1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 03:20:11.20 ID:m7DzaZH30
あるゲームとモバマスのクロスSSです、更新頻度はご了承下さい。

~自宅~

武内P「本日のライブは、皆さんの笑顔が輝く…とてもいいステージでした。」

武内P「…褒める点に改善点、今後の課題、これらをまとめながら…」ブツブツ

武内P「……次の…」カタカタカタ、カタ、カチッ

武内P「っ…」カチッ、カタカタ…

武内P「Zzz……」スヤァ…

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465323610

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 03:31:31.21 ID:m7DzaZH30
~~


コ…ン……コン

武内P「Zz…z」

コン、コン……

武内P「…zZz……っ?」

コンコン、コンコン

武内P「…! (ノック…?)あっ、すみません…どうぞ。」

ガチャリ…

女性「どうも失礼します…夜分遅くに申し訳ないですが」

女性「少しの間、よければお時間を頂いてもよろしいですかね?」

武内P「は、はぁ…? …? あの、失礼ですがどちら様でしょうか?」

女性「はい? あぁ、見覚えがない? …いえ、それも仕方ありません。」

女性「…随分前ですが、先生のお力で窮地を救って頂いた恩がありまして…」

武内P「……(どこか、千川さんの面影を感じますが…本人ではないでしょう)」ジーッ

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 03:34:21.61 ID:m7DzaZH30
~~

女性「! ふむ…先生は性格上、今でも数多くの困った人達を」

女性「その善意で救ってらっしゃるのでしょう、そうでしょう…」

女性「…まぁ、そのうちの一人だと思って下さって結構ですよ。」

女性「あの時は大したお礼も出来ないまま、申し訳ありません。」

女性「用件をお伝えするのが遅れましたが、御詫びもかねて伺いました。」

武内P「そ、そうでしたか…わざわざ、すみません。」チラッ

武内P「(何度見ても、この女性のことが何も思い出せません……)」

女性「こちらこそ…ではこれは私の気持ちですので、お受け取り下さい。」スッ…

武内P「あ、いえ…こちらを受け取るわけには、それに私は…」

女性「いえいえ、先生は、それに見合う働きをなされた。」

女性「つまり、私はこれを正当な報酬と考えております。」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 03:44:41.64 ID:m7DzaZH30
女性「改めてあの時のこと、ありがとうございました。」

女性「さておき本日はですね、これとは別に」

女性「私的にお願いがありまして、聞いてもらえますか?」

武内P「は、はい…大丈夫ですが…差支えなければ」

武内P「先に、お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

女性「流石は先生、お話が分かりますねぇ…ちひひっ…っと失礼。」

女性「申し遅れましたが、私の名前は…千の川で」

千川「チカワと言います。以後、お見知りおきを……」

千川「では、少々持って参りますので…そのままお待ちください。」

バタンッ

武内P「…! …?」キョロキョロ

武内P「…っ(よくよく辺りを見回すと、知っている部屋ではないし)」

武内P「(それに、この見慣れない内装に加え…千川と名乗る女性は)」

武内P「(私を先生と呼び慣れているようでした…)」

武内P「(その証拠なのか…私は何故か白衣を着ている)」

コンコン…ガチャリ

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 03:51:42.23 ID:m7DzaZH30
~~

千川「大変お待たせしました…おい、何をしてる!」

千川「…ほら、目の前の先生に挨拶なさい。」スッ

少女「…ぉ、おはようございます…わ、わたくし」

少女「…ぁ、ごめ、ごめんなさぃ……っ」ビクビク…

武内P「…っ!? え……?」ギョッ

千川「? ああ、困らせてしまいましたかねぇ…」

千川「…まずは先生に、私から相談させて下さい。」

武内P「そ、そんな……何を(こ、この人は何を考えて…まさか)」

千川「いやね、最近…耳にされてないですか?」

千川「…ある資産家が病で亡くなったことについてです。」

千川「…よくある話ですよ、これには近しい身内がいなかったもので」

千川「遺産を受け継いだものの…それに便乗し、欲にまみれた輩が」

千川「寄ってたかって、残った資産を奪っていきましてね……」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 03:57:01.62 ID:m7DzaZH30
武内P「なんて、ひどい(恐らく少女は親を亡くされて…)」

武内P「(大人には裏切られ、挙句に見捨てられたのか……)」

千川「…まぁ、細かい部分は割愛いたしましたが…」

千川「私は仕事柄、その関係者とのコネがありまして。」

千川「ただ商談を進める過程で、扱いも手間で面倒な…」

千川「…これを押し付けられた。」ギロッ

少女「ひぃっ…ぅ……ぁ」ガタガタ…

武内P「千川さん、あなた…正気、ですか…?」

千川「先生、理解して頂きたいのは…私も一介の商売人ですから」

千川「ナンデモ取り扱い、それを売り出すために…」

千川「…人間を商品の一つとして提供することもあります。」

武内P「……! (それが、そんなことが許されるでしょうか)」

武内P「っ(人の所業じゃない…いや、済まされるはずがない…)」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 04:06:33.13 ID:m7DzaZH30
~~

