幼馴染(12)（あ…またやっちゃった…。ちぇ、最近つまんないな）

女子A「でね～、１組のK村君が体育のサッカーでかっこよくてさぁ」

女子B「わかる～。M野君もいいよねぇ」

女子C「こないだY田に告られたまじさいあく～。おえーって感じ」

幼馴染(12)（……話ついてけないなー）

幼馴染(12)（カブトムシ戦わせたいなー）

幼馴染(12)（あいつに負け越してるんだよなー）

女子A「ねぇ、あんたどんなのがタイプ」

女子B「そんなのわかりきってるじゃん」

女子A「ねぇきいてんの？　誰がかっこいいとおもう？」

幼馴染(12)「えっ！？あ、アトラスとか！？」

女子A「は…？　外人？　俳優？」

幼馴染「か、カブト…ムシ」

女子B「ぷっ」

女子A「……？」

幼馴染(12)「あ…いや、えと…なんの話だっけ」

女子A「だからー。学年の男子なら誰が好みってきいてんの。先生も候補いれていーよ」

幼馴染(12)「好み…？」

女子B「いないの？」

幼馴染(12)「い、いねーよ！　いるわけないじゃん」

女子A「だよねー。なんか同世代の男子って子供っぽいし」

女子A「はやく中学生なりたーい。かっこいい先輩いたらいいなぁ」

幼馴染(12)「中学生かぁ…」

幼馴染(12)「はぁぁぁぁぁ」

女子A「なにそのため息。うれしくないの？」

女子C「ブレザーとスカートちょー可愛いよね」

女子A「うんうん！はやく着たい！」

幼馴染(12)「ブレザー…スカート…」

女子B「スカート嫌いなの？　いっつもパンツルックだよね」

幼馴染(12)「だって…」

幼馴染(12)（スカートだと山んなか入れねーし…あとすーすーして変）

幼馴染(12)「ぼ、ボクには似合わないかなーって…あはは」

女子B「そんなことないよ」

女子A「まぁそうかもねー。あんたどっちかっていうと王子様系だもんね」

女子A「でも制服なんだからしょうがなくない？」

女子A「あ、いまから練習しとけばいいじゃん！　ナイスアイデア！」

女子A「あたしの余ってるの貸してあげるよ。履いてみたら」

幼馴染(12)「えっ…ここで！？」

女子A「女同士だし別にいいっしょ」

女子C「みたいみたいー」

幼馴染(12)（まいったなぁ…そんな気全然ないのにな）




幼馴染(12)「履いてみた…変だろ」

女子A「おお、可愛いじゃん！」

女子B「素材型だったね」

女子C（これあたし負けてない？）

女子A「じゃ、それで外いこっか！」

幼馴染(12)「はぁ？」

女子A「他の人に見てもらわないと意味無いじゃん」

幼馴染(12)「いや、それは…待ってよ。心の準備が」

女子A「嫌なら代わりに明日それで登校ね。はい決まり」

幼馴染(12)「わ、わかったよ！　ちょっとじゃあ外いってくる！」

女子A「ついでに、お菓子買ってきて」

女子C「あたし甘いやつー」

女子B「一緒に行こうか？」

幼馴染(12)「ううん…ボクひとりで行ける」

～駄菓子屋


幼馴染(12)「なんでここに来ちゃったんだろ…コンビニくらいあるのに」

幼馴染(12)「わぁ懐かしいな。このお菓子まだあったんだ。みんなどんなのが好きだろ？」

店主(80)「おんやいらっしゃい。誰かと思ったらあんたかい」

幼馴染(12)「あ、駄菓子屋のおばあちゃん久しぶり」

店主(80)「すっかり背伸びてべっぴんさんになったねぇ」

幼馴染(12)「そ、そんなことないよ。今日はたまたま…これ履いてるだけで」

店主(80)「いつも一緒の子はどうしたんよ」

幼馴染(12)「…あいつはもう」


ｶﾞﾗｶﾞﾗ

店主「あいよいらっしゃい」

店主「おや、噂をすればだねぇ」

幼馴染「！！　げっ」

幼馴染「…な、なんでお前が」

店主「ゆっくり選んでおゆき。奥でテレビみてるからまた呼んでなぁ」




幼馴染「お前…なにしにきたんだ」

幼馴染「駄菓子買いに？　そりゃそうか」

幼馴染「じゃなくて…っ、い、いまでも来てんだな…」

幼馴染「ボクは…たまたま来ただけ。友達の分のお菓子も買うならここかなって思ったの！」

幼馴染「ん…？　なんでニヤニヤしてんだ」

幼馴染「はっ！」

幼馴染（しまった！　スカートなの忘れてた！）ﾊﾞｯ

幼馴染「なっ、これはなっ、なんでもない！　さっきA子に借りただけで…」

幼馴染「ボクが履きたくて履いてるわけじゃないから！！」

幼馴染（見られた！見られた！　見られたっ！　よりにもよってこいつに！）

　　
～橋


幼馴染「最悪だ。お菓子は買えなかったし、あいつには見られるし…」

幼馴染「もうコンビニでてきとーに買って帰ろ…」

幼馴染「そもそも駄菓子買って帰ったらA子に怒られそうだ。あぶな」


ﾁﾘﾝﾁﾘﾝ

幼馴染「…？！　うわっ！　な、なんでついてきてんだよ」

幼馴染「自分だけチャリなんてずるいぞ…」

ｽｯ

幼馴染「え…なんだよこの袋。犬のフンでも入ってんのか？」ｶﾞｻｶﾞｻ

幼馴染「…駄菓子じゃん」

幼馴染「くれんの？　はぁ…なんで？」

幼馴染「べっつにこんなにいっぱいいらねーし…」

幼馴染「小6になって小遣いふえたからって調子のんなよ」

幼馴染（ボクの好きなやつばっかりだ…へへへ）

幼馴染（こいつよくおぼえてたな…）

幼馴染「なぁ」

幼馴染「…ありがと」

幼馴染「もらっとく！　っていってんの！　タダよりやすいもんねーし」

幼馴染「でもやんやんつけボーだけはお前に返すよ。お前昔からこれ滅多食えないって言ってたろ」ｸﾞｲｯ

幼馴染「じゃあな！」



幼馴染「……じゃあなって別れたのになんでついてくんだよ」

幼馴染「…送ってくれるって？　いいよ別に…ボク歩いてA子んち戻るし」

幼馴染「のらないってば。スカートなの見てわかんないのかよ」

幼馴染「荷台のれねーよ」

幼馴染「あ、そうかまたがるんじゃなくて、横向きにすわればいいのか」

幼馴染「いいよ。うしろ乗ってやるから一生懸命こげ！　くくく」

　

