33:28.35 ID:BMgo9R9K
絵里「さーて、私はそろそろ教室に戻ろうかしら」ノビ-

海未「絵里、ありがとうございました」コソ

絵里「なにが?」

海未「ことりに優しく接してくれて、です」

絵里「あぁ、その事」

絵里「あんまりやり過ぎも良くないから」

海未「出来れば、以降もこの調子で――」

絵里「それは無理な相談ね」ニコ

海未「……何故ですか」

絵里「だって楽しいもの♪」

175: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:39:27.82 ID:BMgo9R9K
海未「……まあ、そんな事だろうとは思いました」

絵里「あら、怒らないの?」

海未「ええ、既に忠告は済ませましたので」

絵里「忠告?」

海未「ことりを悲しませないでください、と」

絵里「……もし、なんだけど。破ったらどうなるの」

海未「そうですね、その場合は」

海未「言わずとも……わかりますよね?」フフッ

絵里「」ゾワッ

絵里「は、はいっ!」ピシッ


――――

176: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:45:55.48 ID:BMgo9R9K
――――

――放課後


穂乃果「終わりだよっ!」

海未「はぁ……」グッタリ

ことり「海未ちゃん大丈夫?」

海未「ええ、少し疲れただけなのでお構いなく」

海未「さあ、帰りましょうか。穂乃果、ことり」

ことり「うんっ」

穂乃果「あ、ごめんね。穂乃果、今日は希ちゃん達と約束があるんだ」

177: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:51:58.59 ID:BMgo9R9K
海未「そうなのですか?それでは、仕方ありませんね」

ことり「明日は一緒に帰ろうね?」

穂乃果「うん!じゃあまた明日ね~」フリフリ

ことり「じゃあね~」

海未「お疲れ様です」




海未「……」

ことり「……」

海未(二人ですか……今日はことりと二人になることが多いですね)

海未(まあどうせ、希辺りが何かしているのでしょうが)

178: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/21(火) 23:57:39.62 ID:BMgo9R9K
ことり(また海未ちゃんと二人きりだよっ、今度こそ……)


ことり「ねぇ……海未ちゃん」

海未「はい?」

ことり「一緒に――」

ことり「!」キョロキョロ

海未「あの……何をしているのですか?ことり」

ことり「絵里ちゃんが居ないか確認してるの!」

ことり「絵里ちゃんってばいっつも良い所で出てくるんだ――」

絵里「呼んだかしら?」

179: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 00:02:25.37 ID:iMkbLrwj
ことり「ひゃあああっ!」ビクッ

海未「絵里!?いつの間に……」

絵里「今さっきよ、ビックリしたでしょ!」ドヤァ

絵里「まあ今回は邪魔しに来たわけじゃないんだけどね……ってあら?」

ことり「……」ヘナヘナ…

絵里「どうしたの?」

ことり「腰……抜けちゃった」ペタリ…

絵里「嘘っ!?さっきので?」

海未「……絵里」

絵里「う、海未!?」

180: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 00:08:18.72 ID:iMkbLrwj
海未「昼休みにお願いしたこと、覚えていますよね?」

絵里(これはヤバいわ……)

海未「覚悟……してください――」

絵里「あー!気づけばこんな時間じゃない、穂乃果との待ち合わせに遅れちゃうわー」

海未「……穂乃果との?」

絵里「そう、だから今日はことりとごゆっくりって言いに来ただけなの」

海未「なるほど、そうでしたか」

絵里「うん、そういう事だから……じゃ!」ダッ

海未「あっ!絵里!」


タッタッタ……



海未「くっ、逃げられましたか」

186: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 22:57:59.39 ID:i4xKfCZR
ことり「海未ちゃぁん……」グスッ

海未「はっ、そうでした!ことり、大丈夫ですか?」

ことり「ちょっとまだ立てないかも……」

海未「……」フム

海未「では、少し恥ずかしいかも知れませんが、我慢してください」

ことり「恥ずかしい?」

海未「……さあ、こちらへ」

ことり「……へっ!?海未ちゃん、もしかしてこれって……」

187: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:04:05.77 ID:i4xKfCZR
海未「まあ、俗に言うおんぶですね」

ことり「……恥ずかしいよぉ///」カアァ

海未「ですから、我慢してくださいと言ったではないですか」

海未「さあ、いつでもいいですよ」

ことり「うぅ~……ええいっ!」ギュッ

海未「おっと」

海未「ことり、いきなり捕まると危ないです……よ!?」ガシッ

ことり「うしろ向いちゃだめです///」

189: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:10:12.73 ID:i4xKfCZR
海未「な、何故ですか?」

ことり「……なんでもです」ギュッ

海未「……よく分かりませんが、分かりました」

海未「……」スタスタ

海未「心地悪かったりしませんか?」

ことり「平気だよー」

海未「なら良かったです、辛くなったらいつでも言ってくださいね」

ことり「うん、ありがとっ」

190: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:15:11.96 ID:i4xKfCZR
海未「……」スタスタ

ことり「……」ジ-

ことり(海未ちゃんの横顔……かっこいいなぁ)

ことり(歩く度にサラサラの髪が揺れて綺麗で……いい匂いもする)

ことり(スタイルだってスラッとしてて)

ことり(そう考えると、海未ちゃん……ホントに美人さんだなぁ)

ことり(そりゃ、絵里ちゃんも好きになっちゃうよ)

ことり(いつもはすっごく恥ずかしがり屋さんなのにね)

191: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:21:06.17 ID:i4xKfCZR
ことり(あ、恥ずかしがり屋といえば、おんぶなんて普段の海未ちゃんなら絶対してくれないのに……)

ことり(どうしたのかな?)

ことり(もしかして、これってちょっとは進展したって事?)

ことり(う~ん……うんっ!)

ことり(きっとそう、そうだよね。というよりもう、そう思い込んじゃいますっ)

海未「ことり?」

ことり(だから、海未ちゃんがことりに振り向いてくれるまで、もうちょっとだけ――)

192: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:26:24.56 ID:i4xKfCZR
ことり「……海未ちゃん」ポフッ

海未「どうかしました?」

ことり「……大好き」ボソッ

ことり(ことりは頑張っちゃいます)

海未「……ふふっ」

海未「有り難うございます、ことり」

ことり「///」

――――

194: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:32:34.77 ID:i4xKfCZR
――帰り道 公園

海未「ふぅ……少しここで休憩していきましょうか」

ことり「ごめんね?ことり重たかったよね……」

海未「重くなかったと言えば嘘になりますね」

ことり「ふえぇ……やっぱりぃ……」ウルウル

海未「じょ、冗談ですよ!ことりが重いはずないでしょう!」

ことり「海未ちゃん、普段冗談言わないから分かんないよ……」グスッ

195: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:37:33.58 ID:i4xKfCZR
海未「すみません……ことりなら分かってくれると思い、つい」

ことり「もうっ、次からはことり以外に言っちゃだめだよ?」

海未「ことりには言ってもいいのですか?」

ことり「言ってもいいわけじゃないけど……」

ことり「ことりだけに冗談言ってくれるなんてちょっと嬉しいというか、なんというか……」ゴニョゴニョ

海未「……何を言ってるのかよく聞こえませんが、気をつけるようにします」

196: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:43:07.13 ID:i4xKfCZR
海未「時に、身体の調子はいかがですか?」

ことり「うん、ありがとっ!もう大丈夫だよ~」

海未「それは良かったです」ニコ

海未「しかし、ことりが急に床にへたりこんだ時は驚きましたよ」

ことり「驚いたのはことりの方だよぉ」

ことり「いきなり絵里ちゃんが出てくるんだもん……」

海未「全く……絵里にも困ったものですね」ハァ

ことり「あはは……」

197: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:47:43.49 ID:i4xKfCZR
ことり(でもそのお陰で海未ちゃんにおんぶしてもらえたし、今回は絵里ちゃんに感謝かな?)

海未「……」

ことり「海未ちゃん?公園見渡してどうしたの?」

海未「いえ……少し、思い出していました」

ことり「思い出?」

海未「思い出という程、昔でもないですけどね」クス

199: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/22(水) 23:53:20.88 ID:i4xKfCZR
海未「ことりだって知っているはずですよ?」

ことり「ことりも?」

海未「周りを見れば思い出すかと」

ことり「……」グルリ

ことり(あっ、そういえばここって……)





ことり「ことりが海未ちゃんに告白した場所……だよね」

海未「ええ、その通りです」

207: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 22:52:59.48 ID:Ujltitpm
海未「二週間程前の事になりますね」

ことり「そっか……もうそんなに経っちゃったんだ」

海未「私にはまだ二週間、に思えますが」

海未「まあ、どちらにしろ二週間経っているのは事実です」

ことり「二週間か……確かに、長いようで短いような感じ」

208: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 22:59:29.10 ID:Ujltitpm
海未「今でも鮮明に思い出せますよ、あの日の事は」

ことり「ことりも、思い出せるけど……ちょっと思い出したくない気持ちもある、かも……」

海未「……あの時は本当に申し訳ありませんでした」ペコリ

ことり「ち、違うよ!そんなつもりで言ったんじゃないよ!?」アセアセ

ことり「ただ、そんな事もあったよね~……って思い出してただけだから!」

210: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:05:45.25 ID:Ujltitpm
ことり「それよりも……海未ちゃんに一個だけ聞いていい?」

海未「質問ですか?はい、なんなりと」

ことり「あのね……」



ことり「今の時点でことりの事どう思ってる?」

海未「……」

ことり「や、やっぱり言いづらいよね!」

海未「いえ、そんな事はありませんよ。ちゃんと答えます」

211: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:11:25.66 ID:Ujltitpm
ことり「無理しなくていいんだよ?」

海未「無理などする訳ありません」

ことり「急かしちゃってるみたいで、ごめんね?」

海未「何を言うんですか、悪いのはまだ答えを出せていない私ですよ」

海未「ことりは何も気にする必要はありません」

ことり「そうなのかなぁ……」

海未「ええ、そうですよ」



海未「さて、ことりの事、でしたね。そうですね……」

ことり「……」ゴクッ

213: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:16:44.88 ID:Ujltitpm
海未「率直に言いますと……まだよく分からない、と言うのが正直な所です」

ことり(やっぱり……かぁ)

海未「ですが、一つだけ言えることは――」





海未「以前よりもことりの事を気にかけるようにはなりました」

ことり「……!」パアァ

215: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:22:09.14 ID:Ujltitpm
海未「ことりが喜んでいるのを見ると、私も嬉しくなりますし」

海未「ことりが泣きそうになっているのを見ると、私も悲しくなってしまいます」

海未「勿論、以前からそういう感情は有りました」

海未「ただ、それは幼馴染として共に過ごした時間が長いから当たり前……そう思っていたんです」

海未「でもきっとこれは、別の何かなのでしょうね」

海未「これが何を意味しているのかは、現時点では分かりませんが」

海未「少なくとも悪い意味ではないのは間違いないでしょう」

216: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:28:08.18 ID:Ujltitpm
海未「ひとまず……これが現時点での私のことりに対する思いです」

ことり「……」ウルッ

海未「ズルイですよね……あやふやな回答で申し訳ありません」

ことり「う、ううん!そんな事ない、すっごく嬉しいよぉ……」グスッ

海未「な、泣いているのですか?」

ことり「だって、だってぇ……」グスッ

217: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:34:17.41 ID:Ujltitpm
海未「ええと、ええと……」アタフタ

海未「ど、どうすればよいのでしょうか……」

ことり「何もしなくていいよ」

ことり「ただ今は――」




ことり「もうちょっと、そばにいて欲しいな……」ギュッ…

海未「っ///」

海未「わ、私でよければ喜んで///」カアァ

――――

219: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:39:40.90 ID:Ujltitpm
ことり「ここまでで平気だよ」

海未「本当に家まで送らなくていいんですか?」

ことり「すぐそこだよ?」

海未「それでも……ことりは可愛いので変な輩に襲われないかと心配で……」

ことり「それは流石に心配しすぎだよ~」

ことり「じゃあ、帰りついたらメール送るね?それでいい?」

海未「ふむ……まあ、それならば」

221: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:45:19.29 ID:Ujltitpm
海未「分かりました、気を付けて帰ってくださいね」

ことり「うんっ、じゃあね海未ちゃん!」フリフリ

海未「はい、また明日です」



テクテク……テクテク……




海未「……はぁ」

海未「……」ボ-

222: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:50:57.15 ID:Ujltitpm
海未「どうしてしまったのでしょう……公園でことりと話してから、身体が熱いような気がします」

海未「風邪――は無い筈です。気だるさはありませんので」

海未「となると身体でないなら、心の問題でしょうか」

海未「……心」ウ-ン

海未「病院に行くべきかもしれません……」

海未「取り敢えず明日、一度真姫に相談してみましょう」

223: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/23(木) 23:56:12.76 ID:Ujltitpm
海未「そうと決まれば、今日は早めに休んだ方がよさそうですね」

ブブブ……

海未「ん?メールですね」スッ


ことり『ことりだよっ、無事に帰ったよ~♪海未ちゃんも気を付けて帰ってね(・8・)b』


海未「ふふっ、ことりはメールも可愛らしいですね」

海未「さあ、ことりの無事も確認出来たところで……私も帰るとしましょうか」

――――

229: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:17:50.53 ID:PVOj62FV
――翌日 音楽室 昼休み

海未「すみません、いきなり呼び出してしまって」

真姫「別にいいわよ、用がある訳でもなかったし」

海未「それなら安心しました」

真姫「じゃ、さっそく本題に入るわよ」

海未「あ、はい。実はですね……」

海未「昨日、ことりと一緒に帰ったんです」

真姫「へえ、二人で?」

海未「ええ」

230: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:22:53.77 ID:PVOj62FV
真姫「ちゃんと進展してるみたいで安心したわ。それで?」

海未「途中で一休みする為に公園に立ち寄ったのですが……」

海未「そこで少し、ことりに告白された時のことを話したんです」

海未「その後、ことりを家の近くまで送り帰ろうとした時に……」

真姫「した時に?」

海未「自分の身体が熱くなっていることに気が付いたんです」

231: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:28:51.01 ID:PVOj62FV
海未「最初は風邪かと思ったのですが、違いました」

海未「ならば、異常があるのは身体ではなく……」

真姫「心と思った?」

海未「正解です!流石、真姫鋭いですね」オォ

真姫「ありがと」

真姫「で、考えてもよく分からないから私の所に相談に来た……と」

232: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:34:11.71 ID:PVOj62FV
真姫(何となくだけど、海未の異常の正体が分かった気がするわ)ハァ

海未「貴方はエスパーか何かですか」

真姫「ただのμ'sの作曲担当よ」

真姫「……じゃなくてっ、そんな阿呆な話はどうでもいいの!」

海未「阿呆とはなんですか……」シュン

真姫「ちょっと聞きたい部分があるんだけど」

海未「どこですか?」

真姫「その公園で話した、ことりに告白された時の事――ってのをもう少し詳しく聞かせて」

海未「……え」ピタ

233: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:39:03.76 ID:PVOj62FV
真姫「なによ?」

海未「……どうしても言わなくては駄目ですか?」

真姫「何か不都合でもあるの?」

海未「いえ、そういう訳では……」モゴモゴ

真姫「なら、聞かせてちょうだい。そこに恐らくヒントが隠されてるはずだわ」

海未「うぅ……わ、わかりました」シブシブ

海未「あ、あの……」

カクカク

シカジカ

ラブアロ-シュ-ト!!