千川「ですが、これは買い手が見つかりじまいのまま」

千川「お手上げだったのですが、かといって…一応、引取った手前」

千川「見捨てるのは憚りましてね。ちひひっ…! 私もヒトですからねぇ…」

千川「勿論、人並みの感情はありますよ。それで、よい引取り先を」

千川「探しあぐねていたところで…先生の存在を思い出したのです。」

千川「…誠に勝手ながら、独自で調べさせて頂きましたが」

千川「先生は独り身のようで、ある程度は裕福でいらっしゃる。」

千川「…この機会にいかがですか? これを引き取って頂けると」

千川「助かりますね…必要なければ、こちらで適当に処―」

武内P「! いいでしょう…ただ千川さんと言いましたか?」

武内P「先ほどの、お金はいりません…」スッ

千川「そうですか、よかっ……は? よろしいのですか?」

千川「いえ、お金の方です。これに料金は頂きませんよ?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/08(水) 04:10:10.82 ID:m7DzaZH30
武内P「すみませんが…私には、必要ありませんから。」

武内P「お気持ちだけで結構ですので。こちらはお返しいたします。」

千川「……」

千川「…」

千川「まぁ、私もそれもお互い助かりますし(これ以上は…)」

千川「(ふむ、どうやら先生の機嫌を更に損ねそうですね…)」

千川「詳しいことは、それに何でも直接お聞きください、では私は失礼します。」

バタンッ

少女「ぁっ…ぁの、わたくし、ぁ、っごめんなさい…わ、わたし…」

桃華「ト、トウカと申し、ます。桃に華でトウカで……」オドオド

武内P「…(自己紹介が遅れましたね…)私は武内と言います、よろしくお願いしますね。」

桃華「は、はぃ…こんな役立たずを、拾って下さり…ありがとうございます…」

桃華「わたし…武内さ、ひっ、ご主人様のご、ご要望には必ず答えます。」ビクビク

桃華「ぁ、答えさせて頂きます、だから、どうかお手柔らかにお願いします…っ」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 10:17:02.66 ID:8ElPQ/z00
続き

~部屋~

武内P「……(手探りで空いた小部屋に連れて来ましたが)」

武内P「…(すぐさま端っこに歩かれ、縮こまれました…)」

武内P「(さて、どうしましょうか……?)」

桃華「……」ポー…

武内P「(このままでは、日常会話にも支障がありますね…)」チラッ

武内P「…(よく見れば、身体に火傷のような傷痕が…)」ジィッ…

桃華「! ぁ…ご、ご主人様…こ、この傷は、わたしが原因で…」ビクッ

桃華「前のご主人様の、ぁの…希望に沿えなかったから、あ、ぅ…」

武内P「…すみません、配慮に欠けて…嫌な思いをさせましたね。」

桃華「ぇ…? は、はぃ……あ、でもわたくし、ぁ、ごめんなさい。」

桃華「わたし…ごしゅっ、ご主人様の期待に精一杯応えますから…!」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 10:34:01.23 ID:8ElPQ/z00
武内P「え、ええ…(この先、何より彼女の心のケアが)」

武内P「…(当面最優先の課題になりそうですね…)」

武内P「(…あ、そういえば…当面の課題となれば)」

武内P「(ここで生活する上で、必要なものは揃っているのか…)」

武内P「(…家の散策ついでに置かれた状況を整理しましょう)」

~~

武内P「…その、すみません、お待たせしました。」

桃華「…? ……は、はい…」

武内P「(時間を要しましたが、この住まいには一通りの)」

武内P「(生活用品や食料品の備蓄があり、経済的にも)」

武内P「(まず、不自由しないことが把握出来ました…)」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 10:40:01.16 ID:8ElPQ/z00
桃華「……? …」

武内P「…実は、先ほど、ええっと…ご飯を作りましたので」

桃華「?」

武内P「あの、よければですね、ご一緒に食べませんか?」

桃華「??」

武内P「? …テーブルの上に用意してありますから」

武内P「向かい側にある部屋に、移動しましょう。」

桃華「ぁっ…わ、わたしもでしょうか?」

桃華「ご主人様のお食事では…? お、恐れ多いです。」

武内P「いえ、そんなことありません…大丈夫ですから。」

桃華「! ご、ご主人様は、慈悲深いですね…ま、まだ何も」

桃華「していないのに…ぁ、ありがとうございます…」

スタスタ、トコトコ……

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 10:53:53.65 ID:14Mophpr0
~~

桃華「あっ…あの…! わたしの、こ、これ…は」

桃華「…ご、ご主人様のお食事と一緒、です……」

武内P「?」

桃華「わ、わたしが、ご主人様と同じものを」

桃華「そのまま頂く訳には、まいりませんので…」

武内P「! では、私が許可します…遠慮は必要ありません。」

桃華「っ…本当に、これを食べても…よろしいのですか?」

武内P「…(この前の環境を想像したくありませんが)」

武内P「(その違いに困惑されているようですね…)」

武内P「(こちらから…まず、このひとくちサイズの)」

武内P「…(トマトを食べて頂きましょう…)」ススッ

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 11:02:01.54 ID:14Mophpr0
桃華「? …っ!」パクッ

