ちなつ「はいっ。どうぞ、あかりちゃん」ｺﾄｯ

あかり「ありがとう、ちなつちゃん」ﾆｺｯ

ちなつ「どういたしまして」ﾆｺｯ

あかり「それでは……」ｽﾞｰｯ

あかり「はぁ……、体の底から温まるなぁ」ﾎｯ

ちなつ「もうこんな季節だから、温かいものが恋しくなるよね」

あかり「こんなお茶が毎日飲めたら、ぽかぽかで風邪なんてひかないだろうね～」

ちなつ「あかりちゃん……、今サラっと凄い事言ってる」ﾎﾞｿｯ

あかり「え？ 何か言った？」

ちなつ「いや、何も」ﾊｧ

ちなつ「あっ、お菓子も出さないとね」

あかり「今日は何？」

ちなつ「うーん、確かお饅頭があったかな」

あかり「ちなつちゃんのお茶とお饅頭、すっごく合うんだよね～」

ちなつ「そう？」

あかり「うん。お茶がお饅頭の甘さを引き立てて……」ﾎｯｺﾘ

ちなつ「はぁ……、私達には甘々なんて程遠く……」ﾎﾞｿｯ

あかり「なぁに？」

ちなつ「いや……、あかりちゃん、よだれ垂れてる」

あかり「えっ！？」ｱｾｱｾ

ちなつ「嘘」ﾆｺｯ

あかり「もーっ、ちなつちゃんってば……」

ちなつ「ごめんごめん、あかりちゃん、表情豊かだからつい」

あかり「それって褒めてるの？」

ちなつ「勿論」

あかり「そっか……」ﾆｺｯ

ちなつ「笑顔が素敵」ﾐﾐﾓﾄ

あかり「ひゃあっ！？ み、耳元で言わないでよぉ！？///」ｶｱｧ

ちなつ「あかりちゃん、面白い」ｸｽｯ

あかり「いやぁ、やっぱりちなつちゃんのお茶とお饅頭の組み合わせは最高だよぉ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ちなつ「あかりちゃんが美味しそうに食べてるの見ると、私も嬉しいな」ﾆｺｯ

あかり「あ、結構食べ過ぎちゃったかな……」

ちなつ「太っちゃえ」ﾎﾞｿｯ

あかり「ええっ……」ｶﾞｰﾝ

ちなつ「こういうのは聞き逃さないんだね……」ﾊｧ

あかり「……」ｼﾞｰｯ

ちなつ「あかりちゃん、遠慮せずに最後の一個食べちゃいなよ」

あかり「ええ……、でも……」

ちなつ「ああもう……」ｶﾞｼｯ

あかり「んっ！？」ﾓｶﾞｯ

ちなつ「ただいまより、お饅頭でプッキーゲーム紛いの事をしちゃいまーす」ﾊﾟｸｯ

あかり「～～～///」ｶｱｧ

ちなつ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

あかり「～～～///」ｶｵﾏｯｶ

ちなつ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

あかり「……///」ﾎﾟﾛｯ

ちなつ「はい、あかりちゃんの負けー」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

あかり「ち、ちなつちゃん、いきなりすぎるよぉ///」

ちなつ「いきなりじゃなかったら、どういう反応だったかな？」ｸｽｯ

あかり「うう……///」ﾌﾟｼｭｰ

ちなつ「ええっと、罰ゲームは何がいいかなぁ……」

あかり「ええっ！？ あるのぉ！？」ｱﾀﾌﾀ

ちなつ「……」ｼﾞｰｯ

あかり「？」

ちなつ「あかりちゃん、じっとしてて？」ｶﾞｼｯ

あかり「は、はひっ！？」

ちなつ「……」ｽｰｯ

あかり(あわわわ……、ちなつちゃんのお顔が近づいて……///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ちなつ「……」

