穂乃果「……」


穂乃果「あのね、穂乃果今日宿題忘れちゃったんだ」


穂乃果「昨日ちゃんとやったのに家に忘れちゃって」


穂乃果「そのことを海未ちゃんに話したら『そんな嘘は聞きたくありません！』って言われて…」


穂乃果「カッとなって飛び出してきちゃったんだ」


絵里「そっか」


絵里「じゃあそのことをしっかり海未に伝えなきゃね」


絵里「海未ならちゃんと言えばわかってくれるわ」


穂乃果「…うん」


穂乃果「よしっ！ それじゃあ海未ちゃんに今のこと伝えてくる！」


絵里「ええ、しっかりね」


穂乃果「ありがとう絵里ちゃん！ またあとでね！」


ﾊﾞﾀﾝ

穂乃果「え～りちゃん♪」

ﾊﾞﾀﾝ

絵里「おかえり、穂乃果」

絵里「どうだった？ 海未はわかってくれた？」

穂乃果「うん！ もう忘れるなって釘を刺されたけどね」

絵里「そう、それならよかったわ」

絵里「ねえ、穂乃果…」

穂乃果「なに？ …あっ！」

穂乃果「おいで、絵里ちゃん」

絵里「ありがとう穂乃果」

ぎゅっ

絵里「…あのね」


絵里「今朝希と一緒に生徒会の仕事をしていたの」


絵里「昨日遅くまで勉強していたせいかとても眠くて仕事の途中で居眠りしてしまったの」


絵里「そしたら希が『居眠りする娘にはわしわしの刑やで～』って言って朝からアグレッシブなのを…」


絵里「寝ている時にいきなりされたからちょっと怒っちゃって…」


絵里「今日1日希と話せなかったのよ」


絵里「やっぱり…謝ったほうがいいわよね？」


穂乃果「うん」


穂乃果「希ちゃんに悪気はなかったと思うから許してあげて？」


穂乃果「ずっと一緒にいるんだもん、きっとすぐわかってくれるよ」


絵里「そうね…ありがとう」


穂乃果「まあわしわしはされるだろうけどね」


絵里「……やむを得ないわ」


絵里「よし！」


絵里「じゃあ希に謝ってくるわ」


絵里「ありがとね、穂乃果」


穂乃果「うん！ こちらこそ！」


絵里「それじゃまたね」


穂乃果「ばいばい！」


ﾊﾞﾀﾝ

穂乃果「おっ」

絵里「ただいま、穂乃果」

穂乃果「おかえり、絵里ちゃん」

穂乃果「どうだった？」

絵里「穂乃果の言う通りわかってくれたわ」

絵里「……わしわしされたけど」

穂乃果「よかったよかった」

絵里「どこがよかったのよ…」

穂乃果「えへへ」

絵里「穂乃果、おいで」

穂乃果「うん」

ぎゅっ


穂乃果「はあ～」


絵里「ふぅ…」


穂乃果「落ち着くね」


絵里「ええ」


穂乃果「絵里ちゃん」


絵里「なあに？」


穂乃果「なんにもない」


絵里「もう…」

絵里「穂乃果」


穂乃果「なあに？ 絵里ちゃん」


絵里「なにもないわ」


穂乃果「ひどーい」


絵里「お返しよ」


穂乃果「そんなお返しはいらないなあ」


絵里「じゃあどんなお返しがいいの？」


穂乃果「んー」


穂乃果「頭撫でてくれるお返しかな」


絵里「はいはい」

なでなで


穂乃果「はあ～」


穂乃果「きもちいいー」


絵里「穂乃果は頭撫でてもらうの好きね」


穂乃果「うん」


穂乃果「なんか犬みたいにかわいがってもらえてるかんじがして嬉しいんだ」


絵里「へえ…」


絵里「じゃあもっと撫でてあげるわね、穂乃果ちゃん♡」


穂乃果「ありがとう絵里ご主人様、わんわん！」


絵里「あらあら、かわいい犬さんね」


穂乃果「えへ～」

絵里「そういえば穂乃果」


穂乃果「なにわん？」


絵里「この前のテストどうだった？」


穂乃果「あっ…」


絵里「まさか…」

ﾊﾞｯ

穂乃果「いやいやいや！ 決して25点じゃ………あ」

絵里「…呆れたわ」

穂乃果「これはたまたまというか教科のせいというか…」