幼馴染「はーきもちいい」

幼馴染「お前暑そうだな。がんばれー」ﾊﾟｼﾊﾟｼ

幼馴染「息あがってんぞ」

幼馴染「坂道きつかったら立ち漕ぎしていいぞ」

幼馴染「へぇがんばるじゃん」

幼馴染（なんかこういうシーンテレビで見たことあるな）

幼馴染（もしかしていまのボクたちって傍目から見たら…）

幼馴染（…ってそんなことないない）

幼馴染（こんな背中まで汗ぐっしょりの男と青春してたまるか）ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

幼馴染「送ってくれてサンキュ」

幼馴染「じゃあな…あ、そうだ忘れてた」

幼馴染「……」

幼馴染「ボクのスカート姿みたのは、ぜっっったいに内緒だからな？」

幼馴染「言ったらお前も女子にしてやる」

幼馴染「わかった？　うん、わかればいいんだ」

幼馴染「だいたい、ボクのスカートなんてほんと誰が得するんだって話だよ。ははは」


-分岐
①だよな！
②オレが得する。
>>72

2

　

幼馴染「え……？」

幼馴染「空耳かな。耳を疑うようなことが…」

幼馴染「誰が何をみて得するって？？」


幼馴染「ぇ……お前が……ボクを…？」


幼馴染「…………っ//」

幼馴染「し、しるか！　ジロジロみんな変　！」

幼馴染「うわーばかばか！」

幼馴染「お前そんな目でボクのこと見てたんだな！」

幼馴染「　　　！！」　脱兎

　
～翌週


幼馴染「おはよー」

女子A「おはーーー…んん！？」

女子B「めずらしいね。なんで今日スカート？」

女子C「これ自分のやつ」

幼馴染「う、うん……まぁね。日曜日にお母さんと買いに行った…」

女子A「ふぅ～～ん。つまりぃ、あたしのおかげってことだよね？」

女子A「うんうん。ついにあんたも女子らしさに目覚めたのね」

女子B「そうなのかな」

女子C（ちっ、ライバル増えちゃった）

男子A「ぎゃはははは！　こいつおとこおんなのくせにスカートはいてんぞー！」

男子B「似合わね～！」

男子C「おえーー」


女子A「男子死ね！」

女子C「ほんとガキなんだから」

女子B「気にしないほうがいいよ」

幼馴染「ぐぎぎぎぎ…スカートじゃなければいますぐ飛び膝蹴りくらわしたい…」

女子B「おさえておさえて。せっかく女の子らしくしてるんだから」

幼馴染「……はぁ」

幼馴染「……」ｿﾜｿﾜ

幼馴染（こんな日に限って来るのおせーなあいつ）

　