武内P「(! た、食べて頂けました…)」

武内P「(それにしても…その、今の仕草……)」

桃華「…」シャクシャク

武内P「……」ジッ…

武内P「…」

桃華「」ペロリ

武内P「(あ、他にも食べて貰わないと…)」スッ…

桃華「! ……」パクッ…モグモグ

武内P「(…)」ジィ

桃華「……」ゴクン

武内P「(こ、これはどうでしょうか……)」ドキドキ

桃華「…ぁっ」

桃華「っ…お、お待ちになって…?」オロオロ

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/09(木) 11:20:01.33 ID:14Mophpr0
武内P「あ…し、失礼しました(む、夢中になりすぎて…)」

桃華「ごめんなさい…も、もう大丈夫ですから。」

武内P「は、はい…すみません(自由に食べて貰わないと…)」

桃華「…ぁ……ご主人様に、そ、そんな…」

武内P「だ、大丈夫です、気兼ねせず…ご自由に取って下さい。」

桃華「うぅ…っ、えぇと…よ、よろしいんですの…?」カァ…

桃華「ぁ、ごめんなさい…頂いて、よ、よろしいですか?」

武内P「…ええ、どうぞ。残りの料理も召し上がって下さい。」

桃華「そ、の…い、いただきます。」スッ…カチャカチャ…

桃華「……」モグモグ

桃華「…」チビチビ…コクンッ

桃華「」パクパク

~~

桃華「ご、ご馳走様でした。とても、とてもおいしかったです、わ…」

武内P「(ほっ……)それはよかった…では、明日も作りますね。」

桃華「! ……」パァ、コクコク…

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 11:36:53.12 ID:x7qyAGtS0
続き

武内P「…もう遅いですし、来たばかりで疲れましたよね?」

武内P「寝室まで案内しますから…今日は寝ましょうか。」

スタスタ、トコトコ……



桃華「ぁ…ご、ご主人様……わたくし…っ」

桃華「わ、わたしは…どこでも寝つけますし、床で十分です。」

桃華「ですから…どうかこのベッドは、ご主人様が……」

武内P「…そこまでして、気を遣わなくても大丈夫ですよ。」

武内P「気軽にこちらのベッドで、身体を休めて下さい。」

桃華「! は、はぃ…で、ではありがたく使わせて頂きます。」

桃華「…あ、あの、ご主人様……っ」

武内P「? …どうしました?」

桃華「わたしは…この先、どうなりますの……?」オロオロ

桃華「この後、すごく苦しくて…恐ろしいことをされますか?」

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 11:51:11.46 ID:x7qyAGtS0
武内P「…(なるほど…これには、何か裏があってのことで)」

武内P「(いずれは…と、そういう意図を感じられたのですね…)」

武内P「…その、まだ信用されてないことは承知の上ですが」

武内P「約束します…私は、そのようなことは致しません。」

桃華「!! …ほ、本当ですの…ぁ、ごめんなさい、本当ですか?」

桃華「わ、わたし、他に出来ることでしたら何でも…」

桃華「お手伝いしますし…ご主人様のご要望にお応えします。」

武内P「そこまで仰るのであれば…そうですね、私からは……」

武内P「…いつか、貴女の一番の笑顔が見てみたい、それだけです。」

桃華「? ぇ…? ? …え、笑顔?」カァ…

桃華「っ…ぅ……ぁっ。」

武内P「すみません…あ、あの…そのまま、ごゆっくりどうぞ。」

武内P「っ…失礼しました。」バタンッ

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 12:00:01.77 ID:x7qyAGtS0
桃華「! ぁ…お、おやすみなさいませ、ご主人様……」

桃華「……(わたくしの新しいご主人様…ぜんぜん、違って…)」

桃華「っ…(なんで、なんで…こんなわたくしに…)」

桃華「(こんなにも、優しいんですの……?)」ポロポロ…

桃華「…ぅ、Zz…z…ぅ……」スゥ

~~

桃華「…あ、おはようございます、ご主人様。」

武内P「はい、おはようございます。」

武内P「いま、朝食を作りますので、もう少し待ってて下さいね。」

桃華「そ、そのっ…わたしも何か、お手伝い出来ませんか?」ソワソワ

桃華「ご、ご主人様が、家のことをやっておられるのに…」

桃華「…わたしは何もせず、ただ見ているだけというのは。」

武内P「! (役目、役割を果たそうとする彼女の使命感が)」

武内P「…(不安にさせている心の原因かもしれませんね……)」

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 12:07:31.27 ID:x7qyAGtS0
武内P「そうですね…それでは、食後に食器の後片付けと皿洗いを…」

武内P「二人分は手間でしょうけど…お願いしてよろしいですか?」

桃華「! は、はい。かしこまりました、片付けとお皿洗いですね。」

桃華「精一杯頑張ります……」

武内P「…はい、よろしくお願いしますね。」

~~

武内P「失礼しま…」ガチャ

桃華「……」ポー…

武内P「! …(窓の向こうを熱心に眺めてますね)」

桃華「…」

武内P「…外、気になりますか?」ボソッ

桃華「! ぁっ、気付かなかったです、ご、ごめんなさい。」ハッ

桃華「あ、えぇとっ……いえ、なんでもありません。」

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 12:18:23.40 ID:x7qyAGtS0
武内P「(…そういえば、ここに来てから外出してませんね)」

