2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 03:22:48.93 ID:SWwcBTQe0
先輩「何故貴様は、我の事を怖がらんのじゃ」
貴様「んー、先輩だからじゃないっすかね」
先輩「ほう? 聞かせてみよ」
貴様「いやほら、先輩って、伝説の吸血鬼の真の王、ヴァンパイア・ロードな訳じゃないっすか」
先輩「うむ」
貴様「でも、その吸血鬼がバイト中に皿割ったり、ちっちゃくて可愛いからよくお客様にナンパされたりだとか、そういうの見てたら……なんか、ねえ」
先輩「ちっちゃくないわい!」
先輩「ふ、ふん。そう言っていられるのも今のうちじゃぞ、小僧。我はな、こう見えても800年も生きておるのじゃ。今は姿を隠しているだけで、真の姿を見せれば……」
貴様「ババアになるんすか」
先輩「ならんよ! 失礼じゃな貴様! 偉大なる風格が出てな、こう……胸もな……」
貴様「バインバインっすか」
先輩「そう、バインバインって……いや、それはセクハラだろうよ」
貴様「だろうよ」
先輩「何故貴様が言うのだ。全く……貴様は年上に対する敬いが全く足りぬぞ」
貴様「んー、先輩だからじゃないっすかね」
先輩「ほう? 聞かせてみよ」
貴様「いやほら、先輩って、伝説の吸血鬼の真の王、ヴァンパイア・ロードな訳じゃないっすか」
先輩「うむ」
貴様「でも、その吸血鬼がバイト中に皿割ったり、ちっちゃくて可愛いからよくお客様にナンパされたりだとか、そういうの見てたら……なんか、ねえ」
先輩「ちっちゃくないわい!」
先輩「ふ、ふん。そう言っていられるのも今のうちじゃぞ、小僧。我はな、こう見えても800年も生きておるのじゃ。今は姿を隠しているだけで、真の姿を見せれば……」
貴様「ババアになるんすか」
先輩「ならんよ! 失礼じゃな貴様! 偉大なる風格が出てな、こう……胸もな……」
貴様「バインバインっすか」
先輩「そう、バインバインって……いや、それはセクハラだろうよ」
貴様「だろうよ」
先輩「何故貴様が言うのだ。全く……貴様は年上に対する敬いが全く足りぬぞ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 03:23:18.80 ID:SWwcBTQe0
貴様「いや、先輩の事は敬ってますよ」
先輩「ほう? どこがじゃ? 言うてみよ」
貴様「まずですね。可愛らしいです」
先輩「う……うん」
貴様「それから、年の功だけに、色々知ってます」
先輩「年は余計じゃ」
貴様「あとですね、からかうのがすっげー楽しいっす」
先輩「やっぱお前敬ってないじゃろ! 明らかにおちょくっておるではないか!」
貴様「いやでも、ほんと、先輩はすごいっすよ。メニューの値段ちゃんと覚えてるし、接客は完璧スマイルだし、後輩にもすげー優しいっす」
先輩「う、うん。……なんだ、その、ちゃんとやれば出来るではないか」
貴様「あと、店長にすぐ歯向かいますよね。この前なんか仕入れの数一桁間違えたっつって……」
先輩「だーやめよ! その話なしじゃ! だーめ、やめっ、テメーやめろ」
貴様「あ、はい」
先輩「ほう? どこがじゃ? 言うてみよ」
貴様「まずですね。可愛らしいです」
先輩「う……うん」
貴様「それから、年の功だけに、色々知ってます」
先輩「年は余計じゃ」
貴様「あとですね、からかうのがすっげー楽しいっす」
先輩「やっぱお前敬ってないじゃろ! 明らかにおちょくっておるではないか!」
貴様「いやでも、ほんと、先輩はすごいっすよ。メニューの値段ちゃんと覚えてるし、接客は完璧スマイルだし、後輩にもすげー優しいっす」
先輩「う、うん。……なんだ、その、ちゃんとやれば出来るではないか」
貴様「あと、店長にすぐ歯向かいますよね。この前なんか仕入れの数一桁間違えたっつって……」
先輩「だーやめよ! その話なしじゃ! だーめ、やめっ、テメーやめろ」
貴様「あ、はい」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 03:23:54.61 ID:SWwcBTQe0
先輩「はあ……大体あれは店長が悪いんじゃ。我だって間違えは少しぐらいあろうに……」
貴様「でもパセリ一万株はやばいっすよ」