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ


幼馴染「あっ！」


男子A「おっす！　オメェおせぇぞ！」

男子A「それよりおいあれ見てみろよあれ！　ぎゃはは」

男子B「あいつ男子のくせにスカート履いてるぜ」

男子C「おえーー！　ほらお前も一緒に！　せーの」


-分岐
①おえーー！
②似合ってるぞ
>>91

2

幼馴染「！？///」

男子A「は？」

女子達「キャーーー。なになに？」


男子B「聞きました？　似合ってるぞ…ｷﾘﾘ。だってよ！」

男子C「裏切りもんめ！」

女子A「あいつって真顔であんなこというキャラだったんだ」

女子B「がんばれ」


幼馴染「…べ、べつにかばってもらってもうれしくないし」

幼馴染「大きなお世話っていうか…」

教師「おおい席つけよー出席とるぞー」

　
～授業中


幼馴染「…」

幼馴染（ズボンにくらべておしり冷たいんだな）

幼馴染（座りづら）ﾓｿﾞﾓｿﾞ


隣の女子「これ、回ってきた。Yちゃん宛」ﾋｿﾋｿ

幼馴染「え？　ボク？」

幼馴染（なんだろ…珍しいな）


男子一同『ブース』


幼馴染「くきーー！　ぐ、ぐぐ…」

幼馴染（無視無視。知るもんか）

幼馴染（もうガキじゃないんだから、こんな挑発に乗っちゃダメだ）

幼馴染（でもやっぱり似合ってないってことだよな…）

幼馴染（こんなに馬鹿にされて、無理して履く意味あんのかな）

幼馴染（休み時間になったら体操着に着替えようかな…）

幼馴染（でも負けたみたいで悔しい！）ｷﾞﾘｷﾞﾘ


隣の女子「また回ってきたよ」

幼馴染「いらない」

隣の女子「なんかひどいこと書いてあったの？」

隣の女子「先生チクろうか？」

幼馴染「いいよそんなの…あとで着替えてボコボコにするから」

幼馴染（あいつら、ボクがスカートだから暴れられないと高をくくってるんだ）

隣の女子「とりあえず渡したからね？」

幼馴染「ありがとう」

幼馴染「ん？　なんかこの字みたことあるな」

幼馴染（あいつからだ…。なになに）

幼馴染「……今日の」

幼馴染「お前の―――」

幼馴染「か、可愛…！？」

幼馴染「…え、えっ！？///」ﾎﾞﾝｯ

幼馴染「…ってこんなこと堂々と書いておくってくんな！！」ｶﾞﾀﾝｯ

教師「廊下たってろー」

ｸﾗｽﾒｰﾄ「くすくす。またかよ」



幼馴染「ったく調子くるっちゃうなぁ」

幼馴染「こんな格好でこなければよかった」

幼馴染「結局他の男子と形は違えどあいつにもからかわれてるだけじゃないか！」

～HR


委員長「というわけで、うちのクラスは学芸会で白雪姫をすることになりました」

委員長「配役をきめたいとおもいますので、まず王子さま役をやりたいひと手をあげてください」


教師「……おいおいいないのか？　一応主役だぞ？」

男子A「だってセリフあるしよー。オレおぼえられねーし」

女子A「つかあんたが王子とかありえねーから」

教師「いなかったらあとは推薦かくじびきかだなぁ。なるべく立候補してくれないか」

委員長「決まらないので、次は白雪姫役をきめたいとおもいます」

委員長「立候補いませんか」

女子A「はいはいあたし！」

男子A「ぶすは却下。お前はせいぜいいじわるな魔女だろ」

女子A「ああん！？」


幼馴染（劇かー。小道具係とかがいいな）

教師「じゃあN村に白雪姫やってもらうか？　みんなそれでいいか？」

教師「お、どうした、言いたいことがあるならたってちゃんと言えよ」


①幼馴染を白雪姫に推薦する
②王子役に立候補する
③幼馴染を王子役に推薦する

>>125

3

幼馴染「はぁ！？　ぼ、ボク！？」

女子C「Yちゃんが王子役？」

委員長「いいんですか？」

ざわざわ…

教師「おーい何言ってんだー。一応女子だぞー」

幼馴染（一応って言った）

女子A「へえ良いんじゃない？　あたしくそ男子とダンスとかしたくないし」

女子A「よっぽどYちゃんのほうがカッコイイしね」

教師「えっと…お前さえよければどうだ？」

幼馴染「うーん…」

女子達「いいじゃーん。今日はスカートだけどいつも超かっこいいし」

女子達「王子様似合うとおもうよー」

幼馴染「じゃあやってみようかな…」

男子A「よっ！　おとこおんな！　将来は宝塚か！？」

幼馴染「殺す」

～放課後


幼馴染「お前さぁ、なんでよりによって王子様役に推薦してくれたんだよ」

幼馴染「まぁお姫様に推されたとしても断ってたけどね。ていうか立候補いたし」

幼馴染「王子なんてボクにできるかなぁ」

幼馴染「ただでさえセリフ覚えるの苦手なのに…」

幼馴染「この台本みろよ…」

幼馴染「…まいったなぁ」

幼馴染「小３の時の学芸会のひどさ覚えてるだろ？」

幼馴染「はぁ…またおっくうな事がふえた」

幼馴染「んぅ？　稽古手伝ってくれるって？」

幼馴染「い、いいって…ひとりで…は無理か」

幼馴染「お姫様役のA子と練習するから」

幼馴染「で、なんでついてきたんだよ」

女子A「はーいいらっしゃい」

女子B「男子くるなんて久しぶりじゃない？」

女子C（……）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

幼馴染「ここで練習するの？」

女子A「いま親いないしいいよ。夜までやろ」

女子A「じゃとりあえず台本の音読からね」


幼馴染「…ねぇこれ王子様の深い口づけってあるけどさ」

幼馴染「ふりだよね？」

女子A「当たり前」

幼馴染「そっか」

女子A「もしかしてキスしたかった？　うっそーやだー狙われてる？」

幼馴染「んなわけないじゃん」

　

女子B「はいつぎ王子のセリフ！」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ


幼馴染「ぉ、ぉ、おお！　ナンテ美しい姫ナンダー。で次は…っと、コンナ美しい姫がなんとおいたわし」

女子B「カット！　だめだこりゃ…」

女子C「Yちゃん感情込める気ある？　覚える気ある？」

幼馴染「やってるってば！」

女子A「あんた男の気持ちよくわかるんじゃないの？　なんでそんな下手なのありえない」

幼馴染「そ、そんなこと言われたって…」

幼馴染（みためちょっと男っぽいからって、中身まで男なわけじゃないし！）

女子B「じゃあせっかく来てくれたんだし、男子に王子様の見本みせてもらおうよ。ね？」

幼馴染「あーだめだめ。こいつも劇はちょーへたっぴで」


すらすら　ペラペーラ


幼馴染「ッ！？」

女子B「おおおお…」

女子A「やるじゃん…まじいま一瞬王子様っぽかったわ」

女子C（しゅごい…）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

幼馴染「へ、へぇ…お前にしては…芸達者だな…」

幼馴染「っていうかそんなうまいくせになんで立候補しないんだよ！」

幼馴染「挙句の果てにボクにやらせようだなんて…何考えてんだ」

幼馴染「…わ、わかったぞ。お前、ボクに大舞台で恥かかせる気だな！」

女子B「ぉ、落ち着いて」

幼馴染「くそっ、だったらお前がやればいいだろ！」


女子B「あちゃー…帰っちゃった」

女子C「王子様役交代？　こんだけうまければ文句出ないと思うけど」

女子A「あんたどーすんのよ」

幼馴染（なんだよなんだよ！　あいつムカつく！）

幼馴染（ボクの気もしらないでさ）

幼馴染（ボクの気持ち…）

幼馴染（あれ…ほんとはボク…どうしたかったんだろ）

幼馴染（白雪姫がやりたかったのかな？　ううん、役者は下手だからやだ）

幼馴染「じゃあなんで…こんなにムカついてんだろ」

幼馴染「……そっか」

幼馴染「あいつに…姫役に推薦してほしかったんだ」

幼馴染「…ボク浮かれてんなー…１回２回可愛いって言われただけでこうだもん」

幼馴染「忘れよ忘れよ！　どーせいつもの冗談だもん」

幼馴染「からかってる…だけだもん」

幼馴染（今頃A子たちと練習してるのかな…）

幼馴染（勝手にぬけてきたの悪かったな…明日謝ろう）

～翌日HR


教師「えーみんな聞いてくれ」

教師「今朝話があってな、学芸会の劇のことなんだが」

教師「黒板に書いたとおり、主役が交代することになった」

教師「ほんとにいいんだな？」

幼馴染「いいでーす…ボク台本よめませーん」

男子A「おとこおんなのくせに王子役もできねーのかよーだっせー」

男子B「や、やめとけよだいちゃん。今日あいつズボンだ…殺されるぞ」

男子A「やべっ！　すんません！」

教師「……ということで、新しい王子役はお前に任せたぞ」


ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

幼馴染（A子とあいつかぁ…ま、いいんじゃない…）

幼馴染（やっぱ劇はみせもんだし、うまいひとがやんなきゃ）


教師「それともう一つ。白雪姫から話があるそうだ」

女子達「なに？　どしたの？」

女子A「くそ男子とキスシーンとかふりでも嫌なんで、やめまーす」

教師「……」

教師「というわけなんだ…誰か…代わりに立候補いないか？」

女子達「ちょっと自分勝手すぎ！　責任とりなさいよ！」

女子達「白雪姫どうすんの？　くじびき？」

女子A「はぁ？　もう代役立ててるからいいじゃん。ね、Yちゃん？」

幼馴染「？」

教師「お、そうなのか？　なら良かった。練習しとけよ」

幼馴染「…？　え、何」

　　

