1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/24(日) 23:34:01.21 ID:PoUuwWh90
このSSは
の別視点から書いたものになります。
上記のSSを読んでないとよく判らない処があると思いますので、
その点をご了承下さるようお願い申し上げます。
それでは宜しくお願いします。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/24(日) 23:36:27.91 ID:PoUuwWh90
とある東京のプロチームの控室。
照「原村先生…ちょっと話があるのだけど……」
和「どうしたのですか?宮永先生。先生が私に話があるなんて珍しいですね」ふむ
和「それで、どの様な御用件なのですか?」
照「ここでは少し話しにくいから、場所を移したいのだけど」
和「…………分かりました」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/24(日) 23:40:23.68 ID:PoUuwWh90
………。
とある近くのカラオケボックス。
和「こんな場所に連れてくなんて……まさか私と歌いたい。なんて言うんじゃないですよね?」
照「私は別にあなたと歌いたいとは思わない」
和「そうですよね」
照「でも。ここなら少なくとも話を聞かれる事は無い」
和「……ええ。確かに……でもそんなに大事且つ、人に聞かれたくない事なんですか?」
照「ええ。あなたにとっても、そして私の親類にとっても……」
すっ…
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/24(日) 23:46:59.81 ID:PoUuwWh90
和「!?」
照「……ここまですれば、あなたでも分かるでしょう?」
和「これは――――」
照「……見れば分かる筈。これは…あなたと、私の妹の夫がホテルに入った時と、出てきた時の写真……」
和「……こんな写真があるなんて……探偵にでも依頼したのですか?」
照「……ええ。私が依頼した」こく
和「人の周辺を…人を雇ってまで嗅ぎまわるなんて、先生は案外と趣味が悪いですね」
照「人の旦那を る様な人には、流石に言われたくは無い」
和「………………」
…。
和「で…宮永先生はどうされたいのですか?」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/24(日) 23:54:39.15 ID:PoUuwWh90
照「どうされたいって……」
和「私を脅す目的は何かと言う事ですよ?或いは訴える心算ですか?」
照「私は脅す心算は無いし、訴える心算も無い。するとしたら咲自身……」
和「まぁそうですよね。では改めて、宮永先生自身は私をどうなされたいのですか?」
照「単刀直入に言おう。今後、この二人には手を出さないで欲しい」
和「そう言う事ですか……で…宮永さんにはこの事を?」
照「うん。もう話した。それに写真も渡してある。それから咲はもう『宮永』ではなく、『須賀』 咲だから」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:00:05.21 ID:wzVWwXsK0
和「……それで宮…咲さんは何て?」
照「特に何も……あと京太郎君とは『絶対に』別れないって言っていた」
和「……………」
照「……それにあなたを訴える事も、糾弾する事もしないって」
和「……そうですか…咲さんは…私が思っている以上にお人好しな人なんですね……」
照「…………」
照<そう……あの子はあなたに、あんな事を…裏切られる様な事をされても―――>
照<それでも尚…そんなあなたと、友達でありたいと思っている子だから……>
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:05:13.19 ID:wzVWwXsK0
和「……まだ何か言いたそうですね」
照「ええ……それで…あなたの本当の狙いは何?京太郎君?それとも咲?」
和「どうして咲さんだと?」
照「私があなたと咲と三人で会った時に、あなたが咲に送る視線が、友人に送るソレと少し違っていた気がしたから……」
和「…………」
照「……やっぱり咲が狙いで、京太郎君を ったのは、その為の手段……正に『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』…ね……」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:12:30.12 ID:wzVWwXsK0
和「…………」
照「でも…その姦計も無駄に終わってしまったけど」ふふ
和「…………」
照「咲は京太郎君と別れる気はないし、京太郎君もあれから、改心して今まで以上に愛してくれる様になったって……」
照「一緒に居る時間も増えたって。昨日、咲から電話があって、そう私に嬉しそうに言ってた……」
和「…………」
照「残念だったね。好きでもない人と寝て。結果…雨降って地固まるになってしまっt――――」
和「…………両方です」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:18:32.08 ID:wzVWwXsK0
照「?」
和「私は須賀君と咲さんどちらでも良かった……私だって昔はどうあれ、もう好きでもない人と寝る気はありませんから……」
照「どちらでもって……?」
和「咲さんは勿論……須賀君もちょっと軽く見えそうだけど、優しくて心遣いの出来る人だと言う事は知ってますから……」
和「だから、須賀君と咲さんのどちらでも…いいえ、出来れば二人共、私と愛し合ってほしかった……」
照「……理由はどうあれ、二人ともなんて…原村先生はとんだ欲深くて節操のない阿婆擦れだね」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:24:17.34 ID:wzVWwXsK0
和「……何とでも言って下さい。それが私の偽らざる本心ですから……」
照「そう……でも、あなたの本心はどうあれ、改めて彼女の姉として…もう疚しい心で咲には近づかないでほしい」
和「……随分…妹思いなのですね。過保護な位……彼女も…もう立派な大人なのに……」
照「…………」
照<咲は…純粋で脆くて、危うい処がある子だから……>
照<それに私は一度。彼女を咲を哀しませてしまっているから……>
和「……それとも、もしかして先生は妹離れできないクチなんですか?」くす…
照<だから私は―――――――>
照「私は……ただ咲に幸せになってほしいだけ―――」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:31:02.37 ID:wzVWwXsK0
照「特に恋愛問題で哀しい目に合ってほしくない……この私の様に…………」
和「……私の様に。とは…どういう事なんですか?」
照「…………私は…好きな人を……あったかい詐欺の女に奪われたから――――」
照「……その哀しみとショックで、それ以来私は恋する事が出来なくなってしまった」
