1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:12:04.424 ID:p4KG/+kk0.net
中三の冬。

受験を控え、いよいよ切羽詰まってきた冬季講習の帰り道での出来事だった。

佐々木は俺の同級生であり、クラスメイトでもあり、親友と呼べる存在だった。

そんな佐々木に何故こんなお願いとも呼べぬ妄言を吐いてしまったのかは、まぁ追々説明しよう。


佐々木「キョン。すまないが、君がなんて言ったのかよく聞き取れなかった。もう一度繰り返して貰っても構わないかい?」


キョン「はみらせてくれ」

3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:14:10.361 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「はみ…?キョン、ちなみにそれはどこの国の言語だい?それとも、どこかの地方の方言か何かなのかい?」


キョン「いや、れっきとした日本語であり、特に方言というわけでもない」


この時俺は本気でそう思っていたが、実は関西地方に『はみる』という方言があり、特定個人を除け者にしたりはみ出し者にしたりするという胸糞悪い意味があると知ったのは、ずっと後になってからだ。

4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:16:41.973 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「へ、へぇ…それは初耳だ。申し訳ないが浅学な僕にその意味をご教授願えないか?」


佐々木が浅学なんてとんでもない。

こいつは俺のスポンジみたいな脳みそよりもずっと密度の高い頭脳と知識を有している。

まぁ、女のくせに一人称が『僕』だったり、クラスの女子と話す時は普通に『私』と言ったりと、いろいろおかしなところは多々あるが、同学年の中では唯一尊敬出来る存在であると言っても過言ではない。

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:18:21.179 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「キョン。勿体振るのは感心しないな。素直に教えを乞おうとしている者を無下にするべきではないよ」


なかなか質問に答えない俺に、佐々木は拗ねたようにそう言った。


キョン「いや、別に無下にするつもりなんかない。ただ、少し意外でな…まさか俺が佐々木に何かを教える日が来ようとは」


佐々木「君は僕のことを全知全能か何かだと勘違いしている節があるが、そんなことはない。僕にだって知らないことが沢山ある」


それもそうか。

人の知識の引き出しの中身なんてのは、何に興味を持つかによってその内容が大きく変わるものだろう。

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:20:02.613 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「それで?『はみる』とはどういう意味なんだい?」


俺にとっての『はみる』とは、つまりこういう意味だ。


キョン「上唇と下唇で何かを挟む時に使われる言葉だ。虫が葉を喰むのと同じ意味だと思ってくれ」


我ながら単純明解な回答である。

これに疑問を持つ者などそうそう居る筈は…


佐々木「は?」


なんとここに居た。

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:22:04.786 ID:p4KG/+kk0.net
キョン「佐々木、お前の理解力ならすぐに解せるものだと思っていたんだが…?」

佐々木「いや、解せないね。上唇と?下唇で…何だって?」


どうにも埒があかないな。


まさか佐々木がこうも話が通じない奴だとは思わなかった。


キョン「だから、上唇と下唇で挟むんだよ。えーと…ほら、こんな感じに…はむっ」


百聞は一見に如かずということで、俺は自分の手の甲をはみって実演してみせた。

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:24:09.185 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「あぁ…なるほど。甘噛みみたいなものかい?」


手の甲をはみる俺を見て、佐々木そんなアホなことを抜かしやがった。


やれやれ…これのどこをどう見たら甘噛みに見えるんだ。


だんだん腹が立ってきたぞ。



キョン「アホか!よく見ろって!歯は使わないんだよ!こうやって…上唇と…下唇だけで…はむっ!わかったか!?」


佐々木「わかった!わかったから!!それで、『はみらせてくれ』とはどういう意味なんだ!?」



結局佐々木は何もわかっちゃいなかった。

10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:26:11.711 ID:p4KG/+kk0.net
キョン「だから!!って…あぁ…すまん。少し頭を冷やそう。このままじゃ売り言葉に買い言葉で話が進みそうにない」