～休み時間


幼馴染「おいっ！　どーゆーことだよ！」

女子A「聞いてなかったの？　白雪姫よろしく」

幼馴染「意味分かんないって。ボクへたっぴだし」

幼馴染「演技うまいあいつとA子でいいじゃん！」

女子A「それがさぁ…」ﾍﾟｼﾍﾟｼ

幼馴染「？」

女子A「あんたが帰った後せっかくだし練習してみたんだけどね」

女子A「あいつ突然めちゃくちゃ下手になったのよ」

女子B「ちょ、ちょっとその話しちゃうの！？」

女子A「あ、だめだっけ？」

幼馴染「な、なんだよ…気になるじゃん」

女子A「ま、男子ってそういうとこあるよね～って話、かな」

女子A「特に気になる子の前だと張り切っちゃうっていうかさ」

女子C「Yちゃんの前でしか出来ないみたい」

女子A「というわけで、王子様からのご指名です」

幼馴染「……ぇ」

女子A「がんばれ！　あいつのやる気と真価を引き出せるのはあんただけ！」

女子A「劇の未来はあんた次第！」

幼馴染「……」ﾁﾗ


幼馴染「…っ//」

幼馴染（ボクが白雪姫？　いいの？　いいの？！）

幼馴染（わぁ……）

女子B「にやけそうになってる」

女子A「わっかりやすい奴…ほんとに任せたからね」

女子A「このあたしから姫のポジション奪ったんだから、無様な劇にはしないでね」

幼馴染「が、がんばるっ！」

～稽古中


幼馴染「あーーもうだめっ、疲れた」

幼馴染「サッカーや運動してるよりよっぽど疲れるよコレ」

幼馴染「あﾞ～～もう台本みるのもいや」

幼馴染「白雪姫って王子よりセリフ多いじゃん」

幼馴染「りんごくって寝てるだけかとおもったのにぃ」

幼馴染「…お腹すいてきたな」

幼馴染「そだ。あそこいこーぜ！」


～駄菓子屋


店主(80)「いらっしゃい」

店主(80)「おやまた来たのかい」

幼馴染「こんにちはー」

店主（80）「うれしいねぇ。みんな最近はコンビニやスーパーばっかりなのに」

店主(80)「あんたらはいつまでも仲ええやねぇ」

幼馴染「そ、そんなことないよ…」

店主(80)「昔はよーふたりで手つないできよったな」

幼馴染「つないでないって…」

店主(80)「いやいやはっきりおぼえとるよ。ちっこくてかわええのが元気に走ってきてな」

店主(80)「おじいさんおばあさん、あめちゃんちょーだいって」

店主(80)「おっきいどんぐり飴１つ買ってな、器用に２つに割って分けて食べよるんよ」

幼馴染「む、昔話はいいから…」

店主(80)「ふぉふぉ」

幼馴染「何買う？　ボク冷たいのにしようかな」

幼馴染「ありゃ…財布全然お金入ってないや」

幼馴染「いやぁいいって、前に結構くれただろ？　だからそのお返しに今日はボクが…うーんと」

幼馴染「おばちゃん。これで買えるつめたいのない？」

店主(80)「ん？　じゃあ…」

店主(80)「これなんてどう？」　

幼馴染「チューチューアイスか…じゃあこれ２つ」

店主(80)「２つで120円。よう冷えてておいしいよ」

幼馴染「120円！！　た、たりない…さっきジュース飲んだせいだ…」ｶﾞｸ

店主(80)「なら昔みたいにわけて食べたらええ」

幼馴染「う……なら一本だけ…」

店主(80)「まいど。またおいで」



幼馴染「んしょ」ﾎﾟｷｯ

幼馴染「ほい。おごりだぞ」

幼馴染「…」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

幼馴染「かへっ、おばあちゃんこれ固め過ぎ」ｶﾞｼﾞｶﾞｼﾞ

幼馴染「ちょっと溶けるまでまと」


幼馴染「こうやって、並んで駄菓子たべるのなんてひさしぶりだな」

幼馴染「さっきのおばあちゃんの話で思い出したけど、昔はほんとよく来たよなー」

幼馴染「駄菓子かってー、虫取りしてー、あと何してたっけ」

幼馴染「…川遊び？」

幼馴染「あーしたした！　森のなかんとこのね」

幼馴染「お前８歳か９歳のときに川の石で足の裏切ってさ、びーびー泣いてるのをボクがおぼってかえったのおぼえてる？」

幼馴染「それ以来あんまりいかなくなったんだよな」

幼馴染「…え、ひさびさに？」

幼馴染「もう今の時期結構水冷たくないか？」

幼馴染「時間あるし行ってみようか！」

幼馴染「の前にこれたべちゃわないと」ﾁｭｰｰｰｽﾞｽﾞｽﾞ


幼馴染「よし、じゃあ昔みたいに森まで競争しようぜ！」

幼馴染「負けたら罰ゲームな！　よーいどん！」

幼馴染（ふっふ。出遅れたな。かけっこじゃお前はボクには勝てないんだよ）


幼馴染（あれ？　なんで？）

幼馴染（あいつずっと後ろにいたはずなのに）

幼馴染（もう追いつかれそ）ﾊｧ、ﾊｧ

幼馴染（嘘だろぉ…なんでこんな速くなってんだよ。いつのまに…）

　