絵里「このままじゃ大学はおろか進級すら危ういわよ？」

穂乃果「うう…」

絵里「私はね、穂乃果のことを思って言っているの」

絵里「海未と一緒で穂乃果のことをどうでもいいと思っていたらこんなこと言わないわよ」

絵里「だから穂乃果、もう少し勉強しましょ？」

絵里「放課後にクレープ食べに行ったりゲームセンターに行くのもいいけれど」

絵里「今からコツコツやっておけばこれから苦労はしないわよ？」

穂乃果「うう…頑張る…」

絵里「えらいえらい」

なでなで

穂乃果「じゃあさ絵里ちゃん」

絵里「なあに？」

穂乃果「穂乃果が勉強サボってないか……その…監視とかしてみない？」


穂乃果「穂乃果も絵里ちゃんが近くにいれば勉強する……はず」


絵里「なるほど…」


絵里「ハラショー！ そうしましょう！」

穂乃果「ベットよし、机よし、床よし」

穂乃果「うん！ これならいつ絵里ちゃんが来ても大丈夫だね！」

穂乃果「そろそろ約束の1時…さあこい絵里ちゃん！」

ｵｼﾞｬﾏｼﾏ-ｽ

穂乃果「きた！」


絵里「穂乃果さんは…」

穂乃果「絵里ちゃん絵里ちゃん！ いらっしゃい！」

ほのママ「こら穂乃果！ みっともないわよ！」

絵里「いえいえ、慣れたものですので…」

穂乃果「慣れてるんだ…」

穂乃果「まあいいや！ 上がって上がって！」

ぐいぐい

絵里「わわっ、すみませんおばさん、おじゃまします」

穂乃果「早く早くー！」

絵里「ちょっと！ そんなに押さないで！」


ほのママ「青春ねえ…」

ほのパパ「……」ｺｸｯ

穂乃果「ここが穂乃果の部屋だよっ！」

絵里「おじゃまします」

絵里「あら、意外とかわいらしい部屋ね」

穂乃果「それどういう意味？」

絵里「ふふっ、ごめんなさい♪」

絵里「さっ、勉強始めましょ？」

穂乃果「あー…ちょっと待って！」

絵里「どうしたの？」

穂乃果「来てすぐは流石の絵里ちゃんでも疲れてると思うし少しお話してから勉強はじめよ？」

絵里「だーめ♡」

穂乃果「ぶー…」

絵里「さあさあ、時間がもったいないわ、早く始めましょう！」

穂乃果「はーい…」

絵里「穂乃果、微積はね…」

穂乃果「？？？」

絵里「穂乃果、山月記っていうのはね…」

穂乃果「な、なるほど…」

絵里「穂乃果、西郷隆盛はね…」

穂乃果「ほえー」

絵里「穂乃果、子どもはコウノトリさんが運んできてくれるのよ」

穂乃果「ふむふむ…」


穂乃果「疲れたあ…」

絵里「お疲れ様」

穂乃果「絵里ちゃんぎゅってしてー」

絵里「はいはい」

ぎゅっ

穂乃果「ふう～」


絵里「勉強って大変でしょう？」


穂乃果「うん…今までサボってたから全然わかんなかったよ…」


絵里「でしょうね…全然答えられてなかったもの」


穂乃果「言わないでよぉ！」ﾎﾟｶﾎﾟｶ


絵里「いたた、ふふっ、ごめんなさい」


絵里「穂乃果」


絵里「この一歩が大事なのよ」


絵里「今日みたいにコツコツ勉強すればいつか困らない日がくるわ」


絵里「それまで一緒に頑張りましょ？」


穂乃果「絵里ちゃん……！」


穂乃果「うん！」


絵里「じゃああと5分休憩ね」


穂乃果「うん！」

絵里「ん…？」


絵里「ここはどこ…？」


絵里「なんで穂乃果と抱き合って寝ているの…？」


絵里「あっ」


絵里「穂乃果の家で勉強していたんだわ…」

絵里「よいしょ…」

絵里「穂乃果、起きて」

穂乃果「んー…」

絵里「穂乃果ー、起きてー」ﾍﾟﾁﾍﾟﾁ

穂乃果「きょひするぅ…」

絵里「ほーのーかー」ﾍﾟﾁﾍﾟﾁ

穂乃果「ぅえりちゃん…」

絵里「起きないわぁ」

穂乃果「……」ｽﾔｽﾔ

絵里「……」

絵里「まあ今日は頑張ったし寝かせてあげましょうか」

絵里「頑張ったわね、穂乃果」

なでなで

穂乃果「ぅえりちゃん……♡」