海未「~~です……」

235: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:44:07.52 ID:PVOj62FV

真姫「……そう」

真姫(聞かなきゃよかったわ……前と一緒で、ただの惚気じゃないの!)

海未「で、真姫……もちろん何か分かりましたよね?」

真姫「は?」

海未「恥ずかしかったんですからね?」

海未「ここまで話させて何も無し、では帰しませんよ」ウフフ

真姫「ちょっと、怖いからやめなさい」

236: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:48:01.35 ID:PVOj62FV
真姫「まったく……そんなに心配しなくても大丈夫よ。既に答えは出たわ」

海未「本当ですか!?」バンッ

真姫「今日はえらく食いつきがいいわね……」

海未「悪い病気だったら大変じゃないですか」

海未「こういうのは早期発見、そこからの早期治療が大事なんです」フンス

真姫「……治るかどうかは海未次第だけどね」

海未「と言うことは、私はやはり病気なのですか?」

238: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:53:49.96 ID:PVOj62FV
真姫「ん……まあ、病気と言えば病気になるのかしら」

海未「……」

真姫「どうしたのよ?」

海未「……い、遺書の準備は?」ガクガク

真姫「いらないわよ……そんなレベルの病気だったら、今すぐ病院送りされてる所だから安心しなさい」

海未「で、では入院の方は……?」ブルブル

真姫「何でそんな悪い憶測ばかりしてるのかしら……しなくていいわよ」

海未「だって心配ですし……」シュン

海未「もし、悪い病気であった場合皆と、ことりとお別れしなくてはいけない」

海未「そう思うとどうしても……」

239: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 22:59:15.08 ID:PVOj62FV
真姫「……もうっ」




真姫「何、弱気になってんの――よ!」バシ-ン

海未「痛っ!」

海未「……な、何をするのです真姫ぃ」ウルウル

真姫「だから、大丈夫だって言ってるでしょ!私の言葉を信じなさい」

真姫「私は未来の天才ドクター、西木野真姫よ!」

240: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:03:57.21 ID:PVOj62FV
海未「……」クスッ

海未「……ふっ」

海未「……ふふっ」

真姫「はぁ、やっと笑ったわね」

海未「天才ドクターって……ふふっ、何ですかそれ?」

真姫「……忘れなさい///」

海未「未来の天才ドクター、西木野真姫です!」ドヤァ

真姫「~~」

真姫「海未ぃ~あんたねぇ!」

――――

241: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:09:28.31 ID:PVOj62FV
海未「すみません、調子に乗りました……」ドゲザ

真姫「う、ううっ……」

真姫「私……」ウルッ

真姫「わ、私はただ海未を……元気づけようと……思ってぇ」グスッ

海未「ああっ真姫、泣かないでください!」

海未「ほ、ほらっ、見てください!こんなに元気になりました!」フンスッ

242: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:12:32.17 ID:PVOj62FV
真姫「……もうバカにしない?」

海未「勿論ですとも」

真姫「……じゃあ許してあげるわ」

海未「よかったです……」ホッ

真姫「次は無いからね?」

海未「肝に銘じておきます」

243: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:17:23.92 ID:PVOj62FV
真姫「もうっ、海未のせいで話が逸れちゃったじゃない」

海未「本当に申し訳ないです」

真姫「終わったことだからいいけど……そろそろ話戻すわよ」

海未「ええと……私が病気、なのでしたっけ?」

真姫「大したことないけど……まあ敢えて言うとしたら、心の病かしら」

海未「やはり心でしたか」

真姫「身体の火照りの他に、胸の辺りがモヤモヤしたりしない?」

244: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:22:25.96 ID:PVOj62FV
海未「ああ、確かにありますね」

真姫「それが症状よ」

海未「何か治療法はないのですか?」

真姫「えっ……そうねぇ」

真姫(海未が、さっさとことりと結ばれてくれると治るんだけど……流石にそんなこと言えないし)

真姫「……」ウ-ン

真姫「現時点ではないわ」キッパリ

海未「……ないのですか?」

真姫「ないわ、諦めてちょうだい」

245: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:27:47.79 ID:PVOj62FV
海未「では、私はどうすれば……」

真姫「まあ、そのうち治るでしょ」

海未「放っておけば治ると?」

真姫「さっきも言ったと思うけど、それは海未次第よ」

海未「煮えきりませんね……」

真姫「仕方ないでしょ、他に方法がないんだから」

真姫「その代わりって訳でもないけど――」

真姫「また何かあれば何時でも相談してくれて構わないわ」

246: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:30:56.88 ID:PVOj62FV
海未「そうですね、無理は言えませんし……」

海未「今日はありがとうございました」ペコッ

真姫「こっちも、あんまり力になれなくてごめんなさい」

真姫「……ことりとの事、頑張ってね。応援してるわ」

――――――

255: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 14:06:43.92 ID:8tlT57Ow
海未「はぁ……」トボトボ

海未「どうすればこのモヤモヤが解消されるのでしょうか……」トボトボ

「あれ、海未じゃない」

海未「ん?……ああ、にこですか」

にこ「どうしたのよ、元気なさそうね」

海未「いえ、気にしないでください。大した事ではないので」

にこ「……」ジ-

海未「私に何かついてます?」

257: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 14:12:22.25 ID:8tlT57Ow
にこ「別に?何もついてないわよ。ただ、ホントに何も無いのかと思っただけ」

にこ「何かあんなら、話聞くわよ?」

海未「それはありがたいですが……」

にこ「私じゃ頼りないっての?」ムッ

海未「そ、そういうわけではありません」

海未「ただ……この問題は恐らく、にこでもわからないでしょうから」

にこ「……ああーもうっ!じれったいわね!」ガァ-

258: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 14:18:58.86 ID:8tlT57Ow
にこ「わからないかどうかなんて、それこそ話聞いてみないとわかんないでしょ!」

にこ「だから、取り敢えず話してみなさいよ」

海未「で、ですが――」

にこ「いいからは・な・し・な・さ・い!」ズイッ

海未「……はい」

――――――

259: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 14:25:25.10 ID:8tlT57Ow
――部室

にこ「さ、ここならゆっくり話せるでしょ」

海未「あ、あの……にこ……」オソルオソル

にこ「何?」

海未「午後の授業……もうすぐで始まってしまいますよ?」

にこ「そうね」

海未「ではこんな所で話している暇は……」

にこ「で、何があったのよ?」

海未「授業に……」

260: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 14:30:12.10 ID:8tlT57Ow
にこ「何があったの?」

海未「……話します!話しますからそんなに怖い顔しないでください……」

にこ「怖い顔なんてしてないわ、スーパーアイドルに向かってなんて事言うのよ」ニコッ

海未(今日のにこは怖いです……)ビクビク

海未「え、ええとですね……実はさっき音楽室で真姫に相談をしてたんです」

にこ「相談?」

266: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 23:40:25.01 ID:8tlT57Ow
海未「はい、内容は……」


カクカク

シカジカ

ラブアロ-シュ-ト!!


海未「……という相談をしたんです」フゥ

にこ「ふーん……そういう事」ボソリ

海未「何かわかりました?」

267: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 23:43:55.12 ID:8tlT57Ow
にこ「真姫がわかんないのに、私がわかるわけないでしょ」

海未「ですよね……」

海未「では、わからないのであれば仕方がありません。今すぐ教室に戻って授業を――」

にこ「海未、ここに座りなさい」

海未「わからないと言っていませんでしたか……?」

にこ「とにかく座りなさい」

海未「……」

にこ「座んないの?」

268: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 23:47:01.64 ID:8tlT57Ow
海未「……いえ、座ります」ガタッ

海未(何を始める気でしょうか……)






にこ「よし、皆席付いたわね」

にこ「じゃ、午後の授業始めるわよ」

海未「……はい?」

にこ「五時限目は……道徳?でいいのかしら」

にこ「まあ、何でもいいわね」

にこ「講師は私、矢澤にこが――」

海未「ちょ、ちょっと待ってください!」ガタッ

269: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 23:50:22.12 ID:8tlT57Ow
にこ「今いい所なんだけど?」

海未「こ、これは一体?」

にこ「一体も何も、授業よ」

海未「意味がわかりません……」

にこ「わかんなくていいのよ、学校の授業なんてそんなもんなんだから」

海未「いえ、そういう意味ではなく――」

にこ「はいはい、質問は後で受け付けるわ」

270: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 23:53:33.82 ID:8tlT57Ow
にこ「それより今は授業中よ、大人しく授業を受けなさい」

海未(にこが何をしたいのかがよく理解できませんが……まぁ、付き合っておきましょう)

海未(授業サボってたのがバレたら、ことりに怒られそうですね……はぁ)





にこ「さーて、今日の授業の内容は……これよ」カキカキ



『同性愛について』



海未「ぶっ!?」

272: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:02:10.29 ID:QhwTcSZF
にこ「そこ、静かにしなさい」

海未「あ、はい……すみません」

海未(一体何事ですか!?何故急にこんな話を!?)


にこ「同性愛――まあ簡単に言うと男が男を好きに、女が女を好きになる事ね」

にこ「数ある恋愛の形の中の一つだけど、あまり世間的には受けられていないわね」

にこ「どうしてだと思う?」

海未「私ですか?」

にこ「海未しかいないでしょ」

273: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:07:04.61 ID:QhwTcSZF
海未「間違っている可能性がありますよ?」

にこ「大丈夫よ、正解なんて求めてないわ」

海未「では……」

海未「まず、世間では恋愛と言うと男と女――つまり異性同士で成り立つものとの認識が強い筈です」

海未「これを踏まえて見てみると、同性で成り立つ恋愛――同性愛は世間の認識から外れた変わり者、異端者と思われるからではないでしょうか」

274: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:10:42.93 ID:QhwTcSZF
にこ「……ありがと、まあこの考えが一般的でしょうね」

にこ「全く……酷い話ね、何が平等なんだか」

海未「にこ?」

にこ「ああ、ごめんなさい。授業を進めるわ」



にこ「じゃあ次の質問」

にこ「海未自身はこの同性愛についてどう思う?」

275: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:14:11.04 ID:QhwTcSZF
海未「私自身……ですか」

海未「……少し、考えさせて下さい」

にこ「急かすつもりはないわ。ゆっくり考えなさい」

海未(同性愛……まさに今私の置かれている状況ですね)

海未(私はことりの事をどう思っているんですか?)

海未「……」


海未「私は……」

276: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:18:16.35 ID:QhwTcSZF
海未「同性愛を否定する気はありません」

にこ「そう、理由聞いても大丈夫?」

海未「ありきたりな回答ですよ。恋愛の形は人それぞれ、それだけです」

海未「――と以前の私なら言っていたでしょう」

にこ「今は?」

海未「勿論、さっき言った回答も変わりません」

海未「ただ、実際に自分がいざその状況に置かれると、また新たな考えが生まれてきます」

277: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:22:50.30 ID:QhwTcSZF
海未「にこも知っての通り、私はことりに告白を受けました」

海未「そして、そこから同性愛について少し考えてみたんです」

海未「まあ、同性愛について考えた……というよりは」

海未「もしことりとお付き合いした場合、というのを想定してみただけですけどね」アハハ…

にこ「満更でもないみたいね、それでシュミレーションしてみてどうだったのよ?」

海未「嫌悪感など、とてもじゃないですが感じませんでした」

海未「逆にとても……とても楽しかったです」

にこ「ふふっ……イイことじゃない」

278: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:27:08.41 ID:QhwTcSZF
海未「だから、私なりの同性愛を否定しない理由は……」

海未「もし、ことりとお付き合いした場合を想定してみた所、とても楽しかったからです」クスッ

にこ「……何よその子供みたいな答えは」ハァ

海未「いえ、これでいいんですよ。なにも深く考える必要はありません」

海未「恋愛している当人同士が楽しければそれでいいんです。他人の入る余地など無いのですから」

にこ「……他人の入る余地無し、か。確かにそうね」

にこ(海未も自分でちゃんと考えてるみたいだし、私の出る幕じゃなかったわね)

279: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:30:17.06 ID:QhwTcSZF
にこ「海未、悪かったわね。授業はここで終わりよ」

海未「えっ?もうですか?」

にこ「授業って言っても何も教えられてないけど……」

海未「そんな事は!にこのお陰で、今一度考えることが出来ました」

にこ「ま、そう言ってもらえれば救われるわ」

280: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:35:16.08 ID:QhwTcSZF
海未「しかし、何故急にこんな話を?」