ちなつ「……」ﾋｮｲｯ ﾊﾟｸｯ

あかり「え？」

ちなつ「あかりちゃん、口元にお饅頭の欠片がくっついてたよ？」ｸｽｯ

あかり「そ、そっか、ありがと、ちなつちゃん///」ｶｱｧ

ちなつ「……」ｼﾞﾄｰｯ

ちなつ「あかりちゃん……、何か別のこと考えてたでしょ？」

あかり「う……///」ｷﾞｸｯ

ちなつ「うーん、やっぱり罰ゲームと言ったらこれかなぁ……」ｶﾞｼｯ

あかり(わっ、ま、また……///)

ちなつ「……」ｽｰｯ

あかり(……///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ちなつ「……」ｼﾞｰｯ

あかり「？」

ちなつ「……」ﾊﾟﾁﾝ

あかり「痛っ！？ 痛いよぉ、ちなつちゃん！」ﾋﾘﾋﾘ

ちなつ「デコピンは罰ゲームの定番よね」ｸｽｯ

あかり「……」ｸｽﾝ

ちなつ「ごめんごめん……、楽しいお話でもしよっか」

ちなつ「そうね……、良い子のあかりちゃんはクリスマスに何が欲しいの？」

あかり「むぅ……、子供扱いする……」ﾌﾟｰ

ちなつ「そういえばあかりちゃん、犬が欲しいって言ってたよね……」

あかり「うん……、でも何度も駄目って……」

ちなつ「あかりちゃんって何と言うかあまり欲がなさそうというか……」

あかり「そ、そうなのかなぁ……」

ちなつ「デコピンのお詫びに、あかりちゃんのワガママをちょっとだけ、叶えちゃおっか」

あかり「え？」

ちなつ「あかりちゃんって、犬に限らず動物好きそうだよね～」

ちなつ「何となく、動物とお話できそうというか……」

あかり「？」

ちなつ「あかりちゃん、猫は好き？」

あかり「うん、猫さんも好きだなぁ」

ちなつ「よーし、いつも良い子のあかりちゃんの元に、チーにゃんがやって来ちゃいました」ﾎﾟﾌｯ

あかり「ち、ちなつちゃん、いきなり何を……///」ｶｱｧ

ちなつ「うーん、頑張り屋さんだけど寂しがり屋さんなあかりちゃんへのご褒美、かな？」

あかり「え？」

ちなつ「ま、クリスマスにはまだ大分早いけど、ちょっとした予行演習ということで」ｽﾘｽﾘ

あかり「わわっ、ち、ちなつちゃん……/// (予行演習？)」

ちなつ「猫は炬燵で丸くなるっていうけど……」

ちなつ「チーにゃんはあかりちゃんのお膝で丸くなるのが好きかな～」ｽﾘｽﾘ

あかり「……///」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ちなつ「チーにゃんは気まぐれだから、いきなり何をするかわからないよ～？」ﾆﾔﾆﾔ

あかり「え？」

ちなつ「例えば……」ｽｰｯ

あかり「？」

ちなつ「こうやって思いっきりあかりちゃんに抱き着いて甘えちゃったり……」ﾑｷﾞｭｯ

あかり「わわっ、ち、ちなつちゃん……///」

ちなつ「抱きしめ返さないと、拗ねちゃうかもね～」

あかり「う……、そ、それでは……」ｷﾞｭｯ

ちなつ「うーん、あかりちゃん、あったかいな～」ｷﾞｭｰｯ

ちなつ(あかりちゃんに甘えたくなっただけだけど、これは黙ってよっと)

ちなつ(チーにゃんは気まぐれだから本音は隠しちゃうこともあります)