穂乃果「んむ…」

絵里「あ、おはよう穂乃果」

穂乃果「なんで絵里ちゃんがうちに…？」

絵里「もう…寝ぼすけさんなんだから…」

絵里「穂乃果が勉強教えてほしいって言うから来たのに…穂乃果ったらいじわるね♪」

穂乃果「あ…ああ！ そうだった！」

穂乃果「寝てたら忘れちゃった…えへへ」

絵里「もう…穂乃果ったら」

穂乃果「よーし！ 寝て体力も回復したし勉強頑張るよ！」

絵里「お、やる気ね！」

穂乃果「うん！ さあ絵里ちゃん、ここの問題教えて！」

絵里「任せて！」

絵里「穂乃果のために赤本を用意してあるから！」

穂乃果「赤本はあんまり意味なくない…？」

穂乃果「おわった！」

絵里「お疲れ様」

絵里「穂乃果、休憩しましょ？」

穂乃果「うん」


絵里「穂乃果」

穂乃果「ん」

ぎゅっ


絵里「太った？」


穂乃果「女の子に失礼だよ」


絵里「女の子相手だからいいじゃない」


穂乃果「……1キロ太った」


絵里「ダイエットね」


穂乃果「またかあ…」


絵里「…」


穂乃果「…」


絵里「ねえ」


穂乃果「なに？」


絵里「大学」


穂乃果「？」


絵里「……一緒のところに行かない？」


穂乃果「んー……」


穂乃果「やだ」

絵里「えっ」


穂乃果「穂乃果が絵里ちゃんと同じ大学なんて無理だよ」


穂乃果「絵里ちゃんは自分の身の丈に合った大学に行けばいいと思うよ？」


絵里「……」ｼﾞﾜｯ


絵里「なんで……そういうこというのよぉ…」ｼｸｼｸ


穂乃果「えっ、絵里ちゃん？」


絵里「私、穂乃果と一緒に大学生活を過ごしたいのに……」


絵里「なんで…？」


穂乃果「だって…」


穂乃果「どんなに頑張っても穂乃果の頭じゃ無理だよ、絵里ちゃんと同じ大学なんて」


穂乃果「だから…ごめんね」


穂乃果「穂乃果も絵里ちゃんと同じ大学に行きたいけど……」


絵里「……じゃあ」


絵里「私が穂乃果を合格させる」


絵里「穂乃果にはまだ時間があるから」


絵里「頑張れば私と同じ大学に行けるわ」


絵里「だから…！」


穂乃果「わかった」

穂乃果「絵里ちゃんの思い、すっごく伝わったよ」


穂乃果「穂乃果、頑張って絵里ちゃんと同じ大学に行く！」


絵里「ほのかぁ…！」


絵里「ありがとう！」


ぎゅーっ！


穂乃果「うぐっ…痛いよ絵里ちゃん……」


絵里「ふふっ、だって嬉しいんだもの」


絵里「穂乃果と一緒のキャンパスライフ、楽しみだわ！」


穂乃果「……」


穂乃果「…ねえ絵里ちゃん」


絵里「どうしたの、穂乃果」


穂乃果「ひじょーに言いにくいんですけど…」


穂乃果「絵里ちゃんまだ大学合格してないよ」


絵里「……あっ」


絵里「穂乃果、一緒に勉強頑張りましょう！」


穂乃果「うんっ！」

穂乃果「終了っ！」

絵里「ああっ！ あと1問だったのに！」

穂乃果「おしまいなものはおしまいなのです！」

穂乃果「それじゃあ高坂先生が採点してあげますね～」

絵里「お願いします、穂乃果先生」

穂乃果「むう…厳しく採点せねば…」

ｶﾘｶﾘ


絵里「…」

穂乃果「〇…ずらっ…まるっ…マルッ…！」

穂乃果「うひゃー、絵里ちゃんすごいねぇ」

穂乃果「半分くらい採点したけどほとんど丸だよ」

穂乃果「どうしたら穂乃果も……」

ぎゅっ


穂乃果「…絵里ちゃん？」


絵里「ごめん、驚かせちゃった？」


穂乃果「まあ…少しは……」


絵里「ちょっと疲れたから…このままでいさせて…？」


穂乃果「…うん」


絵里「ありがとう」


ぎゅうっ

穂乃果「……絵里ちゃん？」


絵里「ごめん、驚かせちゃった？」


穂乃果「まあ…少しは……」


絵里「ちょっと疲れたから…このままでいさせて…？」


穂乃果「…うん」