にこ「だって、海未真剣な顔して悩んでたじゃない」

にこ「それで……あの海未がそんなに真剣に悩むって事は、この間のことりの事……」

にこ「同性愛に関する事しかない!って思ったんだけど……もしかしてその反応って事は?」オソルオソル

海未「えー……誠に申し上げにくいのですが」

海未「……私が悩んでいたのは別の事です」



にこ「」チ-ン

281: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:40:06.77 ID:QhwTcSZF
にこ「……して」

海未「に、にこ?」

にこ「私を殺してぇ!」

海未「な、何を言い出すのですか!?」

にこ「は、恥ずかしすぎるわよ!勝手に勘違いして」


にこ『授業を始めるわよ』キリッ


にこ「とか、うわああああぁぁ!!!」ガンガン

海未「落ち着いて!壁に頭を打ち付けないでください!」ガシッ

にこ「もう……生きていけないわ……」ガクッ

282: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:43:26.92 ID:QhwTcSZF
海未「そんな大げさな……別に誰にも言いませんから」

にこ「……はっ!そ、そうね海未しか知らないんだから海未が黙ってくれてたらいいのよ!」

海未「だからそう言ってるじゃないですか」

にこ「あ~よかった~、このままだと本当に死んじゃう所だった――」



「授業を始めるわよ」キリッ



にこ「!?」バッ

283: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:47:36.91 ID:QhwTcSZF
希「やっほ~にこっち~♪」フリフリ

にこ「の、ののののの希いぃ!?」

にこ「な、何でアンタがここに?」

希「そりゃー今が休み時間やからね」

にこ「いつの間にそんな時間に……」

希「正規の授業をサボって、こんな所で課外授業とはええ度胸やん?」

にこ「いやちがっ!これはね!違うの――」

希「問答無用やよ~」ガバッ

にこ「い……」



希「わしわしマ~ックス♪」ワシワシワシワシ

にこ「いやああああぁぁぁ……」

284: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:51:08.69 ID:QhwTcSZF
海未「にこ、貴方の事は忘れませんっ」クッ

「海未ちゃん!」

海未「むっ、この声は……」

ことり「どうしちゃったの?希ちゃんからここにいるって聞いて急いで来たんだけど」

ことり「みんなビックリしてたよ?海未ちゃんが授業に出ないなんて~って」

海未「すみません、少しにこに相談に乗っていただいていたんです」

285: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:53:51.08 ID:QhwTcSZF
ことり「相談?何か悩みがあるの?」

海未「ええ、まあ……」

ことり「もうっ、何でことりに相談してくれなかったの!」

海未「へっ?」

ことり「海未ちゃんが困ってたら、ことりだって力になりたい!」

ことり「それとも……ことりじゃ力になれないかなぁ」シュン

海未「ことり……」

286: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 00:56:11.71 ID:QhwTcSZF
海未「……いいえ」アタマポンッ

海未「そんな事はありませんよ」ナデナデ

ことり「わっ……」

海未「今度はことりに相談に乗っていただきますね」ニコッ

ことり「あ……うんっ!」ニコッ

287: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 01:00:14.95 ID:QhwTcSZF
ウミ-!!タスケテ-!!

海未「では、教室に戻りましょうか」

チョッ!ウミ-!?

ことり「きっと穂乃果ちゃん怒ってるよ」クスッ

ノゾミ!!ヤメ……イヤァ!!

海未「大方、私だけ授業をサボってズルイ!とか言うのでしょうね」フフッ




……バタンッ


――――

295: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 22:30:24.51 ID:/2M96973
――数日後

南家 ことり 自室


ことり「はぁ……今日も海未ちゃんに言えなかったなぁ」

ことり「いつになったら行けるんだろ……バードウォッチング」

ことり「まあ、悪いのは誘われたら逃げちゃうことりだよね ……」アハハ…

ことり「こんなのが続くと海未ちゃんに捨てられちゃったり――」





ブブブ……ブブブ……

296: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 22:36:12.80 ID:/2M96973
ことり「電話?はっ!もしかして海未ちゃんかもっ!?」

ことり「ここは最初が肝心だよ!」

ことり(よーく深呼吸して……)ス-ハ-






ことり「ちゅんちゅん!ことりですっ!」

『え……ちゅんちゅん?』

ことり(ひゃああああ!!もしもしって言うつもりだったのにぃ……)

297: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 22:41:09.77 ID:/2M96973
ことり「もしもし……」ズ-ン

『何だか急にトーンダウンしたわね……』

ことり「ってあれ?この声は海未ちゃんじゃない?」

『あら、海未じゃなくてごめんなさいね?』

ことり「あっ、そういうんじゃないの!つい、勢いで……」アセアセ

『そんなに慌てなくても気にしてないわよ』

ことり「ごめんね~絵里ちゃん」

絵里『だから気にしてないから大丈夫』

ことり「それなら、良かったぁ」

298: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 22:46:41.80 ID:/2M96973
ことり「それで、急にどうしたの?」

絵里『うん、ちょっとね……明日とか予定ある?』

ことり「明日?明日は練習も学院もお休みだし、特に予定も無いよ」

絵里『そう、それなら明日開けといてくれない?』

絵里『少し、ことりと話がしたいの二人で』

ことり「私と?」

299: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 22:52:07.94 ID:/2M96973
絵里『ええ、詳しい事は明日会ってから話しましょうか』

ことり「……どこに行けばいいの?」

絵里『そうね、誰の邪魔も入らない場所がいいわ』

ことり「邪魔が入らない場所……生徒会室とか?」

絵里『ああ、確かにあそこなら大丈夫そうね』

300: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 22:54:39.39 ID:/2M96973
絵里『それじゃあ、明日のお昼頃に生徒会室に来てね』

ことり「うん、わかった」

絵里『遅くにかけて悪かったわね、お休みなさい』

ことり「……お休み」

プツッ……




ことり「いきなり、絵里ちゃんから呼び出されるなんて」

301: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 22:59:27.00 ID:/2M96973
ことり「明日……海未ちゃんの事、諦めなさいって言われちゃうのかな」

ことり「多分そうだよね、絵里ちゃんだって海未ちゃんの事好きなんだもん」

ことり「絵里ちゃんは美人だし、スタイルいいし、クォーターさんだし、カッコイイし」

ことり「バレエやってたからダンスも上手くて、それに加えて歌も上手で、元生徒会長だから皆からの信頼も厚いし」

ことり「あれ?ことりが勝てるところ、一個も無いよ……」ズ-ン

ことり「そんな絵里ちゃんにとってことりは邪魔者でしかないし……はぁ」

302: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:04:45.44 ID:/2M96973
ことり「海未ちゃんの事諦めたくないなぁ……」

ことり「……ってだめだめ!今こんな事考えても仕方ないよ」



ことり「こんな時は、元気を貰うために海未ちゃん抱き枕を抱いて寝ますっ」ギュッ

ことり「海未ちゃんパワー補給、はーいぎゅ~♪」ラブアロ-シュ-ト

ことり「お休みなさ~い、海未ちゃん」ギュ-



――――――

304: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:10:39.75 ID:/2M96973
――希家


プツッ……



絵里「……これで良かったの?」

希「うんうん、バッチリよー」

絵里「ことり、最後の方明らかに元気無くなってたわよ」

絵里「これがきっかけで、ことりに嫌われちゃったりしないわよね?」ビクビク

希「そこはウチに任せといて!」

絵里「まあ、希が言うならそこは安心ね」

305: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:14:41.96 ID:/2M96973
絵里「でもねぇ……」ハァ

希「どうしたんよ?」

絵里「正直……もう辞めたい」

希「いやいや!まだ始めたばっかりやん!」

希「それにエリチ、最初はめっちゃノリノリやったやろ?」

絵里「確かに最初は楽しかったわ……」ホワワン


――

306: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:18:29.72 ID:/2M96973
ことり『海未ちゃ~ん、おはよ――』

絵里『海未っ、おはよう!』ダキッ

ことり『絵里ちゃん!?』

海未『だ、抱きつくのはやめてくださいっ///』



ことり『海未ちゃ~ん、これことりが作ったお菓子なんだけ――』

絵里『あ、美味しそう♪』パクッ

ことり『ぴいぃ!?』

307: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:21:29.49 ID:/2M96973
ことり『海未ちゃ~ん、見て見てっ!この衣装どうかな?』ジャ-ン

海未『ええ、とても――』

絵里『ハラショー!とても似合っているわよことり!』パチパチ

ことり『あ、うん……ありがとう!』ニコッ



ことり『海未ちゃ~ん、ここがちょっとわからないのぉ』

海未『ん?どれです――』

絵里『ああ、これはね……こうして……こうするのよ』カキカキ

海未『おぉ、流石絵里ですね』

絵里『ふふっ、まあね』ドヤァ

ことり『……むぅ』

海未『ほらことり、お礼を』

ことり『……ありがと』ボソッ

絵里『気にしなくていいわよ。だって私、先輩だもの!』エッヘン

――

308: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:26:17.25 ID:/2M96973
絵里「……とまあことりの為に、ここ数日で数々の邪魔をしてきたわけよ」

希「何かちょいちょい、邪魔じゃないのも混ざってるけどね」

絵里「……まあね」

絵里「で、一先ずそれは置いといて」

絵里「何回、何回、邪魔をしても全然諦めないのよあの娘」

希「それだけ海未ちゃんの事が好きって事やん」

絵里「そう!それなのよ!」

希「?それがどうかしたん?」

310: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:35:01.99 ID:/2M96973
絵里「あまりにね?ことりが健気過ぎるから、遂に私の罪悪感が……」

絵里「近くで見たことある!?あの、海未に向けた時の屈託のない可愛い笑顔を!」

ことり『海未ちゃんっ!』ニコッ

絵里「近くで聞いたことある!?あの、海未に話しかける時の甘くもどこか妖艶な雰囲気を纏わせる声を!」

ことり『海未ちゃぁん……』トロ-ン

絵里「しかも全部、無意識にやってるのよ?」

絵里「そして、そんなのを毎日相手にさせられる私の身にもなってよぉ!」バンッ

絵里「もうなんか色々と削られて行く毎日よ……」シクシク

311: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:40:19.39 ID:/2M96973
絵里「希ぃ……」グスッ


希「いや~エリチがここまでやられるとは……恋することりちゃん、恐ろしい娘やね」

絵里「私……一体どうすれば……」

希「エリチ、心を鬼にするんや」

絵里「お、鬼?」

希「そう、ことりちゃんの為を思えばこそ」

希「ここを乗り越えたらきっとことりちゃんは海未ちゃんとちゃんと向き合えるはずなんよ」

絵里「でも、これ以上やるのは――」

314: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:48:35.14 ID:/2M96973

希「ことりちゃんが可哀想?」

絵里「もあるんだけど……」

絵里「何より、以前海未と交わした約束がね……」

希「約束?」

絵里「もし、ことりを泣かせるよる様な事をしたら」

希「したら?」

絵里「命の保証は無い……って」

希「えぇ……海未ちゃん怖すぎやん……」ヒキッ

絵里(あれ?命の保証は無いとか言ってたっけ?まあいいわ)

315: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:50:43.48 ID:/2M96973
希「じゃあまあ……海未ちゃんに殺されん程度に頑張ってなエリチ」

絵里「そうね……何よりも自分の命の方が大事だものね」

絵里「でも、もしもの時は助けてね、希」

希「……」

絵里「希さん……?」

希「……努力はしてみるけど、無理やったらごめんな」

――――――

316: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/26(日) 23:55:31.48 ID:/2M96973
――翌日 生徒会室前


ことり「……ふぅ」

ことり(大丈夫、大丈夫だよ。私の方が海未ちゃんが好きなんだから)

ことり(昨日は海未ちゃんパワーも補給したし!)

ことり(何を言われても負けちゃダメっ!頑張れことり!)

ことり「……よしっ」


ガチャ



ことり「来たよっ絵里ちゃん!」

海未「おや?ことりではないですか」

ことり「」バタンッ

317: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 00:01:07.19 ID:kgigyNSg
エッ!?コトリッ!?





ことり「え?何で何で?何で海未ちゃんがいるのぉ!?」

ことり「あ、もしかしてお部屋間違えたのかな?」ポンッ



ことり「一回上を見て確かめてみよっ」

ことり「えーっと……」ミアゲ



『生徒会室』


ことり「間違ってない……ね」

318: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 00:06:57.93 ID:kgigyNSg
ことり「……」ソ-


ガチャ



海未「あ、ことり!先程はどうしたのですか!?」



ことり「」バタンッ

ことり「……やっぱり」

コトリィ!

ことり(どういうことっ!?絵里ちゃんは何処に行っちゃったのぉ!?)

