1: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 21:56:28.52 ID:ywP2PAmu0
ある日、2人の旅人が出会った。

存外、盛り上がっていた。


侍「いやあ、そのモノで何発も発射したんでしょう」

銃士「アンタこそ、何人切りを達成したんだ?」

侍「いやあ、残念ながらモノは立派なんだが、経験はあんまり無くてねえ」

侍「おじさん、ちょーっと理想が高いから、コイツだと思う相手じゃないとヌけないんだよねえ」

侍「いくら長くて太いと言っても、これじゃあ宝の持ち腐れだなあ、ナハハ」

銃士「いやあ、それはそれでいいんじゃないか、むやみやたらにヌくもんじゃないだろう」

銃士「俺は逆に発射しすぎて、少しばかりガタが来ちまっててなあ」

侍「そうなのかい?」

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2: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 21:57:56.90 ID:ywP2PAmuo
銃士「俺は早撃ちでそれなりに名が知られていてな」

銃士「挑んでくる相手は沢山いるんだよ、いるんだけどさ」

銃士「どいつも俺の速射であっという間に終わっちまうからなあ、続かねえんだわ」

侍「さすがプロだねえ、一瞬で終わらせるとは恐れ入るよ」

銃士「いやさあ、速すぎるのも考えもんだぜ?」

銃士「俺はあまりに速すぎて全然盛り上がらねえんだ」

銃士「相手はみんなあっけに取られててな、いたたまれない気分になる」

侍「そういうものなのかあ」

3: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 21:58:51.04 ID:ywP2PAmuo
銃士「撃つのが速いもんだからさ、俺は考えた」

銃士「そして複数人を相手することを考えついたんだ」

侍「なるほど、それで?」

銃士「撃つ数が多くなっただけで、時間当たりの発射数はあんまり変わらなかったな」

侍「それは残念だねえ」

4: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 22:00:27.39 ID:ywP2PAmuo
銃士「アンタ、経験は少ないと言っても、何回かはヤったんだろう」

銃士「そんときはどうだったんだい?」

侍「そうだねえ、久しぶりに骨のある相手と巡り会えたと思って」

侍「張り切っておじさんは得物を見せびらかしたのさ」

侍「そしたらどうだい、相手はおじさんのソレを見ただけで、腰砕けになっちまった」

侍「結局、本番を迎えずに終了してしまったわけだよ」

銃士「そりゃあ残念だったな」

5: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 22:01:27.27 ID:ywP2PAmuo
銃士「せっかくの機会だ」

銃士「アンタの実力、少しばかり見せてもらえないか?」

侍「うーん? まあいいかあ」

侍「あまりにも長い間相手がいなかったもんだから、おじさんも流石にヌきたくなってたところだよ」

侍「では……あの桜の花にしようか」

侍「……」スチャッ

侍「どうりゃあ!」ブンッ

侍「ていりゃあ!」ブンッ

スパパッ

銃士「!」

侍「こんなモノかなあ」

銃士「すげえ……見事に花びらだけを散らせやがった」

6: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 22:02:08.87 ID:ywP2PAmuo
侍「さて、おじさんは見せたから、おじさんも見させてもらいたいねえ」

侍「君のソレが発射する様をね」

銃士「いいもん見せてもらったからな、お安い御用だ」

銃士「アンタのソレを見て俺にも火がついてな、俺のコイツを発射したくてウズウズしてたところさ」

銃士「あの花畑の中から、青い花だけを狙い打つぜ」

銃士「……」スチャ

銃士「そら!」バンッ

銃士「うりゃあ!」バンッ

銃士「ろぁあ!」バンッ

銃士「うっしゃあ!」バンッ

侍「!」

銃士「ざっとこんなもんだな!」

侍「ウホッ、すごいねえ、おじさん年甲斐もなく興奮しちゃったよお」

7: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 22:03:01.96 ID:ywP2PAmuo
侍「金一封を送りたいほどの腕前だったよお」

銃士「ただ撃っただけさ、そんな褒めんなよ」

銃士「まあ、アンタの方こそすごかったじゃねえか」

銃士「満点をつけたいほどの妙技だったぜ」

侍「ここまで褒められると、恥ずかしいなあ」

8: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 22:03:39.46 ID:ywP2PAmuo
侍「いやあ、今日はいい日だねえ、実にいいモノを見せてもらった」

銃士「俺の方こそ、イイもの見させてもらったぜ」

侍「また、会いたいものだねえ」

銃士「ああ、そうだな」

侍「次に会えた時は、百人切りを達成したと報告したいねえ」

銃士「俺も、少しでいいから長続きして楽しませようと頑張ってみるぜ」

9: ◆2IqmStHCkArN 2016/05/19(木) 22:04:15.46 ID:ywP2PAmuo
侍「……」

銃士「……」

侍「じゃあ、おじさんはイくよ」

銃士「ああ、マタな」


こうして、ふたりは別れ、それぞれの旅を続けるのであった。

完ケツ

引用元: 侍「君は立派なモノをお持ちですなあ」銃士「アンタこそ、長くて太い得物だな」