絵里「ありがとう」


ぎゅうっ


穂乃果「絵里ちゃん…大丈夫だよ」


穂乃果「絵里ちゃんならきっと出来るよ」


穂乃果「不安な時はこうしていいから」


穂乃果「勉強、頑張ろうね」


なでなで


絵里「…ありがとう」


穂乃果「どういたしまして」

絵里「……」


穂乃果「……」ｶﾘｶﾘ


絵里「…っ」


ぎゅうっ


穂乃果「……！」ｶﾘｶﾘ


ぽんぽん


絵里「///」


穂乃果「♡」ｶﾘｶﾘ


むにっ


穂乃果「！？」ﾋﾞｸｯ


ぺしっ


絵里「いたぁい…」


穂乃果「変なところ触るからだよっ」ｶﾘｶﾘ


絵里「減るものじゃないしいいじゃない」


穂乃果「減らなくても嫌なのっ！」ｶﾘｶﾘ


絵里「けちんぼ」


穂乃果「けちで結構ですよーだ」ｶﾘｶﾘ

穂乃果「はい、終わったよ」


穂乃果「絵里ちゃん、やっぱり英語得意だね」


絵里「1/4ロシア人だし当然よ」


穂乃果「ぷっ、なにそれ」


穂乃果「ねえ、受験終わったこの赤本貸してよ」


絵里「拒否するっ」


穂乃果「けちー」


絵里「けちで結構よ」


穂乃果「…ばか」


絵里「馬鹿とはなによ馬鹿とは」


穂乃果「絵里ちゃんのばーかばーか！」


絵里「くーっ！ 絶対赤本貸してあげないわ！」

絵里「次は穂乃果の番よ」


穂乃果「うへえ」


絵里「どの教科やる？」


穂乃果「じゃあ英語」


絵里「あらあら、私と同じ教科をやるなんてよほどエリチカお姉ちゃんのことが好きみたいね？」


穂乃果「別に…英語苦手なだけだし」


絵里「素直じゃないわねえ…」


ぷにぷに


穂乃果「ほっぺ触らないでよぉ」


絵里「おまんじゅうみたい♡」


穂乃果「も、もう！ はい、準備できたから時間測って！」


絵里「はいはい、じゃあ…」


絵里「スタート！」


もみもみ…


穂乃果「…ばか！///」

穂乃果「アクセント…？」


絵里「……」


穂乃果「過去進行形…？」


絵里「……」ｽﾝｽﾝ


穂乃果「不定詞…？」


絵里「♡」


穂乃果「うわっ…ついに長文だ……」


絵里「……♪」ｸｽｸｽ


穂乃果「……」


穂乃果「絵里ちゃんさあ……」


穂乃果「いい加減離れてよ！」


穂乃果「かれこれ1時間以上穂乃果に抱きついてるよ！？」

絵里「……嫌」


穂乃果「自分の勉強してよっ！」


絵里「うるさいわね…今穂乃果成分が足りないから補給中なのよ」


絵里「補給が終わったら離れるからそれまで辛抱してて？」


穂乃果「…いつ終わるの？」


絵里「それが終わるまで♡」


穂乃果「……好きにすれば」


絵里「やった♪」

絵里「……」


穂乃果「……絵里ちゃん？」


絵里「……」


穂乃果「絵里ちゃん？」


絵里「黙って」


絵里「今集中してるの」


穂乃果「穂乃果に抱きつくのが集中？」


絵里「ええ、穂乃果の温もり、穂乃果の心臓の音、穂乃果の匂い、穂乃果の全てが私も落ち着かせるのよ」


穂乃果「ふーん…」


穂乃果「じゃあ穂乃果も集中する！」


ぎゅーっ！


穂乃果「これで絵里ちゃんの温もり、絵里ちゃんの心臓の音、絵里ちゃんの匂いで穂乃果も落ち着けるね！」


穂乃果「はあ…これで勉強がもっと捗るよぉ…」


絵里「……」


穂乃果「……」


ぎゅっ


穂乃果「明日の入試、頑張ってね」


絵里「うん……」

穂乃果「…」

うろうろ

穂乃果「……」zzz

すやすや

穂乃果「………」

そわそわ

ﾗｲﾝｯ♪

穂乃果「！！」


A.ELI:おわったわ(｀・∀・´)

ほのほの:どっちの意味？

A.ELI:ひ・み・つ♡

ほのほの:ふーん

ほのほの:くる？

A.ELI:もちろん！

ほのほの:わかった

ほのほの:まってるね(＞＜)


