1: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)15:39:25 ID:QS1
仗助「メンドクサイっすよねぇ~ッ」

承太郎「……そうだな」

仗助「みんな方法が回りくどいって言うか、限定的って言うか」

承太郎「しかし、それが魅力とも言える。シンプルすぎてもつまらないからな」

康一「じょ、仗助くん、いきなりどうしたのさ? 珍しく今日は何も無い日で、二人でカフェに来たってのに」

承太郎「そうしたら俺に会ったという訳だな」

2: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)15:44:11 ID:QS1
仗助「いや、康一。何も無い日だからこそだぜ……はっきり言えば退屈なんだよなぁ~ッ」

仗助「普段から喧嘩ばっかりしてっからよォ~、こういう日はもう、なんつーか、腹ん中で燻ってるもんが収まらねーんだよなぁ~」

康一「……あのさぁ……」

康一「僕らの闘いって、どちらかと言うとやりたいとかじゃなくて止むを得ずって場合が多いと思うんだけど。ねぇ、承太郎さん……? 望んで戦う……そんな……さかり時の野良犬みたいな……そんなものは無いですよね?」

承太郎「いや、解らなくも無いな。事実、スタンドに目覚める前から俺はしょっちゅう喧嘩をしていた……」

承太郎「……今はどうあってもそんなこと出来ないが……それでも、たまに何か、我慢できない……例えるなら腹の中に燃え始めた薪を突っ込まれたような感覚に陥る事はある……」

3: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)15:50:56 ID:QS1
仗助「……ヘェ~ッ、承太郎さんもあるんだぁそういうの。意外だなぁ~ッ」

康一「えぇ……」

承太郎「……やれやれだぜ」

承太郎「忘れてくれ。年甲斐もなく変な事を言ってしまった」

承太郎(……だが……自分に嘘はつけない……それが人というものだ……どれだけ他人を設えた嘘で騙せたとしても……自分自身は知っている……本当の事を……本当の気持ちを……)

仗助「…………」

承太郎(鋭さを増したようなあの死線に……俺は……期待している……)
承太郎(それと同時に、恐怖している……スタンド使い特有の「回りくどく」「策に策を重ねその上からさらに策をコーティングした様な」……そんな戦いをする必要が無い相手だからだ……)

康一(なっ、なんだぁ~ッ……? 承太郎さんは帽子を抑えたままぴくりとも動かないッ……だって言うのに……なんだろうっ……胸がなにかに押さえつけられてるようなっ……のしかかられているようなっ……見ていると……そんな感覚に襲われる……!)

7: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:07:15 ID:QS1
仗助(……やっぱさぁ、こういう事になると自覚するぜ……「おれは男」なんだって事をよォ~……噴出しそうな何かを日々抱えて……ふとした時に相手を殴り飛ばす理由を考える……闘う為の生き物なんだってよぉ~ッ)

承太郎「……仗助」

仗助「承太郎さんッ」

仗助「余計な事を言うのはいわゆるヤボって奴じゃ無いですかねェ~ッ?」

仗助「あんたは今こう言うつもりだった……「なんだか知らんが、妙な事を考えるなよ」……そんなのはつまらないでしょうがァ~ッ?」

承太郎(……やはり……じじいの子だな……)

承太郎「仗助。「無知とは時に酷い結果を生み出す」ものだぜ……場数、冷静さ……俺とお前の開きは……第三者からすれば歴然の筈だぜ……」

康一(ゲゲェ~ッ! そう言いつつも、承太郎さんの目には蝋燭のような火がともっているっ……烈火じゃない……! 激しく燃えず、だからこそ恐ろしい静かな炎がっ……!)

仗助「承太郎さん……あんた、「丸くなっちまった」ンじゃあ無いでしょうね……? 吉良吉影と戦っていたときのあんたは……そんなんじゃなかった……「冷静でありながら燃えていたッ」……」

康一(挑発ッ…………! その挑発を聴いた瞬間、承太郎さんの身体が二割、いや三割は大きくなったような気がしたッ……! 眼光はより鋭くなり……! 姿勢良く座っていた身体が……ッ! どんどん、相手を睨みつけやすいようにッ……! 自分の強さを示すが如くッ……! 崩れていくッ……!)