武内P「あ、あの…気分転換に、一緒に外を出歩きませんか?」

武内P「…家の中ばかりでは、気が滅入ってしまいますから。」

桃華「! わ、私も? …ついて行ってもよろしいのですか?」

武内P「ええ。勿論よければの話ですが、どうでしょうか?」

桃華「ぃ、いきますっ! その…あ、あまり重い荷物とか…」

桃華「そういうのは持てないと思いますけど…ご一緒いたします。」

~~

スタスタ、トコトコ……

桃華「…? ……っ」キョロキョロ…

武内P「(私の後ろについて来ていますが、視線はそこら中に興味を)」

武内P「…(注がれているようですね……家を出るのは初めてですが)」

武内P「(彼女は、外出自体が久し振りのことなのかもしれません…)」

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 12:28:03.44 ID:x7qyAGtS0
桃華「……!」ジィ…ピタ

武内P「? …何かありましたか?」

桃華「ぁっ…ご、ごめんなさい……大丈夫ですっ。」

武内P「? …(一瞬、通りかかった所に視線を移すと)」チラッ

武内P「(ふと甘い香りが、その先のお店から立ちこめていました)」

武内P「…では、少し早いですが、こちらの喫茶店で昼食を取りましょうか。」

桃華「ぇっ…お昼をここで、ですか…? は、はい…分かりました。」

カランカラン…

小柄な店員「…いらっしゃ~い。お二人様ですか~?」

武内P「…? あっ…」キョロ…ハッ

小柄な店員「! む~っ、お客様~…もしかして、私のこと探しましたね?」

武内P「っ! い、いえ。その、初めて入るお店でしたから…」

武内P「…独特の雰囲気に押されていました(…彼女より小柄ですね)」

小柄な店員「そうですか~? …え~こちらへどうぞー?」

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 12:42:41.57 ID:x7qyAGtS0
桃華「……」キョロキョロ

武内P「えぇっと、何にします?」

桃華「ぁ、わたしは何でも、大丈夫です。」

桃華「…ご主人様がお選び頂いたもので構いません。」

武内P「そ、そうですか…? では…すみませ―」

小柄な店員「はい。」シュタッ

武内P「っ!?」ビクッ

桃華「? …??」チラチラ

武内P「あー…あの、このサンドイッチとパンケーキで…」ドキドキ

小柄な店員「かしこまりました~! 少々お待ちくださ~い。」

~~

小柄な店員「お待たせしました~ごゆっくりどうぞ~?」サッ

武内P「では、いただきましょうか。私はサンドイッチですが…」

武内P「このパンケーキをですね、お口に合うか分かりませんが」

桃華「…あ、これは、わたしに? …食べてもいいのですか?」

武内P「ええ、ぜひ召し上がって下さい。」ススッ

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 12:49:01.41 ID:x7qyAGtS0
桃華「ゎ、分かりました…いただきますね。」スッ

桃華「……!」モグモグ

桃華「…ん、ふわふわ……」パクパク

桃華「…甘いですの。」ペロペロ…

武内P「(お気に召されたようで…次に立ち寄ることがあれば)」

武内P「(…その時は、また一緒に彼女を連れて行きましょう)」

~~

桃華「ん…ごちそうさまでした。えぇと、わたし…」

桃華「こういうものは食べたことがなかったです。」

桃華「それで、その…おいしかったですわ…とても」

桃華「…ありがとうございます…ご主人様…」ニコッ

武内P「! …いい、笑顔ですね。」ボソッ…

桃華「! あっ…ぅ…」マッカ

武内P「そ、それではいきましょうか。また来ましょうね。」

桃華「…は、はぃ!」

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/12(日) 12:05:51.67 ID:AcIJQ76g0
続き

~後日~

桃華「…おはようございます、ご主人様。」

武内P「はい、おはようございます。」

武内P「今日は、買い出しで外出する予定がありまして…」

武内P「朝食を取った後ですが、一緒に出掛けませんか?」

桃華「あっ…また、ご一緒してもいいんですの?」

武内P「ええ、私も一人で行くのは…寂しいですから。」

桃華「! わ、わたくしは…ご主人様に付いていきます。」

武内P「では…準備を済ませた後、お昼前に出掛けましょうか。」

桃華「分かりましたわ…ぁっ、えぇと…かしこまりました。」

武内P「あの…気になっていましたが、私に対して…」

武内P「伝えたいことで言葉を選んだり、時には謝ったり」

武内P「されますが…その、気を遣われなくて大丈夫です。」

武内P「…それで、私の態度や接し方は、変わりませんので。」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/12(日) 12:42:12.19 ID:AcIJQ76g0
桃華「!! ぇっ…それは…でも、わたしは奴隷ですのに…」

桃華「…! いえ、なんでもない、ですわ…わ、わたくしが」

桃華「ぁっ…ご、ご主人様をご、誤解し、して、おりました…っ」ポロポロ

武内P「! これは、以前お伝えしたことに加えさせて頂きますが」

武内P「…すみません。それが貴女に求める、私の願いごとです。」

桃華「ぅっ…はい。ごめんなさいっ…ぁ、ありがとうございます。」

桃華「…わ、わたくし、ご主人様のために…精一杯尽くしますの。」ニコッ

武内P「…っ! はい…手を取り合いながら、ゆっくり慣れましょうね。」ドキッ

~街~

武内P「(さて、街まで一緒に来ましたが…どこへ行きましょうか?)」

※安価を取らせて頂きます。街にあるお店の内、行きたいお店を下記よりお選び下さい。
※続きに日にちを要しますが安価の選択により、それに沿ったお話をいずれ投稿します。