先輩「知ってるよ! 知ってるもんね!」
貴様「……で、今日もするんすか」
先輩「……うむ。なんだ、させて、くれるのか」
貴様「いや、じゃなかったらこんな時間まで残りませんよ」
先輩「……そうか。じゃあ、その。……早く座って」
貴様「へーい。さ、どうぞ」
先輩「……貴様は、何故、こうも我に尽くすのだ」
貴様「先輩のこと、尊敬してるからじゃないっすか。やべーまじぱねーリスペクト。敬い足りぬー」
先輩「茶化すでない! 貴様は、何故、我を怖がらんのじゃ……」
貴様「だから、先輩は、先輩なんすよ」
貴様「吸血鬼だからといって、ドジで愉快で可愛らしい、バイトの先輩であることに変わりないっすから」
先輩「……ん」
貴様「その先輩が腹減ったってゆーんすから。そりゃ、あげますよ。血ぐらい」
先輩「……」
貴様「じゃ、早くどうぞ。首筋にがぶーっと」
先輩「ん、じゃあ、いくぞ。いくからな」
貴様「はーい、……っ」
貴様「でもパセリ一万株はやばいっすよ」
先輩「知ってるよ! 知ってるもんね!」
貴様「……で、今日もするんすか」
先輩「……うむ。なんだ、させて、くれるのか」
貴様「いや、じゃなかったらこんな時間まで残りませんよ」
先輩「……そうか。じゃあ、その。……早く座って」
貴様「へーい。さ、どうぞ」
先輩「……貴様は、何故、こうも我に尽くすのだ」
貴様「先輩のこと、尊敬してるからじゃないっすか。やべーまじぱねーリスペクト。敬い足りぬー」
先輩「茶化すでない! 貴様は、何故、我を怖がらんのじゃ……」
貴様「だから、先輩は、先輩なんすよ」
貴様「吸血鬼だからといって、ドジで愉快で可愛らしい、バイトの先輩であることに変わりないっすから」
先輩「……ん」
貴様「その先輩が腹減ったってゆーんすから。そりゃ、あげますよ。血ぐらい」
先輩「……」
貴様「じゃ、早くどうぞ。首筋にがぶーっと」
先輩「ん、じゃあ、いくぞ。いくからな」
貴様「はーい、……っ」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 03:24:40.58 ID:SWwcBTQe0
※ ※ ※ ※ ※
貴様「おいしーっすか」
先輩「うむ、旨い。じゃが、最近余り野菜、食べてないじゃろ」
貴様「あー……そー……すね。結構、血摂られると、どうも肉が食いたくなって」
先輩「仕方のない事じゃが、野菜も食べよ。雑味も増える」
貴様「へーい……りょうかいっす」
先輩「大丈夫か?」
貴様「いや、ちょっとぼーっとしてきただけです。先輩、まだ足りないっしょ。もうちょい、どーぞ」
先輩「じゃが……」
貴様「けっこうこれ、気持ちーんすよ。なんか、人の役に立ってるって感じで……あと、可愛らしい先輩が抱きついてるのは、案外まんざらじゃないっす」
先輩「このまま、血をすべて抜かれるとは思わんのか?」
貴様「思わないっすねー……。先輩そんな人じゃないし」
先輩「我は……鬼じゃぞ。人じゃない」
貴様「そんなの、誰が決めるんすかー……。少なくとも、俺が先輩の事を人と思う限りは、俺らの間じゃ人ですよー……」
先輩「我がそう思っていなくても?」
貴様「じゃあ俺の中だけでもいいっすよ」
貴様「おいしーっすか」
先輩「うむ、旨い。じゃが、最近余り野菜、食べてないじゃろ」
貴様「あー……そー……すね。結構、血摂られると、どうも肉が食いたくなって」
先輩「仕方のない事じゃが、野菜も食べよ。雑味も増える」
貴様「へーい……りょうかいっす」
先輩「大丈夫か?」
貴様「いや、ちょっとぼーっとしてきただけです。先輩、まだ足りないっしょ。もうちょい、どーぞ」
先輩「じゃが……」
貴様「けっこうこれ、気持ちーんすよ。なんか、人の役に立ってるって感じで……あと、可愛らしい先輩が抱きついてるのは、案外まんざらじゃないっす」
先輩「このまま、血をすべて抜かれるとは思わんのか?」
貴様「思わないっすねー……。先輩そんな人じゃないし」
先輩「我は……鬼じゃぞ。人じゃない」
貴様「そんなの、誰が決めるんすかー……。少なくとも、俺が先輩の事を人と思う限りは、俺らの間じゃ人ですよー……」
先輩「我がそう思っていなくても?」
貴様「じゃあ俺の中だけでもいいっすよ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 03:25:19.34 ID:SWwcBTQe0