承太郎「態度がでかいな」

仗助「あんた程じゃあないっスよぉ~ッ」

8: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:10:28 ID:QS1
康一(ダメだっ……!)

康一(もうダメだッ……!)

康一(互いを摩擦し合いッ……燃え上がる二人の男がそこにいる……ッ!)

承太郎「ツラ貸しな、仗助」

仗助「貸すのはどっちですかね、承太郎さん」

康一(そして二人は……外に出た……)

9: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:16:23 ID:QS1
康一(足並みはごく自然で、勘定を済ませる承太郎さんの顔にも、雰囲気にも変化はないように見えた……)
康一(それは仗助も同じで、僕らの分まで払ってくれた承太郎さんに、ごく普通にお礼を言っていた……)

康一(しかしッ! 外に出て三歩歩いた……その瞬間ッ……! 二人の目は……目の前にいる相手への……根拠無き怒りに燃え上がったのだ!)

承太郎「スタープラチナ……」
仗助「……クレイジーダイヤモンド」

「「ぶちかますぜ」」

────────オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァーーー!
────────ドラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァァッッッ!

康一(僕は……震えた……)
康一(だって……! だって! 彼らは……あの恐ろしい吉良吉影との闘いの時にだって見せなかった……!)
康一(「微笑み」を見せていたんだから……! 一発でどちらの頭を打ち砕いてもおかしくない超弩級の拳を雨のように交わし合いながらッ!)

11: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:25:59 ID:QS1
仗助「ッは……流石に!」

承太郎「やるな仗助……もしお前に先があるのならッ……パワー、スピードでは俺が負ける時が来るのかもしれん……」

仗助「まるで「今は負けてない」みたいな言い方は辞めてくれませんかね、承太郎さァーん……」

承太郎「……はっきり言おう」

承太郎「「ムカついたぜ」」

────────オゥラアッ!

仗助「なにィー!?」

康一(拳と拳を重ね合わせて止めたッ! そう、スタープラチナの恐ろしさはそのパワーとスピードだけではない……! 機械を超えた精密な動きッ……! 針の穴を通すような行動を豪快にやってのけるんだ……!)

承太郎「ほらほら、仗助。殴り合いと言ってもただスピードとパワーだけじゃ見切られちまうぜ」

承太郎「────────テクニックも使わなきゃあ、だめだぜ」

オラァっ!

康一(テンプルッ……! こめかみへの一撃……! 頭蓋で最も骨が薄い弱点中の弱点……!)

仗助「くあっ……!」

康一(揺らいだ仗助の動きと同期して、クレイジーダイヤモンドもまた体制を崩す……! そこにすかさずスタープラチナのラッシュがッ……)

仗助「舐・め・ん・じ・ゃ……」

仗助「ねぇーーーーーーーッ!」

承太郎「ぐうっ!」

康一(ボディー……! こめかみへの打撃は凄まじい痛みと脳震盪を与えはするがしかし! 耐え切られてしまっては意味がない……! しかしボディはあとを引く……あとを引くんだ……! 横隔膜がせり上がり呼吸がままならなくなっていく……!)

12: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:29:29 ID:QS1
仗助「……てめー」

承太郎「…………」

ドドドドドドドドドド

康一(二人は怯むことなく……互いを睨み合い……!)

────────ドラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ
────────オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!

康一(再び……競り合いを始めた……)

14: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:41:08 ID:QS1
康一(僕は……比較的大人しいほうだと自負していた……止むを得ず闘う事はあっても……望んで戦うことは相手が吉良吉影の様なゲスで無い限り有り得ないと思っていたんだ……)
康一(なのに何故だろうッ……悔しい……悔しいんだ……あの二人の中に混ざれないことが……悔しい……殴り会えない事が……悔しい……)

康一(「悔しいが……やはり僕は男なんだな」……自覚せざるを得ない……奥歯が軋む……拳が音を立てて固まっていく……ー……殴りたいと思う……殴り勝ちたいと思う……思ってしまう……!)

