2 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:18:46 HNkXpDgs

正月・柊家……

遊矢「あー極楽、極楽。やっぱり冬はコタツだよな」

柚子「もう、ウチに来るなりコタツに潜り混んで。だらけ過ぎよ」

遊矢「良いじゃん、正月なんだし。こんな時くらいダラダラさせてくれよ」

柚子「お正月だからよ。よく言うでしょ? 『1年の計は元旦にあり』って」

遊矢「分かった分かった。来年の元日はちゃんとするからさ」

柚子「今から来年の話しないでよね、まったく」ハァ


2 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:18:46 HNkXpDgs

正月・柊家……

遊矢「あー極楽、極楽。やっぱり冬はコタツだよな」

柚子「もう、ウチに来るなりコタツに潜り混んで。だらけ過ぎよ」

遊矢「良いじゃん、正月なんだし。こんな時くらいダラダラさせてくれよ」

柚子「お正月だからよ。よく言うでしょ? 『1年の計は元旦にあり』って」

遊矢「分かった分かった。来年の元日はちゃんとするからさ」

柚子「今から来年の話しないでよね、まったく」ハァ


3 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:19:20 HNkXpDgs

遊矢「なあ、柚子」

柚子「何よ?」

遊矢「みかん剥いてー」

柚子「嫌よ。子供じゃないんだから自分で剥きなさい」

遊矢「面倒臭いだよ」

柚子「みかんの皮剥くのが面倒臭いって……じゃあ食べなきゃ良いでしょ?」


4 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:20:14 HNkXpDgs

遊矢「剥きたくないけど食べたいの。特に柚子の素手で剥いたのを食べたい」

柚子「遊矢、それ若干気持ち悪い」

遊矢「気持ち悪い言うな。食べたいんだよ、みかん。みかんーみかんー」

柚子「あーもう、うるさいわね。剥けばいいんでしょ、剥けば」

遊矢「流石、柚子。何だかんだで俺に甘い」

柚子(この野郎)


5 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:21:08 HNkXpDgs

遊矢「あ、このちょっと大きいのが良いな」

柚子「はいはい、分かったわよ」

遊矢「…………」ジー

柚子「…………」

遊矢「…………」ジー

柚子「……あのさ、遊矢。あんまりジロジロ見ないでくれる? 地味に剥き難いから」


"
"
6 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:22:15 HNkXpDgs

遊矢「いや、柚子ってみかん剥くの上手いなと思って」

柚子「別にみかんの皮を剥くのに上手い下手も無いと思うけど」

遊矢「やっぱり同じ柑橘類仲間だからかな」

柚子「殴られたいの?」ニコッ

遊矢「ごめん、ちょっとした冗談です。だからその振り上げたハリセン下ろして、お願い」

柚子「まったく、もう……ほら、剥いてあげたわよ」


7 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:22:52 HNkXpDgs

遊矢「おお、これが柚子が素手で剥いてくれたみかんか」

柚子「だからそれやめなさいってば」

遊矢「はむ。うん、美味しい」モグモグ

柚子「そう。良かったわね」

遊矢「ほら、柚子。あーん」

柚子「……は?」


8 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:24:22 HNkXpDgs

遊矢「剥いてくれたお礼。一房あげるよ」

柚子「えっと、そもそもそれウチのみかんとか言いたい事は色々あるけど……いきなり何?」

遊矢「だからお礼だってば。ほら、遠慮せずに食べろよ」

柚子「いらないってば」

遊矢「ほらほら~」

柚子「や、やめなさいって!」


9 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:25:12 HNkXpDgs

遊矢「柚子の反応面白いな♪」クスクスッ

柚子(むぅ……)カチーン

遊矢「まあ冗談はこのくらいにして柚子も自分の分のみかん食えよ。やっぱりコタツにみかんは最高の組み合わせだぞ」

柚子「……そう。じゃあ遠慮なく頂くわよ」

遊矢「え?」

柚子「はむ!」パクッ

遊矢「ちょ、お前何指ごと!?」


10 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:25:52 HNkXpDgs

柚子「んっ、ちゅ……」

遊矢「あの、その……」

柚子「ぷあぁ……ご、ご馳走様!」

遊矢「…………」

柚子「何よ……食べろって言ったのは遊矢でしょ?」

遊矢「いや、確かに言った、けどさ……」


11 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:26:39 HNkXpDgs

柚子「…………」プイッ

遊矢「…………」

柚子「…………」

遊矢「…………」

柚子「…………」

遊矢「…………」パクッ

柚子「あぁー!!!」

遊矢「!?」ビクッ


12 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:27:10 HNkXpDgs

柚子「あぁー! あぁー!!」

遊矢「な、何だよ? いきなり大声出して?」

柚子「い、今みかん食べたでしょ!?」

遊矢「ああ、食べたけどそれが……」

柚子「指! 今私が咥えた指でみかん食べた! 口に入れた!!」

遊矢「えっ……あ!」


13 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:28:25 HNkXpDgs

柚子「もう、何でその指で食べるのよ! 左手で食べなさいよ!!」

遊矢「そ、そんな事言われても……」

柚子「信じられない! 遊矢の馬鹿!!」

遊矢「ば、馬鹿って言うなよ! そもそも柚子が指ごと食べるから、その、間接キスを……」

柚子「なっ、言うなぁー!!」

ハリセンパチーン!!

遊矢「へぶぅ!?」


14 : ◆6lM76zkyEU :2016/01/01(金) 19:29:52 HNkXpDgs

柚子「何でお正月からこんな……ちょっと頭冷やして来る!!」バッ

遊矢「いたた……お、おい! 待てよ柚子!!」

ドアバタン!!

遊矢(柚子の奴、思いっきり叩きやがって。別にそこまで慌てなくても……)

遊矢「…………」

遊矢「…………」

遊矢「……柔らかかったな」ボソッ

遊矢「…………」

遊矢「……あーもう!!」バンッ!




この身体の熱さはコタツに長く入り過ぎたせいだ。きっとそうに決まってる。