佐々木「ご、ごめん。僕も少しばかり熱くなってしまっていたみたいだ。声を荒げるなんて…やはり、らしくないことはするものではないな」


そう言って佐々木はくくく、と笑った。


佐々木は基本的に冷静沈着であり、今回のように声を荒げることなんてほとんどない。

そう考えると何か貴重なものを見れた気がして、俺も先ほどの苛立ちを忘れることが出来た。

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:28:02.793 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「では、話を戻そうか。それでキョン、君は僕に何をしたいって?」


俺の願いは変わらない。


キョン「最初に言った通りだ。佐々木、はみらせてくれ」

佐々木「この場合においての『はみる』とは、さっき君が実演してみせてくれたものに相違はないかい?」


キョン「あぁ。もちろんだ」


ようやく佐々木が持ち前の理解力を発揮してくれたおかげで、先程までとは打って変わりスムーズに話が進んでいく。

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:30:05.558 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「となると…ふむ。キョン、君は…ぼ、僕のことを上唇と…その…下唇ではみりたいと、そういう事かい?」


ん?

佐々木の様子がおかしい。

なぜ顔を赤らめる?


キョン「そういう事で間違いないが、佐々木?どうかしたか?」


佐々木「べ、別になんでもない。しかしそうか…フフッ…君は口下手だからなぁ…なるほど。だから、『はみらせてくれ』などと…全く、遠回しにも程があるというか…」


よくわからないが、何やら佐々木は得心がいったようだ。

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:32:02.744 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「わかった。それじゃあ人目が少ないところにでも行こうか」

キョン「あぁ。公衆の面前ではみるなんて以ての外だからな」

佐々木「それじゃあ、この先の公園なんてどうだい?あそこなら日が暮れると滅多に人なんて来ない筈さ」


さすが佐々木だ。

頼りになる。


キョン「決まりだな」


画して俺達は公園を目指し、はやる気持ちを抑えながら歩き始めたのだった。

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:34:03.415 ID:p4KG/+kk0.net
公園


目的地に到着した俺達は、まず公園内をぐるりと一周して人がいないかどうかを確かめた。


佐々木「どうだいキョン。人っ子ひとりいないだろう?」

キョン「そのようだな。まぁ、こんな寒空の下、公園でたむろする奴なんてまずいないだろうからな」


冬の公園は思った以上に寒々しく、葉の落ちた広葉樹も相まって、何処となく寂しげに見えた。

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:36:02.651 ID:p4KG/+kk0.net
だが、俺が今寂しさを感じているかと言えばそうではなく、有り体に言って俺はわくわくしていた。

何故ならば…


佐々木「キョン、このベンチがいい。ちょうど大通りから見て茂みに隠れるベストスポットだ」


くくっく、と喉を鳴らして笑う佐々木が傍に居る。


そしてこれから俺は、そんな佐々木をはみるのだから。

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:38:03.557 ID:p4KG/+kk0.net
キョン「じゃあ、ここにしよう。よっこらせっと」


そんなジジ臭い言葉と共に俺はベンチにどっかり腰を下ろす。

すると佐々木も


佐々木「よいしょっと」


と、言って座った。


俺の膝の上に。

18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:40:02.750 ID:p4KG/+kk0.net
キョン「は?」

佐々木「え?」


あまりのことに思考が追いつかない。


なんだこれは。

一体どういうことだ?


繰り返し言うが、ベンチに座った俺の膝の上に佐々木は座った。


しかも、向かい合わせである。

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:42:02.500 ID:p4KG/+kk0.net
キョン「えっと…?佐々木さん?」


どうにか声を絞り出す。


佐々木「なんだいキョン?」


佐々木は首を傾げて俺を見つめる。


近い。


目と鼻の先とはよく言ったもので、まさに俺の目と鼻の先に佐々木の形の良い鼻や、パッチリとした目や、プルンとした唇が…って!