先輩「なあ、貴様。このまま吸血鬼にならんか?」
貴様「えー……?」
先輩「我と共に、永遠の時を過ごそうではないか。我は、下僕を持ったことはない。しかし、貴様とならば……あるいは」
貴様「いやー……やめときます」
先輩「っ……そう……か」
貴様「まだ人間世界に未練あるし、家族にもバイバイ言ってないし……それに」
貴様「先輩が俺以外から血吸うとこ、見たくないっすから」
先輩「う、うん……」
貴様「まあ先輩とずっと生きれるならそれもアリっすけどねー……あー……きもちー……身体どんどん重くなるなあ……あれ、待って、先輩。ちょっとまって、それ以上だめ、死んじゃうから。下僕になる前にミイラになるよ? あ、ちょっと、まって、まっ……」
※ ※ ※ ※ ※
貴様「えー……?」
先輩「我と共に、永遠の時を過ごそうではないか。我は、下僕を持ったことはない。しかし、貴様とならば……あるいは」
貴様「いやー……やめときます」
先輩「っ……そう……か」
貴様「まだ人間世界に未練あるし、家族にもバイバイ言ってないし……それに」
貴様「先輩が俺以外から血吸うとこ、見たくないっすから」
先輩「う、うん……」
貴様「まあ先輩とずっと生きれるならそれもアリっすけどねー……あー……きもちー……身体どんどん重くなるなあ……あれ、待って、先輩。ちょっとまって、それ以上だめ、死んじゃうから。下僕になる前にミイラになるよ? あ、ちょっと、まって、まっ……」
※ ※ ※ ※ ※
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 03:25:47.00 ID:SWwcBTQe0
貴様「死ぬかと思いました」
先輩「……すまぬ」
貴様「いや、いーっす。今度なんか奢って下さい」
先輩「……う、うむ。なにがいい?」
貴様「A5和牛ステーキ」
先輩「無理。死んじゃう」
貴様「先輩お金なくても生きてけるじゃないっすか。俺が血あげてるんだし。むしろ、俺にステーキを食べさせることは、先輩が食べているのと同義じゃないかと……」
先輩「その発想はおかしいよ! だって我食べれないじゃろ! どうせなら野菜を食え! 無農薬がいいぞ、あれは味がピュアになるからな」
貴様「血液ってサラサラな方がいいんすか」
先輩「ドロドロよりはよい。喉に引っかからないし、なにより味がすっきりしている」
貴様「へー、案外、色々あるんすね」
先輩「……じゃが、仕方ない。A5和牛ステーキは無理でも、焼肉くらいになら連れて行ってもよい」
貴様「え、いいんすか」
先輩「仕方あるまい。いつも従順に血を寄越す家畜の為じゃ」
貴様「じゃあ叙々園にでも……」
先輩「それも無理じゃよ!」
先輩「……すまぬ」
貴様「いや、いーっす。今度なんか奢って下さい」
先輩「……う、うむ。なにがいい?」
貴様「A5和牛ステーキ」
先輩「無理。死んじゃう」
貴様「先輩お金なくても生きてけるじゃないっすか。俺が血あげてるんだし。むしろ、俺にステーキを食べさせることは、先輩が食べているのと同義じゃないかと……」
先輩「その発想はおかしいよ! だって我食べれないじゃろ! どうせなら野菜を食え! 無農薬がいいぞ、あれは味がピュアになるからな」
貴様「血液ってサラサラな方がいいんすか」
先輩「ドロドロよりはよい。喉に引っかからないし、なにより味がすっきりしている」
貴様「へー、案外、色々あるんすね」
先輩「……じゃが、仕方ない。A5和牛ステーキは無理でも、焼肉くらいになら連れて行ってもよい」
貴様「え、いいんすか」
先輩「仕方あるまい。いつも従順に血を寄越す家畜の為じゃ」
貴様「じゃあ叙々園にでも……」
先輩「それも無理じゃよ!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/08(金) 03:26:36.17 ID:SWwcBTQe0
おわり
本当に短かった・・・・・・。
初投稿なので、テストも兼ねてということで。
感想くれると感涙します
本当に短かった・・・・・・。
初投稿なので、テストも兼ねてということで。
感想くれると感涙します
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