承太郎「!?」
仗助「!??」

康一(ごく自然だった)

康一(僕はごく自然にECHOES……act3を呼び出し……二人の拳の重みをまして……地面に縛り付けていた……)

康一「……お一人様……追加で」



康一「────────宜しく頼むよ、二人共」

康一(嬉しいッ……とてつもなく嬉しいッ……男として……あるべき形に収まった音が……僕の耳に聞こえてきた……カチリと……パズルの様に……)

16: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:43:50 ID:QS1
承太郎「……フ」

仗助「……ヘ」

康一「……フフ……」

億泰「……なぁっ、何やってんだ、あいつらァ~ッ?」
露伴「フン、見た所熱に浮かされたバカが三人、三つ巴で殴りあってるという所だろう? 承太郎さんまで参加している……」

17: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)16:44:11 ID:QS1
>>15
それマジ? 四部読み返してくる

18: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)20:56:14 ID:QS1
ドラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァッ!!!
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッッッ!!!
S・O・H・T────────コノ筋肉バカドモミタイニナグリアウのはトクイジャネーンダヨ    野郎オオオオオオッッッ!

億泰「スッゲー……三角形でラッシュし合ってるぜ……」

露伴「ああ……特に凄いのは承太郎さんだな……右腕でクレイジーダイヤモンドをいなしつつ、左腕でECHOESとパワー勝負をしている……精密性と豪快なパワー……水と油と言っても過言でないそれを容易く操っている……」

億泰「だがよぉ、なにか妙だと思わねーか? なんか、うまく説明できねーけど、妙だよなぁ~ッ」

露伴「馬鹿には理解出来ないか。一切能力を使用していないんだよ」

19: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)20:56:47 ID:QS1
やだもうすぺるまちがえたしにたい

23: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:03:46 ID:QS1
億泰「なるほどぉッ! 拳と拳、男の魂がぶつかり合うパワー勝負って訳だな~ッ。っきしょー、俺も混ざりてぇなあ~ッ」

露伴「やめとけよ。お前のは手加減ができないし、単純な殴り合いじゃあの三人には遠く及ばないだろうしな」

億泰「でもよぉ~」

露伴「しかし、だな」

露伴「わからなくも無い……」

億泰「……………………」

露伴「構えるか、そして……ニタニタと笑い僕を見る……それはつまり……宣戦布告と見て間違いないな? 億泰」

億泰「……俺ァ馬鹿だからよぉ……気の利いた言葉一つも言えねえ……だがよぉ~……お前と俺の心が今ッ……合し合ってるって事の方が重要なんじゃあねえか……露伴……!」

露伴「削るしか能のない、あそこの三人を超える馬鹿が僕に挑むというわけか……良いだろう。僕としても少し血が燃える……そんな感覚を久しぶりに味わっているところだ……つまりここは君と闘うのが筋ッ……てもんだろう」

億泰「うっしゃぁああッ!」

露伴「だが断る」

億泰「」ズッコケ

25: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:11:31 ID:QS1
露伴「それよりも、ぴったりの相手が今まさに君の後に居るじゃないか……」

億泰「あん?」

音石「……あの野郎……仗助と……空条承太郎……何をやっていやがるんだ……」ギィィィィン

音石「バカみてえな肉弾戦……しかしながらロックだぜ……ギターを掻き鳴らすのに似た感覚が俺を襲いやがるッ……!」

億泰「…………」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

億泰「こまけーこたーいいよな? 殴り合うだけなんて縛りはいらねェ~ぜ……」

音石「……見るからにバカヅラ……って所だなァ~……だがしかし……俺は今最高に血が滾ってる……掻き鳴らさなきゃあ気がすまねぇ……相手は誰でも構わねえ……場所も選ばねぇ……」

億泰「嫌いじゃねぇーぜ、そういうバカな考えはよぉーーーーーーーッ!」

音石「てめーに言われたか無いね! レッドホットチリペッパー!」

億泰「ザ・ハンドッ! うだらァーーーーーーーッ」

露伴「……燃えろ燃えろ、馬鹿どもめ」

露伴「帰って漫画の続きを書かなきゃあな」

26: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:18:14 ID:QS1
音石(「削る」……ッ……今の一合で確信したッ。こいつの手は削りやがるんだッ……だがねぇーーーーーーーッ)

億泰「……!? なにっ!? どこいきやがったぁっ!」

音石「どこだと思う……ククク……? 俺のスタンドはどこにいると思う……? バカヅラ野郎ッ!」

億泰(っきしょォ~ッ! 何だってんだ! 急に消えやがった! 周りにあるのは電柱……公衆電話……車が一台……つまりどういう事だ?)