326: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 22:48:03.83 ID:1xJQSvqP
絵里「……」ソ-

希「……」ソ-

絵里「取り敢えず、生徒会室には来たみたいね」コソコソ

希「後は、ことりちゃんが生徒会室に足を踏み入れてくれればいいんやけど……」コソコソ

絵里「ちなみに策は?」

希「そんな物あるわけないやん」

絵里「はっ?」

希「というわけでエリチ、出番やよ」

327: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 22:54:04.31 ID:1xJQSvqP
絵里「え?待って待って、私?」

希「そう、エリチ」

希「何でもいいからことりちゃんを生徒会室に押し込むんや」

絵里「突然の無茶ぶりやめてくれないかしら……ていうか希がやればいいじゃない」

希「いやー、もし海未ちゃんにバレたらって考えたら怖くて怖くて……ウチには出来んよ」

絵里「その場合、希の代わりに私が危ないのわかってる?」

希「……つべこべ言わずにGOや!」

絵里「もうっ、わかったわよ……」

328: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:00:19.38 ID:1xJQSvqP
絵里「で、何でもって言われても特に何も考えてないんだけど」

希「適当に後ろから押せばいいんやない?」

絵里「真面目に聞いてるんだけど?」ギロッ

希「や~ん、エリチ怖いやん♪」

絵里「帰ろうかしら」ハァ

希「ウソウソ、心配せんでもちゃんと考えるって」

希「んーまあそうやね……」ウ-ン

希「あ、いいこと思いついた!」ピ-ン

絵里「あら、流石希ね」

329: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:04:55.08 ID:1xJQSvqP
希「では、まず最初に携帯を取り出します」

絵里「携帯ね、はい」スッ

希「次に電話アプリを開き」

絵里「開いて……」

希「184って入力して」

絵里「184?何その番号?」

希「魔法の番号♪」

希「入力したら続けて、ことりちゃんの番号を入力してみて」

絵里「ふむ……」スッスッ

331: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:10:19.41 ID:1xJQSvqP
絵里「出来たわよ」

希「よーし、じゃあそれでことりちゃんに電話を掛けてみようやん!」ワクワク

絵里「……変な番号になっちゃってるけど、平気なの?」

希「気にする必要なし!」

絵里「それならいいけど……」

希「あ、それからウチの考えたセリフを喋ってな?」

絵里「?」


――――――

332: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:15:29.10 ID:1xJQSvqP
――生徒会室前


ことり「……」ジッ

ことり(うぅ、いつもなら軽々と開けられるドアが今はすごく重く感じるよ……)

ことり(何でか知らないけど、生徒会室に居るのは絵里ちゃんじゃなくて海未ちゃんだし……)

ことり「海未ちゃん、びっくりしてたな……」

ことり(でも、普通に話そうとしてくれてたのに……また、ことりがやっちゃった)

ことり(結局、全部ことりが悪いんだ……)

ことり「ちょっと頭冷やしてこよ……」トボトボ

333: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:20:33.21 ID:1xJQSvqP
ことり「……」トボトボ



ブブブ……ブブブ……



ことり「電話だ……非通知?」

ことり「出ない方がいいのかな……」

ことり「でも、今はどうでもいいや……」

ことり「はい、もしもし」スッ


『ハア……ハア……』

334: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:24:14.88 ID:1xJQSvqP
ことり「もしもし?」


『……とりちゃん……ハアハア』


ことり「あの~誰ですか?」


『ふぅっ……ふうっ……ことりちゃん、ことりちゃんっ』ハァハァ


ことり「ひぃっ!」ビクッ

336: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:28:56.26 ID:1xJQSvqP
『あぁっ!怯えた声も可愛いよぉっ……ふふっ』


ことり「なにっ!なんなんですかっ!?」


『ことりちゃん今……生徒会室の近くにいるんでしょ?知ってるよ……』ハァハァ


ことり「えっ!?」バッ


『僕の事探してくれてるね……よく見えるよぉ、キョロキョロしてるかわいいことりちゃんが……』ハァハァ


ことり「あ……あ……」ヘナヘナ

337: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:34:27.91 ID:1xJQSvqP
『せっかくだから会いに行くね……もっと近くでことりちゃんを見たいし』ハァハァ


ことり「やだぁ……やだよぉ……」グスッ


『ぐふふっ……もうちょっとで会えるねぇ』


ことり「やめて……ください……」ポロポロ


『後ちょっと~……』


ことり「いやぁ……」グッ

340: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:39:37.88 ID:1xJQSvqP
『そこの廊下の角曲がったら、やっとご対面だよ。カウントダウンしてあげるね?』


タッタッタッ……タッタッタッ……『3』


ことり「……助けて」ガクガク


タッタッタッ……『2』


ことり「助けて、海未ちゃん……」ガタガタ

341: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:47:02.81 ID:1xJQSvqP
タッタッ…『1』


ことり「海未ちゃん……!」ギュッ









『0、みぃ~つけ「ことりっ!」ダッ


ことり「…………えっ?」

342: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:52:42.04 ID:1xJQSvqP
海未「ことり!大丈夫ですか!?ことり!」

ことり「う、海未……ちゃん……?」

海未「ええ、海未ですよ。園田海未です」

ことり「ほ、本物……?」

海未「……はい」


ダキッ


海未「紛れもなく、本物ですよ」ギユッ

344: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/27(月) 23:57:29.96 ID:1xJQSvqP
ことり「…………あ」

ことり「……よかった……よかったよぉ!」ギュ-

海未「こちらこそ、間に合って本当に良かったです」

ことり「海未ちゃん……海未ちゃん……」ギュッ

海未「ことり、ここにいては危険です。一度生徒会室に戻りましょう」

ことり「……うん」

海未「立てますか?」

ことり「……」フルフル

海未「では……失礼しますね」スッ

345: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 00:01:33.14 ID:2Oy7OO6X
海未「横抱きで申し訳ありませんが……恥ずかしかったら、言ってください」

ことり「お姫様抱っこって言わないんだ」クスッ

海未「私が恥ずかしいので……」

ことり「そっか、ことりは大丈夫だよ」

海未「それなら、良かったです。急ぎ、戻りましょうか」


スタスタ……




絵里「……行った?」

希「みたいやね」

346: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 00:06:37.96 ID:2Oy7OO6X
絵里「ところで、あんな事して私達ってバレないの?」

希「そこは抜かりなしやよ、魔法の番号がウチらを守ってくれるんや」エッヘン

絵里「そう、それならいいわ……それより」

絵里「希……私の演技、どうだった……」ゼェハァ

希「うん、完璧すぎてウチも若干引いたぐらいやったよ」

絵里「もう……あんな気持ち悪い声出せないわよ……」ゲホッゲホッ

347: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 00:11:42.15 ID:2Oy7OO6X
希「いやー、ウチもあんな気持ち悪いセリフよく思いついたもんやね~」アハハ

絵里「そういえば、私が電話してる間何してたの?」

希「ああ、いいタイミングで海未ちゃんがことりちゃんの所に着くようにちょっとメールしてたんよ」

絵里「だから、海未が絶妙なタイミングで登場したわけね」

希「そそ、そういうわけよ」

絵里「しかし……何もかも完璧すぎたわね」

希「上手く行き過ぎて怖いぐらいや」

348: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 00:16:30.92 ID:2Oy7OO6X
希「でもさ、エリチ」

絵里「なにかしら?」

希「完璧故にやり過ぎた気がするんやけど……」

絵里「……それ、言っちゃう?」

希「海未ちゃんにバレたら、本当にヤバイでこれは」

絵里「考えないようにしてたんだけどね……」

絵里「まあ、バレたら確実に死ぬわよね私達」

349: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 00:21:30.98 ID:2Oy7OO6X
希「あんなに必死な海未ちゃん、初めて見たもんなぁ」

絵里「思いっきり、海未との約束も破ったし……はぁ」

希「実は……ここから更に、生徒会室に戻った二人を閉じ込める仕事があるんやけど……」

絵里「私絶対ヤダ、怖くて近付けないわよ」

希「同じくやね……後は、なる様になってくれるのを祈ろうか」

絵里「ええ、それが一番よ。無理して、死地に赴くことはないわ」

350: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 00:27:07.04 ID:2Oy7OO6X
希「エリチ、もしもの話やけど」

絵里「どうしたの、急に……」

希「死ぬ時は……一緒やよ」ギュッ

絵里「貴方も結局、共犯者だものね」クスッ

絵里「希がいるなら、私も怖くないわ」ギュッ


希「エリチ……」

絵里「希……」









のぞえり(でも、あわよくばこの事が海未(ちゃん)にバレませんように)

――――――

356: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:14:49.74 ID:VSDeiusz
――生徒会室


海未「どうです、落ち着きました?」

ことり「……うぅ」グスッ

海未「もう大丈夫ですよ、私がついています」

海未「何があったのか、話はできますか?」

ことり「なんとか……」

海未「では、お願いします」

357: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:20:42.12 ID:VSDeiusz
ことり「手、握っててもらっていい……?」

海未「ええ、お安い御用です」フフッ

ギユッ

ことり「……ありがとう、海未ちゃん」



ことり「あのね、ことり本当は今日絵里ちゃんに呼ばれてたの」

海未「絵里に?私もですよ?」

ことり「えっ?」

海未「ことりの事について話があるから、お昼に生徒会室にと」

358: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:24:56.49 ID:VSDeiusz
ことり「ことりは海未ちゃんの事について話があるからって」

ことり「……」

海未「……」

海未(この事件、絵里が一枚噛んでそうですね)

海未「まあ、今はことりの話を聞きましょう」



ことり「それで生徒会室に来てみたら、絵里ちゃんじゃなくて海未ちゃんが居たからビックリしちゃって」

海未「ああ、それでいきなり扉を閉めたのですね」

359: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:30:17.79 ID:VSDeiusz
ことり「ごめんなさい……」シュン

海未「謝るほどのことではないですよ、私も驚きましたから。お互い様です」

ことり「その後にね、ちょっと落ち込んじゃって……頭を冷やそうと思って中庭に行こうとしたの」

海未「はい」

ことり「そしたら、いきなり非通知で電話が掛かってきたんだ」

海未「非通知?もしや、出たのですか?」

ことり「うん……その時、どうでもいいやってなってたから」

360: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:34:47.87 ID:VSDeiusz
海未「……どちらからでした?」

ことり「わかんない」

海未「わからない?」

ことり「何か、はあはあ言ってて……誰ですか?って聞いたら、いきなりことりの名前を呼んだの……」

ことり「ことりちゃんっ、ことりちゃんって……」ブルブル

海未「ことり、苦しいかも知れませんが頑張ってください」ギユッ

ことり「……ごめん、ごめんね海未ちゃん」シュン

361: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:39:07.59 ID:VSDeiusz
海未「いえ、こちらこそすみません……」

海未(いつも明るく可愛らしいことりが……)ジッ

ことり「……」ガックリ

海未(絶対許しません……覚悟していてください)グッ


ことり「……話を再開するね」

ことり「名前を呼ばれた私はビックリしちゃって、そしたら向こうから会いに行くねって声が聞こえてきて……」

ことり「それでことり……怖くて……動けなくなっちゃってぇ……」グスッ

362: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:43:45.69 ID:VSDeiusz
ことり「だんだん近付いてくる足音が聞こえて、もうダメっ……ってなったら」

ことり「……」ギュッ

海未「私が……来たのですか?」

ことり「うん」コクッ

海未「後は、私の知る通りというわけですね」

海未「ことり、ありがとうございました」



海未「では、次は私のお話をしましょうか」

海未「あれは、確か……昨日の夜だったでしょうか」

363: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:47:35.86 ID:VSDeiusz
――

海未『さて、今日の稽古も終わりましたし。明日の稽古に備えて、そろそろ寝ましょうか』



ブブブ……ブブブ……


海未「こんな時間に電話?……絵里からですね」スッ

海未『はい、園田です』

絵里『あ、海未?ごめんなさいね、こんな時間に掛けちゃって』

海未『いえ、別に構いませんが……何か御用でしょうか?』

364: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:50:06.18 ID:VSDeiusz
絵里『明日、空いてるかしら』

海未『明日は……朝の稽古が終われば、特に何も』

絵里『それならちょうどいいわね、明日少し話がしたいの』

海未『私とですか?』

絵里『そう、ことりの事で少し』

海未『ことりの……わかりました、空けておきます』

365: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:53:25.16 ID:VSDeiusz
絵里『ありがと、場所は学院の生徒会室。時間はお昼ぐらいに来てくれてればいいわ』

海未『承知しました』

絵里『それじゃ、よろしくね。お休み』

海未『はい、失礼します』


プツッ……


海未『ことりの事……また何か策でも考えるのでしょうか』


――

367: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 22:58:35.43 ID:VSDeiusz
海未「次の日、少し早くに着いた私は生徒会室で絵里を待っていたんです」

海未「そしてそこに、ことりが現れ……逃げられました」

海未「その後……恐らく、ことりに電話が掛かってきたのと同じくらいでしょう」

海未「私にも知らないアドレスからメールが届きました」

ことり「メール?」

海未「……私の場合はメールが残っているので、説明するより見せた方が早いでしょうね」スッ


『南ことりに危機が迫っている』

368: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 23:04:28.32 ID:VSDeiusz
ことり「私の事が書いてる……」

海未「はい、これを見た私は直ぐ様生徒会室を飛び出しました」

海未「しかし、焦りのせいなのでしょうか……」

海未「ことりがどの方向にいるのかが分からず、しばらく見当違いの場所を探していたんです」

海未「すると、そこにまた……」スッ


『そっちちゃう、逆や逆!』


ことり「何か、急にフレンドリーになったね……」

369: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 23:10:32.62 ID:VSDeiusz
海未「まあ……口調の事は置いておくとしても」

海未「ここから、この方がメールでナビゲートしてくれたおかげで何とかことりの場所にたどり着けました」

海未「もし、このメールが届かなかったらと思うと……ゾッとします」

ことり「でも、ことりはここにいるよ」

ことり「海未ちゃんが助けてくれたから……」

海未「……そうですね」フフッ

371: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 23:16:13.75 ID:VSDeiusz
海未「さあ、ここからが本番です。犯人を探しますよ……」ウフフ

ことり「う、海未ちゃん……?怒ってるの?」オソルオソル

海未「当たり前です、ことりを怯えさせた罪は重いですよ。万死に値します」

ことり「ことり、無事だったよ?」

海未「それとこれとは話は別です」

ことり「危ない事はしちゃだめだからね?」

372: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 23:21:27.40 ID:VSDeiusz
海未「……」ギクッ

ことり「海未ちゃん?」

海未「……ほ、法に触れない程度にしておきます」

ことり「海未ちゃんっ」メッ

海未「はぁ……ことりが言うのであれば仕方ありません」

海未「危ない事はしないと約束しましょう」

ことり「それなら、おっけーですっ」

373: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 23:26:21.46 ID:VSDeiusz
海未「……」スッスッ

ことり「何やってるの?」

海未「少し、下準備を」スッスッ

海未「……これで、よしですね」スクッ

海未「では、私は少し出掛けてきますね」

海未「ことりはここで待っていて下さい……また、何かあったら危険ですので――」


ギュッ…



海未「あの……服を掴まれると動けないのですが……」

374: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 23:32:03.70 ID:VSDeiusz
ことり「やだ……ことりもいく……」