あかり「ちなつちゃんも、あったかいねぇ……」ｷﾞｭｯ

ちなつ「うーん、あかりちゃん、柔らか～……」ﾌﾟﾆｯ

あかり「ちょっ……、ち、ちなつちゃん！？///」

ちなつ(や、柔らかい！？)ﾑﾆｯ

あかり「ち、ちなつちゃん……？」

ちなつ「……」ﾑｽｯ

ちなつ「……」ﾌﾟｲｯ

あかり「ち、ちなつちゃん……？」

あかり「あかり、何か変なことしちゃった……？」ｵｽﾞｵｽﾞ

ちなつ(い、いつの間に……。おかしい……、こんな事は許されない……)ﾜﾅﾜﾅ

ちなつ「……」ﾑｽｯ

あかり「……」ｼﾞｰｯ

あかり「……」ｽﾞｲｯ

ちなつ「！？」

あかり「……」ｽｰｯ

ちなつ(ま、まぁ、今回だけは許してあげてもいいかな……///)

あかり「……」ｸｽｯ

あかり「……」ｸﾞｲｯ

ちなつ「わっ？ あひゃりひゃん？ はひほ (あかりちゃん？ 何を？)」

あかり「……、うん！」

ちなつ「？」

あかり「やっぱりちなつちゃんは、笑ったお顔が一番可愛いね！」ﾆｺｯ

ちなつ「あ……///」ｶｱｧ

あかり「さて、指を離して……、と」ｽｯ

ちなつ「……///」ﾆｺｯ

あかり「はい、よく出来ました！」

ちなつ「……」ﾑｯ

ちなつ「……」ﾌﾟｲｯ

あかり「ありゃ……、チーにゃんは気まぐれだね～」ｸｽｯ

ちなつ(は～、結構あかりちゃん、私をリードしようとするとこあるのよね……///)ｶｵﾏｯｶ

あかり「あ、もうこんな時間だね……」

ちなつ「うん、そうだね……」

あかり「そろそろ帰ろっか」

ちなつ「うん」

ちなつ(クリスマスまでにはもっと、ステップアップ出来るかな……)

～帰り道～

あかり「わっ、もうこんなに真っ暗……」

ちなつ「もう12月になっちゃうもんね……」

あかり「あ、そうだ」

ちなつ「？」

あかり「さっきのお話でちょっと気になったんだけどね」

あかり「ちなつちゃんはクリスマスに何か欲しいものはあるのかな？ って」

ちなつ「うーん……」

ちなつ(こ、ここは心を決めて……)

ちなつ(さっきあんなに甘えたんだから、いくらあかりちゃんでも気付いてるよね……///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ちなつ「あ、あかりちゃんと過ごせたらそれd……///」ｶｱｧ

あかり「へっくち！」

ちなつ「」

あかり「あ、ご、ごめんね……、ちなつちゃん……」

あかり「もう一度言ってもらえると……」

ちなつ「……」ﾑｽｯ

ちなつ「もう！ 知らない！」ｽﾀｽﾀ

あかり「ま、待ってよぉ！ ちなつちゃん！」ｱﾀﾌﾀ

ちなつ「……」

ちなつ「あー、手袋忘れちゃった。優しい誰かが手を温めてくれるなら、待っててあげてもいいかなー」ｽﾀｽﾀ

あかり「あ、あかりがカイロを貸してあげるから！待ってよぉ！」ｱｾｱｾ

ちなつ(0点……)ﾊｧ

ちなつ(あかりちゃんに甘々は期待しちゃだめかぁ……)

ちなつ(ま、いっか)

ちなつ「……」ﾋﾟﾀｯ

あかり「あ、やっぱり待っててくれるの……？」ｾﾞｰﾊｰｾﾞｰﾊｰ

ちなつ「はい。模範解答」ｷﾞｭｯ

あかり「？」ｷﾞｭｯ

ちなつ「チーナはチーにゃんよりずっとずっと気まぐれだからね？」

ちなつ「頑張ってね？ あかりちゃん？」

あかり「？」

ちなつ(ま、今日はこれでいっか……)

ちなつ(だって私は……)

ちなつ(あかりちゃんと並んで歩けるこの時間が好きだから……)ｷﾞｭｯ



おしまい