安価直下 >>67 →服屋 花屋 喫茶店 占い屋 市場のいずれかでお願いします。

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/06/17(金) 12:08:43.49 ID:7R7LSjia0
続き(>>67 服屋のお話です)

スタスタ、トコトコ……

武内P「!(…? あのお店、外から中が見えませんし…)」ピタッ

武内P「(何を取り扱うお店なのか判断しかねますが…)」ジー

武内P「(どこか興味を惹かれる不思議な雰囲気がありますね)」

武内P「(…ここは試しに開けて、少し中を覗いてみましょう)」

桃華「! …ご主人様、ここに入りますの? …初めて見ますわね。」

武内P「ええ、私も初めて見ますが…その、店内が気になったので」

武内P「…入ってみようかと思います。ついてきてもらえますか?」

桃華「分かりましたわ…わたくしは、ご主人様についていきますの。」

カチャ…

武内P「!(……服…屋、でしたか…しかしこれは、恐らく女性用に)」キョロキョロ

武内P「…(デザインされた洋服を中心に扱われてるようで……)」

桃華「? ……? ?」キョロ…

武内P「(ここは、私が来るのに似つかわしくありませんね……ん?)」クルッ

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/06/17(金) 12:12:13.78 ID:7R7LSjia0
…テクテク

寡黙な女性「……あら、いらっしゃいませ…? …!」ピクッ

寡黙な女性「…あなた。」ジィ…

武内P「は、はい?」

寡黙な女性「いえ、違うわ……貴女。」ビシッ

桃華「ぁっ……わ、わたくしですの…?」

寡黙な女性「…そう。ついてきて……こっちよ。」グイッ

桃華「ぇ? …? っ! …ぉ、お待ちになって…!」ズルズル…

武内P「!? ど、どこに連れていかれるつもりですか?」

寡黙な女性「…貴方の期待に応えられる、完璧な仕事をするわ。」

武内P「?? …? え……あ、はい。」

武内P「…(初対面だったはずですが…その雰囲気に)」

武内P「(飲まれてしまった私は、止める間もなく…)」

武内P「(彼女をお店の奥へと連れて行かれました……)」

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/06/17(金) 12:38:47.84 ID:7R7LSjia0
~~

寡黙な女性「…お待たせいたしました……ふふっ。」

寡黙な女性「お客様……この子に、ほつれた布切れ一枚なんて…」

寡黙な女性「それはあまりにも…でも、必ず輝かせてみせるわ。」

武内「? …え、ええ……す、すみません。」

寡黙な女性「…余計な言葉は不要ね、準備は出来てるわ。」ニヤリ

武内P「…! あっ……え?」チラッ

武内P「…っ(彼女は、見違えるほど綺麗な洋服に身を包んでいました)」

桃華「ぁっ…その、えぇと…ご主人様の、お気に召すかどうか…」

桃華「分かりません、けど…ど、どうでしょう、か? ……あぅっ…」カァ…

武内P「いえ、よく似合っていますね…それに」

武内P「…と、とても……か、かわいらしいと思います…」

桃華「! …ぁっ……」マッカ

桃華「…(ご主人様…ご主人様っ…! わたくし…っ)」ボソボソ

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/06/17(金) 13:01:48.26 ID:7R7LSjia0
寡黙な女性「お客様……身だしなみは外観を印象付け…」

寡黙な女性「社会の一部として、それを位置づけるもの……」

寡黙な女性「私は、この衣装……お買い上げすることを強く勧めるわ…」

武内P「! そ、そうですね…ぜひ、か、買わせて頂きます。」

寡黙な女性「…さすが、お客様。貴方になら託せますわ……」

寡黙な女性「この度のお買い上げ、ありがとうございます。」

寡黙な女性「お客様…またのご来店を、お待ちしているわ…」

~~

桃華「ご、ご主人様…! …ありがとう、ございます。」ニコニコ

桃華「わ、わたくし…い、いつでも、ご主人様のお隣にいられるよう」

桃華「…相応しくなりますのっ…! …よ、よろしくお願いしますわ。」ニコッ

武内P「! は、はい…こちらこそ、今後ともよろしくお願いしますね。」ドキッ

武内P「…(この買い物で、彼女の笑顔を見られるなら…彼女のために)」

武内P「(また足を運んでみようと、そう思わせる…いい、笑顔でした)」

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/01(金) 03:28:32.09 ID:qvMA+5gT0
花屋のお話を投稿予定でしたが、上手く纏まらず…
また投稿に日にちを要してしまって、すみません。

今回の続きは、別のお話で投稿しますがご了承下さい。

続き

~後日~

桃華「おはよう、ございます…けほっ。」フラフラ

武内P「おは……っ! (ふらつかれて…)」スタスタ

桃華「? こほっ…」

武内P「…すみません、失礼しますね。」スッ…ピタ

桃華「ひぁ」ドキッ

武内P「! (…熱の高さや咳の具合からみて風邪ですね……)」

武内P「(それに、ひどく顔色が悪いように見えますし、恐らく…)」

武内P「(ここに来る前との環境の変化が原因だと考えられますが)」

武内P「その…今日は大事を取って、私と一緒に風邪を治しましょう。」

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/01(金) 03:38:43.96 ID:qvMA+5gT0
桃華「そんな、けほっ…ごひゅ、人様の、こほ、こほっ…」