海未「いえ、しかし……」

海未(ことりをこれ以上、危険に晒すわけには……)

ことり「ひとりに……しないでほしいの……」ポフッ

海未「ことり……」

海未(あぁ、全く……危険だと言っているのに)

375: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/28(火) 23:38:08.01 ID:VSDeiusz
ことり「だめ……かなぁ」ウルウル

海未(ことりにそんなお願いをされて……)

海未「……絶対に離れないでくださいね」

海未(私が断れるわけないでしょう)

ことり「!」パアァ

海未(なるほど……絵里達の言っていた意味が、やっとわかりました)

ことり「うんっ!」ニコッ

海未(私は本当に……ことりに甘いのですね)

――――――

383: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 22:42:26.72 ID:DBhB99PU
海未「さあ、着きましたね」

ことり「ここに犯人さんがいるの……?」

海未「わかりません……が、疑いのある人物はいます」

海未「怖いのなら、外で待っていてもよいのですよ?」

ことり「……さっき言ったこと忘れたの?」ムゥ

海未「……そうでしたね、行きましょうか」


コンコン

384: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 22:48:56.43 ID:DBhB99PU
「空いてるわよ、入りなさい」

「誰?」

「さっき言ってたお客さんよ」






海未「失礼します」ガラッ

にこ「遅かったわね」

海未「すみません、少しことりと話をしていたもので……」

絵里「えっ!?」ビクッ

希「海未ちゃん!?」ビクッ

海未「どうも、こんにちは」ニッコリ

ことり「絵里ちゃん達?」

385: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 22:55:00.81 ID:DBhB99PU
絵里「に、にこ!貴女、私達を急に呼び出したかと思ったら」

希「ウチらを騙したん!?」

にこ「何が?」キョトン

絵里「何が?じゃないわよ!知ってるんでしょ!?」

希「そうやそうや!そうじゃなかったら海未ちゃんとウチらを会わせるわけないやん!」

にこ「だーかーらー!何の話って聞いてんでしょ!」

386: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:00:37.01 ID:DBhB99PU
希「いや、それは……」

にこ「私はただ海未に、アンタたちをここに呼んで欲しいって言われただけよ」

絵里「それ……だけ?」

にこ「そうよ、それ以外知らないもの」

希「ほ、ホントなん?」

にこ「しつっこいわね……ホントよ」ハァ

にこ「っていうか、何でアンタたちそんな必死なの?」

希「ん?全然そんな事ないよ?なぁ、エリチ」






絵里「え、えええ。全っ然普通じゃない、ほらららら」ガクガク

希「」

387: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:06:30.79 ID:DBhB99PU
にこ「それの何処を見たら普通に見えんのよ……」

絵里「」アワアワ





希(はっ!固まっとる場合やない、何とかせんと!)

希(取り敢えず、隣でアワアワしとるエリチにアイコンタクトを……)

希(エリチ、これはヤバイ!!ホンマにヤバイで!!)パチッ

絵里「」アワアワ

希(エリチっ、お願いや……気付いて!)パチッパチッ

388: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:11:18.27 ID:DBhB99PU
絵里「……?」チラッ

希(気付いたっ!流石エリチ!)パチッ





絵里「♪」ウインクッ

希「」クビフリフリ

絵里「?……♪」ウインクッ

希「」イラッ

絵里「?」キョトン

希「」ブチッ

希「……エリチのアホおおおおぉぉ!!」

絵里「ええっ!?」ビクッ

389: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:14:19.23 ID:DBhB99PU
にこ「あのバカ二人は何やってんのよ……」

海未「二人にとっては最後の楽しい時間です。二人の気が済むまで見守ってあげましょう」フフッ

ことり「……ホントに何やってるんだろ?」

391: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:19:18.31 ID:DBhB99PU
希「何でわかってくれんの!?」バンッ

絵里「いやだってウインクされたから……返しただけなんだけど」

希「今のはウインクやなくてアイコタクト!」

絵里「そ、そんな暗号みたいなの私がわかるわけないじゃない!」

希「あぁ、そうやったねごめん……」シュン

絵里「え、何でそこで急に真面目になるの……」

絵里「や、やめてよ、まるで私が馬鹿みたいじゃない!」

海未「みたいじゃなくて、馬鹿なんです」

392: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:25:24.88 ID:DBhB99PU
絵里「馬鹿……」ズ-ン

ことり「う、海未ちゃんっ!だめだよ!」メッ

海未「ですが、危ない事はしていませんよ?」

ことり「あんまりいじわるなことも言っちゃだめですっ」

海未「……むっ」

ことり「わかってくれた?」

海未「……すみませんが、ことりの頼みと言えどそこまでは聞けません」

ことり「えっ……」

393: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:29:47.11 ID:DBhB99PU
海未「ことりは優しすぎるのです。危ない事も駄目、少し強く言うのも駄目」

海未「それでは、何も解決しません」

ことり「そ、そんなことないよ!ちゃんと優しくお話したらわかってくれるかも――」

海未「それが優しすぎる、と言っているのですよ」

ことり「……うぅ」ショボン

海未「それが駄目とは言いません。ただ、時には厳しくする事も必要なんです」

ことり「だって、厳しくしたらかわいそうだよぉ……」

にこ「ちょっと、こんな時に何揉めてんのよっ!」

394: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:34:28.78 ID:DBhB99PU
希「お?何か向こうの方が揉めとる?」ジ-

絵里「ねえ希、これってもしかして……」

希「うん、チャンスやね」ニヤッ

絵里「どうやって逃げる?」コソコソ

希「……ここからやったら走れば扉まで直ぐや」

絵里「じゃあもう、それで行きましょう」

希「けど、海未ちゃんに気づかれたら恐らく……捕まるで」

絵里「何言ってるのよ今更、この状態だってもう捕まってるようなものでしょ」

希「確かに……それもそうやね」

395: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:43:23.30 ID:DBhB99PU
絵里「それなら、一か八かに掛けてみるのもいいんじゃないかしら?」フフッ

希「エリチがカッコよく見える……」

絵里「はいはい、そんな事より向こうの様子は?」

希「えーと……」




ことり「海未ちゃんのばかぁ……」ポロポロ

海未「な、泣かないでください!すみません、私が悪かったですので!」



希「ことりちゃん泣いてるなぁ」

絵里「海未も罪な女ね……でも、これなら行けそうよ」

397: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:46:34.32 ID:DBhB99PU
希「よし、じゃあ一、二の、三で行くで?」

絵里「任せてっ」グッ



希「一」

絵里「……」

希「二の」

絵里「……」ジリ…

希「三っ!」ダッ

絵里「……っ」ダッ



ダダダダッ……

398: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:50:56.84 ID:DBhB99PU
絵里(誰も追ってこない!やったわ……)

希(誰も追ってこない?なーんか嫌な予感が……)






にこ「はぁ……まさか海未の言う通り、本当に逃げ出そうとするとはね――」

にこ「真姫っ!」





真姫「はいはい……」ガラガラ

絵里「へっ!?何でいるのよ真姫!」

399: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 23:55:57.15 ID:DBhB99PU
希「中々やるやんっ、海未ちゃん」

希「それなら……エリチっ、逆の扉や!」クルッ

絵里「え、ええっ!」ダッ



真姫「もう諦めた方がいいんじゃないかしら……」

真姫「穂乃果ー、頼んだわよ」





穂乃果「はーい♪」ガラガラ

希「って穂乃果ちゃんまで!?」

400: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 00:00:42.80 ID:yCR0pu/g
希「中々やるやんっ、海未ちゃん」

希「それなら……エリチっ、逆の扉や!」クルッ

絵里「え、ええっ!」ダッ



真姫「もう諦めた方がいいんじゃないかしら……」

真姫「穂乃果ー、頼んだわよ」





穂乃果「はーい♪」ガラガラ

希「って穂乃果ちゃんまで!?」

401: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 00:03:43.38 ID:yCR0pu/g
絵里「ど、どうするの希!」

希「ちょ、ちょっと待ってな……」

希「……」ウ-ンウ-ン




海未「諦めてください」

海未「もう、逃げ場はありませんよ」

のぞえり(!?)ビクッ

402: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 00:09:42.14 ID:yCR0pu/g
海未「貴方達がことりに酷い事をしたのはわかっています」

海未「というより、この場から逃げようとした時点で自分が犯人だと言っているようなものですけどね」

海未「絵里は電話の件、希はメールの件」

海未「まるで隠す気が無いようでしたが、そんなに私にお仕置きをされたかったのですか?」

のぞえり「」アワアワ

海未「そんなに怯えないでください、何一つ酷いことはしませんから」ニコッ

海未「ことりに……感謝してくださいね」ボソッ

のぞえり「ひいぃ!」ビクビク

407: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:16:25.11 ID:sAVh4jSF
海未「さて、二人にお仕置きをする前に……」

海未「ことり、貴方は外でにこ達と待っていてください」

ことり「な、何で?」

海未「ここから先の事は……ことりにお見せできるような内容ではありませんので」

ことり「ことりとの約束……」

海未「それは守ります、安心してください」

ことり「じゃあ……ことりも海未ちゃんの言う通りにするね」

にこ「行きましょうか、ことり」



ガラガラ……

408: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:20:54.59 ID:sAVh4jSF
海未「ふぅ……これでここには三人だけですね」

希「海未ちゃ~ん……良かったらウチらの話も聞いて欲しいな~……なーんて」

海未「無理ですね」

希「で、ですよねー……」アハハ…

絵里「ごめんなさいっ!!」ドゲザッ

希「エリチっ!?」

絵里「希、助かろうなんて甘い考えはもう捨てましょう」

絵里「私達は、籠に捉えられた獲物。海未の言う通り逃げ場は無いわ」

409: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:26:40.05 ID:sAVh4jSF
絵里「それに、怒られてもしょうがない程の事をことりに対してやったもの」

希「エリチ……」

絵里「それなら、必死に謝って少しでも罪を軽くしてもらった方が――」






海未「軽くなんてしませんよ?」

絵里「大体知ってたわ!」ヤケクソ

410: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:31:41.10 ID:sAVh4jSF
海未「さあ、今度こそお仕置きを始めましょうか」

希「もう……本当に終わりやね」シミジミ

海未「――と、言いたいところですが」

絵里「ん?」

海未「何故、このような事をしたのか聞かせていただいても?」

希「へ?……でも、さっきウチらの話は聞かんって」

海未「ああ、あまり気にしないでください」

海未「あれはその場のノリで言っただけです」

411: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:37:37.52 ID:sAVh4jSF
絵里「ノリで私達を怖がらせないでよ……」

海未「あ、いえお仕置きはきちんとしますよ」

絵里「えぇ……」

海未「ですが、流石に話も聞かずに……というのは私も嫌なので」

海未「どうせなら、ここで全部お聞かせ願おうかと」

希「要するに、ウチらに少しだけ猶予が出来た……って事?」

海未「ええ、それで合ってます」

絵里「喜んでいいのかどうなのか……」

希「……まあ、そういう事なら話さんわけにはいかんね」

412: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:41:39.49 ID:sAVh4jSF
希「えーと、まずことりちゃんを怖がらせてごめんな?」

絵里「私も……ごめんなさい」

希「まさか、あそこまで怖がるとは思わんかったから……」

海未「本当ならば簡単には許すわけにはいきませんが……まあ、今回は何事も無かったので許しましょう」

海未「もう、タチの悪いイタズラはやめてくださいね?」

希「いやーウチも、もうコリゴリや……」



希「それで、海未ちゃんとことりちゃんを生徒会室に呼び出した理由なんやけど……」

絵里「待って。それに関しては少し私から言いたいことがあるの」

413: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:46:44.39 ID:sAVh4jSF
絵里「ねえ海未、貴方ことりがどれだけ自分の事を思ってくれてるか知ってる?」

海未「ことりが……ですか?ええ、もちろん」

絵里「じゃあ、ことりのその気持ちに答えてあげた?」

海未「いえ、それは……」

絵里「私はここ数日、近くでずっと貴方達を見ていたわ」

絵里「ことりは海未に対して以前より積極的になっていてちゃんと成長してるって思った」




絵里「だけど、海未……」

絵里「貴方は、ことりが積極的になってくれたからってそれに甘えているようにしか見えなかったの」

414: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:51:38.00 ID:sAVh4jSF
絵里「ご飯に誘うのもことり、帰りに誘うのもことり、何でもことりから誘ってる」

絵里「確かに最初は海未がリードしていたのかもしれないわ」

絵里「バードウォッチングに誘ったりしてね」

絵里「けれど、それもちょっとことりが照れて逃げたからって、今じゃ誘う事すらしなくなったわね」

海未「……っ」

希「エリチ、ちょっと言い過ぎやない……?」

絵里「まあ、あくまで私が思ったってだけの話よ。深く考える必要は無いわ」

415: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 22:57:07.22 ID:sAVh4jSF
海未「いえ……そうですね」

海未「……絵里の言っている事は正しいです」

希「そうなん?」

海未「はい、ことりが私の事を好いてくれている……だから、ことりの要求にだけ答えてあげれば問題は無い」

海未「ことりが手を繋ぎたいと言えば、手を繋ぎ」

海未「ことりが抱きしめて欲しいと言えば、抱きしめる」

海未「そうすれば、ことりも満足して喜んでくれますし、私もことりに答えを出さなくて済みます」

416: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 23:02:28.88 ID:sAVh4jSF
海未「以前よりことりの事を意識するようになったとは言え、こんな考えでいるようでは……」

海未「確かに……甘えていると言われても仕方がないですね」

希「海未ちゃん……」

絵里「これは……一度、ゆっくり話してみる必要がありそうね」ハァ

絵里「希、悪いけど少し海未と二人きりにしてくれないかしら」

希「え?ウチは別にかまんけど……」

海未「私からも、お願いします」

417: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 23:12:05.23 ID:sAVh4jSF
希「わかった。じゃあ、ウチはことりちゃんとちょっとお話してこようかな」