～森


幼馴染「あ～～、負けた。なんでだ調子悪かったかな」

幼馴染「くそぅ…」ﾊｧ　ﾊｧ

幼馴染「ちょっと…休憩…川までは歩いていこ…」ﾊｧ

幼馴染（なんでこいつけろっとしてて息ひとつきれてないんだ）

幼馴染「……」

幼馴染（そっか、ボクが…女だからか）

幼馴染（もう、体力では男子には勝てないんだな…）

幼馴染（こいつの足…結構がっしりしてきたな）

幼馴染「……っ！」

幼馴染（あれ…？　なんかいま、お腹の奥が変な感じした）

　



幼馴染「ついたぞ…ってなんでもう靴ぬいでるんだよ」

幼馴染「お前ほんきで入る気か？」

幼馴染「また足の裏きってもしらねーぞ…」

幼馴染「ったく。ガキだなぁ」

幼馴染「ボクは懐かしい気分になったから来ただけだっての」

幼馴染「いい歳してだーれが川でなんて遊ぶか――冷たっ」

幼馴染「ぎゃあっ！　お、おまっ、何すんだよ！」

幼馴染「わぁぁやめろやめろ！　水かけんな！」

幼馴染「にゃろー！」

幼馴染「くっそぅ…反撃してこないと思ってんのか！」

幼馴染「…見てろよっ！」ﾎﾟｲｯ　ﾎﾟｲｯ


ざぶっ

幼馴染「ひっ…つめ、あ…でも火照った走って足にはいいかも」

　
ばしゃ　ばしゃっ


幼馴染「やーめーろー！」

幼馴染「このー！！　くらえくらえくらえっ！」

幼馴染「川底に沈めてやる！」

幼馴染「あはははっ、びしょ濡れになるからまじでやめろってぇ」


～２０分後


幼馴染「あー楽しかった。ちょっと休憩♪」

幼馴染「いやー久々だとテンションあがるな！」

幼馴染「つい本気になっちゃったよ」

幼馴染「あはは、お前濡れネズミだぞ！　髪の毛までぐっしょりじゃん」

幼馴染「ん、ボクも？　そういうやそうだな」ｼﾞｰ

幼馴染「…！」

幼馴染（あ…やば、シャツ透け…ッ！！）

幼馴染「あっ、たっ、あっ///」

幼馴染「見んな！！」

幼馴染「………見た？」

幼馴染「どうしよ…替えの服もってきてねーよ…濡れたまま気持ち悪い…」

幼馴染「昔どうしてたっけ？」

幼馴染「んー……思い出せない」


　
　幼馴染(8)「いいこと考えた！　はだかんぼになって、岩の上に服ほそーぜ！」

　幼馴染(8)「だれもこないからヘーキヘーキ！　」



幼馴染「あ……///　してた…」

幼馴染「うーん…でもなぁ…」

幼馴染「ぼ、ボクたちもう高学年だし、さすがに裸ってわけには…」

幼馴染「お前は男だしパン一でもいいかもしれないけど、ボクは…」

幼馴染（胸ふくらんできてるし。こんなの見せられない）ﾑｽｯ


幼馴染「まだこの時期ならちょっと干せば乾くと思うけどなぁ」

幼馴染「どうしよ…お前のせいなんだからなんか考えろ」

幼馴染「へくちっ」

幼馴染「やっぱ濡れたままはだめだ！」

幼馴染「……この際しかたない…」

幼馴染「そこの岩を挟んで別れようぜ」

幼馴染「ボクこっち側に干してるから、お前向こう側な」

幼馴染「いいか？　絶対こっちくんなよ？」

幼馴染「来たら本気で川に沈めるからな」

幼馴染「お！　この岩ほんといっつもあったかいんだよな」

幼馴染「またお世話になります」ペタ

幼馴染「一時間くらいで乾くかなぁ…？」

幼馴染「…」

幼馴染（なんか…こういう場所で裸でいるのゾクゾクする）

幼馴染（ほんとに誰もいないよね…？）ｷｮﾛｷｮﾛ

幼馴染（大自然…向こう側には幼馴染…）

幼馴染（うひゃあ、なんか大胆なことしっちゃってる！？）

幼馴染（いやいやでも…仕方ないことなんだ。乾かさないと町に戻れないし…）

幼馴染（うん。裸でいるのは別におかしくない！）

幼馴染（だいたい…小学生はまだ子供だ！）

幼馴染「……」

幼馴染（岩挟んで向こうに裸のあいつ…）

幼馴染「……」

幼馴染（さっき絶対ボクの服透けてるの見られたよな…）

幼馴染（あいつ…胸のぽっちみてた…。絶対みてた）

幼馴染（やっぱ、そういうの気になるんだな…）

幼馴染（どうしよ…）

幼馴染（ドキドキする…ボク変だ）

幼馴染（男子に見られたのに、全然嫌な気分じゃないんだ…）

幼馴染（これって変だよな）

幼馴染「な、なぁ…！　聞こえてるか」

幼馴染「あ、あのさ…」

幼馴染「せっかくだし台本でも呼んで発声練習するか」

幼馴染「ここだとほら、大声だしても誰も何もいわないし」

幼馴染「練習にはちょうどよくないか？」

幼馴染「まぁ…いまは演技は無理だけど…」

幼馴染「おいわかってるんだろうな。絶対そこ動くんじゃないぞ？」

幼馴染「声以外の物音がしたらぶっ殺すからな！」


ｺﾂﾝｺﾂﾝ　ｺﾂﾝｺﾂﾝ

幼馴染「ひっ！　お、おい！　来るな！　きゃーー！！」

幼馴染「……って、なんだ石なげてるだけかよ」

幼馴染「お前ボクのことからかってんだろ…」

　

　