音石「わかりゃあしねえよなぁーーーーーーーッ!? 餌を取られたハムスターみたいな顔したテメーにゃあ絶対わからねえェーーーーーーーッ!!」バチィン

億泰「────────が────────」

億泰(筋肉が固まる……視界が……グギ……ビリビリ……ビリビリ……「ビリビリ?」)

音石「殺しはしねー……だが……テメーにゃあ病院送りぐらいにはなってもらうぜェーーーーーーーッ!」

億泰(電気……つまりなんだ? 奴は電気を発し……電気と同じぐらいの速度で動く……つまりなんなんだ? それがどうしたって言うんだ? わからねェーーーーーーーッ!)

億泰(どうやらいたぶるつもりで、弱めにビリビリしてるらしいが……このままじゃあ……意識が……)

27: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:20:11 ID:QS1
音石「ヒャハハハ! クールだぜ! ギターをかき鳴らし音にトリップするからこそのこのトランス!」

音石「たまんねぇぜ……」ウットリ

億泰「」プッチーン

億泰「もう考えるのめんどくせェーーーーーーーッーーーーーーーッ!!!」ガオンガオンガオンガオン

28: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:25:44 ID:QS1
音石「な……!?」

音石(なんだと……!? 電気ごと空間を削り取りやがったのか……!? バカな! スタンドにはなにがしかの制限がかかるッ……! レッドホットチリペッパーだって、電気を吸収してこそのパワー……だと言うのに!?)

億泰「要はよぉ……テメーはビリビリする……そして俺はテメーにイラついている……」

億泰「今必要なのはッ! それだけだぜエエエェエエーーーーーーーッ」

音石(まずい電線に退避をッッッ)

億泰「うだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらぁァーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!」

音石(なんだっ!? ひっ、引き付けられるッッッ!? レッドホットチリペッパーがッッッ引き付けられていくッッッ!? )

億泰「空間を削れば……こっちに来る……つまりはそういう事だぜェーーーーーーーッ」

音石「そ、そ、そ、」

音石「そんな馬鹿な理屈通ってたまるかこのトンチキがァァーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!」

億泰「通るんだよォーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!」

億泰「うだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらだらララララァァーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

音石「ぐはぁーーーーーーッッッ!」

億泰「俺は馬鹿だからなァー!」

30: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:31:48 ID:QS1
康一(もはや…………互いに何度拳を交わしたか……分からない……いつしか……承太郎さんも……僕も……仗助くんも……すっかり拳の皮が剥けてしまった……血が出てきてしまった……)

仗助(負けたくねえ……)

承太郎(……………………)

仗助(簡単な話だ……承太郎さんは時を止めちまえばいい……康一は重くしちまえばいい……俺は……そうだな……二人の拳でも直せばいいのか……?)

承太郎(……しかし……使ってしまったらそれはもう……この戦いでは負けだ……これはスタンドの戦いじゃない……「策に策を重ねその上からさらに策をコーティング」する奴が勝つ闘いではない……)

康一(気合い……気合だ……この闘いを制すのは……気合いしか有り得ない……しかし……三つ巴……この状況がイマイチ……ッ……あと一人……あと一人さえいれば……!)

33: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:38:42 ID:QS1
康一(いや…………違う……)

康一(……僕の拳は……もう……)

仗助「康一、もうどいてな」

承太郎「ああ」

承太郎「────────邪魔だぜ」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

康一(そうっ……これは本来このふたりの戦い……男と男が……燻る炎をぶつけ合わせる戦い……)
康一(僕は……それに途中参加しただけ……ここまでやれた……それで充分だと思いたい……)

康一「二人共……拳ぶっ壊しちゃえば良いんだ……」

承太郎「フ」

仗助「へへ」

仗助「たとえぶっ壊れても」

承太郎「たとえ砕けたとしても」

「「その時はアンタ/てめーがぶっ倒れる時だぜ……」」

康一(数発で決まる……)

康一(ボディとか……テンプルとか……そんなものは抜きにして……おそらく二人は)

ドォ────────
────────ラァッッッ!