武内P「! 無理は禁物です…ベッドで横になりましょう。」ヒョイ

桃華「!? ! …?!」

桃華「(ぇ、えっ……けほっ、あ、ご主人様に…あぅ)」

桃華「(わ、わたくひ、けほっ、か、抱えられてますわ)」カアァ…

~ベッド~

桃華「…くしゅっ…」

武内P「(消化に良さそうな食事を薬を持って来ましたが)」

武内P「(どこか上の空、ですね…恐らく彼女がこれまで)」

武内P「(張りつめていた心の糸が途切れたのでしょう…)」

桃華「けほっ……」ポー…

武内P「! (そうでした、この小柄で華奢な身体で無理をされて)」ジィ

桃華「? …ぁ、ごめんなさ、い…? ご、ご主人…さ、ま……?」

武内P「…(身寄りもいない…こんな、年端もいかない子どもが)」ツー…

武内P「(身一つで、ここまで…来られ、たん、でした、ね……)」ポタ、ポタ…

桃華「! ご、ご主人、さま…! な、泣いてますの…?」

桃華「わ、わたくしは、けほっ…だ、大丈夫ですわっ。」オロオロ

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/01(金) 03:50:12.95 ID:qvMA+5gT0
~食後~

武内P「あ、あの…取り乱しました、すみません。」

桃華「わ、わたくしは…えぇと、嬉しかったです、わ。」

武内P「っ……」

桃華「……ぅ」

武内P「ではっ」

桃華「あのっ」

武内P「え…」

桃華「ぁっ…」

桃華「も、申し訳ありませんわ…わたくしは、大丈夫ですの。」

武内P「い、いえ、すみません…では、先ほど飲まれたお薬ですが」

武内P「その…予備がないので、念のため買い出しに行きます。」

武内P「その間、お留守番をお願いしますが…安静に出来ますか?」

桃華「え、えぇ…分かりましたわ、お帰りお待ちしておりますの…」

桃華「……い、いってらっしゃいませ。」

武内P「すみません、寄り道はしませんから…すぐに戻ります。」

ガチャリ…バタンッ

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/03(日) 14:09:01.78 ID:SOQ9he+C0
続き

~街~

スタスタ……

武内P「…(街に来ましたが、この周辺で薬を処方している…)」

武内P「(お店……薬屋や薬局などを探し回りながら…ですが)」

武内P「(まだ私は、ここの地理にそれほど詳しくありませんし)」

武内P「…(手当たり次第探す他ないですね……急ぎましょう)」スタスタ

~市場~

スタスタ、テクテク……

??「! おや、これはどうも……お久し振りですねぇ、先生。」

武内P「…? あ、貴女は……」クルッ

武内P「(ふと声を掛けられて振り向くと、見知った顔の女性が)」

武内P「…(こちらに怪しい笑みを浮かべながら立っていました)」

千川「どうやら、様子を見るにお急ぎのようですね…」

千川「失礼ですが、あれのことで…なにかお困りですか?」

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/03(日) 14:26:53.65 ID:SOQ9he+C0
武内P「! え…ええ、そうですね。」

武内P「(千川さんの言う「あれ」とは…恐らく)」

武内P「(彼女のことを指しているのでしょう…)」イラッ

武内P「…千川さんは買い出しでこちらまで?」

千川「いえね、それはついでですが…ここでは最近の商売で」

千川「私事ですけど、ある商談を進めている真っ只中でしてね。」

千川「…この街にはその間、出入りするようになったんです。」

千川「もしかすると…先生とは、今後も顔を合わせる機会が」

千川「あるやもしれないですねぇ……ちひひっ…っと失礼。」

千川「それで、今日はちょっとしたトラブルに見まわれましてね。」

千川「私自ら、取引の積み荷を一部運ぶ羽目になりました……」チラッ

武内P「それは……(千川さんは、隣に置かれた大きな荷物に手を置き)」

武内P「(怪しく浮かべた笑みも、不機嫌そうな表情に一変していました)」

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/03(日) 14:31:30.76 ID:SOQ9he+C0
千川「今はその足を待っている途中ですけど…あぁ、そうだ。」

千川「…せっかくですし、先生もなにか商品を見てみますか?」

千川「私は暫くここから動けないので、先生のお困りごとが」

千川「解決するようなものがあれば、安くお売りいたしますよ。」

武内P「! …もし、出来れば急な発熱や風邪に効くような薬があれば。」

千川「ふむ……そうですねぇ、先生の意向に沿うようなものは…」ゴソゴソ

千川「! ちひひっ…! …これなんてどうでしょう?」サッ

武内P「? すみません…これは、どういうものなんですか?」

千川「…万病に効能を発揮すると謳われる、ある高名な科学者が」

千川「研究の末に作り出したものらしくてですね、まずここらでは」

千川「目にすることのない珍しい薬品ですよ。まぁ、それなりに」

千川「値を張る逸品ですが、先生には返し切れない恩もありますし」

千川「…多少は安くお譲りしますよ。よければ、ご検討下さい。」

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/03(日) 14:38:01.30 ID:SOQ9he+C0
武内P「その……それは、後いくつほど置いてますか?」