海未「すみません」

希「全然ええよ。……エリチ、海未ちゃんの事よろしくな?」コソッ

絵里「わかってるわ、任せて」





ガラガラ……




絵里「本当によかったの?お仕置きするんじゃなかったっけ」

海未「事情が変わりました。それに、絵里としてもこの方が良いのでは?」

絵里「全くもってその通りね」クスッ



――――――

419: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 23:18:44.16 ID:sAVh4jSF
ガラガラ……



希「やっほ~♪」

にこ「ん?もう終わったの?」

真姫「にしてはやけに元気だけど……」

希「ちょっとね~」

ことり「そういえば絵里ちゃんがいないね?」

希「エリチは海未ちゃんとタイマン張ってるよ」

ことり「た、タイマン!?と、止めなきゃ!」アタフタ

真姫「どうせ、嘘よ」

ことり「……う、嘘なの?」

希「まあ、そこはご想像にってことで」

420: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 23:24:55.74 ID:sAVh4jSF
穂乃果「ねえねえ、希ちゃん」

希「どうしたん?穂乃果ちゃん」

穂乃果「これって何の集まりなの?にこちゃんに呼ばれるまま来たんだけど……」

穂乃果「穂乃果、さっぱりわかんなくて……絵里ちゃん達を閉じ込めるのは楽しかったけどね!」

希「にこっち、説明してなかったん……?」ジ-

にこ「……忘れてただけよ、忘れてただけ!」フンッ

希「それなら、今からにこっちと真姫ちゃんで穂乃果ちゃんに説明してあげたらいいやん」

421: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 23:28:43.47 ID:sAVh4jSF
にこ「ま、そうね。穂乃果、こっち来なさい」

穂乃果「は~い」タッタッタッ

真姫「そういえば、何で穂乃果を呼んだの?」

にこ「こないだ一緒に昼ご飯食べたのよ」

真姫「……それだけ?」

にこ「それだけ」

真姫「何それ、意味わかんない……」

422: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/30(木) 23:34:50.22 ID:sAVh4jSF
ことり「あのー……ことりは?」

希「ことりちゃんはウチとここでお話な」

ことり「お話?」

希「そう、ことりちゃんと海未ちゃんに関する大事な大事なお話」

ことり「私と海未ちゃんかぁ……」

希「いい加減、決着を着けんといかんからね……どっちに転ぶとしても」

希「そんなわけやから、いきなりかもしれんけど付き合ってな?」

ことり「うんっ」

ことり「そういう事なら、わかりました!」ピシッ

希「よしよし、いい返事やね」フフッ

432: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 22:42:41.41 ID:BhgQwXty
――――――

絵里「何から話そうかしら……あっそうだわ」

絵里「そういえば、海未達を呼び出した理由をまだ言ってなかったわね」

絵里「まあ、そんな難解なものでもないわ。簡単よ」

海未「……と言いますと?」

絵里「いつまで経っても進展がなかったから」

433: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 22:47:18.16 ID:BhgQwXty
海未「……それが理由ですか?」

絵里「ええ、簡単でしょ」

海未「あの……お言葉ですが、私とことりはちゃんと進展はありました」

絵里「そうなの?例えば?」

海未「ことりを以前より意識するようになりました」

絵里「他は?」

海未「……」ダンマリ

435: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 22:52:09.21 ID:BhgQwXty
絵里「中学生の恋愛か……って」

海未「中学生?私達は高校生ですが……」

絵里「そうじゃなくてね……その、貴方達の行動?って言うのかしら」

絵里「見てて……ムズムズするのよ。凄く」

絵里「手一つ繋ぐ度に、顔を赤くしたり」

絵里「ちょっと好きって言われたぐらいで、物凄く恥ずかしがったり」

絵里「まるで付き合いたての中学生みたいなのよ」




絵里「……はぁ、言ってる私が恥ずかしくなってきたわ///」カアァ

436: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 22:53:53.37 ID:BhgQwXty
>>435ミス 間にこれ入ります




絵里「海未」

海未「はい」

絵里「残念だけれど、それだけでは進展とは言えないわ」

海未「いえ、進展です!誰がなんと言おうとこれは立派に進展しています」

絵里「海未から見れば……ね」



絵里「あのね、さっき言い忘れてたんだけど……海未とことりを見てて他にも思ったことがあったの」

海未「なんでしょうか?」

437: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:00:15.86 ID:BhgQwXty
海未「絵里、それは大変失礼ではありませんか?」

絵里「別に、悪い意味で言ってるんじゃないわよ」

絵里「ただ、あまりにウブすぎなのよね」

海未「……うっ」

絵里「否定できないって事は少なからず自覚はあるって事かしら」

海未「は……」

絵里「何?」

海未「は、破廉恥なのよりはマシだと思いますっ///」

438: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:05:54.05 ID:BhgQwXty
絵里「そうね、爛れた関係よりは清らかな関係の方がいいわね」

絵里「でも、もうちょっと積極的になったっていいんじゃないの?」

絵里「もちろん、海未の方がよ」

絵里「ことりだって、あんなに頑張ってるけど内心は海未にリードして欲しいって思ってる筈よ」




海未「そうは言いますが……私だってまだ答えを決めかねて――」

絵里「じゃあ、私を抱きしめてよ海未」

海未「いるんで……はあっ!?」ガタッ

439: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:12:26.58 ID:BhgQwXty
海未「と、突然何を言い出すのですか!?」

絵里「あら、駄目かしら?」

海未「駄目に決まっているではないですか!」

絵里「どうして?」

海未「破廉恥だからですっ」フンッ



絵里「ことりを抱きしめるのは破廉恥じゃないの?」

海未「うっ……」

絵里「それってつまりはそういう事なんじゃない?」

海未「……」

440: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:17:43.28 ID:BhgQwXty
絵里「……じれったいわねぇ」

絵里「いつまで、ことりの優しさに甘えるつもり?」

絵里「本当は、とっくに答えは決まってるんでしょ」





海未「私だって……」

海未「私だって、言えるものならとっくに言っていますよ!」

絵里「なら、自分の気持ちを伝えてみなさい……逃げるのは、もう終わりよ」

海未「……簡単に言ってくれますね」ハァ

絵里「だって他人事だもの♪」

441: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:23:19.22 ID:BhgQwXty
絵里「貴方という人は……」ゴゴゴゴ…

絵里「怒らない怒らない。……で、どうするの?」

海未「これって拒否出来ませんよね、私」

絵里「別に拒否したっていいのよ?」

海未「……しません」

絵里「そうっ、じゃあもうやる事は決まったわね♪」

442: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:28:16.28 ID:BhgQwXty
海未「絵里」

絵里「何?お礼なら別に構わないわよ」

海未「じゃあ言いません」

絵里「あっ、ちょっと傷ついた……」ショボン

海未「傷つくぐらいなら、言わないでくださいよ……」

海未「まあいいです……ところで絵里、一つ頼まれ事をされてくれませんか?」

絵里「内容によるけど……」



海未「ことりに伝えて欲しいんです」

海未「『あの場所』で待ってると」

443: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:32:26.32 ID:BhgQwXty
絵里「あの場所……って言って伝わるの?」

海未「大丈夫です。ことりなら、わかってくれるでしょう」

絵里「二人しかわからない秘密の言葉ってわけね」

海未「もうっ、茶化さないで下さい」

絵里「あぁ、ごめんなさい」

絵里「それじゃあ、ことりに伝えておけばいいのね」

海未「申し訳ないですが、お願いします」ペコッ

絵里「ええっ、先輩に任せておきなさい!」トンッ

444: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/07/31(金) 23:37:11.40 ID:BhgQwXty
海未「ふふっ、頼もしい先輩ですね」

絵里「いいから早く行きなさい、ほら」

海未「はい、お世話になりました」








ガラガラ……


絵里「お世話になりました……だって。何にもしてないのにね」アハハ…


絵里「はぁ……ちょっとは先輩らしく振る舞えたのかしら、私」

――――――

456: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 22:55:25.87 ID:bbHpVUzH
希「さて、ことりちゃん」

ことり「はいっ」

希「ウチが相談に乗ってからそこそこ経ったけど、その後はどうなん?」

ことり「う~ん……どうなのかなぁ?」

ことり「一応ね、一回思い切って海未ちゃんにきいてみたの」

ことり「ことりの事どう思ってるの?って」

希「それで、海未ちゃんは?」

457: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:00:36.43 ID:bbHpVUzH
ことり「まだよくわからないけど、前よりはことりの事気にかけてくれるようになった……って」

希「どっち付かずな回答やね」

ことり「それでもいいの」

ことり「海未ちゃんは恥ずかしがり屋さんだから……きっとわかってても言ってくれない気がするの」

希「じゃあ、それはつまり……海未ちゃんがことりちゃんの事を――」

ことり「ううんっ、流石にそれはことりにもわからないよ」

ことり「だから今のは、ことりの推測……と言うよりはただの願望、かな?」

458: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:04:45.67 ID:bbHpVUzH
希「なあ、ことりちゃん」

ことり「なぁに?」

希「答え、きちんと聞きたいとは思わんの?」

ことり「思うよ?」

ことり「思うけど、海未ちゃんは真剣に考えてくれる筈だから……それまでことりは待ってます」

希(ホンマに……ええ娘やねぇ)

459: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:10:02.26 ID:bbHpVUzH
希「こんなに健気で可愛いのに、海未ちゃんは何をそんなに躊躇ってるんやろね?」


ことり「そ、そんなことないよっ!」ブンブン




ことり「ことりは……ズルいから」

希「ズルい?ことりちゃんが?」

ことり「うん……海未ちゃんの優しさに甘えちゃってるの」

461: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:14:10.29 ID:bbHpVUzH
ことり「海未ちゃんはね、ことりのお願い事を優しく聞いてくれるから」

ことり「手を繋ぎたいなって言ったら繋いでくれるし」

ことり「ギュってしたら、海未ちゃんもギュってしてくれる」

ことり「断られないってわかってて、そんなお願いごとをしてることりは――」

ことり「とってもズルいよ……」




希「……」フム

希「とおっ!」ズビシッ

ことり「いたぁっ」

462: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:19:36.87 ID:bbHpVUzH
ことり「あうぅ……な、何するの希ちゃん?」

希「そんなの全っ然ズルくないやん!」

ことり「……でもぉ」

希「一つ聞くでことりちゃん」

ことり「なに……?」

希「海未ちゃんの事好き?」

ことり「う、うん……好きだよ?」

希「じゃあやっぱりズルくない!」

463: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:25:02.71 ID:bbHpVUzH
ことり「……どういうことなの?」

希「さっきことりちゃんが言ったことっていうのは、全然普通の事なんよ」

希「好きだから手を繋ぎたい、好きだから抱きしめてもらいたい」

希「恋愛してるんやったら誰でも当たり前に思うことやん」

希「それで相手にお願いすればしてもらえるんやったら、ウチも絶対お願いするよ」

希「まあそもそもことりちゃんにお願いされたら、海未ちゃんじゃなくても断れそうにないけどね」

希「と言うことでこれは全然ズルくないよ」

464: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:30:10.91 ID:bbHpVUzH
希「寧ろ、ことりちゃんが恋する乙女って証明やね」

ことり「こ、恋する乙女はちょっと///」

希「じゃあ恋する小鳥って所やね」ニヤ

ことり「もうっ、希ちゃぁ~ん!」ポカポカ

希「あははっ!冗談やって」

ことり「……でも、ありがとう希ちゃん」

希「海未ちゃんと上手くいくとええなぁ」ナデナデ

ことり「うんっ!」

465: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:37:39.13 ID:bbHpVUzH
希「それじゃ最後に……ウチからのスペシャルなおまじないを授けようかな」

ことり「おまじない?」

希「そうっ!恋愛成就から金運上昇、果てには滋養強壮にも効果があるスーパーでスピリチュアルなおまじないや!」

ことり「そ、それは本当にスーパーだね……」

希「では、早速おまじないを……」

ことり「う、うん」

466: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:43:26.12 ID:bbHpVUzH
希「まず、ことりちゃんが両手を前につき出します」

ことり「こうかな?」バッ

希「えーと……おいでーってやるような感じで……そうそう、そんな感じやね」

希「そして、次にウチが」

希『希パワーた~っぷり注入!は~いぷしゅっ♪』

希「って言ったらことりちゃんが」

希「『いただきましたぁ~!』って両手を胸の前で重ね合わせて完了!」

ことり「い、いただきました~……」

希「声が小さいなぁ……まあ、練習やから良しとしようか」

467: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:48:51.47 ID:bbHpVUzH
希「よーし!次は本番やね、準備はいい?ことりちゃん」

ことり「が、頑張りますっ!」フンスッ

希「いくで~……」

ことり「……」バッ




希「希パワーた~っぷり注入!は~いぷしゅっ♪」

ことり「い、いただきましたぁ~///」グッ



希「……」

468: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:54:36.61 ID:bbHpVUzH
ことり「どう……かな?」

希「……おっけー!」

ことり「……よかったぁ」ホッ

希「これでバッチリやん♪」





「あら、楽しそうな事してるわね」

希「ん?あ、エリチやん、海未ちゃんは?」

絵里「こっちは終わったわ、それで海未に伝言頼まれてね」

469: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/02(日) 23:59:22.60 ID:bbHpVUzH
希「伝言?誰に?」

絵里「ことりに決まってるじゃない」

ことり「海未ちゃんから、ことりに?」

絵里「そうよ、今から言うからちゃんと聞いてね」



絵里「あの場所で待ってる……だって」



希「あの場所……ことりちゃんはわかるん?」

ことり「……うん、わかったよ」

絵里「なら、行ってらっしゃい」

470: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 00:06:26.48 ID:5q1GU49c
ことり「……行くの、ちょっぴり怖いなぁ」ドキドキ

希「だーいじょうぶ、希パワーちゃんと受け取ったやろ?」

絵里「心配なら、エリチカパワーもいるかしら?」クスッ

ことり「そ、それは流石に大丈夫かな……」

希「エリチ可愛そー」ププッ

絵里「希、後で覚えてらっしゃい……」

ことり「け、ケンカはしちゃだめだからね!」メッ

471: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 00:12:10.21 ID:5q1GU49c
絵里「そうねぇ、ことりが行ったら仲直りしてあげる」

希「お、それいいやん!ウチも賛成」

ことり「これって仲直りする必要あるのかな……?」

絵里「あるわ、大アリよ!」

希「あ、まずい……何か急にエリチのこと殴りたくなってきたー」

ことり「ええっ!?」

絵里「うわー怖いわー助けてーことりー」

ことり「うー……わ、わかったよ!今から海未ちゃんのところに行ってきます!」

希「あ、何か治まった」

472: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 00:18:03.13 ID:5q1GU49c
ことり「ことり、遊ばれてるような……」

絵里「そんな些細なことは気にする必要ないわ、それよりも海未が待ってるわよ?」

ことり「……もうっ、帰ってきたら二人とも海未ちゃんに怒ってもらうもん」プクゥ

希「ちょっ!?」

ことり「行ってきます!」プンプン

絵里「ことり、待って――」




ガラガラ……





絵里「……せっかく、海未から逃れられたと思ったのに」

希「逃れられない運命と言うことやね……」ハァ


――――――

473: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 00:24:02.11 ID:5q1GU49c
―― ?????