幼馴染「ふぅー…だいぶセリフうまくなってきただろ」

幼馴染「白雪姫っぽいか？」

幼馴染「でもまだA子よりはへたなんだよ」

幼馴染「せっかくやらせてくれることになったんだから、期待に答えたいんだ」

幼馴染「よーし、もう一回通しでやってみよ」

幼馴染「……ん、の前にちょっとだけ…」

幼馴染「あ、あの…なんていうか…察しろよ」

幼馴染「…あーもう！　おしっこだよおしっこだよ」

幼馴染「ジュース飲んで、チューチューアイス食べて川にも入ってんだから催してもおかしくないだろ！」

幼馴染「……」

幼馴染「どうしよ」

幼馴染「確か森の公衆トイレってキャンプ場とハイキングコースにしかないよな？」

幼馴染「ていうか裸でいけるわけないし…」

幼馴染「…どうしよ」

幼馴染「野ションなんてほとんどしたことねーよ！」

幼馴染「だ、だって女の子だぞ一応！」

幼馴染「男子みたいにそこらかしこで立ちションなんて出来ないんだからな！　拭くものもないし…」


-分岐
①川でしろよ
②森の中で適当にどうぞ
③ペットボトル渡す

>>230

幼馴染みに選ばせる

幼馴染「川で！？　ふ、ふざけんなよ…」

幼馴染「お前の場所から丸見えじゃんか…」

幼馴染「ていうか川におしっこって…下流で川遊びしてる子いたらどうするんだよ」

幼馴染「もう限界が近づいてきてる…川！？　川しかないかな！？」

幼馴染「え…森のなかで？　…そ、それは一理あるけど」

幼馴染「拭く物がないよね…その点川だと洗えるね…」

幼馴染「あーどうしよどうしよ漏れそうっ、きちゃう…」

ｺﾛﾝｺﾛﾝ

幼馴染「！」ﾋﾞｸ

幼馴染「何これは。お前のジュースじゃん。こんなもん投げてくんなよ」

幼馴染「………はぁ？」

幼馴染「こ、ここに！？　おしっこ！？　ありえないだろ！」

幼馴染「ペットボトルにおしっこなんて、そんなやついないぞ！」

幼馴染（あ…でも…もうヤバ）ﾓｼﾞﾓｼﾞ

幼馴染「選択肢が３つもあったら逆に選べねーよ！　ばかあああ！」

幼馴染「だめだ…もう四の五の言ってられない」

幼馴染「これに…これにすればいいんだな！？」

幼馴染「ん…この辺かな。わかんない、いいや…んっ、ん…」


ﾁｮﾛﾛﾛﾛﾛ　ﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞﾍﾞ


幼馴染（うわぁぁぁなんだよこれおっきい音ですぎ///）

幼馴染（うそぉぉおお、止めらんないよぉ）

幼馴染（あほーあほー！　あとで絶対ぶんなぐるー！！）

幼馴染「うぎゃあ！　ちゃんと入ってない！」

幼馴染「いやっ、あぅ！　どしよ！！」

幼馴染「か、川…」ﾀｯﾀｯ

幼馴染「こっちみたろころーーーす！」　　ざぶ

幼馴染「ちゃんと目閉じてたんだろうな？」

幼馴染「……おい答えろよ。へくちっ」

幼馴染「くっそー。また身体濡れちゃった」

幼馴染「……で、したあとのこれどうしたらいいんだ」

幼馴染「まさかここに不法投棄はできないし…あとで流してゴミ箱？」

幼馴染「こんなぬくいの持ってたくない…」

幼馴染「や、やらねーよばーか！」

幼馴染「……」ｷﾞｭﾙﾙﾙ

幼馴染「……うﾞぞ…」

幼馴染（また川に入ってお腹冷えたせいだ…）

幼馴染「…」

幼馴染「森んなか行ってくる！　な、なんでもねーよー。ちょっと散歩したくなっただけ」

幼馴染「うわぁああああああ！！」ﾀﾞﾀﾞｯ


幼馴染「なるべく遠くいかなきゃ！　あと誰もとおらないとこ！」

幼馴染「どこでしたらいいの！」

　


幼馴染「……ほっ♥」

幼馴染「なんかボク野生にかえったみたい」

幼馴染「間に合ってよかったー」

幼馴染「岩場でしちゃってたらあいつに見られちゃってるところだよ」

幼馴染「胸やおしりならまだしも、さすがにこんなとこはね……」


幼馴染「……あれ」

幼馴染「ここどこだっけ…？　確か登山コースの真逆になるように走ったから……」

幼馴染（やば…夢中で走って遠くまで来すぎた…）

幼馴染（どうしよ…）ｸﾞｽ

幼馴染(41)「ねえ…あんた…どうするつもりなの？」

幼馴染(41)「せめてさお葬式…顔くらい出しなよ。喪主やれとかだれも言わないからさ…」

幼馴染(41)「弟くんもいってたよ？せめてあんたが家から出るとこおばちゃんに見せたいって」

幼馴染(41)「ごめん…。これ私の言っていいことじゃないよね…。」

幼馴染(41)「幼馴染だったのに…。あのとき拒絶てごめんね…。ヒーロー じゃなくなっていくあんたのこと見てられなかったの」

幼馴染（41）「ごめんね…一番の友達の私がなんとかしなきゃだったのに…」

～夕方


幼馴染「あれ…こっち来れば川沿いにでるとおもったのに」

幼馴染「なんで！？　なんで！？」

幼馴染「迷っちゃった……」

幼馴染「こんな広い山で…嘘でしょ」

幼馴染「しかもこんな格好で…」

幼馴染「……ぼ、ボク…家かえれない…」

幼馴染「や、やだ…どこ？　ねぇ助けて」

幼馴染「ねー聞こえるーー！？　おーーい」

幼馴染「おーーーい！！　誰か！」

幼馴染「…夜になっちゃったらどうなるの…」

幼馴染「うっ、えぐっ、うう…」

幼馴染「あっ、あっあう…」

幼馴染「泣いてたってどうしようもない…」ｸﾞｽ

幼馴染「うぇぇえええん」

幼馴染「助けてぇ……」


幼馴染「暗くなるまえに下山しないと…」

幼馴染「急がなきゃ…」

ずるっ

幼馴染「いだっ」

幼馴染「あっ…ぅ…足…が」

幼馴染「お母さん…お父さん…ボク…もう駄目」

～１時間後


幼馴染（すっかり暗くなっちゃった…）

幼馴染（ボクこのまま山で死ぬのかな…お腹すいた）

幼馴染（図書の時間にサバイバルの本読んどけばよかった）

幼馴染（虫って食べられるのかな）

幼馴染（あのとき…恥ずかしがらずに川でしてたら…）

幼馴染（あいつ…ボクのこと探してるだろうな）

幼馴染（大丈夫…きっと大人呼んで探してくれる）

幼馴染（あっ、でもあいつも迷子になってて誰も助け呼んでなかったらどうしよう）

幼馴染（たまたま森の中でばったり会って、町に帰ることが出来なくて）

幼馴染（そのままボクたちは２人きりでずっと森の中で…）

幼馴染（なんか頭おかしーや…頭も体も足も痛い…）

幼馴染（朝になるまで寝よ…）

幼馴染（野生動物に食べられませんように）

　