穂乃果「まだかな…」

穂乃果「…勉強してよ」

穂乃果「……」ｶﾘｶﾘ

穂乃果「……」ｶﾘｶﾘ

穂乃果「あ、ここ絵里ちゃんとやったとこだ」

穂乃果「絵里ちゃん…まだかなあ…」

穂乃果「おわったぁ」

穂乃果「さて、自己採点自己採点」

穂乃果「バツ」ﾋﾟｯ

穂乃果「マル」ｼｭｯ

穂乃果「マル！」ｼｭｯ

穂乃果「マルッ…！」ｼｭｯ


穂乃果「おお…！」

穂乃果「148点っ！」

穂乃果「高2でこれって穂乃果天才かもっ！」

穂乃果「……」

穂乃果「へへへ…国際系スクールアイドル…」

穂乃果「って絵里ちゃんとモロ被りじゃん…」

穂乃果「だめだめだぁ…」

穂乃果「……とりあえずあとで絵里ちゃんに褒めてもらお」

穂乃果「さてさて次の問題は～♪」

絵里「穂乃果ァ！」

ばんっ！

絵里「はあっ…はあっ…！」

絵里「あれっ？」

穂乃果「うぃーあーすくーるあいどーる……」zzz

絵里「寝てるわ…」

絵里「ん、これは…」

絵里「ふむふむ…なかなかやるじゃない」

絵里「でもまだまだね」

絵里「180は超えないと同じ大学は厳しいわね」

絵里「……まあ」

絵里「よいしょっ」

絵里「ただいま、穂乃果」

なでなで

穂乃果「1021…1021…」

穂乃果「あっ…」

絵里「ない……」

絵里「……っ」

絵里「……ぐすっ」

絵里「なんで……ひっぐ……なんでよぉ……！」

絵里「あんなに……あんなに頑張ったのにぃ……！」







穂乃果「えﾞりﾞちﾞゃﾞあﾞあﾞあﾞあﾞんﾞ！！！」

絵里「うわあっ」

ごちんっ

絵里「ったあ…」

穂乃果「な、なににぶつかったの…？」

穂乃果「げっ」

絵里「………おはよう高坂さん」

絵里「すごーく気持ちよさそうに寝てましたね……！」

穂乃果「あ、あはは……」

絵里「まったく穂乃果はいつまで経っても……」

穂乃果「そんなことより絵里ちゃん！！」

絵里「は、はい」

穂乃果「どうだった！？」

絵里「ふっふっふっ……」

穂乃果「？」

絵里「手応えは抜群よ！」

絵里「あとは明日の自己採点を待つのみ！」

ぎゅーっ！！！


穂乃果「ぐえっ」


にこ「うるさいッ！！！」

穂乃果「に、にこちゃん！？」


絵里「にこ…いたのね」


にこ「あんたが部屋に入ってきたと同時に来たわよ」


にこ「あんな満面の笑みで部室に向かってくるんだもの、驚いたわ」


絵里「ご、ごめんなさい…」


にこ「まあいいものも見られたし今日のところは許してあげるわ」


穂乃果「いいもの？」


にこ「えーっとぉ…絵里が穂乃果を膝枕してるとことか……」


絵里「！！」


にこ「あとはぁ…穂乃果がいきなり起きて頭ぶつけるとことかぁ～…」


穂乃果「えへへ～」


にこ「あっつぅーい抱擁のとことかあ～☆」


絵里「や、やめなさいにこ！！」


穂乃果「うわー！ うわー！」


にこ「わー♪ ほのえりちゃんが怒っちゃったニコ～♡」


にこ「にこにーはお邪魔みたいなのでこれにてばいニコ～♡」


バタン☆


絵里「お、終わった…私のクールなイメージが……」


穂乃果「あは…あはは…」

穂乃果「英語196点…？」

穂乃果「化学98点…？」

穂乃果「す、すごすぎる…」

