1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/14(日) 18:26:33.209 ID:DQi/R9ISMSt.V.net
弟「玄関で何やってんだよバカどもが。ふざけてないで通せよ」

姉「ふざけてなどおらぬ!ここは関所だと申したであろう!
バレンタインのチョコレート、またはそれに類するプレゼント、ラブレター、
これら一切のもの、我が家へ持ち込むことまかりならぬとの御触れ、知らぬわけではあるまい!」バッ

妹「徳川によるキリシタン禁止令の御触れじゃ!バテレンの儀式はご法度じゃ!」バッ

弟「そんなもん知るかよ。バカなことやってないでどいてくれって。いつまで玄関で通せんぼしてるつもりだよ」

妹「ぬぬぬ……お姉ちゃんどの!こやつ!何かを隠しておりますぞ!怪しいでござりまするぞ!」

姉「なんと!!」

弟「なんとじゃねーよ。いいからどけって、俺はこれから着替えて出かけなきゃなんないの。
お前らのわけわかんないごっこ遊びに付き合ってるヒマなんかないんだよ、どけどけほら」

妹「黙らぬか!ええい、神妙にせい!これよりおぬしの持ちものを改めさせてもらう!よいな!」

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/14(日) 18:28:13.549 ID:DQi/R9ISMSt.V.net
姉「よいか!万が一チョコレートやラブレターなどあろうものなら、シチュー引き回しのうえ磔獄門に処すぞ!」

妹「そうじゃそうじゃ!ハウス北海道シチューでござるぞ!クレアおばさんでござるぞ!」

弟「ああもうわかったからさっさとしろよ……」

ゴソゴソ……

妹「では!これより改めさせてもらうでござる!」

姉「フフフ、弟くんがそんなに冷静な顔でいられるのもいまのうちだけでござる……どうした!!まだ見つからぬか!!」

妹「……あれ? ……おっかしいなぁ……たぶんこのカバンのなかに……あれ? ……あれー?」ガサゴソ

妹「お、おねえちゃん大佐!……ないであります!例のものはどこにも見当たらないであります!」

姉「なんだと!? それは本当か妹軍曹!? CIAやKGBによる隠ぺい工作ではないのか!?」

妹「チョコレート探知システムに反応なし!ターゲットはチョコレートを持っていません!繰り返す!ターゲットはチョコ持ってない!」ガサゴソ

弟「時代劇はどこ行ったんだよ」

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/14(日) 18:28:59.045 ID:DQi/R9ISMSt.V.net
姉「え!? そ、そんなわけないでござるでしょ!もっとちゃんと探しなさいよ!
どうせ弟くんのことだから、クラスメイトとか先輩とか後輩とか担任の女教師とかからどっさりチョコ貰ってるはず……」

妹「ないないない!どこにも!なんにも!念のためにズボンやコートのポケットも調べたけどチョコなんか持ってない!
嘘だと思うんならお姉ちゃんが自分で調べてみてよ!」

姉「そ、そんなはず……」ガサゴソ

弟「……あのさぁ、さっきからバレンタインのチョコレートがどうとか言ってるけどさぁ、
ぶっちゃけ俺、今年は誰からもまだチョコなんて貰ってないんだわ。だいたいさぁ、今日は日曜だろ。」

姉「あ」妹「あ」

姉「……な、なぁーんだぁ!それならそうと最初に言ってよね!
お姉ちゃん、てっきり弟くんが誰か知らない女からバレンタインにチョコレート貰ったのかと思っちゃったじゃないの!」

妹「そ、そっかぁ!そうだよね!今日は日曜だもんね!
それに、バカ兄貴がバレンタインに女の子からチョコなんか貰えるわけないよね!」

姉「あーよかったよかった!これにて一件落着!おぬしは関所を通ってよし!」

弟「……なんなんだよまったく……」スタスタ

12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/14(日) 18:30:53.787 ID:DQi/R9ISMSt.V.net
妹「いやぁ、お奉行様!見事なお裁きでしたな!」

姉「そんなことよりも越後屋、バレンタインにチョコを一つも貰えなかった哀れな弟のやつめに、
ここは我々がチョコをプレゼントしてやるというのはどうじゃな?」

妹「はい、そう思って既に市販のチョコを溶かして固めたものを手作りチョコと称して用意しております……
これを渡せば、バレンタインにチョコを貰えなかったあの男は我々に泣いて感謝をすることでしょう……
ホワイトデーのお返しはさぞ素晴らしきものになるかと……」

姉「ふふふ、おぬしも悪よのぉ!」

妹「いえいえ、お代官様にはかないませぬ……」

姉「わっはっは!」妹「わっはっは!」

弟「……」スタスタ

姉「これ、そこの哀れな弟。そのほうに麻呂たちからバレンタインのチョコをくれてやろう」

妹「バレンタインにチョコの一つも貰えぬとは、いとあはれな兄よの、ほほほ……」

弟「ああ、後で食うからいいわ。ちょっと出かけてくる」

姉「ときに弟よ、どこにまいられるのじゃ? ほほほ、苦しゅうないぞ申してみよ」

弟「ああ、ちょっとバイト先の先輩(♀)のところに……」

姉「!?」妹「!?」

弟「ちょっと遅くなると思うからさ、母さんには適当に誤魔化しといて。
……もしかしたら帰りが明日の朝になるかもしれないし……」ウキウキワクワク

姉「!?!?」妹「!?!?」

弟「それじゃ、行ってくるわ!!……ん?」

姉「待て待てェーい!!ここは関所じゃ!!通すわけにはいかぬ!!」

妹「神妙にせい!!」

おわり

引用元: 姉「待て待てい!ここは関所じゃ!不審なチョコなど持ち込んでは居らぬか、これよりお調べ致す!」妹「神妙にせい!」