キョン「何やってんだお前!?」


随分と時間がかかったが、ようやく俺はまともなリアクションを取ることに成功した。

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:44:13.480 ID:p4KG/+kk0.net
突然怒鳴られた佐々木は首を傾げたまま目をパチクリさせていた。


くそっ…可愛いじゃねぇかこの野郎。


いやいや、そうじゃなくてだ。


キョン「お前、何で膝の上に乗ったんだ?」


そう。これだ。


今聞くべき最大の質問はこれである。

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:46:09.732 ID:p4KG/+kk0.net
俺の質問に佐々木はこう答えた。


佐々木「なぜって…キョンがはみり易いようにと思ったのだけど?」


は?


何を言ってるんだこいつは。


キョン「はみり易いって、この体制が?」


佐々木「隣に座ったところで、君はなかなかタイミングが掴めないだろうと思ってね。長い付き合いだ。君のことは熟知しているつもりさ。とはいえ、僕もこういったことは初めてだから、変に慣れてるなんて誤解だけは勘弁してくれ」


そう言って佐々木は得意げにくくっく、と笑った。

22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:48:07.796 ID:p4KG/+kk0.net
初めて?

慣れてる?

なんのことだ。


キョン「待ってくれ。意味がわからない。とりあえず俺の膝の上から降りt」


佐々木「今更やっぱり無しなんて蛇の生殺しも良いところだ!!君は女心を踏みにじるつもりかい!?ほらっ!さっさとはみりたまえよ!僕ならもう準備は出来てる!!」


俺の言葉を遮ってまくし立てた佐々木は、唇を突き出して目を瞑った。

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:50:05.321 ID:p4KG/+kk0.net
なんだなんだなんなんだこの状況は!

まるで『マジでキスする5秒前』みたいな状況ではないか!!


そこで俺はあることに思い至った。

具体的にどこをはみるかを佐々木に伝えていないということに。


キョン「さ、佐々木、目を開けてくれ。誤解なんだ…全部」


佐々木「へ?」


パチッと目を見開いて、またもやキョトンと首を傾げる佐々木は、やはり可愛らしかった。

24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:52:03.609 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「誤解とは…どういうことだい?」


努めて冷静に俺は佐々木を諭す。


キョン「俺がはみりたいのは別に…お、お前の唇ってわけじゃなくてだな…」


佐々木「キスがしたいのではなかったのかい?」


キョン「はぁ!?キス!?違う!断じて違う!!俺がはみりたいのは…」


佐々木「のは?」


キョン「お前の…膝の裏だ」


こうして俺はやっと本当の願いを佐々木に伝えることが出来たのだった。

25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:54:01.956 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「膝の…裏?」


キョン「そうだ」


全く、どうしてこんな誤解が生まれてしまったのやら。

客観的に見れば俺が悪いのは一目瞭然であるが、この時の俺にはフェルマーの最終定理よりも難解な謎に思えた。

しばらく佐々木は呆然としていたが、やがてフラフラと立ち上がり、俺の隣にすとんと腰を下ろした。

26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:56:03.415 ID:p4KG/+kk0.net
悪いことをしちまったな。

俺の隣で俯く佐々木に対して、何と声をかけたら良いかわからずオロオロしていると、ふいに佐々木は顔を上げてこう聞いてきた。


佐々木「一つ、聞いてもいいかい?どうしてキョンは…膝の裏をはみりたいんだい?」


いい質問だ。

冒頭より引っ張って来たこの問に、いよいよ答えを示す時が来た。


キョン「そりゃあ、真冬だってのにそんなに短いスカートを穿いて膝裏を見せつけられたら、誰だってはみりたいと思うだろ?」


男子中学生なんてこんなものだろう?