康一(そう、真正面から殴る……! 拳と拳をせめぎ合わせる……!)

34: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:47:18 ID:QS1
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
ドラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

康一(一発……一発……互いの呼吸を合わせるように……どこを狙うこともなく……ただ真っ直ぐに……拳を突き出す……それだけの闘い……)
康一(ラッシュすら……最早どこにもなく……クレイジーダイヤモンドも……スタープラチナも……拳に深いヒビを入れて……)

承太郎(…………………………)

承太郎(…………………………)

承太郎「グウッ!!」

康一(……スタープラチナの拳が……砕けた……承太郎さんは膝を突き……仗助くんは大きく息をつく……)

承太郎「………………」

仗助「俺の……勝……」

承太郎「スタープラチナ! ザ・ワー────────!!」

仗助「!!!!!」

承太郎「……なに!? 発動しな……」

仗助「……」

康一「承太郎さん……スタープラチナが……首を振っています……」

康一(大人気ない……そう言えるかもしれない……でも……強かった人は……たとえ衰えても強くありたいと思い続けるものなんだ……)

承太郎「……フ」

仗助「承太郎さん」フゥー

仗助「「手加減無しでぶちかましますよ」」

承太郎「あぁ、そうしてくれ……」

承太郎「「いいお灸だ」」

ドラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララァッ!

康一(……直しながらラッシュ……痛そうだ……)

35: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:53:37 ID:QS1

仗助「痛てぇーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ」

億泰「痛てぇーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ」

承太郎「……」

康一「……うるさいなぁ、もう」

康一(なんでか、白目を向いていた億泰も合わせて……僕らは四人で帰路についていた……夕日が眩しい……)
康一(一体全体、なんで始まったのかも分からない闘い……男の戦い……結局、仗助と、よく分かんないが億泰が勝ったって事になるんだろう……)

承太郎「……」

康一(承太郎さんは……ずっとおしだまっている……複雑なのもわかる……いつもは冷静な承太郎さんが……今回に限って、最後の一瞬に限って……冷静さを失った……)

36: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)21:56:54 ID:QS1
承太郎「……まだ、老いる年齢じゃないと思うんだがな……」

康一「…………気にしないでください、承太郎さん。僕だって何度も能力を使ってしまえばって思いました……」

康一「特に、承太郎さんと仗助は……「男」をかけて闘っていた……負けたくないと思う方が、自然なんです」

承太郎「……勝ち方を選ぶような闘いで勝ち方を選ばなかった……一瞬とはいえども。時を止めれば勝てる、そう思った時、何故か悔しかった……」

37: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)22:01:27 ID:QS1
承太郎「DIOと言うやつと戦った時のことを思い出した……あの時は……俺が仗助の位置にいた……フフフ……」

承太郎「……悔しいな……あいつも、こんな気持ちだったのかも知れないな」

康一(吸血鬼との闘い……僕はそれを知っている……ほんの少しだけど……承太郎さんが話してくれた……)

承太郎「悔しいな」

承太郎「でも、踏ん切りはついた」

承太郎「そんな気が、しないでも無い」

康一「きっと、あの時が分かれ目だったんです。DIOと同じ力を手に入れた貴方が、悪に転ぶか、善へ進むか」

康一「そして……承太郎さんの意思、スタープラチナが、それを拒んだ。僕はそう思うんです」

承太郎「そうかもしれないな」

38: 名無しさん@おーぷん 2016/03/17(木)22:05:06 ID:QS1
康一「それに……負けを認めた時の承太郎さんは……とても男でした」

康一「潔い姿が、男そのものでした」

承太郎「……フフ、そうか」

仗助「おぉーい、何やってんだよ二人共ーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!」
億泰「早くこねーと置いてっちまうぞォーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!」

康一「行きましょう」

承太郎「そうだな」

Fin

引用元: 仗助「ねぇ、承太郎さん。スタンド使いの闘いってスッゲー……」