ゆっさ　ゆっさ　ゆっさ


幼馴染（あれ…？）

幼馴染（なんか揺れてる…）

幼馴染（熊が餌のボクを運んでるのかな）

幼馴染（もうどうにでもなれ…）

幼馴染（くまってあたたかくて湿ってるんだな…）

幼馴染「ん…」ﾊﾟﾁ

幼馴染「！！」

幼馴染（この背中…）

幼馴染「お、おい…お前…なのか？　夢…じゃない？」

幼馴染「あっ…あぁ…」ｷﾞｭ

幼馴染「なんで…わかったの。ボクのいた場所」

幼馴染「あんなにさまよったのに」

幼馴染「うん、できるだけ目立ちそうな樹にした」

幼馴染「そっか、ボクの考えなんてお見通しなんだね…さっすが幼馴染」

幼馴染「えへへへ」ｷﾞｭ

幼馴染「いつっ…いたた、そうだ足怪我しちゃったんだよ…」

幼馴染「そういえばお前シャツは？　もしかしてボクの足に巻いてるのって…」

幼馴染「ごめんな…ありがと」

幼馴染「ほんとにありがと…」

幼馴染「…でさぁ。裸で寝てるボクに勝手に服きせたんだよね？」

幼馴染「……着せたんだね？」ｼﾞﾄｰ

幼馴染「目隠しして着せた？　うそだぁ。そんなことできるわけないでしょ」

幼馴染「ま、いっか！　今日は全部許してあげる」ｷﾞｭﾑ

幼馴染「昔と真逆になっちゃったな。あんときボクが担いだの覚えてる？」

幼馴染「お前結構重くて、最後のほうはひきずってたな」

幼馴染「でもさすが男だな、ボクくらいひょいって背負っちゃうんだ？」

幼馴染「……は？　お、重たくねーよ！　道わかるんならちゃっちゃと歩け！」

幼馴染「……もうっ♥」ﾍﾟｼﾍﾟｼ

　

　

幼馴染（15）「ってなことあったよねぇ」

幼馴染（15）「結局ボク足ケガしたせいで白雪姫できなくってさぁ」

幼馴染（15）「くすくす。川にはやな思い出ばっかりだね」ﾊﾟﾁｬﾊﾟﾁｬ

幼馴染（15）「でもなーんか来ちゃうんだよね」

幼馴染（15）「こうやってひっそりと涼むだけならいい場所かもね」

ばしゃっ

幼馴染（15）「こらっ！」

幼馴染（15）「もう、あの時以上にいい歳なんだから、そういうのやめようよ」

ばしゃっ

幼馴染（15）「わぷっ」

幼馴染（15）「や…やったなぁ…このこのこのこの！」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

幼馴染（15）「お前何歳になっても脳みそ成長してないんだな！　うりゃうりゃ」

幼馴染（15）「あーあ…まーたずぶ濡れ」

幼馴染（15）「お前さー、ボクの透けブラみたいんだろ？　くすくす」

幼馴染（15）「はっきり言えばいいのにさ～？」

幼馴染（15）「幼馴染のことなんてお見通しに決まってんじゃん」

幼馴染（15）「やーいこの　　　、ムッツリ　　　。口では違うといっても、目線は釘付けだぞー」

幼馴染（15）「もしかしてさーやらしいことするためにボクを連れて来てたり？」

幼馴染（15）「実はあの日もそうだったり？」

幼馴染（15）「なぁんてね」

幼馴染（15）「えいっ！」ばしゃっ

幼馴染（15）「どうせ濡れてるんだからもう一緒じゃん！　とことんやろう」

　

幼馴染（15）「へくちっ…うﾞー誘ったのはボクだけどさ」

幼馴染（15）「15になって外で素っ裸は計画性なさすぎた…」

幼馴染（15）「…む、どことなく目線がいやらしい」ｻｯ

幼馴染（15）「珍しいからって自由に見ていいわけじゃない…///」


幼馴染（15）「服、一時間くらいで乾くかな？」

幼馴染（15）「一時間って…なんかちょうどいい時間だよね…」

幼馴染（15）「……」ﾁﾗﾘ

幼馴染（15）「やっ、な、なんでもないよ！」

幼馴染（15）「ほら、筋トレするにもお風呂に入るにも、一時間はなんでもできる時間だなぁって！」

　
幼馴染（15）「あ、そうだ！　お菓子もってきてるんだぁ」ｺﾞｿｺﾞｿ

幼馴染（15）「あれ、どこしまったかなぁ」ｺﾞｿｺﾞｿ

幼馴染（15）「これからはかばんもってくるなら着替えいれといたほうがいいよね」

幼馴染（15）「あった。じゃーん」

幼馴染（15）「駄菓子だよ！　たまたまコンビニで見つけたんだ懐かしいでしょ」

幼馴染（15）「コレ前はよく食べたよね～。お財布にもやさしい」

幼馴染（15）「……」ｷｮﾛｷｮﾛ

幼馴染（15）「って誰もいるわけないか。いや、つ、ついね…学校の時のくせで」

幼馴染（15）「あーん♪」

幼馴染（15）「次ボクも！　んあーん」

　