絵里「他で躓いちゃったけどね」

絵里「両方とも満点いけそうだったんだけどなぁ…」

穂乃果「穂乃果、こんな点数取れるかな…」

絵里「大丈夫よ、私がついてるわ」

絵里「大学に入ったら今以上にシゴいてあげるから覚悟しなさいっ！」

穂乃果「お、お願いします…」

ﾋﾟﾝﾎﾟ-ﾝ

穂乃果「おっ！」

絵里「おっ」

絵里「行ってくるわ」

穂乃果「うん」

ﾊﾞﾀﾝ

穂乃果「……」

穂乃果「お願い…お願いします…！」

穂乃果「どうか……！」

ｶﾞﾁｬｯ

絵里「ただいま」

穂乃果「え、絵里ちゃん！」

絵里「………さあ」

絵里「開ける……わよ」

穂乃果「うん…！」

絵里「……」

穂乃果「……」

絵里「……」

穂乃果「……？」

絵里「穂乃果！ 開けて！」

穂乃果「ええええええ！？」

穂乃果「いくよ…！」

絵里「お願いします…！」

穂乃果「えいっ」

ﾋﾞﾘｯ

絵里「あっ…」

穂乃果「どれどれ……」

絵里「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

穂乃果「……」

穂乃果「……っ」

絵里「結果は…結果は…！？」

穂乃果「絵里ちゃん」








穂乃果「おめでとーっ！！！」


ぎゅーっ！！！


絵里「え？ あ、や、やったわ！」


穂乃果「おめでとう絵里ちゃん！ 本当におめでとう！！」


絵里「や、やったわ！ 合格よ！」


穂乃果「本当にほんとにホントに合格だよっ！！」


絵里「本当にほんとにホントに合格なのよねっ！？」


穂乃果「うんっ！ 本当にほんとにホントに合格だよっ！！」


絵里「やった…やったわぁ！」

穂乃果「ぎゅーっ！」

絵里「きゃっ」

穂乃果「ぎゅーっ！」

絵里「…」

絵里「ぎゅーっ！」

穂乃果「ぎゅーっ！」

絵里「ぎゅーっ！」

穂乃果「…えへへ」

絵里「…ふふっ」



もぎゅっ



穂乃果「おめでとう！」

絵里「ありがとう♡」

穂乃果「……」

絵里「……」

穂乃果「絵里ちゃ…」

ﾋﾟﾝﾎﾟ-ﾝ

穂乃果「……いってきます」

絵里「……いってらっしゃい」

ﾊﾞﾀﾝ

絵里「えーっと…」

絵里「お願いします…？」

絵里「こういう時ってどうお願いするのかしら」

ｶﾞﾁｬｯ

穂乃果「た、ただいま」

絵里「お、おかえりなさい」

穂乃果「それじゃあ……」

絵里「開けるわよ……！」

絵里「えいっ」

ﾁｮﾁｮｷ…

穂乃果「生真面目…」ﾎﾞｿｯ

絵里「うるさい」

絵里「えーと、どれどれ…」


絵里「………」


穂乃果「………」


絵里「……」


穂乃果「……」


絵里「…」


穂乃果「早く言ってよ！」


絵里「あ、ごめんなさい」


絵里「……穂乃果」


穂乃果「…はい」





ぎゅっ


絵里「ぎゅーっ！」

穂乃果「へっ！？」

絵里「合格よおおおおおお！！！」

穂乃果「やったああああ！！」

穂乃果「これで絵里ちゃんと同じ大学に通えるんだね！」


穂乃果「これでまた絵里ちゃんと一緒なんだよね！！」


穂乃果「これで絵里ちゃんと……」


穂乃果「やったああああ！！」


絵里「うわっ」


穂乃果「怖かったよぉ…！ 不安だったよぉ…！」ｸﾞｽｯ