照「だから、それ以来…咲には大事な妹には……私と同じ想いをさせないと心に誓った……」
和「そうですか……っていうか、あったかい詐欺の女って何ですか?」
照「あったか~いあったか~いとかのたまいながら、人の女のスカートの中にぬけぬけと潜り込む様な女の事だよ」
和<…………何を言っているのかよく判らn――――――!!>はっ
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:36:22.05 ID:wzVWwXsK0
和「も…もしかしてそのあったか~い詐欺の女って、宥さ…松実…いえ、弘世 宥さんの事ですか?」
照「………………」
和「その様子だと図星の様ですね。と言う事は先生の好きな人と言うのは……」
照「ど…どうして松実さんと菫の事を?」
和「宥さんは私の友人の松実 玄さんのお姉さんなので―――――」
和「その彼女から『色々』聞いていますから……」
照「…………」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:44:16.48 ID:wzVWwXsK0
和「ですから。二人が彼女の実家の旅館で働いている事も知っていますし、一度、実際にお二人にも会っていますしね」
照「…………」
和「で、どうなんですか?先生は…弘世さんのことが好きだったんですよね?」
照「…………そうだよ…私は菫が…弘世 菫の事が好き…だった……でもいつの間にか、あの女に奪われた……」
照「私は高校の三年間、ずっと菫の側に居た……そう私が菫の一番傍に居た筈だったのに――――」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:50:43.99 ID:wzVWwXsK0
照「でもあの女は…菫とたった一、二度対局しただけなのに……」
照「ただ…それなのにいつの間にか私は…あの女に菫の隣を奪われていた……」
和「…………」
照「それから私は、もう恋なんてしないって誓った……それ程に私は菫の事が好き…だったから……」
和「そうだったんですか……」
照「そうだよ。だかr――――」
和「宮永先生」
照「な…何?」
和「もしかして、先生は今でも弘世さんの事が好きなのでは?」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 00:56:27.91 ID:wzVWwXsK0
照「―――――――!!」
和「だったら私の事をどうこう言う前に、先に貴女の方をどうにかした方が良いのではないですか?」
照「どうにかって…どういう……」
和「ですから、今度は貴女が宥さんから、弘世さんを奪い返せばいいのではないでしょうか?」
和<尤も…弘世さんが、先生のモノになっていた時なんて、一切無かったのでしょうけど……>くす
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:02:19.15 ID:wzVWwXsK0
照「そ…それは……」
和「好きなんでしょう?今でも」
照「……で…でも菫はもう結婚してるし……それに子どももいるし……」
和「ええ。そうですね。確か女の子が一人。名前は確か……幸葉ちゃんでしたっけ?」
照「うん……そうだよ。だから――――」
和「でも…それが如何したのですか?」
照「!?」
和「本当に彼女の事が好きなら、そんな事は大した問題ではありません」
照「!?」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:08:14.47 ID:wzVWwXsK0
和「貴女が今でも忘れられない程に想っているのであれば、その分を…熨斗を付けてお返ししてやればいいのですよ?」
照「……そんなこと…できる訳が………………」
和「それに…あのお二人自身も、今の様な事になったのは、色々『すったもんだ』が有ったから……らしいですしね?」
照「…………」
和「もしかしたら…意外とチャンスなのかもしれませんよ?」くす…
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:15:20.56 ID:wzVWwXsK0
照「…………でも……」
和「……そうですね、先生……丁度、遠征が終わって暫く時間も開きますし……」
和「その間に弘世さんの居る、松実館に行ってみてはどうですか?」
照「えっ……?」
和「その方が…先生にとっても、一度…過去を清算する事はいい事だと思いますよ?」
和<私みたいにならない為にも……>
照「それは……」
和「まぁどうするのかは、先生の自由ですけどね」
照「……………」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:20:40.91 ID:wzVWwXsK0
和「……他に何かありますか?」
照「…………」
和「……無い様ですね。それではもう行きますね」すくっ
照「…………」
和「それでは。頑張って下さいね。宮永先生……」
照「…………」
和「……ああ…そうだ、折角、カラオケボックスに来たのですから、何か歌われたらどうですか?」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:25:13.10 ID:wzVWwXsK0
照「今更…何を言って……」
和「……そうですね…例えば【天城越え】…とか……どうですか?」くすくす
照「――――――!!」ギリ…
和「では……」
バタン。
和<……恐らく宮永先生の場合…未だに好きだって言うよりも――――>
和<寧ろその時のショックが大き過ぎて、未だ受け入れられずに…無闇に過去に囚われて――――>
和<――――という表現の方が正しいのでしょうけどね……>
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:30:07.16 ID:wzVWwXsK0
…
照<………………………>ぼー
照「…………」すっ
照「……何か歌う……気分には、やっぱりなれないよ…………」
照<私…原村先生にあんな事言われて…動揺してる……>
照<私は…未だ菫の事が好き…なのかな……でも…少なくても未だ私は…菫の事が忘れられないでいる……>
照<菫……私は…どうすれば……………>
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:36:28.72 ID:wzVWwXsK0
…………。
照さんの家。
照<私は……ううんそんなこと出来る訳が……それに私一人で行くだなんて………>
プルルルルル―――
照「!?」
照<電話?亦野さん?>
照「も…もしもし……」
誠子『あっ先輩お久しぶりです。あのですね…今度、虎姫OBで――――』
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/11/25(月) 01:41:23.63 ID:wzVWwXsK0
数日後。
誠子「さぁ着きましたよ、先輩」
松実館玄関。
照「……………………………」ずーん
照「来ちゃった」
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