幼馴染「久々に食べるとこんな味だったっけ？　ってなるよね」

幼馴染「味覚が発達したのかなぁ？」

幼馴染「それとも素材がかわったのかな？」

幼馴染「うん、おいしかったね」

幼馴染「よし、食後の運動しよ！」ﾑｸﾘ

幼馴染「……いや、そっちじゃなくて…///」

幼馴染「虫取り勝負しようよ」

幼馴染「大丈夫、もう迷わないってば」

幼馴染「カブトムシいるかなぁ？」

幼馴染「…そんな心配なんだ？」

幼馴染「じゃ、一緒にいこっか」ｷﾞｭ

　
～３０分後



幼馴染「……ねー♥　ボクたち虫取りきたんだよね？」

幼馴染「森のなかで野生に還るのはいいけどさー…あっ、ん♥」

幼馴染「ボクとしてはもうちょっとムードとかさー…」

幼馴染「んっ、んぅ…、あ」

幼馴染「やだ　　　ぃ…」

幼馴染「そんなに舐めるなんて…お前が虫になってどうすんだよー♥」

幼馴染「く、くせになっちゃうってばぁ」

幼馴染「もー…」

幼馴染「んっ…ふ、あ…♥」

幼馴染「は～、森にくるのはやっぱりストレス発散になるね」

幼馴染「受験の息抜きっていったらやっぱりここだよ」

幼馴染「お前としては、人目をはばからずボクを好き放題できるしね？」

幼馴染「うそうそ怒んなよ。そんなふしだらな目的だけだとは思ってないよ」

幼馴染「ボクたちにとって思い出の場所だからだろ？」

幼馴染「１５年間でいろんなことあったよな」

幼馴染「来年も再来年もこの先もずっとここにこれたらいいな」

幼馴染「おばあちゃんの駄菓子屋はなくなっちゃったけど、山はずっとあると思うし」

幼馴染「でもなくなっても思い出はなくならないよ」

幼馴染「お前がずっとそばにいてくれたらな」

幼馴染「知ってるか。男と女はな、結婚したらずっと一緒にいられるんだぜ」

　

幼馴染「ってまだそんな話するの早い？　悪い」

幼馴染「でもさー早めに約束しとかないとなー」

幼馴染「高校受験もしだめで、離れ離れになったら…」

幼馴染「絶対ボク毎日もんもんとする」

幼馴染「浮気すんなよ？」

幼馴染「自分でいうのもなんだけど、ボクみたいなじゃじゃ馬もらってくれるの、お前しかいないんだからな…」

幼馴染「ま、逆もしかりか」

幼馴染「お前みたいな勝手なやつ、ボク以外じゃ手綱にぎれないもんなー」

幼馴染「あーでも、胸おっきい子にさわそれたら簡単についていきそー」

幼馴染「…な、ないよな？　ってどこ見てんだそっちじゃなくて」

幼馴染「そういうこと起きないよな？って聞いてるの」

幼馴染「もし違う高校いって美人な先輩に誘われたりしたら…」

幼馴染「…ついていくのか？」ｼﾞﾜ

幼馴染「やっぱA子みたいな明るい子が好き？」

幼馴染「それともB子みたいな正統派の美人？」

幼馴染「C子みたいなちいさい子の？」


幼馴染「ふ、不安になってもおかしくないだろ」

幼馴染「だってお前…あんましゃべんねーし…何考えてるかわかんないことあるもん」

幼馴染「身体は正直だけどな」

幼馴染「たまには…ボクを安心させてみてよ」

幼馴染「お前のまわり、かわいいこ多いから、ボクなんかでいいのかなって」

幼馴染「幼馴染だから妥協してるんじゃないかって思ったりするもん…」


①好きだよ
②黙ってキス
③頭をなげる
>>346

2

　
幼馴染「んっ…ん！」

幼馴染「んは…♥　ふぁ…あむ♥」

幼馴染（わかってるよ…ちょっと妬いてみただけだもん）

幼馴染（だってこうしないと、真面目なチューしてくれないし…♥）

幼馴染（うわ…ボク、なんでこんなにこいつにめろめろなんだろ）

幼馴染（お前以外のこと考えられない♥）

幼馴染（大好き。大好き…）

幼馴染（もうなにもかも全部まかしちゃえ。ボクこいつにならなにされてもいい！）

幼馴染（あぁだめ…頭とけそー♥）

幼馴染「ん…ん♥　はぁぷ、ちゅ…る…んぅ♥」

～高校受験結果発表日


幼馴染「人いっぱいきてるな」

幼馴染「受かってたらこの人たちが同期の生徒か…」

幼馴染「人生で二番目くらいに、いや三番目くらいかな？　ドキドキしてる…」

幼馴染「一番目はそりゃ森での遭難……いや、お前と初めてシた時かも？　甲乙つけがたい」

幼馴染「ってそんなことこんな時に探ってくるな」

幼馴染「どうか受かってますように！　お前が！」ｷﾞｭｰｰ

幼馴染「…当たり前じゃん。ボクが落ちる要素ないっての」

幼馴染「問題はお前だよお前！」

幼馴染「あの現国の出来じゃ…あるいは」ｿﾞｿﾞ

幼馴染「神様おねがい…」ｽﾘｽﾘ

幼馴染「せーので見ようね」

幼馴染「せーの！！」

　

幼馴染「やた～～～～～～っ♥」ｶﾞｼｯ

幼馴染「いやったあああああああああ！」ｷﾞｭｳｳｳ


女子A「うるさいのがいると思ったら。こんなとこ落ちるわけ無いでしょ」

女子B「ふたりとも高校一緒なんだ」

幼馴染「うん！　そうなんだ！」

女子A「いいなぁ。あたしも高校入ったら速攻で彼氏つくろーっと」

女子B「あんまりべたべたしすぎて堕落しないようにね」

幼馴染「しないしない♪　てかべたべたしてねーし♪」

女子A「誰がどう見てもめっちゃしてますがな…年から年中」

女子B「毎日地獄のような中学三年間だった…」

幼馴染「そ、そんなにいうことないじゃん」

女子C「おはようからおやすみまで一緒なんでしょ？　つけいる隙ないよねぇ」

女子A「じゃ、またね。春休みの間あんたのノロケ聞かなくてすむからせいせいするわ」

幼馴染「……してないって」


幼馴染「なぁ、ボクそんなにしてた？　結構普段は抑えてるつもりだったんだけどな…」

幼馴染「…♥　ま、いまは嬉しいからいいや」ｷﾞｭﾑ

幼馴染「これからまたよろしくな！」ﾁｭ


子ども編おわり