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 21:58:04.127 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木はそんな俺の答えに絶句していた。

無理もない。

まさか自分の膝裏がそんな対象に思われていたなんて、夢にも思わなかっただろう。


だが、いい機会だ。

これを機に立ち居振る舞いを考えて貰おう。


別に改める必要なんてないけれど。


キョン「いいか?お前ら女子の足ってのは、思春期の俺達男子からすれば、そりゃあもうはみりたくて仕方ない存在なんだよ。俺だってもちろん例外じゃない。毎日毎日塾帰りにお前の膝裏を見せつけられちゃ、はみりたくなるのは至極当然ってもんだ」

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:00:05.178 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「あーもうわかった。わかったとも。君の言い分はよく分かった。だけど、なぜ僕に頼んだんだい?君の言い分だと女子なら誰でも構わないように受け取れるけど?」


佐々木はすっかり拗ねていた。

そんな佐々木に俺は正直な気持ちを打ち明ける。


キョン「女子なら誰でも構わないって?そんなわけないだろ。女の数だけ膝裏も違うんだ。そして俺は毎日お前の膝裏だけを見てきたんだぜ?そんな俺が今更他の女の膝裏なんかに靡く筈がないだろう?」


そうさ。


佐々木より素晴らしい膝裏の持ち主なんてこの世には存在しないんだ。

30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:02:02.477 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「くくっく…やっぱり君は面白いね。いいだろう。思う存分はみるがいいさ」


どうやら佐々木は機嫌を直してくれたらしい。


特徴的な笑い声が出たのが何よりの証拠だ。


ほっと胸を撫で下ろした俺は、さっそく佐々木の膝裏をはみるべく行動を開始する。


キョン「それじゃあベンチにうつ伏せになって横たわってくれ。もちろん俺に足を向けてな」

32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:04:03.942 ID:p4KG/+kk0.net
俺は着ていたコートを脱ぎ、それをベンチの上に敷いて、その上に佐々木を寝かせた。


佐々木「気づかいありがとう。君のコートのおかげで僕のお腹が冷える心配はなさそうだ」

そう言って佐々木はまたくくく、と笑った。


気づかいを気づかいと受け取れる人間というのは、存外少ないものである。

中坊の俺の拙い気づかいを、同じく中坊の佐々木が受け止める。

俺はそんな佐々木と親友になれたことを、今更ながら嬉しく思うのだった。

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:06:10.869 ID:p4KG/+kk0.net
それでは早速その親友の膝裏をはみろうか。


俺は寝そべる佐々木の足裏に座り、まず両足を固定した。

2人一組で腹筋をする際に相手の足を固定する時と同じ体勢と言えばわかりやすいだろうか?


もっとも佐々木はうつ伏せであるわけだから、腹筋ではなく背筋をする際の固定方法とも言えなくもないが、俺は生まれてこの方運動部に入部した経験がなく、背筋の時に足をどのように固定をするのか定かではない為、あくまでもそのようなものと割り切って理解して欲しい。


キョン「大丈夫か佐々木?痛くないか?」


佐々木「大丈夫さ。しかし、足を固定するとは思わなかったよ。まるで拘束されているみたいで落ち着かないね」

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:08:01.961 ID:p4KG/+kk0.net
拘束。

まさにその通りだった。

これで佐々木は何をされても動けない。


キョン「大丈夫だ。一言声をかけてくれれば、すぐにはみるのをやめるから」


嘘である。


いくら佐々木が喚こうとも、はみるのをやめるつもりなどさらさらなかった。


佐々木「わかったよ。ではキョン、お手柔らかに頼むよ」

35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:10:06.625 ID:p4KG/+kk0.net
いよいよ佐々木の膝裏をはみる時が来た。


俺はゆっくりと前屈して、佐々木の膝裏に顔を近づける。


もちろん顔を近づけながら佐々木の匂いを嗅ぐことも忘れてはならない。


膝裏に近づくにつれて、どんどん佐々木の匂いは強くなる。


佐々木の匂いがどんな匂いか気になる者も多いだろうが、その芳しき香りを抽象的な表現で説明する気などこれっぽっちもない。


こればっかりは俺だけの秘密である。


どうしても気になるというのであれば、そうだな…『良い匂い』とでも言っておこうか。

37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:12:14.242 ID:p4KG/+kk0.net
そして遂に俺の眼前は佐々木の膝裏で満たされた。