海未「はあ……緊張しますね」

「う~みちゃん♪」

海未「おや、ことり。いらっしゃいましたか」

ことり「へへ~、やっぱりここだったんだね」

海未「そうですね……大事な話をするなら、ここが最適だと思いましたので」





海未「……ことり、私の話を聞いていただけますか?」

ことり「もちろんですっ」

481: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 22:45:47.09 ID:Lh3cF4cq
海未「まずは、ことりに謝らなければいけない事があります」

ことり「どうしたの?」

海未「告白されてからこれまで、私は答えを出すことから逃げてきました」

海未「ことりの優しさに甘えて、ことりの想いから目を逸らして……」

海未「それでも、ことりはただ真っ直ぐに私に想いをぶつけてくれました」

海未「ですが、私は未だに応えることができていません」

海未「最低ですね、本当に申し訳ありません」ペコッ

482: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 22:49:53.32 ID:Lh3cF4cq
ことり「……海未ちゃんっ」

海未「怒られるのは承知の上です……」グッ





ギュッ




海未「えっ?」

ことり「ことり、怒ってなんかないよ」

ことり「だってことりも一緒だから」

483: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 22:55:56.99 ID:Lh3cF4cq
海未「ことりも……なのですか?」

ことり「そうだよ、ことりもね海未ちゃんの優しさに甘えちゃってたの」

ことり「海未ちゃん、ことりのお願いはなんでも聞いてくれちゃうから…… 」

ことり「ことりのやってほしいこといっぱいお願いしちゃって、ことりもごめんなさい、しないとだね」エヘ

海未「では、お互い様……ということですか」フフッ

ことり「そうだね、だからこの話はここでおしまいにしよっ」

485: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:05:36.95 ID:Lh3cF4cq
海未「わかりました……それでは本題に入りましょうか」

ことり「うん……」ゴクッ

海未「数日前、ここでお話した時にことりが私に問いましたよね」

海未「『ことりの事をどう思っているのか』と」

海未「私はあの時、ハッキリとした返事が出来ませんでした。まだ、自分の想いがわからなかったんです」

海未「ですが、その時辺りからですね……胸がモヤモヤし始めたのは」

487: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:10:48.20 ID:Lh3cF4cq
ことり「う、海未ちゃん病気なの?」アセアセ

海未「私もそう思って、次の日に真姫に相談しました」

ことり「どうだったの……?」

海未「病気でした」クスッ

ことり「え、やっぱり病気だったの?」

海未「はい」

ことり「じゃ、じゃあちゃんと病院行かないと!」アセアセ

ことり「こんな所でお話してる場合じゃないよ!」

488: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:15:33.77 ID:Lh3cF4cq
海未「大丈夫ですよ、そんなに深刻なものでもないですから」

ことり「病気なのに……?」

海未「ええ、私も最初は病気と聞いて怯えていました」

海未「結局真姫には放っておけば治ると匙を投げられましたし」

海未「ですが、それからにこや絵里と話をして……徐々にこのモヤモヤの正体に気付いてきたんです」

海未「そして、ここに来てようやく正体がわかりました」

海未「これには真姫も手を焼くわけです」

ことり「大丈夫なの?」

489: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:20:50.79 ID:Lh3cF4cq
海未「ええ、恐らく今日でこの病気ともお別れでしょう」





海未「ことり、今から言う事を静かに聞いていてくださいね」

ことり「……わかった」

海未「……」スゥ

海未(大丈夫、落ち着いてください園田海未)

海未(ここを逃せば、もうチャンスは訪れないかも知れません)

海未(伝えるのです……私の想いを)

490: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:26:10.09 ID:Lh3cF4cq
海未「ことり、貴方のとても可愛らしい笑顔が大好きです」


ことり「ふえぇっ!?……はっ」ムグッ


海未「私にだけ、甘い声でお願いしてくるズルい所が大好きです」


海未「愛用の枕を忘れたからと言って、わざわざ家まで取りに帰る、そんなドジな所も大好きです」


海未「一緒にトランプをしても絶対に負けてくれない、何度言っても衣装のスカートを長くしてくれない、そんな意地悪な所も大好きです」


海未「涼しい顔して全員分の衣装を作り上げ、私達には絶対辛い顔を見せない頑張り屋な所が大好きです」

492: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:31:19.76 ID:Lh3cF4cq
海未「怒っているつもりなのに、何故か怒られているこちらが笑顔になってしまう。そんな可愛い所も大好きです」


海未「恥ずかしさから物凄く遠回りに告白してくる、そんな奥手な所も大好きです」



海未「そして、なにより――」









海未「私の事をとても好いてくれている。そんなことりを私も大好きです」

海未「もう逃げません、認めましょう。私はことりの事が好きです」

494: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:36:37.21 ID:Lh3cF4cq
海未「……ことりの答えも、聞かせてはくれませんか?」

ことり「//////」ボ-

海未「あの、ことり?」

ことり「ひ、ひゃぁい!」ビクッ

海未「き、聞いてくれていましたか?私の話」

ことり「うん……ちゃんと聞いてたよ///」

海未「では……その……」モジモジ

ことり「うぅ……わかってるくせに…… 」

海未「そ、それでも聞きたいんです……」

ことり「……はぁ、海未ちゃんのお願いだから、仕方ないよね」

495: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:41:43.38 ID:Lh3cF4cq
ことり「……ことりはね、もちろん海未ちゃんのこと好きだよっ」ニコッ


ことり「ことりにだけとっても甘い海未ちゃんが好き」


ことり「弓道とか日舞をやってる時のキリッとして美人な海未ちゃんが好き」


ことり「でもアイドルをやってる時の恥ずかしがってるけど、とっても楽しそうな海未ちゃんはもっと好き」


ことり「いつもは鈍感なのに、決めるところはビシッと決める王子様みたいな海未ちゃんが好き」

496: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:46:27.28 ID:Lh3cF4cq
ことり「真面目だけど、山登りのことになっちゃうと目をキラキラ輝かせる可愛い海未ちゃんが好き」


ことり「トランプタワーを倒しちゃって、凄く落ち込んじゃうシュンとした海未ちゃんも好き」


ことり「怒ると怖いって思われてるけど、本当は誰よりも優しい海未ちゃんが好き」


ことり「でも一番はね――」






ことり「ことりの事をこんなに大事に考えてくれてた海未ちゃんが大好きっ!」ニコッ

ことり「何回でも言うよ、ことりは海未ちゃんが好き!」

499: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/03(月) 23:54:04.52 ID:Lh3cF4cq
海未「……」

ことり「海未……ちゃん?」オソルオソル

海未「//////」プシュ-

ことり「わあぁ~!海未ちゃん大丈夫!?」ワタワタ

海未「恥ずかしすぎて……死んでしまいそうです///」カアァ

ことり「海未ちゃんがお願いしてきたんだからね?」フフン

500: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/04(火) 00:00:12.77 ID:LAai1wV+
海未「まさか、そんなに私に対する事が出てくるとは思わなかったもので……」

ことり「当たり前だよっ……ことりの中は海未ちゃんの事でいっぱいなの……」

ことり「海未ちゃんで、溢れてるんだよ……?」チラッ




海未「」フラッ

ことり「えぇ!?」

海未「……」バタリ

ことり「海未ちゃあぁ~ん!!死んじゃいやだよぉ~!」

514: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 22:35:24.99 ID:RAEFqrw8
――――――

海未「んんっ……」

ことり「あっ、海未ちゃん!大丈夫!?」

海未「ええと……どうなったのでしたっけ」

海未「ことりに想いを伝えて……それから、ことりに想いを伝えていただいて……忘れました」ハテ

ことり「そこで海未ちゃんが倒れたんだよ?」

海未「……そうでしたか、情けないところをお見せしました」

515: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 22:41:30.49 ID:RAEFqrw8
ことり「恥ずかしくて倒れちゃう海未ちゃんも好きだよっ」ギュ-

海未「ちょっとことりっ///」カアァ

ことり「だめ?」ウワメ

海未「……だ、駄目ではないです///」

ことり「じゃあ、海未ちゃんもことりのことぎゅーってして……?」

海未「流石に今はちょっと……」

ことり「むぅ……え~いっ!」ギュ-

海未「こ、ことり!?苦しいですよぉ」

ことり「海未ちゃんがぎゅーってしてくれるまで離さないもん!」ギュ-

516: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 22:46:32.06 ID:RAEFqrw8
海未「そう言われましても……」

ことり「ことりのこと好きならぎゅーってして?」

海未「す、好きですっ!ことりの事は好きです!……ですがぁ///」

ことり「海未ちゃん!」ギュ-

海未「無理です!」

ことり「おねがぁい!」

海未「無理ですっ!」ブンブン

ことり「海未ちゃん諦めてよぉ……」

海未「ことりこそ諦めてくださいよ……」

517: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 22:51:28.44 ID:RAEFqrw8
海未「別に今やらずとも、今度いつでもやってあげますから……それで、どうですか?」

ことり「やっ!」ギュッ

海未「……どうしましょう」ハァ

ことり「どうしても……いや?」ウルウル

海未「あっ、いや……そんな事は決して!」アタフタ

ことり「……スキありっ!」







ことり「……ふぅ~」

海未「ふわああぁ///」

519: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 22:57:38.59 ID:RAEFqrw8
海未「そのようなやり方は卑怯ですよことり///」

ことり「ことりはズルイ娘だも~ん♪」

ことり「ね、ぎゅーってして?」

海未「……こ、今回だけですからね?」



ギュッ…


海未「これで、どうですか?」

ことり「んー……だめっ」

海未「な、何故ですか!?」

ことり「ぎゅっ、じゃなくてぎゅー、だよ?」

521: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:03:05.94 ID:RAEFqrw8
海未「」プツン

海未「……」グイッ

ことり「ふぇ?」






ギュ-ッ




ことり「!?」

海未「これで文句無いでしょう」ギュ-ッ

523: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:06:11.04 ID:RAEFqrw8
ことり「……えへへ~、おっけーです」

海未「全く……ことりにも困ったものですね」

ことり「これからも、こんな迷惑いっぱいかけちゃうかもしれないけど……ごめんね?」

海未「……ふふっ、私だって嫌なわけではありませんので構いませんよ」

――――――

524: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:11:45.69 ID:RAEFqrw8
ことり「これから、どうしよっか?」

海未「あの……そろそろ離れていただいてもよろしいですか?」

ことり「え~」ブ-ブ-

海未「ほら、大事な話がありますから」

ことり「はぁい……」パッ

ことり「それで、お話って?」

海未「……やっと、やっとですね」

ことり「?」




海未「ことり、バードウォッチングに行きませんか?」

526: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:16:30.43 ID:RAEFqrw8
ことり「…………」

ことり「……はっ!そうだ、バードウォッチング!」

海未「もしや、忘れていたのではないですよね?」

ことり「そ、そんなことないよー?」

海未「……まあ、最近誘っていなかったので、忘れていても仕方ありません」

ことり「ごめんなさい……」

海未「そうですね……では、許してほしければ私の言う事を聞いてください」





ことり「……   なおねがい?」

527: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:20:44.00 ID:RAEFqrw8
海未「は、はいっ!?そんな事する筈ないでしょう!」

ことり「……だって、言う事聞いてもらうって」

海未「全然違います!私をなんだと思っているのですか!」





ことり「ことりは……いいよ?」

海未「こと、ことりぃ!?」

ことり「海未ちゃんなら……」ギュ

海未「はわわわわわ……」アタフタ

528: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:24:57.85 ID:RAEFqrw8
海未(お、おち、落ち着いてください園田海未)

海未(ここを逃せば、もうチャンスは訪れないかも知れません……ではなくっ!)