穂乃果「でも…でも……！」


絵里「よしよし…」


絵里「怖かったわね…不安だったわね…」


絵里「1年間お疲れ様、穂乃果」

穂乃果「絵里ちゃぁぁぁん……！」


絵里「おめでとう」


穂乃果「ありがとう…！」ｽﾞﾋﾞｯ


絵里「うわっ、鼻水が……」


絵里「ま、いっか」


絵里「よーし穂乃果！ 合格祝いよっ！」


絵里「エリチカ特製野菜ごろごろボルシチ作ってあげるわ！」


穂乃果「わーい！！」

「はあっ…はあっ…」

「お、遅れる…！」

「スーツだから走りにくいよ！」

「あわわ…！」


「大丈夫？」


「あ、うん」


「待った？」


「全然、今来たところよ」


「それじゃあ行きましょうか」


「うん」


「あ、そうだ」

「？」

「借りてた赤本返すね」

「え、ああ、あったわねそんなの」

「はいっ！ 1年間ありがとっ！」

「どういたしまして♡」

「じゃあそろそろ本当に行こっか」

「ええ、初日から遅れるなんて笑い者よ」

「ふーん…」

「実際に体験した人が言うと説得力あるねぇ…」

「置いてくわよ？」

「ごめんなさいっ」

「じゃあ……」


「待って！」


「絵里ちゃん成分、補給させて」


「たっぷりどうぞ♡」

「5分だけよ？」


「わかった」


「…」


「…」


「……」ｽﾝｽﾝ


「変態っ」


「なんのことかしら？」


「ばか」


「……ねえ」


「なあに？」


「大学生ってなにするの？」


「そうね、例えば…」

「好きな人と一緒に勉強したり…」


「好きな人に愚痴を言ったり…」


「好きな人に悩みを打ち明けたり…」


「好きな人のために頑張ったり…」


「好きな人の匂いを嗅いだり…」


「好きな人と抱き合ったりするわね」



「ふうん……」


「じゃあ今と変わんないね」


「それもそうね」


「よしっ」


「絵里ちゃん成分補給した！」

「本当？」

「ホント！」

「じゃあ今度こそ行きましょ？」

「うん！」

「……絵里ちゃん」


「なあに？」


「べつに…」


「そっか」


「えりちゃん」


「はいはい、なあに？」


「なんにもない」


「もうっ」


「えーりちゃん」


「んー？」


「大好き」


「知ってる」


「むー…」

「ほーのか」


「なに？」


「なんにも」


「ほのか」


「はい！」


「ただ呼んだだけ」


「ぶー」


「穂乃果」


「どうしたの？」


「大好きよ」


「うん、穂乃果もだよ」

「ねえ」


「んー？」


「あとで世界史のノート見せて」


「いいわよ」


「じゃあ近くの喫茶店で見せるわね」


「また愚痴聞かされるのー？」


「駄目？」


「……いいけど」


「なら穂乃果の悩みも聞いてね？」


「ええ、もちろん」

「……絵里ちゃん」


「なんか汗臭くない？」


「誰かさんが起こしてくれなかったせいで遅れそうになったからね」


「うっ…ごめんなさい」


「ねえ絵里ちゃん」「ねえ穂乃果」


「……どうぞ」


「……ありがと」


「もっとぎゅってして」


「ずっと一緒にいられるように」


「言われなくても♪」


ぎゅっ