これぞ、至近距離である。


ベンチの近くの街灯の灯りは薄暗く、ここまで近づいて俺はようやく膝裏の血管を視認出来た。


夢にまで見た佐々木の膝裏と、その薄い皮膚の下を走る血管がそこにある。


もはや後戻りなど出来やしない。


すぅっと息を吸い込んだ俺は


キョン「はむっ!」


佐々木の膝裏にはみついた。

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:14:06.517 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「ひゃん!」


突如佐々木が奇声をあげた。

変な声を出すな。

まるで俺が如何わしいことをしているみたいではないか。


お仕置きとばかりに、今度はもう片方の足にはみついてやった。


キョン「はむっ!」


佐々木「ひゃっ!?…キョン!ストップ!ストップだ!!」

39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:16:05.701 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木が何かを訴えかけて来たが、もはや俺の耳には届かない。

両足をはみ尽くした俺は、今度は浮かび上がる血管に沿って舌を這わせる。


味?


そんなもん、美味に決まってるだろう。


キョン「ペロペロ」


佐々木「ちょっとキョン!?な、舐めるなんて…あっ…聞いて…んっ…ないっ…ぞ!!」


確かに言ってない。


これは衝動的な行動であって、俺自身、まさか自分がこのような行為をするなど思ってもみなかったからだ。

40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:18:05.114 ID:p4KG/+kk0.net
一通り血管の凹凸を舌先で堪能した俺は、そこであることに気がついた。


なんと佐々木の太ももにくっきりと鳥肌が浮かんでるではないか!


しかし、佐々木の鳥肌は一瞬俺が息を飲み、目を奪われたその隙に収まってしまう。

どうやら佐々木の鳥肌はシャイなようだ。


なんとしてもこの鳥肌の感触を俺の上唇と下唇、そして舌で確かめたい。

そんな純粋な探究心から、俺は口をつけたまま佐々木の太ももを目指して上へ上へと昇っていったのだった。

41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:20:05.323 ID:p4KG/+kk0.net
上に登るにつれて、スカートの存在が邪魔になってきた。



キョン「くっ…」



止むを得ず俺はふっと息を吹きかけ、スカートをめくった。



佐々木「キョン!?」



煩いぞ佐々木。


誤解ないように言っておくが、中坊の俺は純真無垢のピュアボーイだったので別に下心によってスカートをめくったわけではない。


単純に、鳥肌を追ううちに起きた偶発的な事故である。

43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:22:07.160 ID:p4KG/+kk0.net
スカートが捲られたことで露わになった佐々木のパンツになど見向きもせずに(意外なことにパンツの色は黒だった)、俺は鳥肌を追う。


すると、小高い丘に行き当たる。


それは、黒いパンツに包まれた佐々木のキュートなお尻だった。


何度も言うが、当時ピュアボーイだった俺に女の尻の魅力などまだわかる筈もなく、佐々木の尻を見た俺はただ漠然と、あぁ…尻だな。としか思わなかったが、そんな佐々木の尻のある部分に俺の目は釘付けになった。


キョン「!?」


Marvelous!!


佐々木の臀部が黒パンの端からはみ出て、今にも溢れ落ちそうなっていたのだ。

44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:24:14.194 ID:p4KG/+kk0.net
もちろん佐々木はこの時うつ伏せであり、いくら張りのある尻でもそうそうこんなことは起こり得る筈はないのだが、どうやら佐々木は少々小さめの下着を身につけているようで、その小さな布の端から肉がはみ出てしまっていたのである。


俺は…迷わなかった。


キョン「はむっ!」


勢いよく佐々木のはみケツにはみりついた。


その時、



『キャアアアアアアアアア!!』



公園内に女性の悲鳴が響き渡った。

45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:26:03.308 ID:p4KG/+kk0.net
なんだなんだ何事だ!?