千川「! …どうやら、興味を惹かれたようですね。」ニヤァ

千川「量産に成功したものを含め、今は十個ほど予備が…―」

武内P「全て買わせて頂きます、お金は…これで足りますか?」ジャラッ

千川「!! それはそれは…(煽り文句も効果てき面でしたねぇ)」

千川「ふむ…それほどの誠意を見せられては、お売りせざるを得ませんね。」

千川「この度は、お買い上げありがとう御座います…それとですね。」

千川「…ついでといっては何ですが、こちらもお付けしましょう。」スッ

武内P「(そう言って、千川さんは荷物の中から何かを取り出しました)」

武内P「? にん……いえ、ぬいぐるみ…ですか?」

千川「ええ、国外で子ども達にいま流行りの人気商品です。」

千川「頭を軽く叩くと…」ポンッ

緑のぬいぐるみ「ぴにゃっ」

武内P「は、はぁ……」

武内P「(どういう要素がニーズを満たしているのだろうか)」

千川「……あれにでも差し上げて下さい」ボソッ

武内P「え…?」

ガラガラ……

千川「…おっと、丁度迎えも来たようです、名残惜しいですが」

千川「また機会があれば、お会いしましょう。それでは……」

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/07(木) 13:05:25.12 ID:3gYl1vme0
続き

~自宅~

ガチャリ…バタンッ

武内P「(ふぅ……当初の目的は達成しましたが…)」ハァハァ

武内P「(その後すぐ家まで走ってしまいました…)」スタスタ

桃華「! ぉ、お帰りなさいませ、ご主人様っ…!」パタパタ

武内P「! その…遅くなりましたね、すみません。」

桃華「そんな…わ、わたくしの方こそ…ごめんなさい。」

武内P「いえ、構いません。それより無事で何よりです。」

桃華「! (ご、ご主人様は、いつもわたくしのことを…)」

桃華「(先に考えますの…優しい、私だけの…ご主人様…)」ポー……

武内P「…? る、留守中に、何か変わったことはありましたか?」

桃華「っ…ぇっ、い、いえ…と、特になにもなかったですわ。」

桃華「…ご主人様のお言葉に甘えて、先ほどまで寝てましたの。」

武内P「ふむ…(確かに調子や顔色も多少良くなっているようですし)」

武内P「(一安心ですね…今後はより一層、体調に気を配りましょう)」ホッ…

99: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/07(木) 13:20:13.88 ID:3gYl1vme0
武内P「…ですが、まだ万全ではないと思いますので…この後」

武内P「夕食を取ってから、お薬を飲んで…ゆっくり休みましょうね。」

桃華「は、はい、分かりましたわ…ぁっ、あの。」

武内P「? はい。」

桃華「ま、またお出掛けする時は…そ、その、わ、わたくしも一緒に」

桃華「…連れてって下さいますか? …さ、寂しかったですの。」ボソッ

武内P「! ええ。約束します…次は一緒に出掛けましょうね。」

~後日~

桃華「…ご主人様っ、おはようございます。」ニコッ

武内P「はい、おはようございます。」

桃華「おかげさまで、だいぶ楽になりましたわ。」

桃華「ご、ご迷惑をお掛けしましたの…これからまた」

桃華「家事やお手伝いも出来そうですし、もう大丈夫ですわ。」

桃華「ご、ご主人様……えぇと、ありがとうございましたっ。」

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/07(木) 13:35:47.13 ID:3gYl1vme0
武内P「いえいえ、それより元気そうで安心しました……あっ。」

武内P「! …そう、いえば、お渡ししたいものがあります。」

桃華「?」

武内P「こちらです、お気に召すか分かりませんが…」スッ

緑のぬいぐるみ「……」

桃華「は、はい…えぇと、その…?」

武内P「巷で話題のものだそうで、頭を軽く押すと…」ポンッ

緑のぬいぐるみ「ぴにゃっ」

桃華「!? ぁっ……しゃ、喋りますのっ…?」

武内P「どうぞ、お好きなようになさって下さい。」

桃華「あ、ありがとうございます…(ご主人様の贈り物…)」ギュッ

桃華「…わたくし、嬉しいですわ…(大切にしますわね…)」ナデナデ

緑のぬいぐるみ「ぴ、ぴにゃぁ~♪」

武内P「!! (千川さんと私が触れた時と反応が違います)」クワッ!

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/07(木) 14:20:03.99 ID:3gYl1vme0
桃華「ひぅっ」ビクッ

緑のぬいぐるみ「」

武内P「す、すみません、驚かせましたね」スッ…ナデナデ

桃華「! え…ぁっ、あっ……」

武内P「……?」

桃華「ぴ…ぴ……ぴ、ぴにゃ…ぁっ…ぅ」カァ…

武内P「!! ……」ナデナデナデ……

桃華「ぴにゃっ!? あ、ぁ…にゃぅ…」

桃華「…ぁ、う……ご、ご主人さま…?」カアァ

武内P「! うっ…! す、すみませんっ、あの…?」

桃華「わ、わたくしを、ご主人様は……き、気が済むまで」ボソボソ

桃華「…自由に、し、していただいていいんですのよ…?」

武内P「!? ……その、私用を思い出したので、これで。」クルッ、スタスタ

桃華「あっ……(まだ、いっぱい撫でて欲しかったですわ…)」シュン…

ガチャ、バタン……

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/10(日) 01:57:35.45 ID:2/HMxus60
続き