海未(心を落ち着かせて……一度深呼吸を)

海未「……」ス-ハ-

海未(ふう……もう大丈夫そうですね)

海未(後は……)

529: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:29:35.28 ID:RAEFqrw8
海未「ことり、それは駄目です」

ことり「……ことりとはそういうことしたくないの?」

海未「したくはない事はない……事もない……と言いますか……何と言いますか……」ゴニョゴニョ

海未「し、しかし!」

海未「そういう問題ではありません」


海未「私はことりと、もっとゆっくり、一緒に歩いていきたい」

海未「もっとことりを大事にしたい、そう思っているんです」

530: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:34:51.53 ID:RAEFqrw8
海未「……ゆくゆくは、そういう事も視野に入れていきたいと思っていますが」

海未「今はまだ……私達には早すぎます」

海未「それでは、駄目でしょうか?」

ことり「海未ちゃん……」ジ-ン

ことり「……やっぱり大好きぃ!」ダキッ

海未「もうっ、今日のことりはよく抱きついてきますね」フフッ

ことり「これが、ことりの愛情表現ですっ」

ことり「ことりの『好き』ちゃんと伝わってるかな?」

海未「……ええ、よく伝わってますよ」

ことり「そっか、よかったぁ~」エヘヘ…

531: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:41:47.47 ID:RAEFqrw8
海未「さて、そろそろ私の言う事を聞いてもらいましょうか」

ことり「あ、そういえばそうだったね」

海未「おほんっ……ことり」

ことり「はぁ~い♪」







海未「私と一緒にバードウォッチングに行きましょう」

海未「ちなみに、これはお願いではありません、決定事項です」

532: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/05(水) 23:47:13.01 ID:RAEFqrw8
ことり「大丈夫、海未ちゃんとなら何処にでも一緒にお出掛けします♪」

海未「そう言ってもらえると……嬉しいですね」

ことり「じゃあじゃあ、いつにする?」ワクワク

海未「そうですね……色々準備も必要ですし、来週辺りでどうでしょうか?」

ことり「来週だねっ、了解しました♪」ピシッ

――――――

543: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:49:49.06 ID:u0F7mV6o
――1週間後 部室

ことり「海未ちゃ~ん♪」ギュ-

海未「も、もうっ……ことり///」テレテレ

ことり「ぎゅ~♪」ギュ-

海未「皆が見ているというのに///」テレテレ





キャッキャウフフ……




ほののぞにこえりまきりんぱな『……』ジ-

544: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:53:10.76 ID:u0F7mV6o
絵里「あー、なんて言えばいいのかしら……」ハァ

希「幸せそうで結構なんやけど……」ハァ

にこ「こう、見てるこっちが……」ハァ

真姫「胸焼けしてくるのよねぇ」ハァ


穂乃果「そうかな?二人とも幸せそうだからそれでいいじゃん!」

穂乃果「穂乃果は二人の事応援してるよ?」

凛「そうにゃそうにゃ、凛達も真姫ちゃんから聞いた時はびっくりしたけど……」

花陽「もう、慣れちゃった……よね」アハハ…

545: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:56:20.77 ID:u0F7mV6o
凛「それに、凛とかよちんもいっつもやってるもんね!」ギュ-

花陽「わわっ……もうっ、いきなり抱きついたら危ないよ凛ちゃ~ん」

凛「かーよちーんっ!」ギュ-

キャッキャウフフ



希「あらら、こっちでも始まったみたいやねぇ」

にこ「まあ、こっちはまだ見ていて微笑ましいからいいのよ」

真姫「問題はあっちよ」ホラ

546: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 22:59:39.13 ID:u0F7mV6o
ことり「ねえねえ、海未ちゃんっ」

ことり「これ、ことりが作ってきたお菓子なんだぁ……食べてくれる、かな?」

海未「……ええ、もちろんいただきます」ニコ

ことり「こ、これねっ?ことりの自信作なの!」ハイ

海未「おや、ことりの好きなチーズケーキではないですか」

海未「私が食べてしまっても良いのでしょうか?」

ことり「海未ちゃんの為に作ってきたんだから当たり前ですっ」

海未「ありがとうございます……では」

海未「はむっ……」

海未「……」モグモグ

547: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:03:00.03 ID:u0F7mV6o
ことり「どう……かな?」

海未「んっ……」ゴクン

海未「ことりの作るお菓子は世界一ですね」フフッ

ことり「そ、そうかな……」エヘヘ…

海未「こんなに美味しい物を、私一人で食べるのは気が引けます」

海未「是非、ことりも食べてください」

ことり「でもこれ、ことりが作った奴だから味見もしてるよ……?」

海未「それなら……」スッ



海未「これで如何でしょうか?」ア-ン

548: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:06:10.01 ID:u0F7mV6o
ことり「う、海未ちゃんがあーんしてくれてる///」

海未「食べないのなら、私がいただきましょうかね」ヒョイ

ことり「待って海未ちゃん!……あ、あ~ん///」

海未「はい、どうぞ」フフッ

ことり「あむっ……」

ことり「……」モグモグ

海未「どうですか?」

ことり「おいしぃ~♪」

海未「それは良かったです」

アハハ…ウフフ…

549: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:09:21.32 ID:u0F7mV6o
にこ「まあ、自分が作ったモンなんだから、そりゃ美味しいでしょうよ」

希「いやにこっち、最早あの二人にはそんなん関係ないと思うで……」

穂乃果「いいなぁー穂乃果もことりちゃんのチーズケーキ食べたーい!」

真姫「残念だけど今回は諦めなさい。また今度作ってくれるわよ」

穂乃果「うぅ~……ことりちゃんのケーキぃ……」ウルウル

真姫「ちょっと……そんな目で見ないでよ……」

550: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:16:13.21 ID:u0F7mV6o
花陽「ほ、穂乃果ちゃんっ!この後、花陽達と一緒にケーキ食べに行こっ?ね?」アセアセ

穂乃果「ことりちゃんケーキ……」

凛「今ならなんと、絵里ちゃんが奢ってくれるって言ってるにゃ!」

穂乃果「えっ?ホントっ!?」パアァ

絵里「ちょっと何それ!?私聞いてないわよ!?」

凛「でも、この間……」

551: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:20:58.57 ID:u0F7mV6o
―― 数日前 部室

海未『ああ、そういえば』

りんぱな『……急にどうしたの?』

海未『もし、絵里達とどこか出掛ける用があるなら、絵里と希にお金を出してもらうといいですよ』

凛『え、なんで?そんなの二人に悪いよー』

海未『気にすることはありません……お仕置きなので』

花陽『お仕置き……?』

海未『はい、お仕置きです』ニッコリ




凛『ねえ、かよちん。何か海未ちゃん怖いにゃー』コソコソ

花陽『そ、そうだよねっ……花陽もそう思ってた』コソコソ

花陽『でも……』

凛『触れない方が良さそうだにゃー』

――

凛「って事があったんだよ」

552: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:24:52.32 ID:u0F7mV6o
絵里「あぁ……そういう事だったのね……」ズ-ン

希「さらりとウチも道連れになってるし……」ズ-ン

絵里「でもこれは……」

希「ウチらが悪いしなぁ……仕方ないか」

希「……よーしっ!」パンパンッ


絵里「ことりと海未以外の皆!これから、私と希の奢りでパフェ食べに行くわよ!」

穂乃果「おおっ、パフェ!行こう行こう!」キラキラ

553: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:29:10.25 ID:u0F7mV6o
にこ「別にいいけど……何でパフェなのよ?」

希「先月ぐらいにエリチと真姫ちゃんと約束したんよ」

希「今度皆で食べに行こう……って」

真姫「そういえば……そんな事もあったわねぇ」


絵里「今日なら、ちょうど皆集まってるしね」

穂乃果「でも……ことりちゃんと海未ちゃんは誘わないの?」

絵里「って言ってもあの二人は……」チラッ

554: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:31:29.11 ID:u0F7mV6o
ハイウミチャン、ア-ン

ア、ア-ン///

ヤ-ン!!ケ-キタベテルウミチャンカワイイッ

ソンナコトナイデス///



にこ「ま、誘ったところで来ないでしょうね」

穂乃果「あはは……確かに……」

555: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/06(木) 23:37:30.20 ID:u0F7mV6o
凛「ねえ、希ちゃん。これって凛達も行ってもいいの?」

希「ん?もちろんや!凛ちゃんも花陽ちゃんもおいでおいで」ニコ

花陽「わぁ!皆とお出かけだよ、楽しみだね凛ちゃん、真姫ちゃん」ワクワク

凛「いっぱい奢ってもらうにゃ~!」

真姫「程々にしときなさいよ……まったく」ハァ



絵里「皆、準備は出来た?」

ほののぞにこまきりんぱな「はーい!」

絵里「それじゃあ……皆で一緒に――」


ほののぞにこえりまきりんぱな「しゅっぱあ~つ!!」オー!!


ワイワイ……ガヤガヤ……

563: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 21:49:59.09 ID:C862ViG/
海未「何やら、向こうが盛り上がっているようです」

ことり「皆でお出掛けするみたいだよ」フフッ

海未「私達は、誘われていませんけどね……」

ことり「まあまあ、皆ことり達に気を使ってくれてるんじゃないかな?」

海未「なるほど……それなら納得ですね」

564: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 21:54:08.43 ID:C862ViG/
ことり「それじゃあ……ことり達もお出掛けする?」

海未「何処にですか?」

ことり「明日がバードウォッチングでしょ?だから、その為の買出しとかどうかな」

ことり「ことり、バードウォッチングって初めてだから全然わからなくって……海未ちゃんが教えてくれると嬉しいな♪」

海未「そういう事でしたら、喜んで」

565: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 21:59:58.91 ID:C862ViG/
海未「では、参りましょうか」

ことり「ねえねえっ」

海未「ん、どうかしましたか?」

ことり「……」パッ

海未「……はいはい」ギュッ

ことり「流石海未ちゃん♪」

海未「もう、ことりのして欲しいことは大体分かってきましたから」

ことり「海未ちゃんの手、あったか~ い」ギュ-

海未「ことりのだって同じですよ」ギュ-

ことり「それじゃあことり達、おそろいだねっ」エヘヘ

海未「ええ、お揃いです」フフッ

566: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:05:02.23 ID:C862ViG/
――――――

――帰路

海未「色々買ってしまいました……」

ことり「ホントに必要なの?って物まで買っちゃったね……」

海未「ですが、ことりとお買い物が出来てとても楽しかったです」

ことり「ちょっとしたデートみたい♪」

海未「言われてみれば……その通りですね」

ことり「本番は明日だけどね……きゃっ」フラッ

海未「おっと……」ガシッ

567: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:10:37.49 ID:C862ViG/
海未「大丈夫ですか?ことり」

ことり「へーきですっ、ちょっとつまずいちゃっただけだから……」

海未「重いようなら荷物、持ちますよ?」

ことり「ううん、大丈夫だよっ」

海未「あまり、無理はしないでくださいね?」

海未「ことりは、か弱いですので心配です……」

ことり「もう……海未ちゃん心配しすぎっ」

ことり「ことり、そこまでひ弱じゃないよ……ほら」ヒョイ

海未「……いつの間に」

568: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:15:01.83 ID:C862ViG/
海未「私の覚えている限りのことりは、重いものなどとても持てないような少女でしたが……」

ことり「μ'sを始めたおかげかな」

ことり「μ'sを始めてから、色んな事が出来るようになったの」

ことり「力も体力も付いたし、衣装を作るのだって前よりもずっと上手になったし」

海未「なるほど……いつまでも『小鳥』のままではない、という事ですか」

ことり「そうだよ、ことりだって成長してるんだから」エッヘン

海未「……ことりにはいらぬ心配でしたね。失礼しました」

569: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:19:32.55 ID:C862ViG/
ことり「あ、でもでも――」






ことり「今日は何だか力が出ないの、誰か助けてくれないかなぁ」チラッ

海未「……ふふっ」

海未「お安い御用です」ヒョイ

ことり「ありがとっ、海未ちゃん♪」

570: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:25:46.65 ID:C862ViG/
テクテク……テクテク……




海未「最近涼しくなってきましたね」

ことり「やっと夏も終わりかな?」

海未「そうですね、これから秋が始まり、冬が過ぎ、そして春が訪れます」

ことり「一緒に泳ぎに行ったり出来なかったのは残念だけど……」

ことり「秋は一緒にバードウォッチング、冬は一緒にクリスマスに年越しがあるよね♪」

ことり「春は……なんだろう?」

571: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:30:57.84 ID:C862ViG/
海未「お花見、などはどうでしょうか?」


海未「綺麗に開花した桜を眺めながら、ことりの作ってくれたお弁当を食べて……」

海未「満腹になったのと、春の陽射しを浴びて眠くなってきた所で桜の下で寄り添い少しお昼寝をする」

海未「とても素敵な事だと思いませんか?」

ことり「……うんうん!」コクコク

ことり「……絶対お花見行こうね!」グッ

海未「はい、約束です」

ことり「ことり、頑張ってお弁当作っちゃいます!」

海未「まだ、気が早いですよ」フフッ

海未「ですが……楽しみにしていますね」

ことり「うんっ♪」

572: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:36:57.66 ID:C862ViG/
テクテク……テクテク……




海未「もう少しで、ことりの家ですね」

ことり「……もっと海未ちゃんといられたらいいのに」

海未「心配せずとも、また明日会えます」

海未「明後日も、その次も」

ことり「……」

ことり「ねえ、海未ちゃん」

海未「なんでしょうか?」

ことり「ことりのこと……ずっと離さないでね?」

573: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:43:23.04 ID:C862ViG/
海未「言われずとも、離す気などありませんよ」クスッ

ことり「ずっとずっと、ことりと一緒にいてね?」

海未「当たり前です」

ことり「大人になっても?」

海未「一緒にその日の献立を考えながら、夕飯のお買い物に行きましょう」

ことり「おばあちゃんになっても?」

海未「縁側で仲良くお茶でも飲みながら、日向ぼっこでもしましょう」フフッ

ことり「二人とも死んじゃったら?」

海未「生まれ変わって、また出会います」



ことり「そっか……」クスッ

574: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:50:45.55 ID:C862ViG/
ことり「ことりもね、海未ちゃんとずっと一緒にいるよっ」ギュ

海未「ふふっ、ありがとうございます」

海未「……とは言いましても、まだまだ私達は始まったばかりです」

海未「とりあえずは、先のことを気にするよりも今を楽しみましょう」

ことり「うん、そうだねっ!じゃあ明日はことり達の……」

海未「記念すべき一歩目、という事になりますね」

ことり「忘れられない思い出になるかなぁ?」

海未「なる、ではなくすればいいんです」フフッ






ことり「いっぱいいっぱい……思い出作ろうね!」

海未「ええ、これからたくさん……二人で作っていきましょう」

576: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/08/07(金) 22:51:47.04 ID:C862ViG/
おわり

長い間お付き合いありがとうございました
多分またいつかことうみ書きます

引用元: 海未「ことり、この間の話なのですが……」