俺は佐々木の上から飛び降り、姿勢を低くして臨戦態勢に入った。


女性の悲鳴を聞いた俺の脳裏に真っ先に浮かんだのは、テロリストの襲撃だった。

中坊というのは暇さえあれば、今この瞬間にテロリストに包囲されたらどうするかを考えている生き物であり、俺もそんな中坊の1人だった。

俺は背後の佐々木を庇いながら注意深く周囲に視線を凝らした。

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:28:03.782 ID:p4KG/+kk0.net
しかし、周囲には襲撃者はおろか悲鳴をあげた筈の女性すら見当たらなかった。


キョン「?」


おかしい。

今、確かに悲鳴が…


佐々木「キョン。いくらなんでも調子に乗り過ぎだ。まさか…お、お尻をはみられるなんて思ってもみなかったぞ」


振り返ると涙目の佐々木が顔を上気させ、肩で息をしていた。

48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:30:02.887 ID:p4KG/+kk0.net
そこでようやく俺は先ほどの悲鳴は佐々木のものだったことに気づいた。


やれやれ…どうやら少々やり過ぎてしまったらしい。


キョン「佐々木、すまなかった!!」


何はともあれ謝罪をせねば。

その一心で俺は頭を下げ続けた。


その間佐々木は、やれ変 だの、強 未遂だの、ムッツリ   だのと散々罵っていたが、やがて怒りが収まったのか、こんなことを聞いてきた。


佐々木「それで、僕をはみった感想は?あれだけ夢中になっていたのだから、まさか期待外れだなんて言うつもりはないだろうね?いや、そんなことは言わせない。言わせないとも!」

49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:32:01.835 ID:p4KG/+kk0.net
期待外れなんてとんでもない。


キョン「ありがとな佐々木。お前は最高だったよ」


顔を上げた俺がそう言うと佐々木はくくっく、と笑って…


佐々木「気に入って貰えたなら、何よりさ」


格好良く、そう言った。


どうやら機嫌を直してくれたようだ。

50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:34:17.117 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「それじゃあ、帰ろうか?随分遅くなってしまった。僕の両親はともかく、君のご両親や可愛い妹さんに心配をかけるわけにはいかない」


そう言って佐々木は俺に手を差し伸べた。


そうだな。


俺の両親や妹はともかく、佐々木の両親に心配をかけるわけにはいかない。


佐々木の手を取り、公園の出口に向かって歩き始めた俺の頭に佐々木は勢いよく何かを被せた。


そういや、コート敷きっぱなしだったな。

被せられたコートを羽織り直す。


キョン「ありがとな佐々木…って、うぉっ!?」

51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:36:01.685 ID:p4KG/+kk0.net
佐々木「はむっ」



背伸びした佐々木が俺の耳にはみついて来た。



呆然とする俺に、佐々木はフフッと嘲るように笑う。


佐々木「これでおあいこさ。どうだい?少しは僕の気持ちがわかったかい?」


そう言ってそっぽを向く佐々木の耳は赤く、少しの沈黙の後にこう付け足した。


佐々木「やっぱり、らしくないことは…するものじゃないね」

52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/02/16(火) 22:38:01.987 ID:p4KG/+kk0.net
キョン「ははっ…確かに、お前らしくないな」


そんな佐々木に思わず吹き出した俺と共に


佐々木「くくく、君の痴態に比べれば、まだマシだろう?」


佐々木も笑い

笑い合いながら手を繋ぎ

寂しい公園に花を添え


この日の出来事を思い出として


各々の心の引き出しにしまったのだった。



FIN

引用元: キョン「なぁ佐々木、ちょっとはみらせてくれないか?」佐々木「は?」