~後日~

桃華「…おはようございますっ、ご主人様。」

武内P「おはようございます…今日も、いい笑顔ですね。」

桃華「! わたくしは…ご主人様が望むなら、いつでも…」

武内P「い、いえ…それは、その、検討させていただきます。」

桃華「ご主人様は、控えめですの…遠慮せず仰って下さいな。」

桃華「(…ご主人様は、いつか一番の笑顔が見てみたいと…)」

桃華「(出会ったばかりの頃、そう言いましたね…ふふっ)」

桃華「(ご主人様のために、精一杯頑張りますわっ)」ニコニコ

武内P「(日を追うごとに彼女が変わり、成長を重ねていく)」

武内P「(その姿に、私は涙を堪えながら…話を続けました)」

武内P「…あの、今日は、一緒にお出掛けする約束でしたね。」

武内P「…少し歩きますが、森の方まで遠出してみませんか?」

桃華「はい、ご一緒しますの…わたくし、ご主人様と一緒なら」

桃華「…どこにいても楽しいですわ。」ニコッ

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/10(日) 02:15:01.19 ID:2/HMxus60
~森~

スタスタ、トコトコ……

武内P「(…ここは、生い茂る木々や緑に囲まれた小さな森の中で)」

武内P「(豊かな自然を肌で感じられる、そんな空間に来ました)」

武内P「(時間を要しましたが、人の行き交う街とは違って…)」

武内P「(人気もありませんし、ゆっくり羽を伸ばしましょう)」

桃華「こんなところがあったんですの?(…二人きりですわっ)」

武内P「ええ。私は、つい最近ここに来ましたが…」

武内P「変わりませんね…自然のよいところです。」

桃華「そうですわね……あっ! …ご主人様、あそこ…」

桃華「少し開けてて、休憩出来そうですわっ。」

桃華「…歩きましたし、ゆっくりしていきませんこと?」

武内P「ええ、そうしましょうか(彼女に誘われるまま…)」

武内P「(二人で、具合の良さそうな芝生の上に腰掛けました)」

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/10(日) 02:29:31.44 ID:2/HMxus60

武内P「ふぅ……」ボー…

武内P「(ふと気を抜くと、うっかり寝てしまいそうですね…)」ハッ

桃華「! (…ご主人様、眠そうですの……そうですわっ)」

桃華「ぁっ、あの…ご、ご主人様…こ、こちらに…っ!」ポンポン

武内P「! そ、それは…(彼女は、自身の膝に手を当てており)」

武内P「(…それは、私が寄りかかることを前提にしてるものですが)」

武内P「(その厚意を無碍に出来るはずもなく、体を預けました…)」スッ…

桃華「! …は、恥ずかしいですわね。でも、ご主人様なら…」ドキドキ

武内P「(彼女はそう呟いて、囁くように語り始めました…)」

桃華「…わたくし、幸せですわ…ご主人様といれば、昔のことを」

桃華「思い出しても辛くありませんの…本当に救われましたわ…」

武内P「(彼女の言葉を温もりの中で聞く内に、私は……)」ウトウト

桃華「ありがとう…―」

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/10(日) 02:45:51.06 ID:2/HMxus60
~~~~
~~

武内P「Zz…z…」

武内P「z…Zz…」

ヴーッ、ヴーヴーッ……

武内P「! え…ここは?」ガバッ

武内P「(机……自宅、ですね…)」

武内P「……なにか」ズキッ

武内P「(大切な夢を、見ていた気がします…)」

武内P「今日は……あっ(時間…準備しましょう)」ササッ

~事務所近辺~

武内P「…(まだ少し余裕はありますね)」スタスタ…

??「…? ……」キョロキョロ

武内P「? …!? (あ、あの少女…)」

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/07/10(日) 03:07:51.39 ID:2/HMxus60
武内P「っ! (…わ、私は、その人影を目にした途端)」ドクンドクン

武内P「(なぜか高鳴り続ける気持ちを抑えながら早足に)」

武内P「(その姿を確かめるため、奔走していました)」タッタッタッ

少女「…? …!!」クルッ

武内P「あっ…あの、す、すみません。少しよろしいですか…?」

少女「え、えぇと…わたくし、ですの? …ええ、いいですわよ。」

武内P「は、はい。では…私、こういう者ですが。」スッ

少女「3、346プロダクション、プロデュー…サー…?」

武内P「はい(…まだ出会って間もないはずの幼い少女が)」

武内P「(その身に纏う雰囲気に言い表せないものを感じ)」

武内P「(…私は、衝動的に言葉を紡いでいました)」

武内P「…あの、アイドルに興味はありませんか?」

少女「…アイドル(…シンデレラ……)」

武内P「貴女は今、夢中になれる何かを、心動かされる何かを」

武内P「持っているのだろうかと…気になったものですから。」

少女「……」

武内P「少しでも、貴女が夢中になれる何かを探しているのなら」

武内P「一度、踏み込んでみませんか? そこには、きっと…」

武内P「今までとは、別の世界が広がっています。」

少女「わ、わたくしをアイドルに……? そうですわね…」


桃華「ふふっ、また…頼りにさせてくれますか? …ご主人様っ。」ニコッ


~おわり~

引用元: 武内P「善いこと」千川「悪いこと」